
性器を守るために生えているとされるアンダーヘア。下着や服を身につける現代では必ずしも必要ないといわれており、「蒸れ・かぶれ解消のため」「水着やショーツからのはみ出し防止」「将来介護されるときのマナーとして」など、さまざまな理由でVIOの毛を処理する女性が増加中です。同時に「婦人科形成」や「黒ずみ治療」といった膣のエイジングケア治療のニーズも高まっているのだとか!今回は、Vラインのデザインはどうしてる?など女性のアンダーヘア事情を深掘りし、美しさと快適さを手に入れられるという膣ケアの方法についても詳しくご紹介します。
1.アンケートあり!【国や年代によって違う?】アンダーヘアデザインの選び方
1.Vラインのデザイン分類
VIO脱毛は、正面から見える三角形の部分(Vゾーン)・女性器周りの部分(Iゾーン)・お尻の穴周辺(Oゾーン)の毛を処理する施術。中でもVゾーンは、残すか残さないか、残すならどんな形に整えるのか選択肢はさまざまです。
Vラインのデザインは、大まかに分けると以下の3種類があります。
ハイジニーナ
ハイジニーナとは“衛生”を意味する英単語に由来する造語。完全無毛にすることで蒸れにくくなり、デリケートゾーンを衛生的に保てるとされています。
また、どんな形の水着やショーツを履いても、絶対にはみ出さない安心感を得られること。そして、将来介護されるときに介護者の負担を減らしたいという思いからハイジニーナを選ぶケースも増えています。
ミニ系
毛を長方形やオーバル型などに小さく整えて、少しだけ残すスタイル。水着やショーツからはみ出したくない・快適さを手に入れたいけれど、完全無毛には抵抗があるという方に選ばれています。
ナチュラル系
自然な逆三角形の形で、毛量を調整したスタイル。もともと毛量が少ないかのように、薄く毛を残します。脱毛していることを悟られたくないという方に選ばれています。
2.ツルツル派とチョイ残し派……どっちが人気?
VIO脱毛専門サロン「プリート」による調査(※1)によると、2023年のサロン利用者全体の61%が「ハイジニーナ(完全無毛)」を選び、ツルツル派が6割を占めて1位という結果に!。
2位は「ミニ系」のナチュラルスクエアと呼ばれるデザインで、全体の12%を占めています。指2~3本程度の毛を角丸の四角形に残す、定番人気のスタイルです。
3位は「ナチュラル系」のナチュラルトライアングルと呼ばれるデザインで、全体の9%。幅広めの逆三角形で自然に毛を残すスタイルで、男性からのウケも良いのだとか。
年代別のハイジニーナを選ぶ理由
介護脱毛が話題になったことがハイジニーナの浸透につながったと考えられており、医療脱毛専門院「リゼクリニック」によるアンケート調査(※2)によると40代以降のミドルエイジ女性がVIO脱毛を希望する際にハイジニーナを選ぶケースが増えています。
また、美容脱毛サロン「ミュゼプラチナム」のアンケート調査(※3)によると、20代の若い世代も蒸れの解消など、快適性を求める理由からツルツル派が増えているそう。SNSでは、「とにかく快適!毛がある状態にはもう戻れない」「生理時の不快感がなくなった」という声もみられます。
海外ではさらに一般的なアンダーヘアの処理

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欧米では、男女ともにパートナーへのエチケットとして、アンダーヘアを処理することが一般的。ハイジニーナのほか、形を整えたり毛量を減らしたりというお手入れを行っている割合はほぼ100%だといわれています。
また、南米のブラジルでは「リオのカーニバル」で細いビキニラインの衣装を着ることと衛生面の観点から、ブラジリアンワックスによるVIO脱毛が普及しています。
日本では、これまでワキや脚、腕といった人から見える部位を脱毛するのが一般的でした。しかし、海外のようにエチケットや衛生面を意識したVIO脱毛の人気が今後もさらに高まっていくのではないでしょうか。
2.実は脱毛後に気になる人が多い「婦人科形成」とは?

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VIO脱毛後、アンダーヘアがなくなったり減ったりすることで「デリケートゾーンのコンディションが気になるようになった」という方が増えています。女性器は加齢などが原因で知らず知らずのうちに状態が変化し、「昔はこんなじゃなかったのに……」とショックを受けるケースが多いのです。
- 小陰唇のヒダがはみ出て擦れる
- 小陰唇のヒダが左右対称ではない
- 大陰唇のシワやたるみが気になる
具体的には、上記のような外陰部(外から見える部位)の形状やたるみ、シワに関する悩みがよくみられます。
セルフケアは可能なのか、美容クリニックではどんな施術があるのか見ていきましょう。
1.女性器のたるみ・形状はセルフケアできる?
