美容内服は保険適用されるのでしょうか、それとも全額自己負担なのでしょうか。
これは、肝斑やくすみ対策で内服薬を検討する際、多くの方が疑問に感じるポイントです。
そこで今回は、皮膚科で処方してもらう主な美容内服薬の効果と保険適用の可否について徹底解説!安全に内服を続けるための注意点もご紹介するので、美容内服薬を試してみたい方はぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
INDEX
美容内服の保険適用は「診断名」と「目的」で決まる

美容内服薬が保険適用になるかどうかは、使用する薬の種類だけで判断されるものではありません。
重要なのは「診断名がつくか」「治療のために必要か」という点です。
詳しく見ていきましょう。
■美容目的での内服は原則自費
保険診療の大前提は「疾病の治療を目的としていること」です。
健康保険は病気やケガの治療に対して適用されるものであり、審美目的や予防目的での処方は原則として保険適用外となります。
そのため、シミ予防や美白、肌質改善といった治療以外の目的で処方される美容内服薬は、原則として自由診療扱いです。
■保険適用となりうる皮膚疾患の例
美容内服薬は自費になるケースがほとんどですが、場合によっては保険適用となることもあります。
具体的には、医師が診察を行い「炎症後色素沈着」「湿疹」といった診断名をつけるケースです。
この場合、美容内服薬の処方であっても医学的に必要であることが認められ、保険診療の範囲内で治療が受けられます。
代表的な美容内服薬と保険適用の考え方

美容内服として広く処方される薬剤には、トラネキサム酸やアスコルビン酸、トコフェロール酢酸エステル、L-システインなどがあります。
これらは美容クリニックでは自費で処方されることが多い一方、皮膚科では症状に応じて保険適用となる場合もあります。
ここでは、それぞれの薬剤の特徴と、保険適用の考え方について解説しましょう。
■トラネキサム酸
トラネキサム酸は、薬用化粧品において厚生労働省がシミへの有効性を認めている成分です。
皮膚科でもらえる薬の中で、美白効果が期待できる代表的な美容内服薬といえます。
保険適用となる例としては、湿疹やじんましんなどの診断名がある場合。
シミ予防や美白目的など、治療が必要ない方へトラネキサム酸を処方する際は保険適用外となるのが一般的です。
とはいえ、トラネキサム酸は医療機関によって判断が分かれやすい薬剤でもあります。
■アスコルビン酸・パントテン酸カルシウム
アスコルビン酸とはビタミンCのことであり、コラーゲンの生成に必要不可欠な成分です。
メラニン色素の生成を抑制する働きもあるため、日焼けや老化防止効果も期待されています。
一方、パントテン酸カルシウムはビタミンB群の一種。
ビタミンCの働きを助ける役割や肌のバリア機能を取り戻す働きがある成分です。
アスコルビン酸やパントテン酸カルシウムを配合している美容内服薬が保険適用となるのは、やけどや手術後の色素沈着、慢性的にビタミンが不足している場合などが該当します。
美白や抗酸化作用が期待され、皮膚科でもらえる薬の中で人気を集めていますが、保険適用は明確な疾患がある場合に限定されます。
■トコフェロール酢酸エステル
トコフェロール酢酸エステルはビタミンEのことです。
トコフェロール酢酸エステルを主成分とした美容内服薬には抗酸化作用と血行促進作用があり、ニキビやシミ、シワ、たるみの改善が期待できます。
ビタミンE欠乏症や、しもやけなどの疾患に対して保険適用される場合がありますが、肌質改善や老化予防を目的とする処方については保険適用外です。
■L-システイン
L-システインとは、アミノ酸のこと。
肌の代謝促進や抗酸化作用などがあり、シミ改善や肌にハリ・弾力をもたらす効果が期待できます。
保険適用が認められているのは、湿疹やニキビ、多形滲出性紅斑(たけいしんしゅつせいこうはん)などの皮膚疾患を治療するケース。
湿疹を伴う肌荒れへの治療は保険適用ですが、美白目的での処方は自費になります。
保険診療と自由診療の違い
「美容内服薬を保険適用で処方してもらいたい」という方の中には、できるだけ値段を安く抑えたいという考えがあるのかもしれません。
しかし、保険診療と自由診療では、費用負担だけでなく、診察内容や処方期間にも違いがあります。
ここでは、それぞれの違いを具体的に解説しましょう。
■費用負担の違いと目安
保険診療では、70歳未満の自己負担は原則3割。
内服薬の種類によっても異なりますが、一般的には比較的安価に処方してもらえることが多い傾向にあります。
一方、自由診療の場合は全額自己負担。
美容内服薬の処方に、月8,000〜10,000円程度かかることも珍しくありません。
さらに保険適用外の場合は初診料や再診料、処方料の有無もクリニックごとに異なり、地域によっても差があります。
とくに東京、名古屋、大阪、福岡などの都市部では物価の違いから料金設定に幅があることが多いようです。
また、オンライン診療を利用する場合にも注意が必要。
費用はクリニックごとに設定されているので、事前に確認しておくことをおすすめします。
■診察内容と処方期間の違い
保険診療では、症状の確認や診断名の記載が必須で、処方日数は必要最小限の範囲と制限されています。
一方、自由診療ではカウンセリングを重視し、美容目的の相談や予防的なケアについても柔軟に対応することがほとんどです。
処方日数の制限はなく、数ヶ月分をまとめて処方してもらえることもあります。
美容内服が保険適用になるケースは?よくあるQ&Aをチェック

