「美容婦人科」という診療科を聞いたことはあっても、その内容まで正確に理解している方はまだ多くありません。
これまで当たり前とされてきた生理や更年期の不快感、デリケートゾーンのトラブルを「仕方ない」と受け入れるのではなく、「もっと快適に過ごすにはどうしたらいい?」と前向きに考える人が増えてきました。
本記事では、美容婦人科が担う役割から注目のフェムケア治療、実際の患者の声までを総まとめ。
いま改めて知っておきたい、“女性のための医療”を紹介します。
美容婦人科ってなに?誤解されがちな分野を正しく理解

出典:photoAC
「美容婦人科」とは、女性器の見た目や状態の変化、ナイトライフの満足度低下といった、女性特有の悩みに寄り添い、快適に毎日を送るためのサポートを行う分野。
“婦人科”と“美容医療”が融合したこの分野は新しい医療のかたちとして、美容クリニックを中心に広く提供され、近年注目を集めています。
■我慢の時代からケアできる時代へ…美容婦人科が支える女性のQOL
従来の婦人科は、生理不順や更年期障害、子宮・卵巣の疾患といった病気や異常を発見したり対処したりすることが主な役割。
一方、美容医療ではコンプレックスの解消や、加齢に伴う見た目の変化へ対応するため、外見的な美しさや若々しさをサポートしてきました。
美容婦人科は、医療的な視点と美容的な視点の両方からアプローチする、2つの分野の架け橋のような存在。
通常の婦人科は保険適用となる治療が中心ですが、美容婦人科では保険適用外の自由診療の治療も用いて、女性の悩み解消とともに、QOL(生活の質)向上により深く寄り添います。
たとえば、デリケートゾーンのたるみや乾燥、黒ずみといった悩みは、これまで「歳をとれば仕方ない」「病院に行くほどではない」と放置されがちでした。
しかし今では、これらの悩みは“我慢するしかない”という時代ではなくなり、適切なケアで改善できるようになっているのです。
■フェムテックとSNSが変えた女性の体との向き合い方
美容婦人科がここまで注目される背景には、社会全体の価値観の変化も大きく影響しています。
2021年に経済産業省が「フェムテック(女性の健康課題をテクノロジーで解決する製品やサービス)」の支援事業を開始したことで、日本国内でもフェムテックブームが加速。
さまざまな企業や団体が関連サービスを展開し、女性の身体への向き合い方に新たな光が当たるようになりました。
またSNSの発達により、女性同士で悩みや治療の経験談を共有しやすくなったことで、「この不調は自分だけじゃなかったんだ」と気づけたり、「こんな解決方法があるんだ」と情報を得られたりと、治療へのハードルがぐっと下がり、行動につながるきっかけになっています。
美容婦人科は、こうした女性たちの意識の変化に応える形で発展してきました。
まだまだ「恥ずかしい」「そこまでする必要はない」と誤解されがちな分野ですが、本来は女性の心身の健康を支える、大切な医療の一分野。
正しい理解と選択が、あなたのこれからの人生をもっと自由で快適なものに変えてくれるかもしれません。
▽婦人科形成を受けるなら美容外科?産婦人科?気になる方はこちらをチェック
フェムケア治療・膣ハイフ・ホルモン補充までの選択肢

出典:photoAC
美容婦人科のフェムケア治療の選択肢は、目的や悩みに応じて多岐にわたります。
たとえば、膣のゆるみ、乾燥、黒ずみ、性交痛、かゆみ、におい、さらには更年期に伴う不調など……。
デリケートな症状こそ何でも話せる医師に相談し、自分に合った治療を一緒に選ぶことが安心につながるはず。
ここでは美容婦人科でよく扱われる、デリケートゾーンの悩みに対応できるフェムケア治療をご紹介します。
■【美容婦人科】代表的なフェムケア治療の比較表

「膣縮小術」以外のフェムケア治療はいずれもメスを使わない方法で、痛みやダウンタイムは軽度。
数ヶ月~1年に1回程度の定期メンテナンスが必要ですが、美容婦人科の治療は初めてという方も検討しやすいでしょう。
一方、膣縮小術はメスを使った切開を伴うため、抵抗を感じる方も多いかもしれません。
しかし、一度手術を受けると効果は長期的です。
今後、妊娠・出産をしないという方に向いているため、より高度な治療を受けたい方はライフプランに合わせて検討してみると良いでしょう。
■まずは「膣の健康指数」をチェックするのもおすすめ
美容婦人科を掲げるクリニックの中には、「膣の健康指数」を数値として可視化できる検査を行っているところも。
膣内の弾力、うるおい、pH値、膣圧(膣の締まり具合)などをチェックできるため、自分のデリケートゾーンの状態を正確に把握したうえで、オーダーメイドの治療プランを組むことが可能になります。
▽膣ケアの年代別アプローチとは?気になる方はこちらをチェック
患者の声から見るニーズと変化

