埋没法10年以上の癒着どう考える?再手術を考えるタイミングとは

埋没法10年以上の癒着どう考える?再手術を考えるタイミングとは

埋没法10年以上が経つと、「ラインが薄くなった」「まぶたが重くなった」などの変化を感じる方も少なくありません。

施術から長年経過すると、ある程度二重のラインが定着しているケースだけでなく、逆に二重ラインが崩れてしまう事例もあります。

本記事では、埋没法10年以上経過したまぶたに起こりうる癒着の状態や、再手術を検討するタイミングについて専門的に解説します。

埋没法から10年以上経つと何が起こる?

埋没法から10年以上経過すると、組織の癒着により二重ラインがそのまま残る方もいれば、ラインが薄くなったり、違和感がでたりする方もいます。

ここでは、埋没法の仕組みと癒着が生じるメカニズム、さらに10年以上経過したまぶたでよく見られる代表的な変化について解説しましょう。

■埋没法の仕組みと「癒着」が起こるメカニズム

埋没法とは、まぶたの内側に医療用の細い糸を通し、まぶたの皮膚と瞼板(けんばん:まぶたの縁にある硬い組織)を留めて二重のラインを作る美容整形のことをいいます。

糸でまぶたを固定するため、皮膚を切らずに二重の形を形成でき、比較的短いダウンタイムが特徴です。

しかし、手術から年月が経過すると体の自然な修復反応として、糸が通っている周囲に繊維組織が形成され、まぶたの皮膚や筋肉が結合(癒着)する場合があります。

この「癒着」により糸が外れても二重ラインが残り、人によっては「埋没法によって癖がついた」と表現することもあります。

ただし、癒着の強さによっては、二重ラインのデザイン変更や再手術が難しくなる可能性もあるため注意が必要です。

■10年以上経過したまぶたの典型的な変化

埋没法を受けて10年以上経過した場合、個人差が大きいものの、いくつか共通した変化が見られます。

例えば、糸が緩む、まぶたの皮膚が加齢によってたるむといったことにより、二重ラインが崩れるケースが代表的です。

また、まぶたの脂肪量や皮膚の厚みの変化により、埋没時と異なるラインが現れる・ラインの幅が変わるといった事例もあります。

こうした変化は自然経過の一部であり、異常とは限りませんが、違和感や不調がある場合は医師に相談しましょう。

中には、埋没法後の癒着によって10~30年後も理想的なデザインをキープする方もいます。

■痛みや腫れが出るケースも

癒着そのものが痛みを引き起こすことはありませんが、糸が長期間皮膚の下で刺激を与えると、炎症や感染症、異物感などが起こる可能性があります。

そのまま放置すると皮膚が破れて糸が露出することもあるため、違和感に気付いた段階で美容外科やクリニックに相談しましょう。

また、二重幅が狭くなる、二重ラインの食い込みが浅い、二重ラインが消える瞬間がある、三重になるといった症状は、糸が切れる前兆の可能性があるため、クリニックを受診する目安です。

早めに診断を受けて、適切な対応を検討しましょう。

再手術はできる?癒着の有無で異なるアプローチ

カウンセリングを受ける女性 埋没法10年以上の癒着どう考える?再手術を考えるタイミングとは|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

出典:photoAC

ここからは、癒着の有無によって異なる再手術の考え方と、代表的な施術方法・費用の目安を整理します。

■癒着の有無で変わる再手術の難易度

再手術が可能かどうかは、「どの程度まぶたが癒着しているか」で判断されます。

軽度の癒着であれば、再度糸を通すことでラインを整える再埋没が可能なケースがほとんど。

一方で、強い癒着がある場合は、糸と皮膚組織を剥離する、切開する必要があるなど、まぶたに負担がかかるおそれがあるため、手術の難易度がアップします。

埋没法をしたのちに再度目元を整えたい場合は、再手術に対応したクリニックを選択し、カウンセリング時に癒着の有無や程度をしっかり確認してもらうことが大切です。

■再手術の方法とダウンタイム・費用の目安

再手術の選択肢には、主に再埋没法・部分切開法・全切開法があります。

再埋没法は糸を新たに通す方法で、癒着が軽度な場合に適しているとされる方法です。

ダウンタイムは数日から1週間ほどで、費用は10〜20万円前後が一般的。

部分切開法では、まぶたを部分的に切開して癒着や糸を取り除き、新しいラインを形成します。

全切開法は、まぶた全体を開いて癒着や脂肪を除去する方法で、ラインの再構築がしやすい手術です。

その反面、部分切開に比べてダウンタイムが長く、二重ラインが安定するまでに数ヶ月から半年ほどの回復に時間がかかるといわれています。

部分切開・全切開の費用は20〜50万円が目安です。

「どの施術が適しているか」は癒着の強さやまぶたの状態によって異なるため、複数のクリニックで診断を受け、方針を比較検討するようにしましょう。

また、クリニックによって費用の差があるため、しっかりと確認することが大切です。

癒着を悪化させないためのケアと注意点

鏡を見て悩む女性 埋没法10年以上の癒着どう考える?再手術を考えるタイミングとは|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

