平行二重を埋没法で作りたいと考える人に向けた情報をお届けします。
埋没法は手軽かつ短時間で理想の目元を手に入れられる方法として一定のニーズがありますが、まぶたの構造や蒙古ひだの有無によって仕上がりに差が出るもの。
埋没法だけで平行二重を作れるケースや、他の施術を組み合わせないと難しいケースもあるのです。
平行二重を埋没法で実現できるかどうか、自分に合う選択肢を探る参考にしてください。
INDEX
平行二重とは?末広二重との違い

出典:photoAC
二重の種類の中でも代表的とされる、平行二重と末広二重。
どっちがいいか判断するのは難しく、それぞれ異なる特徴を持っています。
まずは二重の種類について解説し、2つの違いをチェックしていきましょう。
■平行二重の特徴と印象
平行二重は目頭から目尻までの二重幅がほぼ一定で、二重ラインは目の形に沿っています。
目が大きく見える効果があり、美容整形では人気の高いデザインの1つ。
二重幅が狭いとクールで大人っぽい印象に、広いと優雅な印象になります。
平行二重には、自然になじむ彫りの深い顔立ちやきれいなラインを作りやすいまぶたの状態など、似合う条件がいくつかあります。
例えば、まぶたに厚みのある人が幅の広い平行二重を作ると、ラインが隠れやすくなるでしょう。
このように、選ぶデザインによっては思ったような仕上がりにならないケースも存在します。
■末広二重を平行二重と比較
末広二重は、目頭から目尻部分にかけて二重幅が広がっていきます。
目頭側の二重ラインは蒙古ひだ(皮膚の被さり)の内側に入り込んでおり、日本人に多い二重の種類とされています。
目が丸く見えるため可愛らしい印象を与えやすい、日本人の骨格になじみやすいことから自然に見える、などが末広二重の特徴です。
平行二重と末広二重の違いを比較してみましょう。
| 平行二重 | ・二重幅は目頭から目尻までほぼ一定 ・目が大きく見える効果がある ・二重幅の違いによって印象が変わる ・顔立ちやまぶたの状態によっては不自然に仕上がることも |
| 末広二重 | ・二重幅は目頭から目尻にかけて広がっていく ・目が丸く見える ・日本人に多い二重の種類で、顔立ちになじみやすい |
二重幅やラインの広がり方、与える印象などが主な違いです。
どちらの二重が似合うかは、厚みや蒙古ひだの発達具合といったまぶたの状態に左右されます。
平行二重を埋没法で作ることは可能?
「平行二重を埋没法で作りたい」と考える人が知りたいのは“切らない施術で理想の二重になれるかどうか”という点でしょう。
ここでは埋没法(二重埋没法)の基本から、平行二重を作るための条件、実現が難しいケースを解説していきます。
■二重埋没法の基本をチェック
埋没法は切らない二重整形のことで、医療用の糸をまぶたの内側に縫い留めて二重を作ります。
まぶたの動きに沿う二重ラインを作ることで自然に仕上がり、糸を外せば元に戻したり、デザインを修正したりすることも可能です。
| メリット | ・切らない施術のためダウンタイムが比較的短く、症状も抑えられる ・切開法と比べて施術時間が短め ・施術の傷痕が目立ちにくい |
| デメリット | ・糸が緩んだり取れたりすると元に戻る ・持続期間に個人差がある ・まぶたの状態によっては不向きなことも |
埋没法は、糸を留める箇所や留め方によって複数の種類に分かれます。
瞼板(けんばん)に糸を留める“瞼板法”は、糸が取れにくく長持ちしやすいのが特徴。
一方、眼瞼挙筋(がんけんきょきん)に糸を留める“挙筋法”は、自然な食い込みを作りやすい方法です。
糸の留め方の種類は、点留めやスクエア法、線留め、裏留めなど多数あり、糸の通し方や留める位置が異なります。
■埋没法で平行二重を作るために必要な条件
埋没法で平行二重を作るには、いくつかの条件があります。
- 蒙古ひだがない(ほとんど発達していない)
- まぶたが薄い
- ぶたの脂肪が少ない
蒙古ひだの発達具合は、埋没法で実現できる二重ラインに制限を生む要素です。
張りが弱い、またはほとんどないほうが埋没法で平行二重を作りやすいとされています。
その他、まぶたの薄さや脂肪量も影響します。
逆にこれらの条件をすべてクリアする状態であれば、平行二重をはじめどんな二重も埋没法で実現しやすいでしょう。
