団子鼻に悩む女性の多くは、「鼻先が丸い」「鼻が大きく見える」といった見た目の印象にコンプレックスを抱えているものです。
今回のメインテーマは、団子鼻の治療について。
特徴や原因を解説し、団子鼻に有効とされる美容医療でのアプローチ法をピックアップしていきます。
費用相場やリスク、セルフケアの注意点もふまえたうえで、自分に合う選択肢を見つける際のヒントにしてください。
INDEX
団子鼻とは?特徴と原因をチェック

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まずは、団子鼻の見た目の特徴や、医学的にどのような構造が原因となっているのかを整理していきましょう。
■団子鼻の特徴は鼻先が丸いこと
団子鼻とは、鼻先が丸く、横に広がって見える特徴を持つ鼻の形状のこと。団子っ鼻とも呼ばれます。
鼻尖(鼻の先端)が丸く膨らんで見えることから、顔全体が幼く、ややのっぺりとした印象になりやすいとされています。
鼻の形の種類の例は、鼻先が上向きになっているアップノーズや、鼻骨が突出してゆるやかなカーブを描く鷲鼻など。
これらとは異なり、全体に低く丸い印象の団子鼻はシャープさや立体感を求める方からのニーズが高い傾向にあり、修正を希望する人も多いようです。
■団子鼻がひどい……主な原因と解剖学的メカニズム
団子鼻の見た目には、皮膚・軟骨・脂肪などの体質や、遺伝的要因といった複数の要素が関係しています。
| 皮膚 | 厚みがあるため軟骨の形が表面に現れにくく、丸く膨らんで見える |
| 脂肪 | 皮下脂肪が多く膨らんで見える |
| 軟骨 | 鼻先の軟骨の外側への広がりから、横に大きく見える |
鼻先には、外側鼻軟骨と、左右に分かれるような形状の大鼻翼軟骨という軟骨があります。
団子鼻が丸く膨らんで見えるのは、大鼻翼軟骨を覆う皮膚と脂肪に厚みがあるためです。
また、大鼻翼軟骨が横に広がっていたり、中央部分が離れて左右に分かれていたりすると、団子鼻特有の横に広がったような形になります。
遺伝的要因については、国際的な美容外科の学術誌に掲載されたアジア人の鼻形成術についての論文でも指摘されています。
日本人に団子鼻が多く見られるのは、欧米人に比べて鼻翼軟骨が小さく、皮膚が厚いという民族的特徴が影響しているためです。
このように、団子鼻の原因には構造的・遺伝的な複数の要素が関わっています。
自分に合う治療法を考えるには、まず鼻の解剖学的構造を分析する必要があります。
団子鼻を治す方法は?解消に有効な美容医療のアプローチについて

