【毎月の生理~避妊・セルフプレジャーまで】女性の美容婦人科のお悩みをすべて解説!月経カップ・避妊インプラント・ピル・ミレーナ・フェムテックなど

【毎月の生理~避妊・セルフプレジャーまで】女性の美容婦人科のお悩みをすべて解説!月経カップ・避妊インプラント・ピル・ミレーナ・フェムテックなど

女性が自分の人生を主体的に楽しむために、性にまつわる悩みに向き合うことは、避けて通れません。しかし生理や避妊、セックス、性的欲求など、婦人科や性にまつわる悩みはあまりオープンに語りにくいもの……。この記事では、生理の仕組みや生理用品、避妊方法、セルフプレジャーなど、女性が自分自身を理解するために必要な基礎的知識について、幅広く解説します

女性の生理の仕組みの再確認・生理用品のトレンドとは?

生理は基本的に毎月の周期で必ず訪れ、女性の生活に少なからず影響を及ぼします。生理の不快感や生理痛の重さに悩んでいる人も少なくないでしょう。まずは、生理の基本を解説します。女性にとっては改めて言うまでもないことでもありますが、意外と知らない人も多いので、解説していきます。

生理の仕組み

生理(月経)とは、排卵のために厚くなっていた子宮内膜がはがれ落ち、出血とともに体外へ排出されることです。生理の始まった日から排卵を経て次の生理が始まるまでの期間は「生理周期(月経周期)」と呼ばれます。生理周期には個人差があるものの、一般的に25~28日が目安です。
生理周期には女性ホルモンが大きく関わっており、ホルモン分泌の状態や卵胞、子宮内の状態によって、生理期~卵胞期~排卵~黄体期の4つの時期に分けられます

生理周期は生理開始日を1日目と数えますが、卵胞期から理解する方が生理周期のつながりをイメージしやすいため、卵胞期~排卵~黄体期~生理期の順に説明します。

卵胞期 卵巣にある卵胞が成熟していく時期です。

脳から卵胞を成熟させるホルモンが分泌されることで、卵巣にある原子卵胞(卵子を包んでいる組織)1つが、成熟卵胞に成長していきます。

卵胞は、成熟する過程でエストロゲン(卵胞ホルモン)を分泌。エストロゲンの作用で、子宮内膜は増殖して厚くなっていき、受精できる体の準備を整えます。

排卵 卵胞の成熟(エストロゲンの分泌)がピークを迎えると、卵胞から卵子が排出されます。これが「排卵」です。排卵された卵子は、卵管を通って子宮内へ移動しながら、受精する機会を待ちます。
黄体期 排卵後は、妊娠できる体の準備をさらに進める黄体期に入ります。

卵子を排出したあとの卵胞は、黄体と呼ばれる組織に変化。今度はプロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌します。

プロゲステロンは子宮内膜をさらに肥厚させ、受精卵が着床できる環境(受精した卵子が子宮内にとどまれる環境)を整えるホルモンです。

生理期 着床すれば妊娠成立ですが、妊娠しなかった場合は、14日間ほどで黄体は寿命を迎えます。プロゲステロンの分泌が止まるため、それまで維持していた子宮内膜がはがれ落ち、卵子や血液と合わせて膣から排出。これが生理期です。

女性は、上記の生理周期をつねに繰り返しています。定期的に生理がくることは、ホルモンや卵子の成長サイクルが正常に機能していることの1つの指標です。

生理にまつわる悩みで多いのは?