出典:photoAC
先述したように、SNS上では実際にフェムケア治療を受けた方の率直な意見や感想が多く飛び交っています。
フェムケア治療は「パートナーの満足度向上のために受けるもの」という先入観が根強く残る一方、実際に治療を受けた女性たちの声からは、そのイメージとは異なるリアルなニーズと変化が見えてきました。
膣ヒアルロン酸治療
膣ヒアルロン酸治療について、当事者からは「お湯漏れや尿漏れの不快感、膣の乾燥を軽減するために受けている」といった切実な声が多く、QOL向上を目的とした受診も主流であることが分かります。
膣レーザーや膣ハイフ
膣レーザーや膣ハイフを経験した女性からは、膣のゆるみからくる尿漏れ・お湯漏れが緩和されたという声が多数。
中には、パートナーシップの向上を実感する声もみられました。
ホルモン補充療法(HRT)
ホルモン補充療法(HRT)では、日常生活の質の回復に直結する効果が語られています。
こうしたSNS上の声から見えてくるのは、美容婦人科が「生きやすさ」や「自分らしさ」を取り戻すための選択肢として、多くの女性に受け入れられつつあるという事実です。
まとめ
デリケートゾーンの不快感や更年期のゆらぎを、「病院に行くほどではない」とやりすごしている女性は少なくありません。
けれど、「なんとなく違和感がある」と感じたときこそ、美容婦人科に相談するタイミング。
自分の体のことを安心して話せる医師と出会うことで、心身の負担が軽くなり、毎日の過ごし方が大きく変わるかもしれません。
“恥ずかしい”から“相談しよう”という意識へアップデートして、自分の体と向き合っていきましょう。
この記事を読んだあなたにおすすめの関連記事
| ・当サイトは、美容医療の一般的な知識をできるだけ中立的な立場から掲載しています。自己判断を促す情報ではないことを、あらかじめご了承ください。また、治療に関する詳細は必ずクリニック公式ホームページを確認し、各医療機関にご相談ください。 ・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。 ・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。 |
【治療の内容】膣レーザー治療(膣内へのフラクショナル炭酸ガスレーザー)
【治療期間および回数の目安】1~2ヶ月おきに計3回程度、その後、年1回のメンテナンス施術を推奨
【費用相場】1回約22,000~¥55,000 ※各クリニックによって異なります。
【リスク・副作用等】熱感、ひりひり感、腫れ、軽度の痛み、少量の出血などの一時的な不快感など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】膣への医療用HIFU(高密度焦点式超音波)
【治療期間および回数の目安】治療後3ヶ月~6ヶ月以降から再照射可能 ※治療期間や回数等はクリニックごとに異なります。
【費用相場】1回約¥65,000~¥300,000
【リスク・副作用等】熱感、むくみ、鈍痛、内出血、しこり、おりもの増加など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【施術の内容】膣内ヒアルロン酸製剤注射
【施術期間および回数の目安】約9~18ヶ月ごとに1回程度 ※使用する製剤や状態によって異なります。
【費用】約¥100,000~¥300,000 ※本施術は自由診療(保険適用外)です。使用する本数には個人差があります。
【リスク・副作用等】内出血、腫れ、痛み、アレルギー、感染、しこり、おりもの増加、尿道閉塞、腟ヒアルロン酸脱など
【未承認医薬品に関する注意事項について】
・本施術には、日本国内において薬事承認を受けていない未承認の医薬品を使用する場合があります。
・施術に用いる医薬品は、医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。詳細は厚生労働省の「個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報」をご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分を有する他の国内承認医薬品は存在しない場合があります。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
【施術の内容】膣縮小術
【施術期間および回数の目安】通常1回 ※状態によって異なります。
【費用】¥300,000~¥500,000程度 ※本施術は自由診療(保険適用外)です。
【リスク・副作用等】出血、腫れ、痛みなど