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美容医療での治療法の選択肢は“切らない方法”または“切る方法”の2つです。
美容整形で団子鼻の改善を図る際に行われる切る方法の例は、鼻尖形成術や耳介軟骨移植など。
切らない方法としてはヒアルロン酸の注入治療が挙げられます。
選択のポイントとなるのは、希望する変化の度合いや許容できるダウンタイムの長さです。
切らない方法は施術にメスを使わないためダウンタイムが比較的短いものの、大きな変化は期待できません。
一方、切る方法は根本治療にあたるため大きな変化を求める方向けですが、ダウンタイムは比較的長めです。
また、団子鼻を治すには、見た目の補整だけでなく解剖学的な構造への理解も欠かせません。
論文「Management of the Bulbous Nose」(Plast Reconstr Surg. 2000)では、鼻先の形状の改善には解剖学的な分析に基づいた治療戦略が重要と述べられています。
このことから、単に見た目の印象だけでなく、皮膚の厚みや軟骨の広がり、脂肪組織の量などをふまえた治療法を選択するべきと言えるでしょう。
とくに、日本人に多いとされる団子鼻に対しては、切る方法が必要なケースも多くあります。
治療法の選択時は、自己判断ではなく美容外科や美容皮膚科などで医師に診断してもらうことが大切です。
切らない団子鼻治療│ヒアルロン酸注射
続いて、切らない団子鼻治療の例を解説していきます。
■ヒアルロン酸注射
ヒアルロン酸注射による団子鼻治療では、鼻筋に高さやシャープさを与えることで、団子鼻の印象の軽減を図ります。
施術は、鼻の形に沿ってヒアルロン酸を注入する内容です。
とくに、鼻根部や鼻筋にヒアルロン酸を注入すると、顔全体の立体感が高まって鼻先の丸さを目立ちにくくする視覚的効果を得られます。
| メリット |
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| デメリット |
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ヒアルロン酸注射はあくまで見た目の補正に留まるため、大きな変化を求める方には不向きでしょう。持続期間の目安は1~2年程度です。
ダウンタイムは短めですが、内出血や不自然な仕上がり、血管閉塞などのリスクもあります。
切る団子鼻治療│鼻尖形成術や耳介軟骨移植
根本的に団子鼻の改善を目指すには、構造そのものに働きかける外科的アプローチが必要です。
ここでは切る団子鼻治療の代表的な例を解説していきます。
■鼻尖形成術
鼻尖形成術は、鼻先を細くシャープに整える整形手術で、団子鼻治療の中では多く選ばれている手法の1つです。
施術では不要な脂肪を除去し、左右の鼻翼軟骨を縫い合わせて高さを出し、丸みや広がりを抑えて鼻先の形を整えます。
| メリット |
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| デメリット |
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鼻尖形成術は1~2mm程度の微調整も可能なため、自然な変化を求める方向けと言えます。
また、軟骨移植や鼻中隔延長術とあわせて行うこともでき、より理想に近い仕上がりを目指せるでしょう。
ただし、糸をかけて縫い合わせる施術内容の場合、後戻りの可能性もあります。
施術直後から、固定のためにギプスを装着します。その後少しずつ腫れや内出血が広がっていきますが、約1~2週間で落ち着いてくるでしょう。
■耳介軟骨移植
耳介軟骨移植は、耳の後ろから採取した軟骨を鼻先に移植して形を整える治療法です。
団子鼻の原因が「鼻尖の軟骨の発達不足」や「高さの欠如」である場合に、高さとシャープさを補う目的で用いられます。
| メリット |
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| デメリット |
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自身の耳から採取した軟骨(自家組織)を鼻に挿入するため、アレルギー反応のリスクは少ないとされています。
軟骨を採取する際の耳の切開についても、裏側にメスを入れることから傷が目立ちにくいでしょう。
術後は鼻にギプスを、耳には圧迫固定用のガーゼを装着する必要があります。
また、鼻中隔延長術や鼻プロテーゼなどの治療とあわせて行うことも可能です。
団子鼻治療の費用相場・リスク・ダウンタイムについて

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先ほど例に挙げた団子鼻治療について、費用相場やリスク・ダウンタイムを見ていきましょう。
| 治療名 | 費用相場 | リスク・ダウンタイム |
| ヒアルロン酸注射 | 約3〜10万円 |
|
| 鼻尖形成術 | 約30〜50万円 |
|
| 耳介軟骨移植 | 約20~30万円 |
|
治療法によって、費用相場やダウンタイムなどが異なります。長期的な目で見たときのコストもふまえて、無理のない選択をすることが大切です。
セルフケアで鼻を細くする方法について
最後に、美容医療でのアプローチ以外の方法として、セルフケアについても解説していきましょう。
まず、団子鼻を目立ちにくくする手軽な方法として、メイクの工夫があります。
シェーディングやハイライトで陰影を入れると、鼻筋の通ったシャープな顔立ちを演出できます。
ややのっぺりとした印象になりやすい団子鼻の方は、鼻周りの陰影の入れ方を工夫してみましょう。
団子鼻が気になるからと小鼻のマッサージを行う場合、“むくみを取ることで効果を狙うもの”である点を意識することが大切です。
マッサージで鼻の周りをすっきりさせることはできるかもしれませんが、明確に鼻の形を治すのは難しいでしょう。
やりすぎると鼻が変形するなど逆効果になる場合もあるため、リスク回避のために美容医療でのアプローチを考えるのも1つの方法です。
まとめ
団子鼻は、皮膚の厚さや軟骨の構造、脂肪組織などの複合的な要因、遺伝的要因などによって形成されます。
美容医療での治療の選択肢は、切る方法と切らない方法の2つ。
構造的な変化を求める方には、根本治療にあたる鼻尖形成術や耳介軟骨移植が向いているでしょう。
治療を検討する際は必ず専門の医師に相談し、自分に合う治療法を選択してください。
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【施術の内容】ヒアルロン酸注射
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【治療の内容】鼻尖形成術
【治療期間および回数の目安】1回
【費用相場】¥300,000~¥600,000程度
【リスク・副作用等】腫れ、内出血、痛み、発熱など
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・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】耳介軟骨移植術
【治療期間および回数の目安】1回
【費用相場】¥220,000~¥450,000程度
【リスク・副作用等】腫れ、内出血、血腫、感染、軟骨のずれなど
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
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・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと導入しています。
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・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。


