団子鼻ヒアルロン酸は、メスを使わずに鼻先や鼻背の形を整え、自然な印象に変えられる負担の少ない治療です。
できるだけリスクが少ない方法で鼻のコンプレックスを解消したい方から、高い関心を寄せられています。
しかし施術を検討する際は、ヒアルロン酸による鼻整形が半永久的に持続しない点も理解しておかなければなりません。
自分に適した選択をするためにも、団子鼻ヒアルロン酸の施術方法や注入部位、持続期間、リスクを正しく理解しておきましょう。
団子鼻へのヒアルロン酸注入は本当に効果がある?

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団子鼻へのヒアルロン酸注入は、「切らない鼻のプチ整形」として注目されている施術です。
しかし、手軽だからこそ「本当に効果があるの?」と疑問視する方もいます。
ここでは、団子鼻へのヒアルロン酸注入でどのような効果が期待でき、どのようなメリットがあるかを詳しく見ていきましょう。
■ヒアルロン酸注入で期待できる鼻の形の変化
ヒアルロン酸を用いた鼻の整形は、主に鼻先の丸みを整えたり鼻筋を通したり、鼻柱の変形を矯正したりする目的で行われます。
「団子鼻の解消には向いていない」と言われることもありますが、注入部位や量を工夫して鼻の印象を変えることで、相対的に鼻先がすっきりと見えるケースも多くあります。
例えば、2024年に発表された論文では、ごく少量のヒアルロン酸を複数回に分けて注入することで、鼻先の形状改善や全体的なバランスの向上につながったとのこと。
6ヶ月間の追跡調査でも、良好な結果が得られたと報告されています。
さらに、非外科的であることから、メスによる切開や全身麻酔も不要。
軽微な変化を希望する方にとって、現実的な選択肢であると示唆されています。
■ヒアルロン酸注入が向いている人・向いていない人
ヒアルロン酸注入は、鼻筋を高くしたい方や、わし鼻を目立たなくしたい方、曲がった鼻を整えたい方に向いています。
一方、骨格的に大きく広がった鼻尖を整えたい場合や鼻全体の高さを出したい方、整形のように鼻そのものを小さくしたい場合には不向きです。
軽度〜中程度の変化を希望するケースに適しており、大きな変化を求める場合はヒアルロン酸だけでの改善は難しく、外科的な治療を検討する必要があります。
■治療のメリット
外科的治療と比較し、ヒアルロン酸注入には複数のメリットがあります。
初めての鼻整形に選ばれやすいのもそのためです。
ここでは、代表的な3つのメリットをご紹介しましょう。
費用が抑えられる
外科的な鼻の整形に比べ、ヒアルロン酸注入は治療費が比較的安価なのが特徴。
部位や注入量に応じた料金で受けられるため、経済的負担を抑えながら理想の鼻の形に近づけることができます。
また、ヒアルロン酸の性質上、効果の持続期間が限られているため「試しに施術を受けてみたい」という方にもぴったりです。
気に入った結果が得られた場合は定期的にメンテナンスを行うことで、その状態をキープすることが可能です。
麻酔リスクが低い
ヒアルロン酸注入は基本的に局所麻酔や麻酔クリームを使用して行うため、全身麻酔を必要とする手術と比べて、麻酔に関するリスクが大幅に低減されます。
全身麻酔による合併症や術後の吐き気、むかつきなどの副作用を心配する必要がなく、体への負担が少ないことが特徴です。
一方で、局所麻酔や笑気麻酔の使用により注射時の痛みは最小限に抑えられるため、痛みに敏感な方でも比較的施術を受けやすいメリットもあります。
ダウンタイムが短い
ヒアルロン酸注入による鼻整形は、ダウンタイムが短いのが特徴。
患部の腫れや赤みは通常数日〜1週間で落ち着き、内出血も軽くすむ場合が多いです。
切開や縫合を伴わないことから、外科的治療と比べて生活への影響が少なく、施術当日から仕事や日常生活に復帰可能なケースもあります。
短いダウンタイムで鼻の形を整えられる点は、忙しい方や手軽に印象を改善したい方にとって大きなメリットでしょう。
鼻ヒアルロン酸注入に潜むリスク・注意点

