近年、SNSなどでも話題のヒアルロン酸注射。シワやたるみが目立たなくなっている症例写真を見て、気になっている方も多いのではないでしょうか。ヒアルロン酸注射は顔にメスを入れないため、美容医療の中でも比較的トライしやすい施術です。とはいえ、失敗したらと思うと、なかなか一歩が踏み出せませんよね。そこで今回は、ヒアルロン酸注射の基本知識や、メリット・デメリットを詳しく解説。後悔しないためのポイントもお伝えするので、知識をふまえた上で治療を検討していきましょう。
INDEX
1.ヒアルロン酸注射の特徴と効果
ヒアルロン酸注射とはそもそもどんな内容の治療なのか、まずは特徴と対応できる症例を見ていきましょう。
■ヒアルロン酸注射とは?
ヒアルロン酸注射は、ヒアルロン酸をベースにした製剤を皮膚の真皮層に注入し、内側からボリュームアップさせる治療です。治療に使う製剤はさまざまなメーカーから出ており、種類によってヒアルロン酸の硬さや、配合されている成分が異なります。
そもそもヒアルロン酸は、私たちの皮膚に存在し、肌のハリや弾力を維持する力を持つ成分です。しかし、ヒアルロン酸の量は30代頃から減少し始め、シワやたるみの引き金になります。治療でヒアルロン酸を補填することで皮膚の溝を物理的に埋め、ふっくらとした若々しい肌を再現できるのです。
■ヒアルロン酸注射の効果
ヒアルロン酸が効果的とされる症例は以下のとおりです。年齢を感じさせるほうれい線や頬のコケ、額のシワへのアプローチのほか、おでこを丸くしたり鼻を高くしたりと輪郭形成も可能です。さまざまな目的に対応できるのが、ヒアルロン酸の魅力といえるでしょう。
<ヒアルロン酸注射の効果>
- シワやハリ改善
- たるみ改善・リフトアップ
- 頬のコケやこめかみなどの凹み改善
- 目の下のくま改善
- ほうれい線改善
- 額のシワ改善
- 涙袋や唇のボリュームアップ
- おでこに丸みを与える
- 鼻を高くする
2.ヒアルロン酸注射のメリット
ヒアルロン酸注射が人気の理由は、即効性があることや、仕事などで忙しい方でも受けやすいという点にあります。ここではヒアルロン酸注射のメリットを4つご紹介します。
■施術時間が短い
ヒアルロン酸注射は、注入する部位にもよりますが、大体10~15分で施術が終わります。カウンセリングや麻酔などの時間も含めると1時間は見ておきたいところですが、仕事帰りや休日の空き時間にも受けられるのは大きなメリットでしょう。
■施術直後に変化を実感できる
効果が実感できるまで日数を要する施術も多くある中で、ヒアルロン酸注射は施術直後に変化を実感できる点が魅力です。肌の悩みがその日のうちに解消されるため、満足度が高い傾向にある施術といえます。
■ダウンタイムが少ない
ヒアルロン酸注射は肌にメスを入れないため、皮膚へのダメージが少なく、ダウンタイムがほぼありません。人によっては腫れや内出血、赤みが出ることはありますが、ほとんどの場合数日で治まるなど回復が早いのも特徴です。また、施術後は翌日からメイクが可能なため、仕事を長く休めない方や周囲にヒアルロン酸注射を打ったことをバレたくない方にも向いています。
■万が一失敗しても修正しやすい
ヒアルロン酸注射をしてみて万が一満足いかない仕上がりになっても、特殊な製剤で溶かしてやり直すことができます。また、効果がもの足りない場合も、製剤を追加することが可能です。美容整形のように一生もとに戻らない心配がないことも、ヒアルロン酸注射ならではのメリットです。
3.ヒアルロン酸注射のデメリット
皮膚や精神面への負担が少なく、即効性もあるヒアルロン酸注射。魅力的なメリットばかりですが、デメリットも存在します。ヒアルロン酸注射を検討中の方は、デメリットをよく理解した上で施術を受けましょう。
■アレルギーなど副作用のリスクがある
上述したように、ヒアルロン酸注射は一時的な腫れや内出血を 伴う場合があります。また、稀にアレルギー や感染症、血流障害などを引き起こすことがあり、健康状態に不安がある方は必ず事前に相談しておきましょう。原則として、妊娠中または妊娠の可能性がある方、授乳中の方は治療を受けられません。
そのほか、ヒアルロン酸を入れたことによる異物感や、しこりが発生することもあります。ほとんどの場合数日で消えていきますが、長く残る場合は放置せず、早めにクリニックに報告しましょう。
■効果の持続が永久的ではない
ヒアルロン酸は体内に吸収される性質があるため、効果は少しずつ薄れ、いずれもとの状態に戻ってしまいます。持続期間は部位や製剤によって異なりますが、6~18ヶ月が目安でしょう。気になってきたタイミングで再度注入すれば維持できますが、その分コストが高くなるといったデメリットもあります。
■施術中は痛みを伴う
ヒアルロン酸注射はダウンタイムがほぼないとはいえ、デリケートな顔に注射器を刺していくため、痛みに敏感な方は苦痛かもしれません。オプションで麻酔クリームや冷却しながら施術をしてくれるクリニックもあるため、事前に確認しておきましょう。
■仕上がりが医師の技術力で左右する
顔や皮膚の形状を変えてしまうヒアルロン酸注射は、製剤の量や注入部位のバランスが重要です。場合によっては顔に左右差ができたり、表情が不自然になったりと、納得のいかない仕上がりになることも。医師の技術力に左右されるため、実績や症例写真をチェックして、信頼できるクリニックを選びましょう。
4.ヒアルロン酸注射を打ち続けるとどうなるの?
