フェムケアは怪しい?女性の健康管理の選択肢は本当に増えているの?

フェムケアは怪しい?女性の健康管理の選択肢は本当に増えているの?

フェムケアは怪しい、効果が薄いなどのネガティブな声を聞き、興味があるのに一歩踏み出せない方もいるのではないでしょうか。

たしかに、デリケートゾーンの悩みをケアする新しい選択肢としてフェムケアが広がる一方で、中には根拠が不明な商品や不安を煽る広告も存在します。

しかし、フェムケアが知れ渡ることは、女性が健康を守るための選択肢が増えるということでもあるのです。

本記事ではフェムケアが怪しいと感じられる背景と、安全性や信頼性を判断する基準、美容医療での取り組みについてご紹介します。

フェムケアが「怪しい」と感じられる背景

スマホを持って考え事をする女性 フェムケアは怪しい?女性の健康管理の選択肢は本当に増えているの?|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

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フェムケアへの関心が高まる一方で「本当に効果はあるのか」「科学的根拠はあるのか」といった疑問を抱く声も少なくありません。

こうした後ろ向きな見方が生まれる背景には、情報の質や提供の仕方にいくつかの問題があります。

■根拠が不明確な商品やサービスが存在する

フェムケア市場が拡大する中で、実際に科学的根拠が十分に示されていない商品やサービスが流通しているケースがあります。

例えば「使えばすぐに効果を実感できる」「誰でも変化を感じられる」といった表現を用いた広告などがその一例。

ときには、成分の作用機序が明示されていない製品も見受けられます。

とくにSNSやインフルエンサーを通じた情報発信では、個人の体験談が中心となり、医学的な裏付けが不足してしまうことも珍しくありません。

こうした状況が、フェムケア全体への不信感を生む一因になっています。

つまり、消費者が適切に判断するための情報が不足していることが、「怪しい」という見方につながっているのです。

■フェムケアとフェムテックの違いが分かりにくい

フェムケアと同じような言葉に、フェムテックがあります。

どちらも女性の健康に関わる言葉ですが、その定義は大きく異なります。

フェムケアは、主にデリケートゾーンのケアに特化した製品やサービスのこと。

日用品から医療行為まで幅広く含まれます。

一方、フェムテックはテクノロジーを活用して女性の心や体の健康をサポートする製品やサービスのことです。

具体的には、アプリや医療機器などが該当します。

テクノロジーを介しているかどうかが大きな違いとなりますが、両者は市場では混同されやすく、その境界が曖昧になりやすいのが厄介な点。

この分かりにくさが、情報の信頼性を判断する際の障壁となり、「何を信じていいのか分からない」という戸惑いを生んでいるのです。

■女性の不安を煽るようなメッセージがある

一部のフェムケア商品やサービスにおいて「このままでは将来大変なことになる」「放置すると取り返しがつかない」といった不安を煽るようなメッセージが使われることがあります。

デリケートゾーンの状態についても、医学的には正常な範囲であるにもかかわらず、過度に問題視するような表現が用いられることもあるのです。

とくに更年期やデリケートゾーンの悩みは人に相談しにくいテーマであるため、フェムケアの領域では不安を利用したマーケティングが成立しやすく、過去には炎上や批判につながった例も存在します。

このような広告表現が拡散されることで、「フェムケア=怪しい」という印象が強まっていると考えられます。

信頼できるフェムケアと怪しいサービスの見分け方

ウソかホント フェムケアは怪しい?女性の健康管理の選択肢は本当に増えているの?|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

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フェムケアを選ぶ際には、信頼できる情報かどうかを見極める視点が欠かせません。

