ガミースマイルの原因とは?知っておきたい5つの原因とチェック方法

ガミースマイルの原因とは?知っておきたい5つの原因とチェック方法

笑ったときに歯茎が目立つのが気になる―。これは、ガミースマイルに当てはまる多くの方が抱える共通のお悩みです。

改善するための治療法にはいくつかの選択肢がありますが、原因によって適した方法は異なります。骨格が主な原因だと考える方も多い一方で、実際には遺伝や日常の習慣が影響しているケースも珍しくありません。

そのため、まずは自身のガミースマイルの原因を正しく理解することが大切です。
本記事では、ガミースマイルの定義や原因をわかりやすく解説するとともに、セルフチェック方法も紹介します。ご自身の原因や状態を知りたい方は、参考にしてみてください。

ガミースマイルとは?原因を知る前に理解しておきたい基礎知識

歯 ガミースマイルの原因とは?知っておきたい5つの原因とチェック方法|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)「自分はガミースマイルかもしれない…」「診断基準って?」そんな方のため、まずはガミースマイルの特徴や定義について解説します。また、放置すると私生活にどんな影響を与えるのかについてもあわせて確認してみましょう。

■ガミースマイルとは?定義や特徴について

ガミースマイルとは、笑顔になった際に上の歯茎が通常よりも多く見える口元の状態のことです。歯茎を意味する「gum(歯茎)」が語源で、その形容詞「gummy」という言葉から名付けられました。

医学的には、口元から歯茎が3mm以上露出している状態をガミースマイルと定義していますが、なかには歯茎が10mm以上露出している方もいます。

また、笑ったときに上の前歯がほとんど見えずに隠れてしまっている状態は、「逆ガミースマイル」とも呼ばれています。

■ガミースマイルが与える影響

無邪気でかわいらしい印象を与えるチャームポイントにもなり得るガミースマイルですが、その一方で、笑顔に自信が持てなくなりコンプレックスにつながることもあります。

たとえば、人前で思い切り笑うのをためらったり、口元を手で隠したりする癖がついたりするなど、対面でのコミュニケーションに消極的になってしまう方も少なくありません。

また、歯茎の露出が多くなることで口が閉じにくくなり、口呼吸になりやすくなります。その結果、唾液の自浄作用が低下し、虫歯や歯周病のほか、口臭のリスクが高まる可能性も指摘されています。

ガミースマイルは疾患ではないため、健康に直接的な悪影響はなく、必ずしも治療が必要なわけではありません。しかし、見た目の印象だけにとどまらず、心理面や社会面・口腔衛生面などにまで影響を及ぼすこともあるため、気になる場合は原因に応じた治療を検討するのも方法です。

ガミースマイルになる理由・原因は大きく分けて5タイプ

歯 ガミースマイルの原因とは?知っておきたい5つの原因とチェック方法|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)ガミースマイルを招いている原因は人によって異なりますが、大きく分けると5つのタイプに分類できます。ここでは、それぞれの原因について詳しく解説します。

■骨格性

最も多い原因の1つともされているのが、上あごの骨格に由来するものです。

上あごの骨が前方へ大きく成長していると(いわゆる“出っ歯”の傾向)、歯や歯茎も前方向へと押し出されるため、歯茎が目立って見えてしまいます。また、上あごの骨が縦に長い場合も、歯茎の露出面積が広がるため、強調されやすくなります。

■歯の形・位置の異常

歯の大きさや位置なども影響を与える要因です。

たとえば、極端に歯が小さい「矮小歯(わいしょうし)」や、通常よりも歯が奥や低い位置に生えている場合、相対的に歯茎の面積が広く見えるため、歯茎が目立ちやすくなります。

■歯茎の過剰発達

歯茎自体が厚く発達し、歯に覆いかぶさるように増殖することで歯茎の範囲が広くなっているケース。このような場合、歯の長さが短く見えたり、歯の生える位置が低く見えたりするため、結果として歯茎が強調されやすくなります。

■上唇や表情筋の作用

上唇を持ち上げる筋肉を上唇挙筋(じょうしんきょきん)といいますが、この筋肉が強く発達していると、笑顔を作った際に唇が大きく引き上げられてしまうように。その結果、歯茎が大きく露出してしまいます。また、上唇そのものが短い場合も同様に、歯茎が露出しやすくなります。

■歯並び・噛み合わせによる問題

骨格ではなく歯並びや咬合の状態が原因となる場合もあります。とくに「過蓋咬合(かがいこうごう)」のように噛み合わせが深いと、下の前歯が隠れてしまい、その分上の歯茎が目立ちやすくなります。

ガミースマイルの原因は、遺伝と生活習慣どちらが大きい?

