
経結膜脱脂法は、クマ取り方法の1つです。「切らないクマ取り」とも呼ばれ、注目されている治療法ですが、施術を受ける際には注意点もあります。そこで今回は、経結膜脱脂法の仕組みや効果といった基本情報とあわせて、メリット・デメリットを解説。クマの特徴ごとの向き不向きや、経結膜脱脂法で失敗しないための対策もまとめました。自分に適したクマ取り方法で若々しい目元を手に入れたい方は、ぜひご一読ください。
1.経結膜脱脂法とは?基本情報をチェック

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まずは、クマ取り方法の1つである経結膜脱脂法の基本情報について解説します。「切らないクマ取り」と呼ばれる施術の仕組みや、治療に向いているクマの特徴をチェックしましょう。
■経結膜脱脂法の仕組み
経結膜脱脂法は、目の下側部分の脱脂を行い、クマを取ることを目的とする手術です。具体的には、まぶたの裏側にある結膜にレーザーなどで穴を開けて、そこから余分な眼窩(がんか)脂肪を除去します。
クマにはいろいろな種類があり、その中には眼窩脂肪が加齢とともに目の下側に溜まり、目袋がふくらむことを原因とするものがあります。経結膜脱脂法で目の下の突出した部分の余分な眼窩脂肪を取り除き、ふくらみを抑えることでクマの改善を図るのです。
美容外科で行われるクマ取り手術でありながら、経結膜脱脂法は外見でみえる部分の皮膚の切開を伴わない点が大きな特徴といえます。なお、目の下の経結膜脱脂によりクマを取る手術時間は、クリニックにもよりますが20~60分前後であることが一般的です。
■経結膜脱脂法が向いているクマの特徴
クマは、その特徴からいくつかの種類に分類されます。クマの種類としては、以下の4タイプが一般的でしょう。
- 目の下にある凹凸が原因となり影ができる「黒クマ」
- 炎症による色素沈着が下まぶたにもたらす「茶クマ」
- 下まぶたの皮膚が薄いことで皮下の眼輪筋が目立つ「赤クマ」
- 下まぶたの皮膚から目元の静脈が透けてみえる「青クマ」
クマの中でも、目の下のふくらみで影ができることに起因する「黒クマ」を改善したい場合に、経結膜脱脂法が向いています。目の下のたるみが軽度の場合、ハリ感アップにつながることも。また「赤クマ」も、経結膜脱脂法によって症状が軽減する可能性があるでしょう。というのも、眼窩脂肪の突出に伴い目の周りに位置する眼輪筋が表皮側に押し出されることで「赤クマ」が目立つケースもあるからです。
ただし、同じ「黒クマ」でも目の下のくぼみが影になっているケースの他、「茶クマ」「青クマ」の改善を目指すなら、経結膜脱脂法は向きません。余分な眼窩脂肪がクマの原因である場合に、経結膜脱脂法が向いていると考えましょう。
2.経結膜脱脂法の3つのメリット

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次に、経結膜脱脂法で目の下のクマを取るメリットを紹介します。
■経結膜脱脂法のメリット1|皮膚を切開することなくクマ取りできる
「切らないクマ取り方法」と呼ばれる経結膜脱脂法は、皮膚の切開を伴わずに目のクマを改善に導く手術です。結膜に穴を開け、目の下の脱脂を行う施術のため、まぶたの外側の目立つ部分に傷痕が残らない点がメリット。治療後も自然な目元を維持できる仕上がりが魅力です。
また、結膜から脂肪を除去した後、粘膜の切開部分には抜糸の必要もありません。さらに、経結膜脱脂法では、クマを取るだけでなく、たるみの改善につながる場合もあります。手軽に若々しい印象の肌を目指せるでしょう。
■経結膜脱脂法のメリット2|痛みに配慮されておりダウンタイムも短い
経結膜脱脂法は、目元の手術であるため、痛みやダウンタイムに不安を感じる方もいるでしょう。経結膜脱脂法は、施術時に麻酔を利用できるため、その効果で痛みを感じにくくなっています。術後に麻酔が切れた際も、違和感がある程度で、激しい痛みにはつながらないことが一般的です。
また、ダウンタイムも通常は軽度で済むことが多いでしょう。症状としては、腫れや内出血が考えられますが、数日前後で目立たなくなります。ダウンタイムの短さと目立つ部分に傷痕ができないことで、美容医療を受けたことが周囲に知られにくい点もメリットです。
■経結膜脱脂法のメリット3|効果の持続期間が長い
経結膜脱脂法では、施術効果の持続性もメリットの1つです。1回の治療で数年間、長ければさらに数十年にわたり効果の持続が期待できます。1度の治療で効果を実感しやすく、施術回数が少なく済むでしょう。
また、経結膜脱脂法で脂肪を除去した箇所では、時間が経っても脂肪細胞が再生しません。そのため、脂肪の蓄積による将来的な目元のたるみ予防にもつながります。
3.経結膜脱脂法の3つのデメリット