株式会社明治は、2021年に全国の20代〜40代男女10,000人に対して「生理の悩み実態調査」を行いました(※1)。その結果、3ヶ月以内に生理があった女性4,418人のうち、85.0%が生理前や生理中の症状で「悩みがある」と回答。悩みの内容は、下記のとおりです。

出典:PR TIMES(※グラフ:NERO編集部作成)

「イライラ」(52.4%)や「下腹部の痛み」(49.7%)、「眠気」(41.4%)、「腹痛」(40.0%)、などのほか、「疲れやすさ」(33.7%)、「気分の落ち込みや抑うつ」(33.0%)、「デリケートゾーンの肌トラブル」(21.0%)など。

身体的なことから精神的なことまで、生理が女性の生活にさまざまな影響を与えていることが分かります。

また生理痛については、2022年にエスエス製薬株式会社(調査委託先:株式会社H.M.マーケティングリサーチ)が「生理に関する調査」を実施(※2)。生理痛の痛みレベルは、痛みがなく生活にまったく影響がない人(12.2%)もいれば1日中寝込む人(8.9%)までおり、個人差が大きいと言えます。

生理用品の種類

生理用品といえば日本では「紙ナプキン」が最もスタンダードです。しかし最近は経血吸収ショーツや月経カップなど、さまざまな生理用品が選べるようになっています。それぞれの生理用品のメリットやデメリット、どんな悩みに向いているかを紹介します。

【紙ナプキン】

紙ナプキンは、日本で最も一般的な生理用品です。サイズや厚み、素材、固定用の羽の有無など、メーカーごとにさまざまなバリエーションが販売されています。

メリット ・バリエーション豊富なため、生理の状態や好みによって使い分けられる。

・個包装かつコンパクトなため、持ち運びしやすい

・コンビニや薬局で手軽に購入できる。

・使用後の処理が簡単(捨てるだけ)

デメリット 使い捨てる必要がある。

・まめに取り替える必要がある。

・かぶれや蒸れによる不快感が起こりやすい。

向いている悩み ・まめに取り替えてスッキリしたい場合。

・急に生理になったときの対応。

【布ナプキン】

出典:photoAC

布ナプキンは、コットン素材で紙ナプキンと同じような形状をしており、洗って繰り返し使用するナプキンです。

メリット 繰り返し使えるため経済的

・サイズや形、素材(オーガニックコットンなど)が選べる。

デメリット ・洗ったり干したりする手間がかかる。

・経血の乾きが遅い場合がある。

外出先で取り替えた場合は持ち帰る必要がある

・ファッションに響く可能性がある。

向いている悩み ・肌に優しいナプキンを使用したい場合。

・環境に優しいナプキンを使用したい場合。

【タンポン】

出典:photoAC

タンポンは、膣内に挿入することで経血の流出を抑える生理用品です。

メリット ・正しく装着すれば装着中の違和感がない。

・装着後はズレないため、運動時でも経血漏れしにくい

・水中でも経血の流出が抑えられる。

・経血が肌に当たらないため、かぶれや蒸れが起こりにくい

デメリット 正しく装着するためにコツがいる

・使い捨てる必要がある。

・装着時にプラスチックゴミが出る。

向いている悩み ・ナプキンでは漏れやすい場合。

・経血で肌がかぶれやすい場合。

【月経カップ】

出典:photoAC

月経カップは、カップを膣内に挿入して経血を受け止める生理用品。カップ内に溜まった経血はトイレに流し、カップを洗って再度使用します。

メリット ・正しく装着すれば装着中の違和感がない。

経血を捨てる手間が少ない(半日に1度程度)

・自分の経血量が視覚的に把握できる。

・経血が肌に当たらないため、かぶれや蒸れが起こりにくい

デメリット 生理後は煮沸消毒する必要がある

・正しく装着するためにコツがいる。

向いている悩み ・経血で肌がかぶれやすい場合。

・環境に優しい生理用品を使用したい場合。

【経血吸水ショーツ】

出典:photoAC

ショーツ全体で経血を吸収できるように作られているのが経血吸水ショーツです。ナプキン数枚分の吸収力があるため、取り替える手間もかかりません。

メリット 履くだけで良いため手軽

・外出先で取り替えなくて良い。

・ファッションに響きにくい。

デメリット 初期投資が必要

・蒸れやかぶれが起こる可能性がある。

向いている悩み ・トイレに行く時間が取りにくい場合。

・防災グッズとして備えたい場合。

・月経カップだけでは心配な場合。

女性の人生で重要な観点【避妊】について

生理に関連する性の悩みとして、妊娠や避妊が挙げられます。女性の人生に大きな影響を及ぼす避妊について、正しい知識や選択肢を持っている人はどれだけいるでしょうか?
国際連合は、2019年に15歳~49歳(生殖可能年齢)の女性が使用している避妊法を国別に調査しています。その結果、各国の避妊法は下記のとおりでした(※3)。