■埋没法で平行二重になりにくいケースについて
続いて、埋没法だけで平行二重を作るのは難しいとされるケースを見ていきましょう。
- 蒙古ひだが強く張っている
- まぶたが厚い
- まぶたの脂肪量が多い
蒙古ひだの張りが強いと、目頭の皮膚が二重ラインを覆って、全体を引っ張るようになってしまいます。
そのため末広二重の形になりやすく、平行二重の“目頭から目尻にかけてほぼ一定の二重幅”を作りにくいのです。
また、まぶたに厚みがあったり脂肪量が多かったりすると、二重ラインが埋もれる原因に。
これらは平行二重を埋没法で作りにくい要素となるため、他の施術と組み合わせる選択肢に目を向けると良いでしょう。
そもそも日本人の二重まぶたの割合は、全体の約3割とされています。
さらに、アジア人特有のまぶた構造に関する論文(参考:Asian Blepharoplasty (Double Eyelid Procedure)Michael T Yen, MD 2025)にも、「まぶたは厚みがあり、皮下脂肪や眼窩(がんか)脂肪などが発達している人が多い」とあります。
このような背景も踏まえつつ、まぶたの状態によっては埋没法では平行二重を作りにくいケースがあることを把握しておきましょう。
埋没法だけで平行二重を作るのが難しい場合の選択肢

出典:photoAC
まぶたの状態から「平行二重を埋没法だけで作るのは難しい」となった場合の選択肢として、目頭切開や部分切開法との組み合わせをチェックしていきましょう。
■目頭切開と組み合わせる方法
目頭切開とは、蒙古ひだを取り除いて涙丘(るいきゅう)や白目部分を露出させ、横方向に目を大きく見せる施術のこと。
目元に抜け感をプラスしたり、目を近づけて見せたりする効果も期待できます。
蒙古ひだが強く張っている場合、埋没法と目頭切開を組み合わせることで平行二重を作りやすくなるでしょう。
目頭切開の術式は、Z型に切開して皮膚弁を入れ替える“Z法”と、W型に切開して余分な皮膚を切除する“W法”の2種類。
ダウンタイムや効果の出方がそれぞれ異なります。
目頭切開は以下の項目に当てはまると不向きとされるため、蒙古ひだの発達具合と合わせて確認しておきましょう。
- 涙丘がある程度露出している
- 左右の目の距離が近い
涙丘が露出しすぎると、赤みが目立って不自然な仕上がりに。
また、左右の目の距離がもともと近いと、切開することで寄り目に見えてしまいます。
埋没法と目頭切開を組み合わせる際は、目頭切開自体が向いているかどうかも検討しましょう。
■部分切開法と組み合わせる方法
部分切開法は、希望する二重ラインの一部を数mm程度切開する施術のこと。
全切開法ほどの二重ラインの固定力はないものの、埋没法のみと比べて取れにくい二重を作れるでしょう。
ただし、全切開法よりもメスを入れる範囲が狭い部分切開法は、まぶたに厚みやたるみがあると希望通りの二重ラインを作れないことも。
まぶたの状態によっては、埋没法と部分切開法を組み合わせるよりも、全切開法で平行二重を作る方法が適しているケースもあります。
個々に合わせた判断が大切なので、医師に相談したうえで検討すると良いでしょう。
埋没法で平行二重にした場合の経過と注意点

出典:photoAC
ここでは、埋没法の術後経過や持続期間を見ていきます。
■ダウンタイム・腫れの経過
埋没法のダウンタイムは約2~4週間が目安です。
ダウンタイム中に現れる症状は、腫れや内出血、ゴロゴロとした違和感など。
施術直後からダウンタイム終了までの経過を追ってみましょう。
| 施術直後 | 腫れや内出血が少し見られる |
| ~2日 | 腫れのピーク。赤みも施術直後より強く現れる |
| ~1週間 | 症状が落ち着いてくる。赤みや違和感が多少残ることも |
| 2週間以降 | 症状が完全に落ち着き、二重ラインが安定する |
ダウンタイム中の症状は、施術から2~3日後がピークとされています。
その後少しずつ落ち着き、ほとんどの方は2~4週間程度で終わるでしょう。
ダウンタイム期間は、なるべく安静に過ごすことが大切です。
入浴や運動、飲酒などの血行を促す行為を避け、むくみ防止のために頭を高くして過ごしてください。
■持続期間と戻りやすさ
埋没法の持続期間は個人差があり、1年程度で糸が取れてしまうケース、10年以上持続するケースとさまざまです。