女性 口元 ガミースマイルの原因とは?知っておきたい5つの原因とチェック方法|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)ガミースマイルは、骨格や筋肉など構造的な問題と思われがちですが、実際には親から受け継ぐ体質や成長期に身についた生活習慣も深く関わっています。遺伝と生活習慣のどちらが大きいかは一概にいえず、両方の影響が組み合わさって現れるケースも珍しくありません。

ここからは、ガミースマイルに影響する遺伝的な要因と生活習慣による後天的な要因について詳しく見ていきましょう。

■遺伝的な要因が与える影響

ガミースマイルには、生まれつきの骨格や口元の特徴が関係することがあります。

たとえば、上あご骨の過剰な発達やあごの大きさといった骨格的な要素、さらには歯の大きさや歯茎の形状などは、一般的に遺伝の影響を受けやすいとされています。そのため、家族にガミースマイルの傾向が見られる人がいる場合は、発生リスクが高まるとされています。

しかし、親や祖父母が該当していても100%子どもに遺伝するわけではありません。実際、家族に該当者がいなくても、子どもにのみ現れることもあります。また、遺伝的に多少の傾向があったとしても、成長期における癖や習慣が加わることで、状態が目立ちやすくなる場合もあります。

■生活習慣による後天的な悪化

日常生活における何気ない習慣や癖がガミースマイルを引き起こしている場合もあります。具体的には下記の通りです。

  • 舌で前歯を押し出す癖がある
  • 口呼吸が多い
  • よく頬杖をつく
  • 歯磨きや口腔ケアが不十分
  • 幼少期に指しゃぶりをしていた、または長期間おしゃぶりを使用していた
  • 柔らかいものばかり食べて咀嚼回数が少ない
  • 片側ばかりで食べ物を噛む
  • 歯ぎしりや食いしばりをする

上記の項目に1つでも心当たりのある方は要注意。これらはあごや筋肉、口周りのバランスや骨格の成長に悪影響を及ぼし、ガミースマイルの発生や悪化を招く恐れがあります。状態をこれ以上進行させないためにも、日頃から注意するようにしましょう。

自分のガミースマイルのタイプをセルフチェックする方法

歯 ガミースマイルの原因とは?知っておきたい5つの原因とチェック方法|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)正確な診断と治療計画には専門機関への相談が不可欠ですが、大まかなタイプや原因を把握したい方に役立つセルフチェック方法を紹介します。治療を検討する目安にしてみてください。

■鏡を使ってチェックする方法

まずは、顔の正面に鏡を用意して、自然な表情を意識して笑顔を作ります。その際にチェックするのは次のポイント。

  • 歯茎が3mm以上見えているか
  • 歯よりも歯茎のほうが目立つと感じるか
  • 歯の長さが極端に短く見えると感じるか
  • 上唇を大きく引き上げて笑う癖があるか

自身の重症度を知りたい方は、定規を使って歯茎の露出度を実際に測ってみるのも良いでしょう。一般的に、3~4mmの露出であれば軽症、5~10mmなら中度、10mm以上は重度に分類されます。

■写真や動画を撮ってチェックする方法

歯茎の露出がどの程度かを客観的な視点でチェックしたい方は、写真を撮影して確認する方法がおすすめです。角度による見え方の違いや、笑顔の動きも確認しやすくなります。前述の鏡チェックに加えて、以下のポイントもあわせて確認してみましょう。

  • 横顔を撮影し、上あごが前に出ていないか(上あご前突)
  • 自然な表情(笑っていない状態)のときに口元が開いているか
  • 無表情から笑顔までの唇の動きを動画で観察し、唇の動きが大きすぎないか

ガミースマイルの原因を理解し、最適な治療につなげよう

ガミースマイルは適した治療を受けることで改善を目指すことができます。

主な原因には、生まれつきの骨格や歯、歯茎の形状など先天的な要因のほか、生活習慣や癖など後天的な要因が影響していることもあります。さらに、いくつかの要因が複合的に重なっている場合も多く、自己判断だけで正確な原因を特定するのは難しいでしょう。

そのため、治療を検討する場合は、まずは専門機関にて検査・診断を受けることが不可欠です。「自分の笑顔にもっと自信を持ちたい」と考えている方は、理想の笑顔を手に入れるための一歩として、専門機関に相談してみてはいかがでしょうか。

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