
鼻尖形成は「鼻先が丸い」「鼻が低い」といったお悩み解決のための手術です。鼻先の形を整えることでシャープな印象の顔立ちに近づけます。今回は鼻尖形成をメインテーマに、効果やリスク、併用できる施術などについて解説します。
鼻の形が気になって美容整形を検討している人に向けて、手術前に知っておきたい基礎知識もお届けしましょう。
INDEX
1.鼻尖形成はだんご鼻の整形手術。向いている人は?

出典:photoAC
鼻尖形成は、鼻先の部分である「鼻尖」の形を整える美容整形の手術のことです。日本人は鼻尖部分が丸い・低い、いわゆる“だんご鼻”の人が多い傾向にあります。鼻尖形成の目的は、鼻の幅の縮小や高さを出すことや、尖り感の獲得、向きの調整などです。
だんご鼻の改善においては、とくに幅の縮小が欠かせません。
<鼻尖形成はこんな人に向いている>
- だんご鼻を直したい人
- 鼻先の大きさや厚みを整えたい人
- 鼻の穴が見えて気になる人
- 立体感のあるシャープな鼻に憧れている人
鼻尖形成の特徴は、軟骨を施術に用いるため皮膚への負担が少ないこと。仕上がりも自然になり、やわらかさをキープできます。
■鼻尖形成と鼻尖縮小との違い
鼻尖形成と鼻尖縮小は、どちらも鼻先の形を整えてだんご鼻改善を図る目的で行います。術式も基本的には同じですが、治療範囲と変化の度合いが異なります。
鼻尖形成の手術では耳の軟骨を鼻に移植する一方、鼻尖縮小の手術では軟骨の移植を行いません。そのため、鼻尖形成のほうが治療範囲は広く、見た目の変化も大きくなります。
もとの鼻の状態や理想の鼻の形によって適した手術が変わるので、カウンセリングで自分に合う治療法を相談してみましょう。
2.理想の鼻先をチェック!だんご鼻の原因について
理想の鼻先のバランスは、鼻を正面から見たとき、鼻筋の延長上の幅と鼻翼の幅(その左右の幅)がそれぞれ同じ比率であること。鼻尖形成の手術では、これらのバランスを見てデザインしていきます。
だんご鼻でお悩みの方の多くは、中央の幅の比率が大きくなっています。
だんご鼻の原因となるのは、軟骨・脂肪・皮膚の3つです。鼻尖形成の手術でより効果が高いとされるのは、軟骨が原因の「軟骨性のだんご鼻」です。
<だんご鼻の種類>
原因 | 鼻尖形成による効果 | |
軟骨性のだんご鼻 | 鼻翼軟骨が横に広がっている | 高い効果が期待できる |
脂肪性のだんご鼻 | 脂肪の厚さ・軟部組織の形 | 期待できる |
皮膚性のだんご鼻 | 鼻の頭部分の皮膚の厚さ | 効果はほぼ期待できない |
3.鼻尖形成術の種類と手術の流れ
続いて、鼻尖形成術の種類と手術の流れを見てみましょう。
■オープン法
オープン法は、鼻腔内・鼻柱を切開して鼻翼軟骨を露出させ、大鼻翼軟骨を直視できるように術野を展開するアプローチ法のこと。鼻先の形を直接確認しながら手術するため、軟骨を移植する際も適した位置を見極めやすい方法です。
オープン法はより細かな希望に沿った手術ができる方法ですが、切開範囲が広く傷痕ができるなど、ダウンタイムが長くなる傾向にあります。
■クローズ法
クローズ法では、左右の鼻腔内のみ切開を行います。鼻柱まで切開しないためオープン法と比べてダウンタイムが短く配慮されており、傷痕も目立ちにくい方法です。
ただし、軟骨の構造を調整することは難しいため、期待できる効果の範囲は狭くなるでしょう。
■鼻尖形成の基本的な手術の流れ
- 皮膚を切開
- 余分な脂肪を除去
- 鼻先を尖らせるように大鼻翼軟骨を加工
- 左右の大鼻翼軟骨を縫い寄せ、シャープな鼻尖を形成
- 軟骨を移植して形を調整
基本的な流れは上記のとおりですが、オープン法とクローズ法によって皮膚の切開範囲が変わるなど、手術法によって異なる部分もあります。
4.鼻尖形成の効果とは?メリット・デメリットについて

出典:photoAC
メリット |
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デメリット |
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鼻尖形成は自己組織である耳の軟骨を手術に用いるため、アレルギーリスクが低くなります。また、仕上がりが自然に見えるケースが多いため、「周りにバレるのが心配」という人にも向いています。
一方で、鼻尖形成は正面から見たときの変化が分かりづらく、大きな変化を求める人には不向きでしょう。鼻先の形を整えた結果「鼻柱が長くなったように感じる」といった他の部分とのバランスに、違和感を覚えるケースも。
さらに、鼻尖形成の将来的な後戻りの可能性があることも、デメリットの1つといえるでしょう。
5.鼻尖形成のリスクをチェック!ダウンタイムや副作用は?
鼻尖形成にはいくつかリスクがあります。術後に後悔しないため、事前にチェックしておきましょう。
■リスクその1│ダウンタイム・副作用がある
術後は腫れが2~3日程度続きますが、1週間程度で落ち着いてくるでしょう。その他、内出血や鼻閉塞、感覚の鈍りなどの症状が出ることもありますが、気になるからと患部に刺激を与えるのは避けてください。
■リスクその2│理想の鼻に仕上がらないことも
鼻先が長すぎたり、左右差が生じたりと、理想の鼻に仕上がらないことも鼻尖形成のリスクの1つです。カウンセリングでは自分に合うデザインをしっかりと見極め、医師とイメージのすり合わせを行うことが大切。
理想を叶えるために、他の施術との組み合わせが必要になることもあるでしょう。
■リスクその3│術後の過ごし方に制限がある

