
鼻中隔延長のダウンタイムについて解説します。鼻中隔延長をはじめとする切開を伴う美容整形は、ダウンタイムが気になるという方も多いのではないでしょうか。
鼻中隔延長のダウンタイム中は腫れや痛み、内出血などの症状があらわれることがありますが、誤った過ごし方やケアは症状を悪化させたり、ダウンタイムの期間を長引かせたりしてしまう可能性があります。
そこで今回は、鼻中隔延長のダウンタイムにおける症状やダウンタイム中の過ごし方について詳しく解説します。鼻中隔延長を検討されている方は、ぜひお役立てください。
1.鼻中隔延長術とは?

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鼻中隔延長とは、鼻の中の空間を左右に仕切る骨である鼻中隔に耳などから採取した軟骨を移植し、鼻中隔を延ばす手術です。
鼻先が上を向き正面から鼻の穴が見える、いわゆるブタ鼻が気になる方や、鼻先を高くしたい方、短い鼻を延ばしたい方に向いており、美容外科や美容形成外科などのクリニックで受けられます。
なお、鼻中隔延長には、切開せずに医療用の糸の挿入やヒアルロン酸注入により鼻の形を整えるものもありますが、今回の記事では切開して行う鼻中隔延長について解説します。
切開を伴う鼻中隔延長で考えられるリスクや副作用は以下のとおりです。
腫れ、内出血、かゆみ、熱感、頭痛、鼻の穴のひきつれ、鼻がとおりにくい、鼻の違和感、感染 など
2.鼻中隔延長のダウンタイムの期間と経過

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ここからは、鼻中隔延長で見られる腫れや痛みなどのダウンタイムの症状について、期間別に解説します。ただし、ダウンタイムの症状や経過は個人差が大きいため、あくまで参考程度に考えましょう。
■施術当日~1週間
施術当日は、鼻と軟骨の採取部をギプスで固定します。施術直後から出血や強い腫れが見られることがあります。麻酔が切れるにしたがって、切開部位の痛みも感じるようになるでしょう。
また、麻酔の影響でめまいやふらつきといった症状があらわれる可能性があるため、自動車や自転車などの運転は控えるよう説明するクリニックが多い傾向にあります。
施術後2~7日目は、とくに腫れや内出血などの症状が目立ちやすい時期です。痛みや熱感がある場合は、必要に応じて痛み止めの服用も検討すると良いでしょう。傷口から感染症が起こりやすい時期でもあるため、異常を感じたら早急にクリニックを受診することが大切です。
■術後1週間~1ヶ月
術後1週間ほど経つと、ギプスを外し抜糸する場合がほとんどです。ギプスを除去し抜糸をした後はメイクが可能になりますが、傷の状態やクリニックによって指導が異なる場合があるので、必ず医師の指示に従うようにしましょう。
術後1~2週間ほどで腫れや内出血は落ち着き、鼻の形が徐々に安定してきます。また、この時期は鼻の粘膜が腫れることによって鼻詰まりを感じることがあります。しかし、強く鼻をかむと鼻に負担がかかってしまうため、鼻をかむ際はティッシュや清潔なタオルなどで拭き取るに留めましょう。
軟骨を採取した耳の傷は、3週間ほどかけて徐々に目立ちにくくなります。
■術後1ヶ月~
鼻の形が安定するには3~4週間ほどかかるといわれていますが、術後1ヶ月経ってもまだ不安定な場合もあります。鼻に負担を与えないよう、鼻への物理的な刺激をなるべく避けながら生活することを心がけましょう。とくに運動を再開する場合は注意が必要です。
また、個人差はありますが、切開した部分の傷痕が目立ちにくくなるには3~6ヶ月程度の期間が必要です。
3.鼻中隔延長のダウンタイム中の過ごし方

