FOR DOCTORS

「ヒアルロン酸で膨らませる」は古い──ハイパーダイリュート・レディエッセ(Hyperdilute Radiesse)が塗り替える「肌を育てる」美容の最前線

「ヒアルロン酸で膨らませる」は古い──ハイパーダイリュート・レディエッセ(Hyperdilute Radiesse)が塗り替える「肌を育てる」美容の最前線

「顔にヒアルロン酸を入れたら、なんか不自然になった気がする。」
「膨らませるのではなく、肌そのものを若返らせたい。」

その問いに、科学が答え始めている。
2026年、美容医療の世界で最も加速しているトレンドのひとつが
ハイパーダイリュート・レディエッセ(Hyperdilute RADIESSE)だ。

2026年5月27日、Merz Aestheticsが発表した6ヶ月プラセボ対照試験が
Journal of Cosmetic Dermatologyに掲載された。
結果は衝撃的だった。
コラーゲンがプラセボ比最大23倍・エラスチンが96%増加。
同年4月8日にはデコルテへのFDA第4適応症承認も取得し、
「顔と体」の両方に使える唯一の再生系バイオスティミュレーターとなった。

Merz Aesthetics 最新公式データ ── 2026年
数字が証明する
「肌を育てる」科学
23
コラーゲン産生増加
(プラセボ比・最大値)
96%
エラスチン産生増加
(プラセボ比)
48%
皮膚の厚みの増加
(臨床データ)
90%超
患者満足度
(15の臨床試験・公式データ)
出典:Merz Aesthetics公式・Journal of Cosmetic Dermatology May 2026・15臨床試験統合データ

本稿では、ハイパーダイリュート・レディエッセとは何か、
なぜ今これほどの注目を集めているのかを、
2026年最新の一次情報をもとに整理する。

まず基本から整理する。

レディエッセ通常使用 vs ハイパーダイリュート:何が違うか

通常使用(原液)
ハイパーダイリュート
希釈比率
原液(希釈なし)
1:2〜1:6で希釈
主な目的
ボリューム補填
輪郭形成
コラーゲン産生促進
肌質改善・引き締め
注入の深さ
深部(骨膜上など)
皮膚の浅い層(皮下)
即効性
高い(すぐ膨らむ)
緩やか(1〜3ヶ月で発現)
効果の持続
6〜12ヶ月
12ヶ月〜3年超

レディエッセの主成分であるCaHa(カルシウムハイドロキシアパタイト・ハイドロキシアパタイトカルシウム)は、人体の骨や歯にも自然に存在する生体適合性の高い成分だ。超薄く希釈することで「ボリューム補填」という効果をバイパスし、線維芽細胞(コラーゲン・エラスチンを作る細胞)への刺激という「バイオスティミュレーション」の効果のみを活用できる。

ハイパーダイリュート・レディエッセの注入深度を示す皮膚断面図。通常RADIESSEは深部に、希釈版は浅い層に広く分布する比較図
皮膚断面で見る注入深度の違い(イメージ図)|出典:Cogorno Wasylkowski V. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2023; PMC論文「Efficacy of Hyperdiluted CaHA for Neck Rejuvenation」をもとにNERO編集部作成

02
THE SCIENCE 2026

2026年5月の衝撃論文──「コラーゲン23倍」が示す生物学的革命

2026年5月27日、Merz Aestheticsが発表しJournal of Cosmetic Dermatologyに掲載された6ヶ月・プラセボ対照バイオマーカー研究は、審美医療における細胞外マトリックス(ECM)再生の最も包括的な人体評価の一つとされる。

RADIESSEのコラーゲン23倍・エラスチン96%・デコリン82%・バーシカン129%増加を示す横棒グラフ。2026年Journal of Cosmetic Dermatology掲載データ
肌の4大構造タンパク質の増加率(プラセボ比)|出典:Merz Aesthetics. Journal of Cosmetic Dermatology. May 27, 2026(6ヶ月プラセボ対照試験)

23倍

コラーゲン産生(プラセボ比・最大値)

構造・ハリを担うタンパク質

生理食塩水プラセボと比較して、コラーゲン産生が最大23倍増加した。これは従来の美容医療で示されてきたどの数値よりも圧倒的に高い水準だ。

96%

エラスチン産生増加(プラセボ比)

