プリザべ(Preservé™)は、モティバ(Motiva®)インプラントをより低侵襲に挿入することを目的として開発された「次世代のシリコンバッグ豊胸法」です。
乳腺や筋肉への負担を抑えながら、自然な仕上がりを目指せる豊胸手術として注目を集めています。
今回はプリザベをメインテーマに、特徴や注意点を詳しく解説します。
他の豊胸法との比較や施術前に知っておきたいことも紹介するので、バストアップ希望の人はぜひ参考にしてください。
INDEX
プリザベとは?先進の豊胸手術の基本をチェック
まずはプリザベの概要を解説します。
従来の豊胸との違いも整理し、先進の豊胸手術として注目される理由を見ていきましょう。
■プリザベの開発目的は「従来の豊胸の課題を解決すること」
プリザベとは、モティバインプラントを用いたシリコンバッグ豊胸の技術のこと。
従来のシリコンバッグ挿入の技術は、切開・剥離範囲が広いため、出血や腫れが起こりやすい・ダウンタイムが長くなるといった課題がありました。
プリザベは、その課題の改善を目的に開発されたものです。
これまでよりも狭い範囲での切開・剥離が可能で、体への負担軽減と、自然なやわらかさ・安定性を重視した仕上がりが目指せることが特徴です。
<プリザベはこんな人向け>
- 体への負担が少ない豊胸法を探している
- 見た目や手触りの自然さを重視している
- 豊胸手術は大きな傷痕が残りそうで心配
- 3カップ以上のバストアップを希望している
- バストの垂れや左右差が気になる
施術には専用のバルーンやスリーブを使用し、乳房組織を傷つけないよう工夫された術式で行います。
日本国内でも多数の美容クリニックで導入が進んでおり、先進の豊胸手術として注目を集めています。
■従来の豊胸と先進技術プリザベの違い
従来の豊胸とプリザベの違いとして挙げられる点は、切開・剥離の範囲です。
従来はシリコンバッグ挿入の空間を十分に確保するために約3.5~4センチの切開が必要でしたが、プリザベの切開範囲は約2.5センチ。
乳房組織をできるだけ温存しながらバストアップを実現するという発想をもとにした技術のため、体への負担に配慮されています。
挿入位置については、従来の豊胸は乳腺下・大胸筋下・筋膜下の3ヶ所ですが、プリザベは乳腺下法のみとなります。
乳腺下へのシリコンバッグ挿入は、動きややわらかさを出しやすいことが特徴です。
加えて、プリザベにはやわらかく安定感のあるモティバインプラントを用いるため、より自然な仕上がりになるとされています。
| 従来の豊胸 | プリザベ | |
| 切開・剥離範囲 | 約3.5~4センチ | 約2.5センチ |
| 挿入位置 | 大胸筋下・筋膜下・乳腺下 | 乳腺下のみ |
| 剥離方法 | 医療機器または医師の指で行う | 専用バルーンでスペースを作る |
| ダウンタイムの傾向 | 長め | 短め |
プリザベは、2種の豊胸手術を組み合わせるハイブリッド豊胸も可能です。
より確実に、自然なバストアップが実現できる点も、注目の理由といえるでしょう。
先端の豊胸術・プリザベの特徴&メリット

出典:photoAC
続いて、プリザベの特徴&メリットを詳しく解説します。
■低侵襲で自然な仕上がりを目指せる
従来の豊胸と比べて切開・剥離範囲の狭いプリザベは、体への負担を軽減しつつ自然な仕上がりを目指せる施術です。
乳房組織の損傷や炎症反応のリスクを抑える技術により、痛みに配慮され、回復期間も短くなります。
施術には、体の動きに合わせて形が自然と変化するモティバErgonomix2®(エルゴノミクス2)を採用。
MINIやDEMIなど形状の違いにも注目してサイズを選べるため、自分に合う自然な仕上がりのバストを形成できます。
また、臨床試験にて「3年間でインプラントの下方移動率0パーセント」という結果を出した安定性の高さも特徴です。
■組織へのダメージ軽減と安全性への配慮
プリザベの施術には専用バルーンを用いるため、筋肉や神経、血管などの乳房組織をできるだけ温存しながら、インプラントが挿入できます。
その結果、術後の痛みや動きの不自然さの軽減にもつながり、インプラント周辺が硬くなる被膜拘縮のリスクも減らせます。
体へのダメージを抑えた施術である点は、プリザベの大きなメリットといえるでしょう。
安全性については、モティバインプラントの特殊な構造が影響しています。
インプラントは耐久性を高めるため6層の多重構造となっているため衝撃に強いです。
また、内部からのジェル漏れを防ぎつつ、漏れの早期発見が可能なバリア層(ブルーシール層)があることも特徴です。
その他、挿入後の炎症リスクを軽減する特殊加工や、FDA承認済みのシリコンだけを使用していることも、安全性に配慮した特徴といえます。
プリザベのデメリットと注意点
従来の豊胸にはない特徴&メリットのあるプリザベですが、デメリットや注意点もあります。
施術を検討する際は、事前にチェックしておきましょう。
■適応に制限がある
プリザベが向いている人の条件を見てみましょう。
- 初めて豊胸手術を受ける
- ハイブリッド豊胸を検討中
- 両方のバストで軽度~中等度の左右差がある
過去に豊胸手術を受けた経験がある、3カップ以上のサイズアップといった大きな変化を求める人には、プリザベ以外の豊胸が適していることがあります。
また、バストの下垂が重度の場合、乳房つり上げ術との併用が必要とされるケースも。
カウンセリングで希望を伝えるのはもちろん、体の状態をふまえた医師のアドバイスにも目を向けることが大切です。
■費用・ダウンタイムについて
プリザベの費用相場は約90~160万円です。
従来のシリコンバッグ豊胸の相場が約50~100万円なので、やや高めの費用設定といえるでしょう。
他の施術と併用する場合はさらに費用が高くなるため、事前に確認しておきましょう。
ダウンタイム中は、腫れや痛み、内出血、むくみなどの症状が出ます。
腫れと痛みは術後数日間がピークで、1週間ほどで落ち着いてくるとされています。
内出血が続くのは1~2週間程度、むくみは2週間程度をピークに、数ヶ月かけて落ち着いてくるでしょう。
その他、一時的な過敏や切開部分のひきつれなどが生じることもあります。
脂肪注入豊胸・ヒアルロン酸注入豊胸とプリザベを比較してみよう

