「最近肌荒れが気になる」とお悩みの方はいませんか。その肌荒れの原因は、鉄分不足かもしれません。そこでこの記事では、鉄分が不足すると現れる症状や鉄分を摂取する方法、肌荒れに効果的なセルフケアについてご紹介します。美容内科で内側からケアする方法もお届けするので、肌悩みがなかなか解決しないという方はぜひチェックしてみてください。
1.鉄分が不足するとどうなる?
まずは、鉄分が不足するとどのような症状が現れるのか、詳しく見ていきましょう。
■貧血になる
鉄分が不足すると、赤血球がうまく生成されなくなり、酸素の運搬や二酸化炭素の回収が行き届きません。すると「鉄欠乏性貧血」を引き起こすのです。貧血になりエネルギーをつくり出せなくなると、頭痛や集中力の低下、疲れやすくなるなどの症状が現れます。
■肌荒れが起きる
鉄分が不足し血行不良になると、肌に栄養が十分運ばれずコラーゲンやヒアルロン酸といった肌のうるおいを保つ成分が減少します。肌が乾燥するほか、肌の新陳代謝と呼ばれるターンオーバーにも乱れが生じ、角質層のバリア機能が破壊されます。すると、肌荒れなどの皮膚トラブルを起こしやすくなるのです。
■シミが増える
肌は、紫外線によりダメージを受けるとメラニンという色素をつくり出します。肌のターンオーバーがきちんと行われれば、メラニンは少しずつ排出されますが、鉄分が不足していると必要な栄養素が肌に届かず、ターンオーバーに乱れが生じてしまいます。すると、メラニンが肌内部に残ったままになってしまい、シミを増やす原因になるのです。
■肌のハリがなくなる
鉄分は、肌に弾力やハリを与えるコラーゲン生成に欠かせない栄養素の一つです。そのため、鉄分が不足するとコラーゲンが生成されにくくなります。真皮中のコラーゲンが減り、肌を支える力が弱まると、肌のハリがなくなりシワやたるみが増えてしまうのです。
■大人ニキビが増える
鉄分が不足して貧血状態になると、大人ニキビが増えやすくなります。血行不良により、健康な肌を保つのに必要な栄養が届きにくいからです。貧血により引き起こされる大人ニキビは、スキンケアだけでは治らないのが特徴です。内面からのケアが必要になってくるでしょう。
■角質が厚くなる
肌は、ターンオーバーによって常に新しく生まれ変わっています。しかし、鉄分が不足して、肌へ供給される酸素の量が減ると、ターンオーバーのサイクルが乱れたり長くなったりして、生まれ変わるはずだった角質がそのまま残ってしまうのです。すると、角質が厚くなり肌がゴワゴワになってしまいます。
■顔色が悪くなる
鉄分が不足すると血液中のヘモグロビンが減少します。赤色をしているヘモグロビンが減ると、血液がくすんだ色になり、顔色が悪く見えるようになるのです。血色の悪化によって現れるくすみは、相手に疲れた印象を植え付けます。鉄分不足以外の原因として、睡眠不足やストレス、運動不足などから引き起こされる血行不良もあるのです。
■抜け毛や切れ毛が増える
鉄分不足は、髪にもダメージを及ぼします。髪は、酸素や栄養分を毛細血管を通して吸収し健康を保っています。鉄分が不足して体内の酸素が減ると、十分な栄養が行き届かず髪の毛が細くなったり、抜け毛や切れ毛が増えてしまったりするのです。
2.鉄分を摂取する方法
ここからは、鉄分を摂取する方法を解説します。
■鉄が多く含まれる食品を摂る
食品に含有される鉄には、ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。効率的に鉄を摂取するためには、ヘム鉄を多く含む食材を選ぶことが大切です。
ヘム鉄