欧米各国を大きくまとめたものはこちらです。

日本では圧倒的にポピュラーな避妊法である男性用コンドームは、欧米ではピルよりも使われていません。日本ではピルは産婦人科を受診する必要がありますが、海外では薬局で安価に手に入るため、という側面もありますが、女性主体で出来る避妊方法がピル以外であっても、いずれも安価であることが影響しています。
避妊方法について、それぞれのメリットやデメリットを紹介しましょう。

男性用コンドーム

出典:Photo AC

男性器にゴム製の袋をかぶせることで、精子が膣内に侵入するのを防ぐ方法です。

メリット 妊娠だけでなく性感染症を防げる

・薬局やコンビニで手軽に手に入る。

・使用方法が難しくない。

デメリット 100%は避妊できない。(避妊失敗率は2~18%)

・使用方法を誤ると避妊失敗率が上がる。

・男性の協力が必要。(女性主体で避妊できない)

経口避妊薬(ピル)

OC(Oral Contraceptives)や低容量経口避妊薬とも呼ばれます。エストロゲンやプロゲステロンの成分が含まれており、内服することで排卵を抑えます。

メリット 正しく使用すればほぼ100%避妊できる

・女性主体で避妊できる。

デメリット 産婦人科を受診する必要がある

・毎日飲む必要があり、飲み忘れると排卵が起こる場合がある。

・性感染症は防げない。

・副作用が出る場合がある。

・体質や持病によっては内服できない。

ミレーナ(IUS/子宮内避妊システム)

IUD(子宮内避妊器具)IUS(子宮内避妊システム)は、避妊用の器具を子宮内に常時入れておき、受精卵の着床を防ぐ方法です。避妊リングと呼ばれることもあります。中でも「ミレーナ」は、黄体ホルモンを放出することで、高い避妊効果が望めます。

メリット ・高い避妊効果が望める。

1度挿入すると、3~5年程度避妊効果がある

デメリット 産婦人科を受診する必要がある

・不正出血や過多月経になる可能性がある。

・出産経験がないと使用できない場合がある。

・定期的な検診が必要。

インプラノン(避妊インプラント)

二の腕の皮下に、黄体ホルモンを含ませた長さ4cm程度のやわらかいプラスチックを埋め込む方法です。避妊インプラントは日本では医薬品として承認されておらず、自由診療(自費)となります。

メリット ・高い避妊効果が望める。

・月経困難症の改善にも役立つ。

・生理が来なくなる人も多い

1度挿入すると、3年程度避妊効果がある

デメリット ・産婦人科を受診する必要がある。

保険適用外なため、全額自費となる。

・副作用(不正出血・嘔気など)が起こる場合がある。

このように、様々な避妊方法があります。
日本ではなぜ、避妊率もダントツに低く手間もかかるコンドームが主流なのでしょうか?
大変悔しい話でありますが、日本では避妊方法が普及すれば女性の性が乱れるに違いないという考え方や、一方で中絶指定医団体の意見を受け入れる日本の医師会の利権構造などの影響により、経口避妊薬の導入にあたっての逆風があったというのは先進国の中でも非常に残念な流れです。

女性の体は、女性自身のもの
保険適応されていないものが多く日本では経済的に他国のようにはいかないですが、避妊は、女性が自分の身を守るために、また、生理を軽くするという自分自身の生きやすさを選べるようにするべきものだと思います。

避妊と月経(生理の対策)は、いわば「課題を解決するためのマスト・基本」。ここからは、【よりライフスタイルを充実させるためのお話】セルフプレジャー×フェムテック編

女性が日々を幸せに過ごすためには、人生を主体的に楽しみ、自分の心身についてよく知ったうえで適切なセルフケアをすることが大切です。そのための方法として、近年話題になっているフェムテックセルフプレジャーについて解説します。

フェムテック(Femtech)とは?