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痛みに配慮され、1度の治療で効果を長く感じられる「切らないクマ取り方法」の経結膜脱脂法。メリットの多いクマ取り手術であるものの、デメリットもあります。
■経結膜脱脂法のデメリット1|クマが改善したと感じにくい場合がある
目の下の経結膜脱脂法は、対応可能なクマの種類が限られます。皮膚のたるみが影になって生じる「黒クマ」や、眼輪筋が目立つ「赤クマ」の改善は図れるものの、他のクマでは効果を感じにくいことも。目のクマを取る手術を受ける際は、自分のタイプに適した治療法を選ぶことが重要です。
また、経結膜脱脂法の効果は、目の下の脂肪量にも左右されます。もともと脂肪量が多い場合は、治療後も目の下のふくらみを除去しきれず、クマの変化を感じにくいでしょう。一方、脂肪量が少ない場合は、クマの原因を除去できない可能性が高く、効果が見込めないケースがあります。
■経結膜脱脂法のデメリット2|腫れや内出血を生じるリスクがある
まぶたの外側を切開しないため、ダウンタイムの短さがメリットである経結膜脱脂法ですが、施術後まったく症状が出ないわけではありません。経結膜脱脂法のダウンタイムとして腫れや内出血が生じた際、適切なケアを怠ると、回復に時間がかかる可能性もあります。施術後は安静に過ごす必要があるため、まったく普段通りの生活が送れるわけではないことを理解しておきましょう。
また、痛みに配慮された治療ではありますが、人によっては術後に鈍痛を感じるケースもあります。症状や痛みが長く続く場合は、クリニックに相談し、指示を仰ぎましょう。
■経結膜脱脂法のデメリット3|シワやたるみが悪化する可能性がある
軽度のたるみなら改善も期待できる経結膜脱脂法ですが、逆にシワやハリ不足が悪化する可能性があり、注意が必要です。経結膜脱脂法により脂肪を取りすぎてしまった場合、目元にくぼみができ、シワやたるみの悪目立ちにつながりかねません。
経結膜脱脂法はあくまでクマの軽減を目指す治療です。根本的なたるみ治療を希望する場合は、自分の肌の状態に合った美容治療を検討しましょう。
4.経結膜脱脂法で失敗しないための対策

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最後に、経結膜脱脂法で失敗しないための対策を紹介します。
- クマの特徴と施術方法が合うか見極める
- 仕上がりについて事前に医師に確認しておく
- クリニックのリサーチを怠らない
クマの種類によって、経結膜脱脂法による施術が向いているかどうかは異なります。クマ取り方法には複数の選択肢があり、目の下の経結膜脱脂法だけではありません。目のクマを取る手術を検討する際は、自分に合った治療を見極めましょう。そのうえで、クリニックで医師から適切な提案を受けることが重要です。医師による診察やカウンセリングで目元の脂肪やたるみの状態を把握するだけでなく、自分の求める仕上がりにマッチするかについてもしっかり確認しておきましょう。
加えて、ホームページやSNSをとおして、アフターケアの充実度や症例についてリサーチするなど、クリニック選びも時間をかけて慎重に行いましょう。
まとめ
経結膜脱脂法は、目の下のたるみが原因の「黒クマ」や、筋肉が目立つ「赤クマ」の改善を目指せるクマ取り治療です。傷痕が目立たないメリットがある一方、クマの種類や目元の状態によっては効果を感じられない可能性もあります。経結膜脱脂法で失敗しないためにも、自分のクマや理想の仕上がりにマッチした治療法を選択しましょう。若々しい目元に近づくためにも、まずはクリニックにてカウンセリングを受けることから始めませんか?
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【治療の内容】経結膜脱脂法
【治療期間および回数の目安】通常1回
【費用相場】1回約¥200,000~¥400,000程度 ※各クリニックによって異なります。
【リスク・副作用等】腫れ、痛み、内出血、結膜出血など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと導入しています。
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・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。