出典:photoAC
従来の豊胸手術には、脂肪注入法やヒアルロン酸注入法といった選択肢があります。
ここではそれぞれの特徴を整理し、プリザベとの違いを確認していきましょう。
■脂肪注入豊胸との違い
脂肪注入豊胸では、自分の脂肪を採取して胸に注入します。
腹部や太ももなどから脂肪を吸引し、特殊な処理を行ったあとにバストへ注入します。
| メリット |
|
| デメリット |
|
脂肪注入豊胸の大きな特徴は、自身の脂肪を施術に用いること。
自然な仕上がりや安全性を重視する人にとって、メリットのある選択肢でしょう。
一方、脂肪の定着率に個人差があるというデメリットから、場合によっては複数回の施術が必要になります。
プリザベはインプラントの下方移動リスクが少ないため、安定した仕上がりが長続きしやすいことが特徴です。
その他、サイズアップやダウンタイムなどの特徴もふまえて、自分に合う施術法を選択しましょう。
■ヒアルロン酸注入による豊胸との違い
ヒアルロン酸注入による豊胸では、ボリュームアップしたい部分に注射器でヒアルロン酸を注入します。
施術にメスを使わないため、手軽なバストアップ法として一般的に知られています。
| メリット |
|
| デメリット |
|
ヒアルロン酸注入による豊胸は、施術時間が短いことや、希望のサイズが実現できることがメリットです。
しかし、ヒアルロン酸は徐々に体内に吸収されるため、半永久的な効果を希望する人には不向きです。
持続期間の目安は約6ヶ月~2年と個人差があり、1年以降はボリュームが減っていくとされています。
費用面で見るとプリザベのほうが高いように思えますが、ヒアルロン酸注入による豊胸で理想のバストを維持するためには何度も施術をくりかえす必要があります。
ヒアルロン酸注入による豊胸は、ランニングコストがかかることを覚えておきましょう。
自分が重視するポイントを明確にし、持続性や施術の手軽さ、ダウンタイムなどで比較してみましょう。
プリザベを検討するにあたり知っておきたいこと

出典:photoAC
最後に、医師とのカウンセリングやクリニック選びで参考になる情報をお伝えします。
■カウンセリングで確認すべきポイント
先ほど解説したとおり、プリザベには適応の制限があります。
自分の希望するバストサイズや形のイメージ、体の状態などによっては、他の豊胸手術が適している可能性も考慮しておきましょう。
プリザベを選択する際は、インプラントの形状や直径・容量のバリエーションから自分に適したものを見極める必要があります。
形状はMINI・DEMI・FULLの3種類で、直径は8~11センチ、容量も小刻みに設定されています。
体型や皮膚により適したサイズ・形が違うため、医師とじっくり相談することが大切です。
その他、アフターフォローやケア方法も確認しておくと、安心感が高まるでしょう。
■信頼できるクリニック選びの基準
プリザベの施術に用いるモティバインプラントは、Establishment Labs™(エスタブリッシュメント・ラボズ)社が開発したもの。
プリザベを受けるクリニックを選ぶ際は、開発元から入手した正規品を取り扱っていることを確認しましょう。
また、開発元から認められたMia®認定クリニックであることや、Mia®の認定資格を取得した医師が所属していることなども信頼度を高めるポイントです。
症例写真やクリニックの口コミなども一緒に確認し、複数のクリニックを比較してみましょう。
まとめ
プリザベの魅力は、乳房組織を温存しながら、自然な仕上がりと長期的な安定性を目指せる豊胸手術であることです。
適応に制限があることや費用面なども考えなくてはなりませんが、体への負担をなるべく減らしたい人・効果が長続きする方法を選びたい人にとっては選択肢の1つとなります。
施術を検討する際は、自分の理想のバストをプリザベで実現できるかどうか・安心して任せられるかといった点に注目し、納得できるクリニックを見つけましょう。
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施術の内容】豊胸術
【施術期間および回数の目安】通常1回 ※状態によって異なります。
【費用相場】
・シリコンバッグ豊胸:約 ¥600,000~ ¥1,000,000
・ヒアルロン酸豊胸:約1ccあたり ¥3,000~ ¥4,000(使用量は個人差があります)
・脂肪注入豊胸:約 ¥800,000~ ¥1,200,000
・ハイブリッド豊胸:約¥1,300,000~¥3,000,000
※各クリニックによって異なります。本施術は自由診療(保険適用外)です。
【リスク・副作用等】内出血、血腫、感染、痛み、傷口の赤み・硬さ・突っ張り・色素沈着、アニメーション変形など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本施術には、日本国内において薬事承認を受けていない未承認の医薬品や医療機器、または承認された使用目的とは異なる用途での使用を行う場合があります。
・施術に用いる医薬品および医療機器は、医師の判断のもと導入しています。
・同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器は存在しない場合があります。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。