フェムテックとは、女性が抱える特有の健康課題を解決するための、テクノロジーを生かしたツール(製品・サービス)のことです。

【女性特有の健康課題とは?】

「生理」「妊娠・不妊治療」「出産」「産後」「婦人科系疾患」「更年期」

「デリケートゾーンケア」「セクシャル・ウェルネス(性の健康)」など多岐にわたる。

これまでタブー視されていた女性の性についての問題に取り組むことで、女性が自分らしく生きていくことにつながると期待されています。経済産業省や大手企業なども注目し、近年力を入れている分野です。

セルフプレジャーについて

セルフプレジャーとは、自慰やマスターベーション、ひとりエッチなどと同じ行為のことを指します。自分自身で性的快感を得ることを、よりポジティブな意味合いで表現した言葉です。日本では恥ずかしいこと、隠すべきことという認識が強いセルフプレジャー。しかしセルフプレジャーには、実は大人の女性にとってたくさんのメリットがあります。
セルフプレジャーでオーガズムに達すると、脳には「オキシトシン」や「セロトニン」、「エンドルフィン」といったホルモンが分泌。幸せホルモンとも呼ばれるそれらのホルモンは、ストレス解消や睡眠の質向上、鎮痛、幸福感の高まりなどに効果を発揮するのです。自律神経を整える効果も期待できます。またセルフプレジャーを通して自分の体の状態をよく知ること、自分の欲求を認めることは、自己肯定感の向上にもつながります。
フェムテック産業の拡がりに伴い、女性向けのセルフプレジャーアイテムも増えている近年。セルフプレジャーを前向きに取り入れることは、女性が、自分自身の「性」について主体性を持ち、より自分らしい人生を送ることにもつながるでしょう。

セルフプレジャーや女性ホルモンの関係、膣トレについては、こちらの記事も参考にしてください。

番外編:VIO脱毛は月経・避妊・セックス・セルフプレジャー・介護まで、一生のQOLを上げてくれるマスト施術

VIO脱毛とは、陰部や肛門周辺などデリケートゾーンの減毛・脱毛のことです。またハイジニーナとは、VIO脱毛でアンダーヘアをすべてなくした状態のことを言います。医療脱毛や脱毛サロンなどでも人気の施術部位です。

【VIO脱毛・ハイジニーナのメリット・デメリット】

メリット ・デリケートゾーンが蒸れにくく清潔を保ちやすい

生理中のニオイや不快感が軽減される

自己処理による肌トラブルが軽減される

・自己処理の手間が軽減される。

・水着や下着の幅が広がる。

・デリケートゾーンが整うことで自信が持てる。

・介護の負担が軽減される。

デメリット ・施術時にプライベートゾーンを見せる必要がある。

施術時の痛みが他の部位よりも強い

・脱毛後はアンダーヘアの形を変えにくい。

VIO脱毛は、生理中の不快感や自己処理のトラブルなど、女性の性やデリケートゾーンにまつわるさまざまな悩みを解決・軽減できます。大人女性にはとくにおすすめの施術です。

まとめ

女性特有の健康課題に対して女性自身が自分の体をよく理解し、セルフケアしていくことは、人生を豊かにするために大切です。近年はフェムテックや医療技術の進歩などにより、悩みに対してさまざまな選択肢が選べるようになっています。生活に大きな影響を及ぼす生理や妊娠の問題から、セクシャル・ウェルネスのためのセルフプレジャーまで、自分にとって最適だと思える方法を探してみてください。

【参考】
※1 株式会社明治「生理の悩み実態調査」

※2 エスエス製薬株式会社(調査委託先:株式会社H.M.マーケティングリサーチ)「生理に関する調査」

※3 国際連合「Contraceptive Use by Method 2019」

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・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。
・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。

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