鼻中隔延長とは?鼻を高くする美容整形のリスクと効果を全解説

鼻中隔延長とは?鼻を高くする美容整形のリスクと効果を全解説

鼻中隔延長(びちゅうかくえんちょう)は、鼻にコンプレックスがある方の悩みに寄り添う美容整形術です。メイクでは改善できない鼻の高さや形は大きな悩みであり、中には、美容整形で理想の鼻を手に入れたいとお考えの方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、鼻の形を整えたり、高さや角度を調整したりできる鼻中隔延長について徹底解説。気になるダウンタイムや、向かない人の特徴などもお伝えします。

1.鼻中隔延長術とは?特徴やメリット

出典:photoAC

まずは、鼻中隔延長がどんな美容整形術なのか、特徴や効果を見ていきましょう。

■鼻中隔延長術の特徴

鼻中隔延長とは、鼻の左右を隔てている軟骨「鼻中隔」に、別の部位から採取した軟骨を継ぎ足す手術です。この手術では、鼻を下向きや前方に整えることができ、いわゆる“豚鼻”や“アップノーズ”と呼ばれる上向きの鼻先を、一般的な角度に治す際にも用いられます。変化させられるデザインの幅が広く、高さ・向きの両方から、希望に合わせて対応できることも特徴です。

■鼻中隔延長術のメリット

鼻中隔延長は、自分から採取した軟骨を使用するため、プロテーゼのような人工物を使用しません。そのため自然な仕上がりが期待でき、触れたときの異物感も少ないでしょう。また、美容整形のため、効果が長期的に続くこともメリットといえます。

■鼻中隔延長術での解決に向いているお悩みは?

鼻中隔延長は、次のようなお悩みがある方に向いています。

  • 鼻先が上を向いている
  • 鼻が短く間延びして見える
  • 鼻の穴が正面から見えやすく目立つ
  • 鼻先を高くシャープにしたい

2.鼻中隔延長術の施術方法は?ダウンタイムもチェック

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鼻中隔延長には、主に2つのアプローチ方法があります。ここからは、それぞれのメリット・デメリットや、使用する軟骨について解説。あわせて、ダウンタイムも理解しておきましょう。

■切開方法は2種類

鼻中隔延長術は、鼻翼軟骨を左右に剥がし、露呈した鼻中隔軟骨に移植する軟骨を継ぎ足します。このとき、切開するために「オープン法」または「クローズ法」でアプローチします。それぞれの特徴を以下にまとめました。

オープン法 クローズ法
施術方法 鼻腔内や、鼻柱(鼻の穴を隔てる部分)を切開 鼻孔(鼻の穴)の内側だけ切開
メリット 広範囲を確認でき細かい調整が可能 外見上の傷ができない
デメリット 鼻柱に傷ができる 細かい調整がしにくく、正確性やデザイン性に劣る可能性がある

鼻中隔延長は繊細な手術になるため、向きや長さを調整しやすいオープン法を採用するクリニックも多くあります。クローズ法のほうが、全体が見えにくいため難易度が高いとされていますが、鼻の形状や希望するデザインによってはクローズ法で施術することも可能です。どちらの術式を採用するかは医師の見解や方針によって異なるため、事前に相談を重ねておきましょう。

■軟骨採取は3パターン

軟骨の採取部位は、以下の3つが代表的です。鼻の状態や、術後の変化の大きさに応じて選ばれます。それぞれの違いを見ていきましょう。

耳介軟骨

耳の裏側を切開して採取します。耳介軟骨はしなやかさがあり、割れにくく細工がしやすいことが特徴です。また、片耳・両耳で量を調整することも可能。採取時の傷も目立ちにくく、患者への負担も抑えられます。

鼻中隔軟骨

鼻中隔の軟骨を部分的に使用します。耳介軟骨と比較して強度があり、なおかつ自然な形にしやすい厚みが特徴。一方で、もともと小さいため採取できる量が限られており、必要な長さを確保しづらいことがデメリットです。また、鼻中隔が一部欠損するため、術後の強度が脆弱になる可能性もあります。

肋軟骨

肋軟骨は、バストの下の付け根辺りから採取。多くの量を確保でき、強度が高いことが特徴です。しかし、変形しやすい、厚みが出やすいなどの弱点もあり、耳介軟骨や鼻中隔軟骨を採取できない場合に選ばれるケースが多いでしょう。傷痕は胸で隠れるため目立ちにくいとされていますが、瘢痕が残る可能性もあります。