小陰唇・大陰唇のよくあるお悩みは、自身で解消できるのか解説します。
小陰唇の形状ケアは“予防”なら可能
小陰唇とは、女性器の外側にある大陰唇の内側にある薄いヒダ状の部分。
日本人の小陰唇の大きさは、長さ4~5cm、幅1~1.5 cmほどといわれており、まっすぐ立ったときに、大陰唇からわずかにはみ出して見えるくらいが標準的なサイズ。しかし、老化によってハリが失われたり、摩擦や妊娠・出産によるホルモンバランスの変化などに影響を受けたりして、標準よりも大きくはみ出してしまうケースがあります。また、形がいびつになって左右差が出ることも。健康上の問題はないものの、見た目がコンプレックスになりがちなほか、下着がこすれることによる痛みや炎症が起きて、生活に支障が出てしまうこともあるでしょう。
大きくなった小陰唇をセルフケアで小さくしたり整えたりすることは、残念ながら難しいといわれています。しかし小陰唇になるべく刺激を与えないよう対策することで、進行を防ぐことなら可能。服やショーツは締め付けすぎないフィット感のものを選ぶ、洗うときはゴシゴシと強くこすらないことを習慣化すると、小陰唇が大きくなりにくくなるでしょう。
大陰唇のたるみやシワも予防はできる
大陰唇は、小陰唇の周囲にあるアンダーヘアが生える部位を指します。女性器の中でもとくに目立つ部位であるため、VIO脱毛後に変化していることに気づきやすいのではないでしょうか。
大陰唇は、老化によるハリ低下やダイエットによる体重の急な変化によって、たるんだりシワができたりと形状が変化します。大陰唇のたるみが原因で小陰唇がはみ出たり、小陰唇とこすれてかゆみや痛み、肌荒れを起こしやすくなることも。
大陰唇にできてしまったたるみやシワも、セルフケアでの改善は難しいといわれています。しかし、肌への手入れのようにクリームなどで保湿することで、ある程度の予防は可能です。
2.外陰部の美容医療施術にはどんなものがある?
デリケートゾーンの形状は人と比べられないだけに、1人で悩む方も多いのではないでしょうか。そんなときは、婦人科形成のメニューが充実している美容クリニックが頼りになります。どんな治療があるのかチェックしていきましょう。
小陰唇縮小術
小陰唇縮小術は、小陰唇の余分な部分を切除して縫合し、大きさを整える施術です。術後は、大陰唇からのはみ出しが軽減され、きれいな左右対称になることが期待できます。
大陰唇縮小術
大陰唇縮小術は、大陰唇の余分な皮膚やシワが多い部分を切除し縫合することで、希望の大きさや質感に整える施術です。術後は、程よいふくらみがよみがえるでしょう。
また、しぼみが強い場合などには「ヒアルロン酸注入」を用いて、たるみやシワ改善を目指すケースもあります。
副皮(ふくひ)切除術
副皮とは、小陰唇と大陰唇の間にあるヒダ状の余分な皮膚。副皮がまったくない方もいれば、二重・三重にある方もいます。見た目の悩みにつながりやすい他、垢がたまりやすく臭いの原因につながることも。
副皮切除術は余分なヒダを切除し、縫合することで外陰部をすっきりと整える施術です。なお小陰唇の大きさが気になる場合、副皮を合併していることが多く、小陰唇縮小術と副皮切除術を併用するケースもみられます。
クリトリス(陰核)包茎術
小陰唇の上部にあるクリトリス(陰核)は、包皮という皮膚が覆いかぶさっています。包皮の面積が大きく、クリトリスの露出が少ない状態をクリトリス(陰核)包茎といい、垢がたまりやすい他、性交時の不感症につながる場合があります。クリトリス包茎術は、余分な包皮を適切な範囲内で切除して、クリトリスが適度に露出するよう整える施術です。
こちらも小陰唇縮小術と併用して施術が行われるケースが多くみられます。
※ただし、こちらの施術については刺激が強くなりすぎたなど、一部トラブルも報告されています。医師選びは特に、慎重にすることを推奨する施術です。
外陰部は傷の治りが早く、傷痕が目立たないといわれています。また、術中は麻酔を用いて痛みに配慮し、縫合は吸収糸を使用するため抜糸は不要としているクリニックが多くみられます。
術後は、自転車やバイクへの乗用、性行為などに一定期間の制限があるでしょう。
外陰部への施術に踏み出すには勇気がいるかもしれませんが、体への負担は比較的少ないため、コンプレックスを解消するためにも医師に相談してみてはいかがでしょうか?
