今更聞けない、「ボトックスってつまりどんな効果あるの?」意外と知らない「ボディボトックス」のおすすめ部位も解説!

今更聞けない、「ボトックスってつまりどんな効果あるの?」意外と知らない「ボディボトックス」のおすすめ部位も解説!

シワ改善ができることで人気のボトックス注射。美容皮膚科ではメジャーな治療方法ですが、シワ以外にも効果があることをご存知でしょうか。今回は、ボトックスとはどんな成分なのか?小顔や引き締めにも効果があるのか?といった疑問に徹底的にお答え。「ボトックスを打ってみたい」「顔には打ったことがあるけど、もっとボトックスについて詳しく知りたい」という方はぜひお役立てください。

そもそもボトックスとは?

ボトックスとは、ボツリヌス菌が生み出すたんぱく質から、毒素の1つである「ボツリヌストキシン」を抽出したものです。毒素といっても、医薬品として使えるよう分解・精製しているため人体に悪影響はありません。美容皮膚科での治療として知られていますが、一般の医療現場でも、目や顔のけいれんを抑える薬として用いられています。

ボツリヌストキシンによる作用は、次のとおりです。普段、私たちの体は神経から信号が伝達されることによって動いていますが、ボツリヌストキシンが神経筋接合部(筋肉と運動神経の接着部分)に作用することで、神経伝達物質である“アセチルコリン”の分泌を抑制。これにより筋肉の緊張がゆるみ、さまざまな症状を緩和させます。ボトックスの効果は、通常2~3日後に現れ始め、3~4ヶ月ほど持続。筋肉量や症状の重さ、製剤の注入量によって個人差はありますが、6ヶ月が経過する頃には消失するでしょう。そのため、効果を持続させたい場合は定期的な注射が必要です。

ボトックスの効果を解説!

ボトックスといえばシワの治療をイメージする方も多いのではないでしょうか。しかしボトックスは、エラの張り多汗症肩こりなどさまざまな悩みに効果を期待できる治療方法なのです。それぞれ詳しく解説しましょう。

シワの改善

シワには乾燥ジワやたるみジワなど種類がありますが、ボトックスがもっとも効果的とされるのが表情ジワです。表情ジワは、怒ったときに眉を寄せたり、笑ったときに目を細めたりと、表情筋を動かすことでできるシワのこと。おでこ、眉間、目尻、目の下、あごに現れるのが一般的です。表情ジワは、通常真顔になるともとに戻りますが、加齢や紫外線の影響で肌の弾力や水分量が減少し、皮膚を支えきれなくなると徐々に定着していきます。とくに、表情は無意識に癖づいているもの。長年繰り返すことで刻まれたシワは、セルフケアではもとに戻すのが難しいでしょう。ボトックスをシワが気になる部分に注入すると、表情筋の動きを抑え、表情をつくってもシワができにくくなります。さらに、根本からシワが寄るのを防げるため、継続することで将来のシワを防ぐことも可能です。表情ジワがあると、不機嫌に見えたり、疲れた印象を与えてしまいがち。シワが深く刻まれる前の予防としても効果を発揮します

小顔効果・エラ張りの改善

エラが張って顔が大きく見える、顔の輪郭が角ばって見えるといったお悩みにもボトックスは有効です。エラ張りの原因の1つに、「咬筋(こうきん)」と呼ばれる筋肉が発達していることがあげられます。咬筋は食べ物の咀嚼や、会話、あくびなどあごを動かす際に使う筋肉。日常生活で発達することはありませんが、食いしばり歯の噛みしめなどで無意識のうちに発達している場合があります。ボトックスをエラ部分に注入すると、咬筋が縮小し、張りを軽減。それにより、小顔効果やフェイスラインを整える効果が期待できます。個人差はありますが、目視でも変化を実感できダウンタイムもほとんどないため、顔にメスを入れたくない方に適した治療方法です。

多汗症・わきが臭の改善

ボトックスは、「洋服の汗ジミが気になる」「長年、手のひらや足裏の多汗症に悩んでいる」といった方にも適しています。冒頭で、ボツリヌストキシンは神経伝達物質のアセチルコリン働きを弱めると説明しましたが、実は筋肉だけでなく汗腺にも作用し、発汗を抑えることができるのです。また、ボトックスは「脇や陰部のわきが臭を消したい」という方にも有効とされています。もともと汗は、アポクリン汗腺から出るべたべたした汗と、エクリン汗腺から出るサラサラした汗の2種類があり、わきがは前者、多汗症は後者と、それぞれ症状の原因となる汗腺が異なります。しかし、わきが体質の方でなくても、両方の汗が混ざることで臭いが発生するケースは珍しくありません。そこで、ボトックスで汗の量を調節し、不快な臭いの発生を軽減させるというわけです。汗を抑える治療にはレーザーや外科手術もありますが、ボトックスは注射するだけと、手軽に行えるのも魅力です。