ここでは、信頼できるフェムケアと、注意が必要なものを区別するための具体的なポイントを解説します。

■専門家が監修・関与しているか

医師や専門家が監修または関与していることが明示されていれば、基本的に信頼を置ける商品・サービスであると考えられます。

とくに婦人科や美容医療領域では、解剖学的な理解に基づいた判断が求められるため、医学的な知見のある専門家が携わっているものは、比較的信頼性が高い傾向にあります。

反対に、誰が製作や開発に関わっているのか記されていない商品や、インフルエンサーの発信だけを根拠としているサービスには注意が必要。

商品やサービスを購入する際は、専門家の氏名、肩書き、そして具体的にどのように関与しているかの確認を習慣づけるといいでしょう。

■科学的根拠があるか

信頼できるフェムケアは、その効果や安全性について科学的根拠が示されていることがほとんど。

具体的には、臨床試験のデータや学術論文の存在、厚生労働省やFDA(米国食品医薬品局)などの公的機関による承認や届出の有無が判断基準となります。

一方で「個人の感想です」「効果には個人差があります」といった注釈の記載のみで、客観的なデータが示されていない場合は信頼できるフェムケアとはいい切れません。

たしかな情報のもとでフェムケアを取り入れるなら、商品やサービスの公式サイト・パンフレットで、根拠となる情報源が明記されているかを確認することが大切です。

■医療広告ガイドラインに準拠しているか

医療機関が商品・サービスを広告する際は、消費者トラブルを防ぐため、医療広告ガイドラインに準拠している必要があります。

このガイドラインでは、「絶対」「確実」といった断定表現や、患者を誤認させる誇大広告が禁止されています。

その他、過度に効果を強調したり使用者の体験談を掲載したりすることも原則としてNGです。

医療広告ガイドラインに準拠しているということは、その医療機関が患者の安全を重視している証。

ホームページやSNS広告が公的なルールに沿った表現であるかを確認することで、信頼できる情報かどうかを見極めやすくなります。

美容医療におけるフェムケアの実際

書類を抱える白衣の女性 フェムケアは怪しい?女性の健康管理の選択肢は本当に増えているの?|NERO DOCTOR / BEAUTY(美容医療)

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美容医療の分野でも、さまざまなフェムケアが提供されています。

ここでは、美容クリニックで受けられる代表的な施術をご紹介しましょう。

■婦人科形成

婦人科形成は、形成外科的な手技を用いて外陰部の形態を整える治療です。

代表的なものに小陰唇縮小術があり、肥大した小陰唇によって生じる擦れや痛み、見た目の悩みに対応します。

この治療は、日常生活に支障をきたす症状がある場合に選択されることもあり、単なる美容目的ではなく、機能改善の側面も持ち合わせています。

手術は局所麻酔または静脈麻酔を用いて行われ、ダウンタイムは通常1〜2週間程度です。

感染や出血といったリスクがあるため、フェムケアとして取り入れる際は、事前のカウンセリングで医師から十分な説明を受け、自分の希望や体の状態を整理したうえで検討することをおすすめします。

■腟レーザー治療

腟レーザー治療は、レーザーを腟粘膜に照射することでコラーゲンの再構築を促し、タイトニングや乾燥の軽減を図る治療です。

更年期以降に見られるGSM(閉経関連尿路生殖器症候群)による尿もれ、うるおい不足、性交痛などの症状に対しても用いられます。

治療は外来で行われ、麻酔を使用しない、または麻酔クリームのみで実施されることが多く、施術時間は15〜20分程度です。

効果の持続期間は個人差がありますが、一般的には複数回の治療が推奨されています。

医療機器として厚生労働省の承認を受けたものと、未承認のものがあるため、レーザー治療で使用される機器の情報を事前に確認することが大切です。

■その他の美容医療的アプローチ

婦人科形成やレーザー治療以外にも、美容医療ではさまざまなフェムケアの選択肢があります。

例えば、ヒアルロン酸注入や腟ハイフなど。

ヒアルロン酸注入は感度の向上や腟のうるおい改善を目的として行われ、腟ハイフは組織を引き締めることで腟のゆるみや尿もれの緩和が期待できます。

ただし、医療機関によって提供される治療内容や費用には幅があるため、複数の選択肢を比較し、自分の症状や希望に合った方法を選ぶことが重要です。

トラブルを避けるためにも、施術内容やリスク、費用の説明をしっかりと受け、疑問点を解消してから治療を受けるようにしましょう。

フェムケアを選ぶときに大切にしたい考え方

フェムケアが自分にとって本当に必要かどうかを見極めるには、まず何に困っているのか、どう改善したいのかを整理することが大切。

漠然とした不安ではなく、具体的な症状や日常生活への影響を明確にすることで、適切な対処法が見えてきます。

また、情報収集の際には、一つの情報源だけに依存しないことも重要です。

SNSや口コミだけでなく、医療機関の公式サイト、学会が発信する情報など、複数の信頼できる情報源を参照しましょう。

もちろん、検討した結果何も取り入れない、という選択もOK。

選択肢があることを知っておくだけでも意味があります。

焦らず、納得できるまで情報収集と検討を重ねることで、フェムケアが必要になったときに自分に合った判断ができるようになるでしょう。

まとめ

フェムケアが「怪しい」と感じられる背景には、根拠が明確でない商品や、女性の不安を煽るような情報発信があります。

信頼できるサービスを見極めるには、専門家の関与や科学的根拠の有無、医療広告ガイドラインへの準拠といった点を確認するのがポイント。

すぐに取り入れるかは別として、選択肢があることを知っておくだけでも、将来の安心感につながります。

信頼できる情報をもとに、自分に合ったセルフケアを検討していきましょう。

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