若々しい見た目をヒアルロン酸でキープするには、継続的な治療が求められます。 「ヒアルロン酸を打ち続けたらどうなる?」「逆に、やめたらどうなる?」と疑問に思う方もいるでしょう。結論からいうと、ヒアルロン酸は打ち続けても、途中でやめても問題ありません。ヒアルロン酸はもともと体内にある成分ですし、注入した製剤はいずれ吸収されて消滅するためです。
ただし、途中でやめてほうれい線やシワが出現することで、ヒアルロン酸を打っていたことが周囲にバレるという可能性はあります。また、誤った量や適切でない部位に打ち続けることで、顔の パーツのバランスが悪くなったり、違和感が生じてしまったりするリスクもあるでしょう。「ヒアルロン酸注射はやめた方がいい」といわれることが多い背景にも 、このような理由があると考えられます。
5.ヒアルロン酸注射で後悔しないための2つのポイント
ヒアルロン酸注射で後悔しないためには、2つのポイントがあります。デメリットを理解することに加えて、以下のクリニック選びのポイント にも気をつけてみてください。
■ポイント1:製剤の品質や選び方に注意する
ヒアルロン酸の製剤は海外製のものしかなく、また種類も豊富です。アメリカ、韓国、フランス、ドイツ などさまざまな国のメーカーから開発されており、基本的にはその国の安全基準を満たしているものばかりです。
例えば、アメリカ・アラガン社製の「ジュビダームビスタ®」というヒアルロン酸は、日本で厚生労働省の承認を受けている製剤です。ジュビダームビスタ®にもいくつか種類があり、改善したい悩みや部位によって使い分けられています。クリニックによっては、悩みに応じて他メーカーの製剤を使うところもあるでしょう。
しかし中には、悩みに対し適切な製剤が使われなかったり、また製剤の偽造品 が出回ったりなど、不安が残る一面もあります。そのため、施術を受けるクリニックではどのような製剤を使うのか、また料金が安すぎないかなどを調べておくことが大切です。
■ポイント2:信頼できる医師・クリニックを選ぶ
ヒアルロン酸注射は現在、 多くのクリニックで導入されています。比較する際は予算を考慮することも大切ですが、医師の技術力が高いところを選びましょう。経験が豊富なクリニックでは、肌状態や体質、年齢にあったオーダーメイドの治療を提案してくれる可能性が高い傾向にあります。また、カウンセリングが丁寧で、かつアフターフォローの体制が整っていると、より安心できるでしょう。
■まとめ
ヒアルロン酸注射は効果が長く続かないものの、見た目の変化をすぐに得られ、ダウンタイムも少ないなど魅力が多い治療方法です。デメリットを理解した上で、一度挑戦してみてはいかがでしょうか。施術は注射するだけと一見シンプルですが、製剤との相性があったり、高度な技術が必要だったりと、奥が深い治療方法でもあります。満足のいく仕上がりを得るためには、クリニック選びが重要です。料金の安さに惑わされず、信頼できるクリニックを探しましょう。
・当サイトは、美容医療の一般的な知識をできるだけ中立的な立場から掲載しています。自己判断を促す情報ではないことを、あらかじめご了承ください。また、治療に関する詳細は必ずクリニック公式ホームページを確認し、各医療機関にご相談ください。
・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。
・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。
【治療の内容】
ヒアルロン酸製剤の注入
【治療期間および回数の目安】
9~12カ月に1回程度
※製剤や部位によって個人差があります
【費用相場】
1本 約¥55,000円~150,000円
※使用する本数には個人差があります。
【リスク・副作用等】
赤み、内出血、腫れ、痛み、アレルギー反応、修正位置のずれなど
【未承認医療機器を用いた治療について】
・ヒアルロン酸注射およびヒアルロニダーゼ注入には、国内未承認の薬剤および薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国において、治療に伴う重大な副作用の報告はありません。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。