出典:photoAC
鼻尖形成の術後は、過ごし方にいくつか制限があります。まず、血行が促される行動を避けること。腫れや痛みなどのダウンタイムの悪化を防ぐため、過度な運動を避けて安静を心がけましょう。
術後は粘膜が腫れて鼻水が出やすくなることもあります。術後1~2週間程度は鼻を強くかまないように意識し、ティッシュで優しく拭き取ることをおすすめします。
その他、術後2週間程度はうつ伏せ寝を避けてください。傷痕や手術部位は不安定な状態のため、頭を心臓より高い位置にして寝るなど、腫れやむくみへの対策も考えることが大切です。
■リスクその4│炎症を起こす可能性がある
切開したことにより感染して炎症を起こしたり、膿が溜まってしまったりするケースもまれにあります。傷口から細菌が入り込むことによって起こるので、症状が見られた場合はすみやかに医師へ相談してください。
6.鼻尖形成のみでも効果はある?組み合わせに適した施術3つ
もともと鼻翼軟骨が小さい人が鼻尖形成術のみ受けた場合、中央部分の盛り上がりが少なく、見た目の変化も少なくなります。鼻尖形成のみ受ける際に考えられるデメリットは、鼻先を細く整える・鼻先に少し高さが出るという2つの効果に留まること。
大きな変化を求める人には不向きとなり、もとの鼻の状態によっては他の施術と組み合わせる必要があります。
鼻の手術は、2回目以降の難易度が高くなります。複数の施術を組み合わせて1度に行うほうがリスクを減らせる可能性が高いため、大きな変化がほしい人は、他の施術との併用も検討してみましょう。以下の3つは、鼻尖形成との組み合わせが可能な施術です。
■プロテーゼ挿入
鼻筋にプロテーゼという人工軟骨を挿入して、鼻を高くしたり鼻筋を通したりする施術です。プロテーゼにはI型とL型があり、より負担が少ないI型を採用するクリニックが多いです。
手術ではプロテーゼを数ミリ単位で削り、一人ひとりの鼻に合わせて、大きさ・厚みを調整後に挿入します。
メリット |
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デメリット |
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■耳介軟骨移植
耳から採取した軟骨を鼻先へ移植する、耳介軟骨移植。鼻先に高さを出したり、鼻先を前に出したりすることを目的としています。耳の軟骨を採取する際は、傷が目立ちにくく変形しにくい部位を切開します。
採取した軟骨を適切な形にカットした後、鼻先へ移植。術後は耳を圧迫固定し、鼻全体にギプスを装着します。
メリット |
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デメリット |
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■鼻中隔延長術
鼻中隔延長術は、鼻中隔に移植軟骨をつぎ足し、鼻中隔を延長する施術です。鼻先を前方や下方に伸ばす効果が期待できる施術で、鼻先が上を向いている「ぶた鼻」の改善に用いられます。
アプローチ方法は鼻尖形成と同じオープン法またはクローズ法です。移植軟骨を採取する主な部位は、鼻中隔軟骨・肋軟骨・耳介軟骨の3種類です。
メリット |
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デメリット |
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まとめ
鼻尖形成は、鼻先の形が気になる人のお悩みを改善する手術です。自然な仕上がりは鼻尖形成のメリットですが、大きな変化が欲しい人には不向きでしょう。また、理想の鼻に近づくためには、他の施術との組み合わせが必要な場合があります。
まずはクリニックでカウンセリングを受け、もとの鼻の状態や希望をふまえて、自分に合う手術を探しましょう。
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【治療の内容】鼻尖形成術
【治療期間および回数の目安】1回
【費用相場】¥300,000~¥600,000程度
【リスク・副作用等】腫れ、内出血、痛み、発熱など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと導入しています。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】鼻尖縮小術
【治療期間および回数の目安】1回
【費用相場】¥200,000~¥400,000程度
【リスク・副作用等】腫れ、内出血、痛み、発熱など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと導入しています。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】隆鼻術(鼻の造形・高さを整える手術)
【治療期間および回数の目安】通常1回
【費用相場】1回 約¥300,000~ ¥900,000 ※術式によって各クリニックで異なります。
【リスク・副作用等】腫れ、内出血、痛み、感染症など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと導入しています。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】耳介軟骨移植術
【治療期間および回数の目安】1回
【費用相場】¥220,000~¥450,000程度
【リスク・副作用等】腫れ、内出血、血腫、感染、軟骨のずれなど
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと導入しています。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】鼻中隔延長
【治療期間および回数の目安】1回
【費用相場】1回¥550,000~¥1,000,000程度
【リスク・副作用等】腫れ、内出血、痛み、鼻中隔が曲がる、左右非対称、鼻先が硬くなるなど
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと導入しています。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。