
ベイザー脂肪吸引は、脂肪吸引において新時代の到来を予感させる施術の1つ。超音波を使って皮下脂肪を除去し、吸引後は引き締めも行って皮膚のたるみを軽減します。
そこで今回は、年齢を重ね、なかなか取り除けない脂肪でお困りの方に向けて、これまでとは違ったアプローチをするベイザー脂肪吸引について紹介。
ベイザー脂肪吸引の仕組みや気になるポイントなどを見ていきましょう。
1.ベイザー脂肪吸引とはどんな施術なの?

出典:photoAC
一般的に、加齢によって代謝が落ち、脂肪が落ちにくくなることはよくあることです。
しかし、健康面や自身のシルエットを意識したときに、不要な脂肪を取り除きたいと思う方もいらっしゃるでしょう。
ただ、従来の脂肪吸引は、脂肪をかき出すイメージの施術のため、不安に感じている方も。
そこで近頃提供されている施術が、ベイザー脂肪吸引(VASER®︎LIPO)です。ベイザー脂肪吸引は、理想のボディラインを精密に表現するために開発された脂肪吸引機器を用いて、これまでの脂肪吸引とは違ったアプローチをします。
まずは、ベイザー脂肪吸引の仕組みや、どういった方に向いているのかなどを見ていきましょう。
■ベイザー脂肪吸引の仕組み
ベイザー脂肪吸引では、初めに鎮痛効果や止血作用のある薬剤を含む麻酔液を皮下脂肪層に注入します。麻酔液には、組織を膨らませて脂肪をやわらかくする働きもあるため、出血量を少なくできるでしょう。
その後、ベイザー波と呼ばれる超音波エネルギーを脂肪組織に照射。脂肪細胞の結合を解き、乳化を促します。そして、刃のない吸引管で乳化した脂肪を吸引して完了です。
脂肪の乳化や吸引のときに他の組織を傷つける心配が少ないため、吸引後は自然と線維組織が収縮して皮膚を引き締められるでしょう。
ベイザー脂肪吸引は、顔やお腹、二の腕、背中、太ももなど全身に適用できます。
■ベイザー脂肪吸引が向いている人と向いていない人
ベイザー脂肪吸引の適用部位は幅広いですが、施術が向かないケースもあります。ここでは、ベイザー脂肪吸引が向いている方や、向かない方の特徴を見ていきましょう。
向いている人
ベイザー脂肪吸引が向いている人とは次のような方です。
- 何度もダイエットに失敗している
- ダイエットしても取り除けない脂肪をどうにかしたい
- 痩せているが、より理想のボディラインを手に入れたい
何度もダイエットに失敗している方や、ダイエットしても気になる脂肪がある方にとって、不要な脂肪を自力で取り除くことはとても労力を必要とするものです。ベイザー脂肪吸引であれば、脂肪細胞をトロトロに溶かせるため、効率的な脂肪除去が可能でしょう。
また、ベイザー脂肪吸引では、肌表面に近い表層部の脂肪にもアプローチが可能なため、痩せているものの、よりボディラインを整えたいと思っている方にも向いている施術です。
向いていない人
ベイザー脂肪吸引が向いていない人とは次のような方です。
- 高血圧や糖尿病などの既往症のある方
- 妊娠中の方
- 貧血の方
- アレルギーがある方
基本的には、既往症がなく健康な方であれば誰でも治療を受けられます。ただし、日本の美容外科クリニックによっては、年齢制限を設けているところがあります。また、医師の診察で体への負担が大きいと判断された場合には、施術を受けられないケースもあるでしょう。
■従来の脂肪吸引との違い
次に、従来の脂肪吸引とベイザー脂肪吸引の仕組みの違いやデザイン性などを比較してみましょう。
ベイザー脂肪吸引 | 従来の脂肪吸引 | 脂肪溶解注射 | |
仕組み | 脂肪を乳化して除去 | 脂肪をかき出す | 脂肪を溶かして吸収 |
デザイン性 | ◎ | ○ | △ |
脂肪除去率 | 約90% | 約70% | 不明 |
ダウンタイム | 短い | 長い | ほとんどない |
脂肪除去を目指すには、さまざまな方法があります。医療機関によって導入している脂肪吸引施術も異なるため、気になっているアプローチがあれば、各施術のメリット・デメリット、口コミなどをよくリサーチして選ぶと良いでしょう。
2.ベイザー脂肪吸引のメリットとデメリット