肌の弾力・伸縮性を担うタンパク質

エラスチンはコラーゲンと並ぶ皮膚構造の要だが、加齢とともに産生が著しく低下し、かつ一度失うと回復が困難とされてきた。96%という増加は、この「難題」への有力な答えだ。

82%
129%

デコリン(82%)・バーシカン(129%)増加

肌の保湿・構造維持を担うECMタンパク質

デコリンとバーシカンは肌の水分保持と構造支持に関わる細胞外マトリックス成分だ。それぞれ82%・129%の増加は、「ハリ・潤い・厚み」という肌の質感が総合的に改善することを示唆する。

🌞 さらに「光老化(ソーラーエラストーシス)」にも改善効果

今回の研究ではさらに、日光による慢性的な皮膚ダメージ「ソーラーエラストーシス(光老化)」の超音波特徴が、RADIESSE治療部位で3ヶ月・6ヶ月時点で改善したことが報告された。シワ・たるみ・クレーピースキン(紙のような薄く乾いた肌)の主要原因に対する初のエビデンスだ。

03
FDA APPROVAL

2026年4月・デコルテFDA承認──顔だけでなく「体の肌」へ

2026年4月8日、Merz Aestheticsは22歳以上の患者を対象にした「デコルテ(胸元)のシワ治療」にRADIESSEのFDA承認を取得した。
これはRADIESSEの第4の適応症であり、「顔と体の両方で承認された米国唯一の再生系バイオスティミュレーター」という歴史的なポジションを確立した。

80%
デコルテ治療後に「肌のタイトニング(引き締め)に満足」と回答した患者の割合
FDA承認支持データより
90%
4ヶ月時点で「目に見える改善」を確認した盲検評価医師の割合
FDA承認支持データより
93%
「他の部位でもRADIESSEを試したい」と回答した患者の割合
1年後の継続意欲データより

補足:デコルテは薄く・ダメージを受けやすい皮膚で、「最も年齢が出やすく、かつスキンケアルーティンでも見落とされやすい部位のひとつ」とMerz CSO(最高科学責任者)のSamantha Kerrは述べた。ボトックスやヒアルロン酸では対応が難しかった「首元の横じわ・クレーピースキン」に対する、世界初の承認バイオスティミュレーター治療だ。

RADIESSEのFDA承認4適応症を示す人体マップ。顔・手の甲・HIV顔面萎縮・デコルテ(2026年4月承認)の部位と承認時系列
RADIESSEのFDA承認4部位と承認時系列(イメージ図)|出典:Merz Aesthetics. BusinessWire. April 8, 2026

04
3 TARGETS

Merz社が2026年に狙う3つのターゲット──日本人読者が知るべき「今の文脈」

Merz社のグローバルプロモーション(公式Instagramのピン留めコンテンツ)が示す3つの戦略ターゲットは、そのまま「ハイパーダイリュート・レディエッセが誰に有効か」という問いへの答えだ。

ハイパーダイリュートRADIESSEの3ターゲット比較カード。GLP-1後のオゼンピックフェイス・デコルテしわ・若年層メンテナンスの各ニーズと対応データ
Merz社が2026年に注力する3つのターゲット層(イメージ図)|出典:Merz Aesthetics公式Instagram ピン留めクリエイティブ(2026年);FDA承認支持データ;15臨床試験統合データ
ターゲット①

GLP-1ダイエット後の「オゼンピックフェイス(Ozempic Face)」対策

公式Instagramのピン留め文:「Rapid weight loss from GLP-1s shown on your face?(GLP-1の急激な体重減少が顔に出ていませんか?)」
マンジャロ・オゼンピック等のGLP-1薬による急激な体重減少では、脂肪と一緒に顔のボリュームが消えてしまう。ヒアルロン酸で「膨らませる」と不自然になりやすいこのケースに、肌の厚みそのものを回復させるハイパーダイリュートRADIESSEが注目されている。

ターゲット②

首・デコルテの横じわ・クレーピースキン

公式訴求:「Give your décolleté the attention it deserves(デコルテにも、もっと注目を)」
顔ほど丁寧にケアされてこなかった首・デコルテは、年齢が最も出やすい部位のひとつだ。2026年4月のFDA承認で「初の承認バイオスティミュレーター」となり、クリニックでメニュー化される動きが世界で加速している。
日本でも「首の横じわ(ネックレスライン)」への施術需要は高く、ハイパーダイリュートが最適解として注目される。