肩こり改善

近年、注目されているのが肩ボトックスです。「マッサージに通っても肩こりが治らない」という方も多いのではないでしょうか?肩こりは慢性化してしまうとなかなか治すことができません。そもそも肩こりの原因は、首から肩、背中にかけて広がる「僧帽筋(そうぼうきん)」が関係しています。デスクワークなどで僧帽筋の緊張状態が続くと、血流が悪くなり、疲労物質が蓄積。放置するとつらい痛みだけでなく、肩のラインが盛り上がって見える、猫背になるといった症状も引き起こされます。ボトックスを僧帽筋に直接打つと、筋肉の緊張がゆるみ、肩こりの症状が緩和。徐々に血行も促進され、首や肩のラインが美しく整うなど、見た目の変化も期待できます。結婚式や夏に向けて、女性らしい華奢な肩を手に入れたい方にもおすすめです。

他にも効果はいろいろ

出典:photoAC

ボトックスが神経に作用することで、筋肉状態や汗をコントロールできることは理解できたでしょうか。ボトックスは上述した悩み以外にも効果を発揮します。それぞれの症例は以下のとおりです。

ガミースマイル改善

笑うと歯茎が目立つガミースマイル。そのままの笑顔も素敵ですが、歯茎を気にしてうまく笑えないという方や、上品な笑顔にしたいという方はボトックスで治療できます。上唇を持ち上げる筋肉「上唇挙筋」にボトックスを打つことで、上唇が上がりすぎるのを抑制。笑っても歯茎が見えにくい状態へと導きます。

口角を上げる

口のまわりには、口角を上げる「口角挙筋」と、口角を下げる「口角下制筋」が存在します。口角はたるみや口呼吸が原因で、年齢とともに下がるものです。そこで、ボトックスをあえて口角下制筋に注射することで、口角を上げる力が優位に働くよう調整します。

小鼻を小さく見せる

笑ったときに小鼻が膨らむのは、「鼻孔開大筋」という筋肉が影響しているためです。ボトックスを小鼻に注入すると鼻の穴の広がりが抑えられ、小鼻に見せる効果があります。ただし、鼻が広がる原因に鼻孔開大筋が関係していない場合も。その際はボトックス以外の治療のほうが適しています。

二の腕・太もも・ふくらはぎの痩身

スポーツをしていた、ヒールや力仕事で日常的に筋肉がつきがちといった方は、二の腕や太もも、ふくらはぎが凸凹として太く見えてしまいます。ボトックスを発達した筋肉に打つことで、筋肉を縮小させ細くすることが可能です。

ボトックス注射の注意点

出典:photoAC

ここまでボトックスの効果をお伝えしましたが、「ボトックスを打ってみたい!」と魅力的に感じている方もいるのではないでしょうか?しかし、ボトックス注射を受ける際には、いくつかの重要な注意点があります。詳しく見ていきましょう。

ボトックスは医師の判断が重要

ボトックス注射は、治療したい部位にピンポイントで注入して初めて効果を発揮します。関係のない筋肉に注入しても適切な効果は得られませんし、やりすぎると不自然な仕上がりにもなります。そのため、製剤を注入する量や注射する部位の見極めがかなり重要。デザイン性が必要とされない美容施術ですが、ボトックスの知識と経験が豊富なクリニックを選びましょう。

ボトックスは妊娠中・授乳中・妊娠の可能性がある方はNG

ボトックスは、妊娠中、授乳中および妊娠している可能性がある場合には治療を受けることができません。ボトックスそのものの安全性は確立されているものの、胎児や乳児への影響はまだ解明されていないためです。妊娠の可能性がない方でも、卵子や精子へのリスクを避けるため、男女ともに施術後は最低3ヶ月は避妊する必要があります。注意点を十分に理解した上で、医師とよく相談してから治療を受けましょう。

ボツリヌストキシン製剤には種類がある

みなさんが知っている「ボトックス」という呼称は、正式にはアメリカの医薬品メーカー・アラガン社が開発した「ボトックスビスタ®を指します。日本では唯一、医薬品として厚生労働省から認可が降りている製品です。一方、市場にはボトックスと同様の効果があるものとして、韓国・ドイツ・イギリスなど、各国の製薬メーカーからボツリヌストキシン製剤が提供されています。いずれも日本ではまだ認可されていないものの、それぞれ医薬品としての基準をクリアしたものばかりです。

例えば、韓国最大手の医薬品メーカー・ナボタの製剤。ナボタはボトックスビスタ®と同様、世界でもっとも厳しい米国FDAの安全基準をクリアしていながら、コストを抑えた施術ができます。
ボツリヌストキシン注射はクリニックによって取り扱うメーカーが異なり、製剤の特徴や料金設定もさまざま。治療の際は、安心感・予算のどちらを重視したいか、また治療期間や打ちたい部位などを総合的に考慮して決めると良いでしょう。

まとめ

ボトックスはダウンタイムもほとんどなく、手術をせずに理想とする美しい姿を目指すことができます。また、手軽に肩こりや多汗症といった体の悩みも解決できる、万能な治療方法といえるでしょう。ただし、医師の判断次第では、効果を感じられないなどのデメリットも持ち合わせています。現在、多くの美容皮膚科で行われている施術ですが、信頼できるクリニック選びを心がけてくださいね。

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