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団子鼻へのヒアルロン酸注入はメリットの多い治療ですが、一方でリスクや注意点もあるため、不安を感じるのは当然です。
仕上がりや安全性を左右するポイントを説明しましょう。
■鼻筋が太くなることがある
ヒアルロン酸を繰り返し注入したり、一度に大量に注入したりすると、鼻筋が横に広がって太く見え、いわゆる「アバター鼻」と呼ばれる不自然な印象を与える原因になることがあります。
ヒアルロン酸は注入された場所だけでなく、周囲の組織にも広がる性質があるため、このようなリスクを避けるには注入部位と適正量をきちんと見極めなければなりません。
定期的に施術を受ける場合は、前回の注入から十分に時間を空け、ヒアルロン酸の吸収状態を確認してから、次の施術を行うことが望ましいでしょう。
■しこりや異物感を生じる可能性がある
注入されたヒアルロン酸が均一に広がらず一ヶ所に固まってしまうと、しこりとして残ったり見た目に凹凸が生じたりすることがあります。
また、長期間経過したヒアルロン酸が完全に吸収されなかったときにも、異物感として残ることがあります。
とくにこのリスクが高まるのは、適切でないヒアルロン酸製剤を使用したケースや施術者の注入技術が不十分な場合です。
しこりはマッサージで改善することもありますが、症状が続く場合はヒアルロニダーゼによる分解処置が必要になることがあります。
■失明のリスクがある
非常に稀ですが、ヒアルロン酸注入における重大なリスクとして失明の可能性があります。
これは、血管内にヒアルロン酸が入り込み、目の周囲にある血管を詰まらせることが原因。
鼻の周辺には眼動脈につながる細い血管が多く存在するため、解剖学的知識が不十分な医師による施術では、失明のリスクが高まりやすくなります。
重大な合併症を避けるためには、十分な経験と知識を持つ医師のもとで施術を受けること、そして施術中に異常を感じたらすぐに相談することが重要です。
■思ったような効果が得られないことがある
ヒアルロン酸注入では、思ったような効果を得られないこともあります。
とくに団子鼻の改善を目指す場合は、鼻先だけでなく鼻全体のバランスを考慮した注入が求められますが、もとの鼻の形状や皮膚の厚みによっては、ヒアルロン酸だけでは限界がある場合も。
また、患者が思い描くイメージと医師の判断にズレがあると、満足のいく結果にならないこともあるでしょう。
施術前には、具体的な写真や画像を見せて「どこまで変化が期待できるのか」を医師にしっかりと確認し、現実的な目標を設定することをおすすめします。
■効果は持続しない
ヒアルロン酸は時間の経過とともに体内へ吸収されるため、その効果は一時的なものです。
個人差はありますが、鼻への注入の場合、通常6ヶ月~1年程度で効果が薄れていきます。
そのため、理想の形を維持するには、定期的なヒアルロン酸注入が必要です。
長期的に費用がかさむ点はデメリットといえます。
効果の持続期間と費用のバランスを考えながら、信頼できる医師とともに、自分に合った治療計画を立てることが大切です。
団子鼻へのヒアルロン酸注入で後悔しないためのポイント

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団子鼻に対してのヒアルロン酸注入で理想の鼻を目指すには、施術前の判断と医師への相談が不可欠です。
最後に、リスクを抑えつつ、満足度の高い結果を得るためのポイントをお伝えします。
■ヒアルロン酸を入れすぎない
「団子鼻がひどい」と感じている方の中には、つい劇的な変化を求めてヒアルロン酸を注入しすぎてしまうことがありますが、量を誤ればかえって鼻筋が太く見えたり不自然な仕上がりになったりすることがあります。
自然なラインを作るためには、少量ずつ注入し、形を確認しながら調整するのがポイント。
過剰な注入は、しこりや異物感のリスクも高めるため注意が必要です。
■外科治療も行っているクリニックで相談する
団子鼻へのヒアルロン酸注入は一時的な治療であり、持続期間には限りがあります。
施術を繰り返せば、リスクや副作用を引き起こす可能性だけでなく金銭的な負担も大きくなるため、長期的な視点で治療計画を考えましょう。
そのようなケースでは、ヒアルロン酸注入だけでなく、鼻尖形成術や鼻中隔延長術などの外科治療も行っているクリニックで相談することをおすすめします。
幅広い選択肢を提示してくれるクリニックなら、鼻の状態や希望に応じて、適した治療を見極めてくれるでしょう。
ヒアルロン酸注入だけでは希望どおりの変化が得られないケースもあるため、視野を広く持つことが後悔を防ぐポイントです。
■納得いくまでカウンセリングを受ける
仕上がりの満足度を高めるには、納得いくまでカウンセリングを受けることが何よりも大切。
自分の希望や不安をしっかりと医師に伝え、施術内容やリスク、期待できる効果について十分に理解した上で施術に臨みましょう。
技術はもちろんですが、自分が信頼できると感じる医師のもとで施術を受けることが、満足のいく結果につながります。
まとめ
団子鼻ヒアルロン酸注入は、手軽に鼻の印象を変えられる治療法です。
鼻筋を高くすることで相対的に鼻先の丸みを目立たなくし、すっきりとした印象を与えられます。
しかし、効果が一時的であることや、繰り返しの施術によって重大な合併症を引き起こすリスクなど、注意すべき点が存在するのも事実です。
後悔しないためには、選択肢を絞るのではなく、幅広い治療法を提案できるクリニックに相談することが大切。
信頼できる医師のもとで、自分にとっての適した治療法を見つけていきましょう。
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【施術の内容】ヒアルロン酸注射
【施術期間および回数の目安】約9~12ヶ月ごとに1回程度 ※状態によって異なります。
【費用】1本 ¥55,000~¥150,000程度 ※各クリニックによって異なります。本施術は自由診療(保険適用外)です。使用する本数には個人差があります。
【リスク・副作用等】赤み、内出血、腫れ、痛み、アレルギー反応、修正位置のずれなど
【未承認医薬品に関する注意事項について】
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・施術に用いる医薬品は、医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。詳細は厚生労働省の「個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報」をご確認ください。
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・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
【治療の内容】ヒアルロン酸溶解注射(ヒアルロニダーゼ)
【治療期間および回数の目安】1~5回程度
【費用相場】1回約¥10,000~¥30,000 ※各クリニックによって異なります。
【リスク・副作用等】赤み、かゆみ、アレルギーなど
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
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・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】鼻尖形成術
【治療期間および回数の目安】1回
【費用相場】¥300,000~¥600,000程度
【リスク・副作用等】腫れ、内出血、痛み、発熱など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと導入しています。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】鼻中隔延長
【治療期間および回数の目安】1回
【費用相場】1回¥550,000~¥1,000,000程度
【リスク・副作用等】腫れ、内出血、痛み、鼻中隔が曲がる、左右非対称、鼻先が硬くなるなど
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