保険適用の可否は、症状や診断名によって異なります。
ここでは、とくに迷いやすい具体的なケースについてまとめました。
自分の状態が保険適用の対象となるかどうか、判断の目安にしてください。
■肝斑へのトラネキサム酸は保険適用になる?
肝斑は、頬や額に左右対称に現れる色素沈着で、30〜40代の女性に多く見られるシミです。
肝斑と診断された場合、美容皮膚科ではトラネキサム酸の処方が中心となります。
しかし、肝斑へのトラネキサム酸は肌をきれいにする美容目的の治療となるため、保険適用とはなりません。
■シミ・そばかす・くすみの治療を保険適用で受けるには?
シミやそばかす、くすみを改善したいという理由だけでは、美容目的と判断されやすく、原則として自費診療になります。
シミやそばかす、くすみは治療対象というより審美的な悩みとされることが多いためです。
ただし、ニキビや皮膚炎のあとに生じた炎症性色素沈着と診断された場合には、治療の一環として保険適用となる可能性があります。
■エイジングケア・予防目的の場合は保険適用外?
将来のシミ予防やエイジングケアといった予防目的での美容内服薬の処方は、疾病の治療には該当しないため、保険適用外となります。
これは皮膚科、美容皮膚科、オンライン診療いずれでも共通の考え方です。
美容内服薬を処方してもらう場合は、自由診療として費用や内容に納得したうえで検討する必要があります。
できるだけ値段が安いクリニックを見つけたい場合には、オンライン処方に対応しているクリニックを比較検討するのがおすすめです。
インターネットで調べればおおよその相場を確認できるため、じっくりと時間をかけて自分に合うクリニックを見極められます。
美容内服を安全に続けるための注意点

美容内服は、適切に使用すれば効果が期待できる一方で、長期継続には副作用や相互作用のリスクも伴います。
ここでは、安全に内服を続けるために知っておくべきポイントを解説します。
■長期内服で注意すべき副作用とリスク
美容内服は比較的安全性が高いとされていますが、長期内服では注意すべきリスクもあります。
代表的な例がトラネキサム酸による血栓症リスクです。
頻度は高くありませんが、血栓症の既往がある方は慎重な判断が求められます。
また、ビタミン剤を過剰摂取するのもおすすめできません。
とくに脂溶性ビタミンは体内に蓄積しやすく、複数の内服薬やサプリメントを併用している場合、想定以上の摂取量になることがあります。
大量摂取によって胃腸障害を起こす可能性があるため、自己判断で中断したり再開したり、用量を変更するのは避けましょう。
■禁忌・慎重投与が必要なケース
妊娠中または授乳中は、胎児や乳児への影響を考慮し、美容目的での内服については制限があります。
とくにトラネキサム酸は、妊娠中の安全性が確立されていません。
ビタミン剤についても、過剰摂取は胎児に影響を及ぼす可能性があるため、医師に判断を仰ぎましょう。
また、トラネキサム酸と低用量ピルを併用すると、血栓リスクが高まる可能性があるため注意が必要です。
腎機能や肝機能に障害がある方、アレルギー歴がある方も処方前に必ず医師に伝えましょう。
既往歴や現在服用中の薬については、問診票に正確に記入したうえで医師に相談することをおすすめします。
■効果を実感するまでの期間と継続のコツ
美容内服は、服用後すぐに変化を感じられるものではありません。
効果を実感するまでには3ヶ月以上かかる場合が多いとされています。
そのため「効果ない」と感じる場合でも短期間で判断せず、最低でも3ヶ月は継続してからやめるかどうかを決めることが大切です。
また、内服の効果は紫外線対策やスキンケア、生活習慣とも密接に関係しています。
紫外線対策を徹底し、栄養バランスの優れた食事を心がけることで、美容内服薬の効果をより高めることができます。
睡眠不足やストレスは肌状態に影響を与えるため、生活リズムを整えることも意識しましょう。
近年はオンライン診療を活用し、定期配送やセット処方で無理なく続ける選択肢も増えています。
ただし、安さや口コミだけで選ぶのはおすすめできません。
医師の診察とフォロー体制が整っているかを確認することが、安全な継続につながります。
まとめ
美容内服が保険適用になるかは、薬の種類ではなく「診断名」や「目的」で判断されます。
炎症後色素沈着などの皮膚疾患として診断される場合は保険適用になる可能性がありますが、美白や予防のような美容目的での処方は原則として自費です。
美容内服薬を始めるときは、副作用や既往歴にも配慮し、自己判断に頼らず医師の管理下で続けることが重要になります。
信頼できるクリニックに相談しながら、自分に合った選択を心がけましょう。
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