顔のたるみひどい……セルフケアと美容医療の境界線

顔のたるみひどい……セルフケアと美容医療の境界線

顔のたるみひどい……と鏡を見るたびに感じてしまう40代女性へ。

加齢や生活習慣がもたらす顔のたるみのメカニズムをはじめ、セルフケアの効果的な方法を解説します。

美容医療でプロの手を借りるタイミングや、顔のたるみ改善に効果的な施術や特徴、選び方もご紹介します。

自分自身の顔のたるみに合った対策で悪化を防ぎつつ、より良いケア・改善方法を見極めましょう。

顔のたるみがひどくなるメカニズム

青空 顔のたるみひどい……セルフケアと美容医療の境界線|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

出典:photoAC

顔のたるみがひどいと感じ始めたら、まずは原因を知ることから始めましょう。

見た目の変化は、肌だけでなく、筋肉や脂肪、骨格にも影響しています。

ここでは加齢による肌構造の変化と、日常生活がもたらす影響を解説します。

■加齢による肌構造・筋肉・脂肪の変化

顔のたるみは、皮膚の老化だけでなく、皮下組織や筋肉、脂肪、骨といった複数の要素が複雑に関わっています。

加齢とともに、真皮層のコラーゲンやエラスチンといったハリを保つ成分が減少し、皮膚の弾力が低下。

皮膚の土台となる表情筋も衰えることで、重力に逆らえず下方向へたるみやすくなります。

また、皮下脂肪は年齢とともに萎縮や下垂を起こし、フェイスラインのぼやけやマリオネットライン、ほうれい線の深まりなどを引き起こします。

このような加齢による変化は顔の立体構造すべてに影響を与え、単なる肌の衰えにとどまらない深刻な外見の変化をもたらしてしまうのです。

■生活習慣や環境による影響

加齢だけでなく、毎日の生活習慣や環境による要因も、たるみを加速させる原因の1つ。

代表的なのが紫外線で、中でもUV-A波は肌の深層にある真皮にまで届き、コラーゲンを破壊してしまいます。

また、ブルーライトや大気汚染物質などの外的刺激も、酸化ストレスを引き起こし、肌の老化に影響する可能性があります。

日常における姿勢や表情のクセも見逃せません。

例えば、猫背は首や顎下のたるみを強調し、無表情な時間が長いと表情筋が衰えてしまいます。

長時間のパソコン作業やスマホ画面を見続けるなど、日常的に猫背になりやすい場面がないか振り返ってみましょう。

また、睡眠不足は成長ホルモンの分泌を妨げ、慢性的な疲労感とたるみの悪循環を招くこともあります。

セルフケアで顔のたるみを改善できる?

スキンケアイメージ 顔のたるみひどい……セルフケアと美容医療の境界線|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

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「できることなら、自分で顔のたるみを改善したい」と多くの方が考えているはず。

顔のたるみがひどいと感じる前に、セルフケアでできる対策を正しく知っておくことが大切です。

■表情筋トレーニングやフェイスマッサージの効果と注意点

顔のたるみ対策として、表情筋トレーニングやフェイスマッサージがあります。

一定期間、継続して頬の筋肉を動かすことがたるみに良い影響を与えるとする研究報告もあります。

中でも鍛えるべきは、大頬骨筋(だいきょうこつきん)や小頬骨筋(しょうきょうこつきん)など、頬や口角をリフトアップさせる筋肉です。

なお、マッサージを行う際には、摩擦による肌ダメージを防ぐために、クリームやオイルを使用しましょう。

少しリッチなアイテムを選ぶと、マッサージタイムが楽しくなるかもしれません。

■スキンケアによる予防と改善

スキンケアによってたるみを完全に改善することは難しいものの、肌状態を整え、ハリを与えたりツヤをもたらしたりすることは期待できます。

中でも有効とされる成分として、レチノールやナイアシンアミド、ビタミンC誘導体などが挙げられます。

これらの成分はコラーゲンの産生をサポートし、ハリや弾力を取り戻す手助けとなるでしょう。

スキンケアアイテムを選ぶ際に、配合成分に注目してみてはいかがでしょうか。

なお、3つの成分を併用する際には、組み合わせと使用順がポイント。

朝のスキンケアではビタミンC誘導体→ナイアシンアミドの順で、夜のスキンケアではナイアシンアミド→レチノールの順で組み合わせてみましょう。

美容医療でできるたるみ治療を知りたい!