ヘム鉄は、肉や魚などの動物性食品に多く存在します。体内で吸収されるヘム鉄は15%~25%ほどです。鉄分の摂取を増やしたい人は、ヘム鉄が豊富な肉や魚をしっかり摂りましょう。とくに、レバーや牛肉、まぐろ、かつお、いわしにヘム鉄が多く含まれています。
非ヘム鉄
非ヘム鉄は、ほうれん草や納豆など植物性食品に含まれています。ただし、非ヘム鉄が体内に吸収されるのは5%以下。非ヘム鉄の吸収を高めるためには、ビタミンCを含む野菜と一緒に摂取するとよいでしょう。ヘモグロビンの材料となるたんぱく質を、一緒に摂るのもおすすめです。
■サプリメントで補う
食事からだけでは鉄分の摂取が足りない場合、サプリで補うのも一つの手です。市販のサプリメントには、鉄を含んだものがあります。服用するときには、お茶やコーヒーなどと一緒に摂らないようにしましょう。お茶やコーヒーに含まれるタンニン(苦味成分)には、鉄の吸収を妨げる作用があるからです。
3.自宅でできる肌荒れのセルフケア
ここでは、自宅でできる肌荒れケアについてご紹介します。
■正しく皮膚を洗浄する
洗顔するときは、洗顔料をしっかりと泡立ててから優しく洗いましょう。熱いお湯を使用すると必要以上に皮脂を落としてしまい、冷たい水は刺激となりかゆみをもたらすことがあります。適温は、32度くらいのぬるま湯です。泡を洗い流したあともタオルでこすらないように注意を払います。優しく肌に当てて水分を吸い取るようにして、肌への負担を最小限に抑えましょう。
■保湿を徹底する
洗顔後は、化粧水を角質層まで浸透させ、美容液で保湿成分を補いましょう。乳液で油分を与え、クリームでうるおいを閉じ込めます。洗顔や入浴後はすぐに保湿するように心がけましょう。長時間うるおいをキープするためには、乾く前に水分を補給するのがポイントです。
■紫外線対策を行う
紫外線も肌荒れの原因になります。外出時は紫外線対策をしっかり行って、肌へのダメージを減らしましょう。日焼け止めは、こまめに塗りなおすことが大切です。帽子やサングラスなどの紫外線対策アイテムを上手に使って肌荒れ防止を目指しましょう。
■しっかり睡眠をとる
肌荒れを防ぐためにはしっかりと睡眠を取ることが大切です。質の良い睡眠によって、成長ホルモンが分泌され肌のターンオーバーが促進されます。また、睡眠不足や睡眠の質を下げる原因となるストレスを貯めないことも大切です。
4.美容内科で肌荒れを改善する方法
最後に、美容医療でできる鉄分不足による肌荒れケアについてご紹介します。
■オーソモレキュラー栄養療法
美容内科では、オーソモレキュラー栄養療法を用いて、それぞれに適した食事や足りない栄養素を知ることができます。オーソモレキュラー栄養療法とは、適切な食事やサプリメント、点滴などで、身体を構成する細胞の機能を向上させて、さまざまな病気を改善する療法です。足りない栄養素を補うことで、肌荒れ改善につながるでしょう。
■高濃度ビタミンC点滴
ビタミンCは、鉄の吸収を高めてくれます。高濃度ビタミンC点滴とは、静脈内に高濃度のビタミンCを注入する治療法で、内服での摂取と比較すると高濃度な状態でビタミンCを取り込むことが可能です。不足しがちな栄養分を補ってくれるので、肌荒れの改善も期待できます。老化の一因となる活性酸素を無毒化する「抗酸化作用」も得られ、体内からエイジングケアができるでしょう。
■まとめ
鉄分が不足すると現れる症状や鉄分を摂取する方法、肌荒れをケアする方法についてご紹介しました。セルフケアだけでは肌荒れがなかなか改善されないという方は、美容内科で内側からアプローチする手段も取れますます。紫外線対策を徹底したり、睡眠を長めに取るようにしたりしても治らないときには、ぜひ一度ご相談ください。
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