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ダウンタイムの症状をなるべく軽く抑え、期間を長引かせないためには、ダウンタイム中の過ごし方に気をつける必要があります。ここでは鼻中隔延長のダウンタイムの過ごし方について解説します。
■安静に過ごす
鼻中隔延長のダウンタイム中は内出血や腫れなどの症状があらわれるとともに、鼻の形が不安定な状態です。なるべく鼻への刺激を避け、安静に過ごしましょう。運動は血行を促進させ、傷口の内出血や腫れを悪化させる可能性があります。
アルコールも内出血を悪化させたり傷口の炎症を引き起こしたりする可能性があるため、術後1ヶ月までは控えると安心です。
洗顔やシャワー・入浴については、当日より可能とする場合や術後数日~1週間までは不可とする場合など、クリニックによって指導が大きく異なるため、医師の判断に従うことが大切です。
シャワーや入浴には血行を促進させる効果があるため、熱すぎるお湯や長時間の入浴は腫れや内出血、痛みなどの副作用を助長させてしまう恐れがあります。入浴の許可が出た場合でも、温度はなるべくぬるめに設定し、短時間で済ませましょう。
洗顔や入浴が禁止の期間に備え、ドライシャンプーや拭き取り洗顔シートをあらかじめ用意しておくのもおすすめです。
■術後に仕事復帰する際はマスクやメイクでカバー
術後は腫れや内出血などの症状があらわれますが、マスクを着用することで仕事復帰することは可能です。ただし極力肉体労働は避け、できるだけ安静に過ごすよう心がけましょう。
鼻中隔延長のダウンタイム中は、頬や目の周辺にまで内出血が及ぶこともあるため、大きめのマスクや深めの帽子などを準備しておくと安心です。大きめのマスクならダウンタイムの症状だけでなくギプスも隠せます。
また、耳から軟骨を採取した際は、耳への負担にも配慮することが大切です。マスクは耳に負担がかかりやすいため、マスクバンドなどのアイテムがあると良いでしょう。
抜糸が終わった後であれば、メイクで傷痕や内出血を隠すこともできます。赤くなった傷口を隠す際は、青や緑のコントロールカラーや、カバー力の高いコンシーラーなどを使用すると効果的。
メイクの再開時期については主治医によく確認し、強くこするなどの刺激には注意しましょう。
マスクやメイクをしても腫れや内出血が目立つ場合は、思い切って仕事を休むのも1つの手です。
■食事は薄味・やわらかいものを心がける
塩分が濃い食事や香辛料が入った食事は、術後のむくみを悪化させる恐れがあります。症状が悪化することでダウンタイムが長引いてしまうことも考えられます。
また、硬いものは咀嚼回数が増えるため、鼻に負担がかかってしまうことも。なるべくマイルドな味つけのやわらかい食事を心がけましょう。
4.ダウンタイム中に注意したいポイント

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ダウンタイム中の過ごし方について、さらに気をつけたいポイントを2つ紹介します。
■鼻への物理的な刺激に気をつける
術後1ヶ月ほどは鼻の形が安定していないため、鼻への刺激をなるべく避けて過ごすことが大切です。痛みや腫れなどが気になるからといってむやみに触るのはNG。痛みがひどい場合は鎮痛剤などの薬を処方してもらえる場合があるため、医師に相談すると良いでしょう。
メイクや洗顔、クレンジングの際も鼻をごしごしと刺激せず、やさしいタッチを心がけることが大切です。メガネの着用も鼻や耳に負担を与えてしまうため、術後1~3週間程度は使用を控えましょう。
また、うつ伏せや横向き寝は鼻に力が加わりやすくなります。なるべくあおむけ寝を心がけ、クッションやネックピローなどを使用して頭が高くなるようにするのがおすすめです。
頭を心臓より高い位置にすることで鼻に血液が集まりにくくなり、腫れやむくみなどの症状を抑えることにもつながります。
■感染リスクに気をつける
鼻中隔延長のダウンタイム中は、切開部分から菌が入り込み繁殖することで感染や化膿を引き起こる可能性があります。とくに抜糸前は糸が感染源となり化膿しやすいので注意が必要です。感染リスクを下げるためには、傷口を清潔に保つことが重要。
手洗いを徹底し、ケアする際は清潔な綿棒などを用いましょう。強い痛みや腫れ、過度な熱感が生じた場合は感染が起こっている可能性があるため、速やかにクリニックを受診することが大切です。
まとめ
ブタ鼻や低い鼻の改善に有効な鼻中隔延長には、術後に腫れや内出血などのダウンタイムが伴います。マスクやメイクなどでカバーすることで術後すぐに仕事復帰することも可能ですが、ダウンタイムを長引かせないために鼻への刺激や感染対策に配慮することを心がけましょう。
また、ダウンタイムの症状や期間については個人差が大きいため、きちんと医師の指示に従うことが重要です。気になる症状があれば、自己判断せずなるべく早めにクリニックを受診するようにしましょう。
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【治療の内容】鼻中隔延長
【治療期間および回数の目安】1回
【費用相場】1回¥550,000~¥1,000,000程度
【リスク・副作用等】腫れ、内出血、痛み、鼻中隔が曲がる、左右非対称、鼻先が硬くなるなど
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと導入しています。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。