ターゲット③

20〜30代の「予防美容・メンテナンス投資」層

公式訴求:「Maintenance Mode(メンテナンスモード)」
Z世代〜ミレニアル世代が「40代になってから慌てる」のではなく、「今のうちに肌の土台を作る」という先制投資として選んでいる。スキンスパン(肌の健康寿命)という文脈とも連動し、「育てる」美容の最前線に位置づけられる。
日本でも20〜30代の「ナチュラルリザルト志向」層に合致する施術として需要が高まりつつある。

🇯🇵 日本人読者への特別インサイト:「なぜ今これが重要か」

「膨らませる美容医療」への抵抗感が強い日本人に刺さる──「不自然になりたくない」「やり過ぎた感がイヤ」という日本の美容医療ユーザーの感覚に、ハイパーダイリュートの「膨らませずに育てる」アプローチは特に相性が良い。

GLP-1薬(マンジャロ等)の日本普及が追い風──日本でもGLP-1薬処方が急増しており、「顔のコケ・たるみ」という需要が生まれつつある。これがハイパーダイリュートRADIESSEの需要と直結する。

Merz社が日本市場へのプッシュを強化中──Xperience MerzのHCPプログラムでRADIESSE注入1シリンジあたり通常の2倍のポイント付与キャンペーンが走っており、クリニック側のメニュー化を強力に後押ししている。近い将来、日本のクリニックでのメニュー拡大が加速する可能性が高い。

250本超の科学論文・2,000万本超のシリンジ出荷・85カ国以上で提供という圧倒的なエビデンス蓄積は、「安全性の心配」に対する最も強い答えだ。

美容注射4種類の即効性と持続性を示す2軸ポジショニングマップ。ハイパーダイリュートRADIESSE・スカルプトラ・ヒアルロン酸・EZgelの特徴比較
美容注射4種の即効性×持続性ポジショニングマップ(イメージ図)|出典:Journal of Cosmetic Dermatology May 2026(RADIESSE);Galderma公式データ(スカルプトラ);Aesthetic Assets比較解説 Nov 2025(EZgel・HA)をもとにNERO編集部作成

NERO編集長
NERO編集長

米国看護師として臨床を見てきた立場から言うと、ハイパーダイリュート・レディエッセが示している方向性は、美容医療の本質的なパラダイムシフトだと感じている。
「コラーゲン23倍・エラスチン96%増」という数字は、単なるマーケティングではなくプラセボ対照の査読論文で示されたデータだ。
「膨らませる」から「育てる」へという転換は、ちょうど「アンチエイジング」から「スキンスパン(肌の健康寿命)」への概念転換とも重なる。
日本人の「不自然になりたくない」というニーズと、このアプローチは極めて相性が良い。

「ヒアルロン酸で膨らませる時代」が終わるとは言い過ぎかもしれない。
でも「自分のコラーゲンを23倍増やす治療がある」という事実は、
これからの美容医療の選択基準を確実に変えていく。
NERO編集長
NERO編集長

まとめ

  • ハイパーダイリュート・レディエッセ(CaHa・カルシウムハイドロキシアパタイト)は、生理食塩水で1:2〜1:6に希釈して皮下に広く注入するバイオスティミュレーター治療。「ボリューム補填」ではなく「コラーゲン・エラスチン産生促進による肌質改善」が目的だ。
  • 2026年5月のプラセボ対照試験(Journal of Cosmetic Dermatology)でコラーゲン最大23倍・エラスチン96%・デコリン82%・バーシカン129%の増加が確認。光老化(ソーラーエラストーシス)の改善も初めて示された。
  • 2026年4月8日、デコルテへのFDA第4適応症承認を取得。「顔と体の両方に承認された米国唯一の再生系バイオスティミュレーター」となった。デコルテ治療での患者満足度80%超・医師評価90%・再治療希望93%。
  • 日本人読者への示唆:「膨らませたくない・不自然にしたくない」というニーズに最も応えられるアプローチ。GLP-1増加による「顔のコケ・たるみ」需要とも直結。Merzが世界規模でメニュー化を加速しており、日本クリニックへの波及が近い。

よくある質問(FAQ)