鏡を見る女性 顔のたるみひどい……セルフケアと美容医療の境界線|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

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セルフケアで限界を感じる場合、美容医療の選択肢を検討する方も多いはず。

ここでは顔のたるみで選ばれる主な治療法を「照射系」と「物理的アプローチ」に分けてご紹介します。

■HIFUやラジオ波などの照射系治療

照射系治療は、肌の深部に熱エネルギーを届けてコラーゲンを生成し、たるみを引き締めるアプローチです。

代表的なものにHIFU(ハイフ:高密度焦点式超音波治療)やRF(高周波)などがあります。

いずれもメスを使わない治療で、ダウンタイムが少ないのが特徴です。

HIFUは皮膚の深層(SMAS層)まで届き、リフトアップ効果が見込めます。

機器によって出力や照射の深さが異なるため、効果や刺激感に差がある点は留意しておきましょう。

施術後、数ヶ月経ってから効果のピークを迎え、個人差はありますが1年程度は効果が継続するといわれています。

一方、RFは肌表面から真皮層など浅い層を温めてハリや弾力をもたらします。

即効性があり、施術直後から肌の引き締めを実感できる方が多いでしょう。

効果の持続期間は数ヶ月、長くて半年ほどといわれています。

■糸リフトやフェイスリフトなどの物理的アプローチ

物理的アプローチには、糸リフト(スレッドリフト)やフェイスリフト(切開リフト)など、直接たるみを支える・引き上げる方法があります。

加齢により皮膚や脂肪が大きく下垂している方の場合、これらの選択肢がより選ばれやすくなります。

糸リフトは、皮下に医療用の糸を挿入し、たるんだ皮膚を引き上げる施術。

糸を挿入することで刺激を与え、刺激を治そうとする自然治癒力によって糸の周囲にコラーゲンが生成される仕組みのため、肌の引き締めにつながることが期待できます。

また、コグ(トゲ)の付いた糸を使い、内側から引き上げるリフトアップとコラーゲン生成を促すタイプも。

ダウンタイムは1週間程度で、効果の持続期間は使用する糸によっても左右されますが、1~3年が一般的です。

一方、フェイスリフトはメスを使って皮膚を切開し、筋膜などを引き上げる手術です。

中~重度のたるみに対して高い効果を見込め、持続性は約5~10年といわれています。

施術部位にもよりますが、ダウンタイムが長く、傷痕が目立たなくなるまで時間を要する傾向があります。

セルフケアと美容医療、どこが境界線?

「どこまでセルフケアで頑張るべきか」「美容医療に頼るタイミングは?」など、多くの方が感じるこの疑問。

顔のたるみがひどいと感じても、すぐに施術に踏み切るべきとは限りません。

ここでは、美容医療を検討すべき目安について解説します。

■顔のたるみはどのタイミングでケアを始めるべき?

たるみの進行に気づくきっかけは「マリオネットラインが目立つ」「フェイスラインにたるみが出てきている」など人それぞれです。

このような肌のサインが出たタイミングで、生活習慣やスキンケア方法の見直しを始めることが理想的です。

また、セルフケアによる改善に限界を感じたとき、メイクで隠しきれないたるみや、写真での違和感を覚えたときは、美容医療を選択肢に入れるタイミングといえるでしょう。

フェイスラインの分かりやすい指標として「四角い、ホームベースのような形」「ゴツゴツとしたひょうたん型」が挙げられます。

なお、深いほうれい線やマリオネットラインが目立つ顔のたるみの改善には、美容医療によって専門的な治療を検討するのがおすすめです。

まとめ

顔のたるみがひどいと感じる原因には、加齢による肌や筋肉の変化だけでなく、生活習慣や環境の影響もあります。

セルフケアでできること、美容医療でしか得られない効果、それぞれの役割を理解し、段階的に取り入れることが大切でしょう。

顔のたるみが気になったら、まずは生活の見直しと日常ケアを徹底し、そのうえで必要に応じて医療の力を借りることを検討しましょう。

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