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埋没法10年以上経過しても、日常のケアやまぶたへの負担を意識することで、癒着の悪化やトラブルを防げます。

ここでは、埋没法で整えた二重ラインを長期的に安定させるためのケア方法と、再手術前に確認しておきたいポイントをご紹介しましょう。

■長期的に安定させるための生活・スキンケア習慣

埋没法によって整えた二重ラインを長くきれいに保つには、日常生活での刺激を減らすことが基本です。

アイラインを強く引く・クレンジングで強くこするなどの行為を避けましょう。

また、まぶたをマッサージする際は強い力を加えず、優しく圧をかける程度にとどめるのが安心です。

他にも、目を強くかいたり、こすったりする癖がある方も要注意。

まぶたへの刺激が続くと、糸が緩くなる、糸と組織との結合が弱くなるなど、二重のラインが崩れる原因になります。

保湿や紫外線対策は、皮膚の弾力を保てるため、長期的な二重ラインの安定につながります。

中には、急激な体重変動でまぶたの厚みや脂肪の量が変化することによって、二重のラインが崩れるケースも。

常に安定した体重を維持することも重要なポイントです。

■再手術を検討する前に確認したいチェックポイント

再手術を考える際は、まず現在のまぶたの状態を冷静に観察しましょう。

二重ラインがどの程度残っているのか、糸の露出や引きつれ、痛み・腫れなどの症状がないかを確認してみてください。

とくに、「埋没法による癒着が強い」「抜糸しても二重のまま」などのケースでは、まぶた内部で強い癒着が起きている可能性があります。

また、再手術を行うクリニックを選ぶ際には、過去の埋没履歴や術式を考慮した上で診断してもらえるかどうかが重要です。

自然癒着法や切開法など、施術方法ごとの違いをしっかりと説明してくれるクリニックを選びましょう。

複数の美容外科でカウンセリングを受けることで、自分のまぶたに適した再手術方法を見極めやすくなります。

埋没法が10年以上もつケースとは?

虫眼鏡を持って驚く女性 埋没法10年以上の癒着どう考える?再手術を考えるタイミングとは|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

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埋没法による二重のラインが長く持続できている人の特徴と、10年以上維持されているケースをどのように捉えるべきかを見ていきましょう。

■持続している人の特徴と要因

埋没法が10年以上持続する背景には、まぶたの構造的な特徴があります。

皮膚が薄く脂肪が少ない人は、糸による固定が安定しやすく、ラインが長く保たれる傾向です。

また、蒙古襞があまり発達していない方も糸が取れにくいとされています。

これは、蒙古襞が発達している場合、腫れぼったい目元である方が多く、二重のラインを無理やり作ることになるためです。

さらに、まぶたの組織が自然に癒着することでラインが定着するケースも。

この場合、「糸の力」ではなく「癒着による固定」が維持に関与しているといえます。

ただし、癒着が強すぎると再手術が難しくなる可能性があります。

■10年以上持続している症例の見方

癒着して二重ラインが保たれている場合、それはある意味でまぶたの組織が安定している証拠です。

しかし、糸が埋もれたまま経過しているため、将来的に抜糸が難しくなるリスクがあります。

「二重が安定している=問題がない」とは限らず、加齢によるまぶたのたるみやラインのズレが起こりうる可能性があるという点も視野に入れておきましょう。

もしラインを変えたい、または糸を抜きたいと感じたら、早めに美容外科での相談を検討してください。

術後、長年経過した症例では、糸の位置が組織に埋もれている、糸の色が抜けて見つけにくいといったケースもあり、医師の経験が重要になります。

定期的なチェックを行うことで、将来的なトラブルを防げるでしょう。

まとめ

埋没法10年以上経過したまぶたでは、糸と皮膚が自然に癒着し、ラインが長く保たれることがあります。

これは生体の自然な反応であり、必ずしも悪いものではありません。

ただし、癒着の程度によってはライン変更や再手術が難しくなることがあるため、違和感や見た目の変化に気づいた場合は医師への相談が大切です。

再手術を検討する際は、癒着の有無やまぶたの厚みを正確に診断してもらえるクリニックを選び、複数の意見を参考にしましょう。

長期的に安定させるには、まぶたへの刺激を避けた日常的なケアを続けることも大切です。

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【治療の内容】埋没二重法
【治療期間および回数の目安】通常1回 ※持続期間には個人差があり一般的には3~5年程度です。
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【治療の内容】二重切開法
【治療期間および回数の目安】通常1回 ※治療期間や回復期間は個人差があります。
【費用相場】
・全切開法:1回 約 ¥200,000~ ¥350,000
・部分切開法:1回 約 ¥200,000~ ¥280,000
【リスク・副作用等】腫れ、内出血、むくみ、痛み、瞼のツッパリ感、違和感、左右差、希望と異なる二重幅など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
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