Q
ハイパーダイリュート・レディエッセはヒアルロン酸フィラーとどう違うか?
ヒアルロン酸フィラーが「今すぐ異物を注入してボリュームを補填・形を作る」のに対し、ハイパーダイリュート・レディエッセは「自分のコラーゲン・エラスチン産生能力を高めて、肌そのものを厚く・強くする」アプローチだ。効果は緩やかに出て(1〜3ヶ月)持続期間が長い(12ヶ月〜3年超)。「膨らんだ見た目が気になる」「ナチュラルな変化がほしい」「肌質そのものを改善したい」という場合に適している。なおヒアルロン酸は溶解剤で取り除けるが、レディエッセは吸収されるまで体内に留まる(生体吸収性あり)。
出典:Journal of Cosmetic Dermatology May 27, 2026; Merz Aesthetics FDA Approval April 8, 2026
Q
どんな部位に使えるか?日本でも受けられるか?
顔(頬・こめかみ・目の下)・首・デコルテ・手の甲・二の腕・膝上・臀部など、幅広い部位に使用されている。特に「首の横じわ(ネックレスライン)」「手の甲の萎縮」「クレーピースキン(薄く乾いた皮膚)」への応用が世界的に増えている。日本では未承認の手技・用途もあるため、施術を受ける場合は有資格の専門医(皮膚科・形成外科・美容皮膚科)に相談の上、クリニックの導入状況を確認することを推奨する。
出典:Merz Aesthetics FDA Approval April 8, 2026; Clinic Cosmet Investig Dermatol各論文
Q
GLP-1ダイエット後の「顔のコケ」にRADIESSEが有効なのはなぜか?
GLP-1による急速な体重減少では、脂肪とともに顔の脂肪組織が減少し、「皮膚が薄くなった・たるんだ・老けた印象」という変化が起きる。この状態にヒアルロン酸でボリュームを補填すると「膨らんで不自然」になりやすい。一方ハイパーダイリュート・レディエッセは「皮膚の厚みを最大48%増加させ、コラーゲン産生を促す」アプローチで、外から膨らませるのではなく「肌そのものを再生する」。これが「GLP-1後の肌変化に最も適したアプローチ」としてMerz社も学会で推奨している理由だ。
出典:Merz Aesthetics公式Instagram・RADIESSE Official プロモーション素材; Journal of Cosmetic Dermatology May 2026

出典・参考文献

  1. Merz Aesthetics. "New Research Shows RADIESSE® Supports Substantial Regeneration of Collagen and Key Extracellular Matrix Proteins." BusinessWire. May 27, 2026. Published in: Journal of Cosmetic Dermatology, 2026.
  2. Merz Aesthetics. "Merz Aesthetics Receives FDA Approval for RADIESSE® for the Treatment of Wrinkles in the Décolleté Area." BusinessWire. April 8, 2026.
  3. American Med Spa Association. "Merz Aesthetics' Radiesse Receives FDA Approval for Décolleté Wrinkles." April 8, 2026.
  4. ReachMD. "RADIESSE Study Links Calcium Hydroxylapatite to ECM Regeneration." May 27, 2026.
  5. Cogorno Wasylkowski V. "Starting Point for Protocols on the Use of Hyperdiluted Calcium Hydroxylapatite (Radiesse®) for Optimizing Age-Related Biostimulation." Clin Cosmet Investig Dermatol. 2023.
  6. PMC. "Efficacy and Tolerability of Hyperdiluted Calcium Hydroxylapatite (Radiesse) for Neck Rejuvenation." Clin Cosmet Investig Dermatol. 2023.
  7. Medscape. "FDA Approves Radiesse for Decolletage Despite Advisory Panel's Concerns." April 10, 2026.

※本記事はNERO DOCTOR/BEAUTY編集部が一次情報に基づき制作した業界レポートです。RADIESSEの日本における承認状況・使用可能な適応症は医師に直接ご確認ください。施術の判断は有資格の専門医への相談のうえで行ってください。

安達 健一
NERO DOCTOR/BEAUTY 編集長

この記事は、米国看護師(RN)・MBA保有のNERO編集長・安達健一が、世界の一次医療データをもとに監修しています。「感情ではなく理解で選べる美容医療」を届けるため、広告主からの影響を受けない独立した編集方針を貫いています。

NERO 安達健一