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ベイザー脂肪吸引の仕組みを知って、強く関心を持った方もいらっしゃるかもしれません。ただ、ウェブなどでベイザー脂肪吸引について調べると、「顔の脂肪吸引で失敗した」や「二の腕をベイザー脂肪吸引したものの変化がない」などの口コミを見つけることも。
ここでは、施術の詳細を知るために、ベイザー脂肪吸引のメリットとデメリットを見ていきましょう。
■メリット
ベイザー脂肪吸引の主なメリットは以下のとおりです。
- 多くの脂肪細胞を除去できる
- 理想のボディラインを作れる
- ダウンタイムに配慮された施術
- 引き締め効果が期待できる
- 過去の脂肪吸引の修正ができる
ベイザー脂肪吸引では、皮下脂肪の約90%を除去できるといわれており、皮膚の近くや深い層の脂肪にもアプローチ可能なため、ボディラインのデザイン性にも優れています。
脂肪吸引のときに周辺組織を傷つけにくいため、痛みやダウンタイムに配慮した施術でもあります。また、周辺組織が施術の影響を受けにくいため、線維組織が収縮しやすく、皮膚が引き締まりやすいでしょう。
さらに、超音波で脂肪細胞を遊離するため、過去の脂肪吸引の修正にも対応しているのです。
■デメリット
ベイザー脂肪吸引の主なデメリットは以下のとおりです。
- 内臓脂肪にはアプローチできない
- 神経や血管が多い部分の脂肪吸引には適さない
- 医師の経験や技術が仕上がりに影響する
ベイザー脂肪吸引は基本的に皮下脂肪へ作用するため、内臓脂肪には適用できません。また、神経や血管が多い部分も施術には向きません。
ベイザー脂肪吸引は魅力的な治療方法ではありますが、機器の操作には技術と経験が求められます。医師の力量によっては仕上がりに影響が出ることもあるため、医師や美容クリニックを選ぶ際は慎重に行いましょう。
3.ベイザー脂肪吸引で気になるポイント

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最後に、ベイザー脂肪吸引に関心がある方が気になる、ベイザー脂肪吸引のダウンタイムや、値段などを紹介します。
■ダウンタイムはどれくらい?
ベイザー脂肪吸引のダウンタイムは、一般的に1〜2週間ほどです。術後の3日間は強い痛みがあるため、ゆっくり休養しましょう。軽めのエクササイズなら抜糸後から可能といわれていますが、激しい運動は3週間ほど控えてください。
ただし、施術範囲によって違いがあるため、顔など施術部位が小さい場合にはダウンタイムや痛みが強くなる期間が短い傾向にあります。一方で、お腹や太ももなど広範囲の場合には、痛みが強くダウンタイムも長くなりやすいでしょう。
シャワーは術後3日後、入浴は1週間後から可能です。仕事については、デスクワークなら翌日から復帰する方もいるようですが、できるだけゆっくり過ごすほうが良いでしょう。
費用相場は、美容クリニックや部位によって異なりますが、13〜80万円程度です。
■副作用やリスクはあるの?
主に、だるさやじんましん、むくみ、貧血、吸引部位の皮膚が硬くなるなどの副作用が考えられます。異常を感じたら、速やかに医師に相談しましょう。
ベイザー脂肪吸引では機器を挿入して、麻酔液の注入・ベイザー波の照射・脂肪の吸引を行うため、どうしても傷痕が残ります。ただ、傷口が小さいため、いわれなければ気づかない程度までには回復するでしょう。
その他には、超音波のコントロールを誤る、吸引管が皮膚にふれるなどによって、やけどのリスクがあります。医師の技術不足で不自然な仕上がりになる場合もあるでしょう。
■どこのクリニックでも受けられるの?
ベイザー脂肪吸引を導入するには、ベイザーリポが行うトレーニングセミナーを修了し、ベイザー脂肪吸引の専門的知識や操作技術を習得しなければなりません。ごくまれに、正規ルートで機器を購入せず、トレーニングセミナーを修了していない医師がいるため注意しましょう。
ベイザーリポのホームページでは、ベイザー脂肪吸引の導入を認可した日本のクリニックの検索が可能です。美容クリニック選びの際に活用すると良いでしょう。
まとめ
ベイザー脂肪吸引を用いれば、長年の脂肪に対する悩みを軽減できるかもしれません。
また、ベイザー脂肪吸引であれば、理想的なボディラインを手に入れられるだけでなく、細かなデザインを造形することも可能になります。
ただし、施術者側の経験や技術不足によって不自然なデザインになるリスクもあるため、医師や美容クリニックを選ぶ際は注意しましょう。
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