■鼻中隔延長術のダウンタイムと過ごし方

鼻中隔延長のダウンタイムは、およそ1週間とされています。その間、日中も鼻先のギプス固定を要するため、仕事や大切な予定がある場合は注意が必要です。入浴や激しい運動、飲酒なども回復を遅くする原因になるため、安静に過ごすようにしましょう。

また、2~4週間は、就寝時に変形防止のためのギプスを装着しなければなりません。術後は、移植した骨が安定するまで、1ヶ月程度は鼻を押さえるマッサージやうつぶせ寝、長時間のメガネを避けましょう。

術後は、抜糸や経過観察のための通院も必要です。オープン法でできた傷痕については、徐々に治癒していき、3ヶ月~半年でほとんど目立たなくなるといわれています。

■鼻中隔延長術のリスク・副作用

鼻中隔延長術は、体への侵襲を伴う手術です。主な副作用やリスクには以下のようなものがあります。

<リスク・副作用>
熱感・だるさ・頭痛・かゆみ・むくみ・発熱・冷や汗・咳・胸痛・鼻尖の違和感・鼻の穴のひきつれ・鼻閉感(鼻がとおりにくい)など

ネットでは鼻中隔延長術をするとパートナーとのキスができないとささやかれていますが、これは副作用やリスクに起因するものと考えられます。とくに、術後1週間は変形や感染症にかかるリスクが高まるため、むやみな接触は避けましょう。

3.鼻中隔延長術はしないほうがいい?デメリットや向かない人は?

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鼻中隔延長にも、デメリットや向かない人が存在します。最後に、気を付けるべきポイントをご紹介します。

■鼻中隔延長術のデメリット

鼻中隔延長術は、5年後、10年後と時間が経過するにつれ、移植した軟骨や、土台の鼻中隔軟骨が曲がる可能性があります。また、移植する軟骨の厚みによっては鼻中隔が太くなり、術前に比べて鼻の穴が狭まり、空気のとおりを悪くしてしまうケースも。
さらに、鼻先が硬くなるため、指で押し上げても豚鼻のような形にすることができません。普通に過ごすだけなら見た目にはほとんど分からないものの、触ったときの変化があることにも理解が必要です。
そのほか、鼻孔の左右差や移植した軟骨が浮き出るといったリスクも。必ずこのような症状が出るとは限りませんが、鼻中隔延長術を受ける際には、可能性がゼロでないことを知っておきましょう。これらのデメリットやリスクを回避するポイントについては、次で解説します。

■鼻中隔延長術が向かない人

重度のだんご鼻や低すぎる鼻など、形状によっては鼻中隔延長術のみでは理想の鼻に近づけられない可能性も。鼻の整形は何度もできるものではないため、1度の手術で鼻中隔延長術・鼻プロテーゼ・鼻骨骨切りなど、複数のアプローチを行うケースは少なくありません。

理想の仕上がりを得るためには、医師の見極め力や、デザイン力が関わってきます。上述したリスクやデメリットを極力避け、後悔しないためにも、鼻中隔延長術の知識と経験が豊富な、信頼できる医師に執刀してもらうことが重要です。

万が一トラブルが起きたときの対処法も含め、カウンセリングやシミュレーションはしっかりと回数を重ね、親身に寄り添ってくれる医師を選ぶようにしましょう。

まとめ

鼻中隔延長術は、自分自身の軟骨を用いて、鼻先の高さや向きを自然に整える美容整形です。アップノーズや短い鼻に悩む方にとって、大きな変化を期待できる選択肢となります。ただし、効果が見込める分、リスクや術後のケアも重要。ダウンタイムや、将来的な変化まで理解した上で、信頼できる医師を選ぶことが成功の鍵といえるでしょう。美しい鼻を目指したい方は、まずは医師探しから始めてみるのも良いかもしれませんね。

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・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。
・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。

【治療の内容】鼻中隔延長
【治療期間および回数の目安】1回
【費用相場】1回¥550,000~¥1,000,000程度
【リスク・副作用等】腫れ、内出血、痛み、鼻中隔が曲がる、左右非対称、鼻先が硬くなるなど
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと導入しています。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。