
脂肪吸引で死亡事故が起きた原因を知りたい方へ。死亡事故といったネガティブな記事やニュースを見ると、不安感が増してしまうかもしれません。しかし、脂肪吸引はそれほど危険な手術ではないのです。そこでこの記事では、脂肪吸引で死亡事故が起きた原因を解説します。実際の事例も交え、リスクについてもご紹介します。最後までチェックして脂肪吸引についての知識を深めましょう。
1.脂肪吸引の基本情報

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まずは、美容整形における脂肪吸引とはどのような手術なのかをご紹介します。基本情報をはじめ、メリットや副作用について理解しましょう。
■脂肪吸引とはどんな手術?
脂肪吸引は、カニューレという細い管(吸引管)を挿入して、体の余分な皮下脂肪を取り除く痩身手術。基本的に、顔や太もも、お腹など全身に適用可能です。
カニューレが細く、切開する傷も小さくて済むのが脂肪吸引の魅力といえるでしょう。また、カニューレで皮下の線維や血管などを傷つけてしまうことも考えにくい手術なため、危険性の高い治療ではありません。
■メリットや副作用は?
人が太る原因は、脂肪細胞が関係しています。1つひとつの細胞が肥大化することで太り、反対に小さくなれば痩せるというのが体のメカニズムです。
脂肪吸引は、脂肪細胞そのものを除去する施術。脂肪細胞の数が変わらないダイエットとは違い、リバウンドが起こりにくいメリットがあります。
一方で、脂肪吸引は切開を伴う手術です。ダウンタイム中のデメリットとしては以下が考えられます。
- 痛み
- 腫れ
- 内出血
- むくみ
- つっぱり感
- 痺れ
- 傷痕が目立つ
上記の副作用は、徐々に回復するケースがほとんどです。副作用が現れてもまずは経過を待ちましょう。それでも良くならない場合は、医師に相談するのがおすすめです。
■脂肪吸引は危険?死亡事故はゼロではない
切開の傷も小さく比較的リスクの低い脂肪吸引ですが、危険性がゼロではありません。多くの症例の中で、死亡事故が起きていることも事実です。
過去には、美容クリニックで顔の脂肪吸引を受けた患者が数日後に亡くなってしまうという死亡事故も起きています。
心配しすぎる必要はありませんが、脂肪吸引にはノーリスクとはいえない側面があることも頭に置いておきましょう。
2.脂肪吸引で死亡事故が起きる原因

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脂肪吸引は、比較的危険性の低い手術です。では、死亡事故がなぜ起きるのか?考えられる原因について確認していきましょう。
■血腫で気道が圧迫されてしまう
脂肪吸引で死亡事故が起きる原因としてまず挙げられるのは、血腫です。血腫とは血の塊のこと。顔の脂肪吸引で起きるケースが多いリスクです。
手術中に出血し、血液が皮下にたまることで起きる血腫は、気道を圧迫する危険性があります。窒息死を招いてしまいかねない症状ですが、適切な対応をしていれば防げる可能性は高いといえるでしょう。
■内臓を傷つけてしまう
お腹の脂肪吸引時のリスクとして、内臓を傷つけてしまうことが挙げられます。誤ったカニューレの操作で内臓を傷つけてしまうと、出血量が増えショック症状が起きるケースも。また最悪の場合死に至ることもあります。
既往歴のある患者では、腹壁瘢痕ヘルニアに該当する場合、起こりうる可能性が高くなるでしょう。
■合併症が起きる
切開を伴う脂肪吸引では、合併症のリスクも否定はできません。考えられる合併症は、感染や血栓、脂肪塞栓などがあります。
感染は、脂肪吸引にかかわらず切開を伴う手術では起こると予想されるリスクの1つです。また血栓とは、血管内で血液が固まってできた塊のこと。脂肪組織の一部が、傷つけられた血管から入り込み血管を詰まらせることで、脂肪塞栓を引き起こしてしまうのです。
■麻酔の管理不足
脂肪吸引は、局部麻酔や全身麻酔などでの手術が一般的。そのため、麻酔による体への負担が大きいと、アレルギーの発症や呼吸停止といったトラブルが起こってしまうこともあります。事故の可能性を下げるためには、麻酔科医が呼吸の確認や使用する麻酔の量などを管理することが重要です。
3.クリニック選びのポイント