目安は約3~5年とされていますが、以下の項目に当てはまると持続期間が短くなりやすいでしょう。
- もとのまぶたに厚みがある
- 二重幅を強引に広げた
- 目をこする癖がある
- 施術後、急激に太った
埋没法の持続期間に影響するのは、もとのまぶたの状態や選んだデザイン、生活習慣など。
一般的に二重は幅が広いほど戻りやすく、幅の広い平行二重を選んだ場合、まぶたの状態によっては埋没法の糸に負担がかかって取れやすくなる可能性があります。
理想のデザインに近づけることはもちろん、まぶたの形状に合った二重幅を考慮しましょう。
その他、医師の技術力や術後の過ごし方も持続期間に影響します。
平行二重の埋没法を検討する前に知っておきたいこと
平行二重を埋没法で作ることを検討する際は、カウンセリングで医師とイメージのすり合わせをしっかりと行いましょう。
希望する二重のデザインをはじめ、過去の施術歴やアイテープの使用状況などを医師に伝え、仕上がりをシミュレーションしていきます。
依頼先選びでは、医師の実績やクリニックの口コミ、症例写真などの確認を忘れずに行ってください。
とくに、自分の目元に近い症例写真があればイメージがわきやすくなります。
複数のクリニックを比較検討し、理想の平行二重の実現を目指しましょう。
まとめ
平行二重は埋没法で作れますが、まぶたの状態によっては目頭切開や部分切開法との組み合わせが必要な場合もあります。
向く・向かない人の違いを把握し、希望を叶えつつ自然に見える平行二重を作ることが大切です。
施術を検討する際は依頼先選びにも目を向けましょう。
まぶたの状態を正確に捉え、適した施術やデザインを提案してくれる医師に依頼すると、満足のいく仕上がりに近づけるでしょう。
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【治療の内容】埋没二重法
【治療期間および回数の目安】通常1回 ※持続期間には個人差があり一般的には3~5年程度です。
【費用相場】
・2点留め:1回 約 ¥30,000~¥130,000
・3点留め:1回 約 ¥50,000~¥150,000
・4点留め:1回 約 ¥70,000~¥200,000
・6点留め:1回 約 ¥130,000~¥250,000
【リスク・副作用等】熱感、痒み、むくみ、違和感、左右差、希望と異なる二重幅、眉が下がることによる二重幅の変化など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
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・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと導入しています。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】二重切開法
【治療期間および回数の目安】通常1回 ※治療期間や回復期間は個人差があります。
【費用相場】
・全切開法:1回 約 ¥200,000~ ¥350,000
・部分切開法:1回 約 ¥200,000~ ¥280,000
【リスク・副作用等】腫れ、内出血、むくみ、痛み、瞼のツッパリ感、違和感、左右差、希望と異なる二重幅など
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・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと導入しています。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】目頭切開術
【治療期間および回数の目安】通常1回
【費用相場】1回¥100,000~¥500,000 ※各クリニックによって異なります。
【リスク・副作用等】腫れ、赤み、左右差、不自然な形になるなど
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと導入しています。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。