3.黒ずみ対策でワンランク上の美しさへ

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デリケートゾーンが黒ずんでいることで、「パートナーに見られるのに抵抗がある」とお悩みの方もいるでしょう。大陰唇や小陰唇の黒ずみは、妊娠・出産によるホルモンバランスの変化などによって起こります。また、大陰唇についてはアンダーヘアの自己処理、小陰唇は面積が大きくなることによって摩擦によるダメージを受けやすくなり、黒ずむことも。
黒ずみは先述した切除による方法で根本的に解消することも可能ですが、レーザーやピーリングといった手術を伴わない施術できれいな色にする方法もあるんです。
メスを使用しない黒ずみ改善メニュー│ピーリング治療
主に肌治療に用いられるピーリング。薬剤を塗布して古い角質を除去し、肌のターンオーバーを促進させ、皮膚の透明感を取り戻すという施術です。
婦人科形成を行う美容クリニックでは、デリケートゾーンの黒ずみ対策としてピーリング治療を提供していることも。デリケートゾーン専用の刺激が少ない薬剤を使うことが特徴で、痛みなく施術を受けることができ、ダウンタイムがほとんどないため日常生活の制限がないというメリットがあります。施術回数は黒ずみの程度によって異なりますが、3~5回ほど施術を受ける必要があるでしょう。
メスを使用しない黒ずみ改善メニュー│レーザー治療
顔のシミやくすみ改善にレーザーを用いるように、デリケートゾーンの黒ずみもレーザーで除去できるケースがあります。「インティマレーザー」は、膣粘膜のエイジングケアを行える治療。膣粘膜にレーザーを照射することで、黒ずみの原因となるメラニン色素が破壊され、体内で吸収されます。その結果、黒ずみが薄くなるという仕組みです。レーザーの熱作用による刺激によって新たなメラニン色素の生成が抑制されることで、黒ずみの再発を防ぐ効果も見込めます。
レーザー治療の場合も一度の施術で黒ずみが改善することはあまりなく、黒ずみが改善するまで数回施術を受ける必要があるでしょう。
デリケートゾーンに特化した波長のレーザーであるため、痛みやダウンタイムはほぼありませんが、施術後に一時的な痛みやむくみを生じることがあります。また、照射した部位が乾燥しやすくなるため、数日は保湿ケアを行うと良いでしょう。
保湿ケアで施術効果を長持ちさせる方法
デリケートゾーンは乾燥を放置することによって、黒ずみのほか痛みやかゆみを引き起こすといわれています。お風呂上りのタイミングはとくに乾燥しやすいため、速やかに保湿ケアを行うのがおすすめ。大陰唇周りの皮膚に、デリケートゾーン専用の保湿クリームをやさしく塗りこみましょう。デリケートゾーン専用のクリームは、さまざまなメーカーから販売されており、千円台で買えるアイテムも多数みられます。香りの有無や広範囲に使用できるかもチェックして、自分に合ったものを見つけてみてください。
また、デリケートゾーンの黒ずみ対策ができる美白クリーム「Cyspera®(シスペラ)」を施術後のホームケアとしておすすめしているクリニックもみられます。
「シスペラ」は、デリケートゾーン以外にも顔のしみ対策のほか、体のさまざまな部位の色素沈着も効果的にケアが可能。医療機関専売品であるため、購入するには取り扱いのあるクリニックでカウンセリングや診察を受ける必要があります。
【コラム】VIO脱毛×婦人科形成の相乗効果とは?

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VIO脱毛後に婦人科形成術を受けたり、逆に婦人科形成術を受けたあとにVIO脱毛を受けたりと、「VIO脱毛×婦人科形成」によるフェムケアに注目が集まる昨今。
SNSには、デリケートゾーンのケアをしたことでメンタル面にも良い影響があったという報告が多く上がっています。一部をご紹介しましょう。
「VIO脱毛してから小陰唇のはみ出しが気になり、手術することに。結果的に手術を受けて本当に良かったと実感!人から見られない部分だからこそ、きれいにすると自分に自信がつくと思う」
「VIO脱毛と小陰唇縮小術を受けたらQOL爆上がり。蒸れもヒダがこすれてかゆくなることもなくなったし、黒ずみも切除したから一石二鳥!」
「ハイジニーナにしていてデリケートゾーンの状態が目立つから、婦人科形成やって良かった。自己肯定感が上がったし、パートナーにもほめられて満足!」
デリケートゾーンは周囲に気軽に相談しにくい部位だけに、人知れず悶々と悩みを抱える方が多いもの。VIO脱毛や婦人科形成術で悩みを解消することで、快適さを手に入れられるだけでなく、自身の体にポジティブに向き合える効果が生まれるようです。
まとめ
VIO脱毛が広く浸透し、自身のデリケートゾーンに向き合うようになったという方が増えています。性器の状態は人それぞれ違うため気にしすぎないことも大切ですが、コンプレックスになっていたり、生活に支障が出たりしている場合は、恥ずかしがらずに婦人科形成の経験豊かな医師に相談してみてください。悩みや要望に親身に対応し、適切な治療を提案してもらえるでしょう。外陰部の平均的な形状が知りたいという場合、SNSなどでは削除されてしまうことも多いため、直接美容クリニックのホームページにアクセスし、ホームページに掲載されている婦人科形成の症例写真を参考としてチェックするのもおすすめです。
【参考】
※1 VIO脱毛専門サロン プリート「2023年人気のVIOアンダーヘアランキング、1位はハイジニーナ脱毛」
※3 mismos「20代女子のアンダーヘア事情に変化アリ!? 最新のVIO脱毛実態調査!」
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