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リスクの可能性は低いながらも、危険性がゼロではない脂肪吸引。より安心して手術を受けるには、クリニック選びが大切になります。
ここでは、脂肪吸引による死亡事故のリスクをゼロに近づけるためのクリニック選びについて解説します。
■経験豊富な医師が在籍しているか
脂肪吸引による血腫や内臓損傷、合併症、麻酔トラブルは、医師の技術不足が原因であることも。
経験豊富な医師であれば、判断ミスやカニューレの操作ミスは起きにくく、死亡事故につながる可能性も低いといえるでしょう。出血やアナフィラキシーショックなどのトラブルが起きた際にも柔軟な対応が期待できます。
また、医師の技術の有無はデザインや仕上がりにも影響します。技術力が高いと体への負担がなく、理想的な仕上がりにもこだわることが可能です。
脂肪吸引を受けるなら、事前にクリニックのホームページで症例数・実績、口コミなどをしっかりと確認しましょう。また医師の経歴も確認しておくと、不安なく手術にのぞめます。
■安全管理が徹底されているか
医師の技術の高さや経験数はもちろんですが、クリニック全体での安全管理やトラブルへの対策がきちんと考えられていることも重要なポイントです。例えば、万が一救急搬送になった場合を想定した訓練を行っているなどが挙げられます。
また、体への負担が少なく信頼性の高い医療機器を使用しているか、手術時の麻酔方法や麻酔科医がいるかどうかについても確認しましょう。
■十分なカウンセリングやアフターケアが受けられるか
より安心して脂肪吸引を受けるには、十分なカウンセリングやアフターフォローも欠かせません。手術に対する事前の検査や説明が適切に行われているかどうかをチェックしましょう。もし失敗した場合も、修正対応をしてくれるクリニックもあります。不安な点や疑問点があれば、うやむやにせず医師に説明を仰ぐことが大切です。納得・理解した上で手術を受けてください。
患者側の希望や不安をしっかり聞いてくれることも重要なポイントです。患者の目線に立った理想のプランを提案してくれるため、仕上がりにも満足できるでしょう。
また、手術後の回復室の有無や入院の可否も確認しておくとより安心できます。予想外のトラブルへの対策や、副作用軽減などのフォローがあるクリニックを選びましょう。
4.リスクを回避するためにできること

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脂肪吸引での死亡事故を減らすには、患者側の管理も重要となります。手術を行うのは医師ですが、施術を受ける方が少し意識するだけでも副作用のリスクを軽減することが可能です。
ここでは、自己管理におけるポイントをご紹介します。しっかりとポイントを把握して、手術への不安を軽減しましょう。
■自身でも体調管理を徹底する
手術を受ける前の体調管理は基本中の基本。体力や免疫がない状態では、予期せぬトラブルが起こるかもしれません。また体調が悪い場合は、手術が受けられないことも考えられます。
手術の日が決まったら、そこに焦点を当てて体調管理を徹底しましょう。普段通りの生活をして構いませんが、睡眠不足は避けてください。とくに手術前日は早めの就寝を心がけて、体調を整えましょう。
脂肪吸引は出血を伴う施術です。手術当日まで、鉄分を補う食事を意識するのがおすすめです。
■医師の指示に従う
脂肪吸引を受けた後は、安静期間や患部への対応、食事、薬の服用、トラブル時の対応など医師からさまざまな指示が出されます。自己判断で薬を飲むのをやめるなどの行為は、ダウンタイムを長引かせたり、感染症のリスクを高めたりするかもしれません。
副作用を軽減するためにも、医師の指示にはきちんと従いましょう。
まとめ
脂肪吸引は、ダイエットをサポートしてくれる美容施術の1つです。しかし切開や麻酔を伴う手術のため、さまざまなリスクが考えられます。また、過去には死亡事故が起きた事例もありました。より安心して脂肪吸引を受けるには、クリニック選びが重要です。複数のクリニックを検討し、不安材料を軽減できる医師のもとで手術を受けましょう。自己管理にも気をつけることでリスク軽減が可能です。この記事を参考に、信頼できるクリニックでの脂肪吸引を検討してください。
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【治療の内容】脂肪吸引
【治療期間および回数の目安】部位・範囲・脂肪量によって、安全上2~3回に分けて施術を行う場合あり。詳細は各クリニックへご確認ください。
【費用相場】1回約¥200,000~¥500,000程度 ※各クリニックによって異なります。
【リスク・副作用等】痛み、浮腫み、内出血、色素沈着など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。