今回は、福岡県中央区天神にある「天神竹井皮膚科美容皮膚科」の院長を務める竹井 賢二郎先生にインタビュー。皮膚科専門医として研鑽を積んだのち、自由診療にも領域を広げて、肌をきれいにすることに熱意を注いでいます。そんな竹井先生に、医師を目指した背景や美容医療に進んだきっかけ、治療にまつわるこだわり、力を入れているカスタマイズ治療など、詳しくお話を伺いました。
INDEX
ドクターズプロフィール
天神竹井皮膚科美容皮膚科 院長
竹井 賢二郎 先生
東京や長崎、宮崎など、さまざまな地域で皮膚科専門医として研鑽を積んだのち、保険診療と自由診療の両方に対応する天神竹井皮膚科美容皮膚科を開業。皮膚科専門医に加え、美容皮膚科医やレーザー指導専門医として診療を行う。カスタマイズ治療を得意とし、皮膚に関する確かな知識をベースに、適切な治療を見極め提供しています。
(経歴) 2000年 ラ・サール高校 卒業 2007年 九州大学医学部 卒業 2007年 九州大学病院にて初期研修 2009年 九州大学皮膚科学講座入局し、立正佼成会附属 佼成病院 勤務 2010年 長崎県中対馬病院 勤務 2011年 九州大学病院 勤務 2012年 九州大学大学院皮膚科学専攻博士課程 2014年 飯塚市立病院皮膚科医長 2017年 医療法人中野会中野医院 勤務 2018年 福岡市のクリニックにて院長として勤務 2019年 天神竹井皮膚科・美容皮膚科 開設 2021年 目黒げんクリニック 美容皮膚科・顧問 2023年 MET BEAUTY CLINIC皮膚科技術指導医 |
医師としての背景 ~興味のある分野を一生の仕事に~
―――まずは、医師になったきっかけを教えてください。
父が小児科医をしていて、医師になる以外の選択肢は与えられなかったというのが正直なところです。国連に行って環境問題に携わる仕事がしたいと反発した時期もあるのですが、難色を示され、結局父の想いを組んで医学部に進学しました。
たくさんある分野の中から皮膚科を選んだのは自分の意志です。父の跡を継いで小児科になる道もあったのですが、一生の仕事を選ぶなら自分が興味を持てる分野にしたいと皮膚科を選択しました。きれい好きな性格で、皮膚をきれいにするのは自分の性分に合っていると感じたんです。これまで厳しかった父が初めて理解を示してくれ、今では応援してくれています。
美容医療への情熱 ~美容医療の選択肢の多さに伸びしろを感じた~
―――竹井先生が保険診療の皮膚科医から美容医療に進んだ背景を教えてください。
10年ほど皮膚科の保険診療でいろいろな病院を回り、皮膚の疾患を治すことに必死で取り組みました。地域による病院の役割を踏まえ、どこでどのような仕事がしたいのか考えたかったんです。
保険診療の中で勝負していくことに限界を感じたのは、皮膚科医になって大体のことができるようになった7年目くらいのとき。皮膚科の場合、診断に迷ったりはっきり診断できなかったりするようなことは、そう多くないんです。もちろん誤診により治らないケースもありますが、治療の選択肢がそう多くないためどの医師が担当しても結果は大きく変わらない。マンネリズムに陥ってしまい、一度は大学教授の道を目指すことも考えましたが、研究をして論文を書いての繰り返しに楽しみを見出せませんでした。
自分が戦える好きなことを見つけたいとモヤモヤしているときに、バイト先で美容皮膚科に携わる機会があったんです。自由診療治療の選択肢の多さに伸びしろを感じ、美容皮膚科医として独立するのも良いなと思うようになりました。
―――それですぐに独立の道を選ばれたのですか?
きちんと勉強して根拠のある治療がしたいと思い、まず美容医療をしっかり学ぶため「医療法人中野会 中野医院」の中野先生のもとで勤務することを選びました。新しい機械や考え方、治療方法が出てきてはいましたが、当時は診断も未熟で、美容医療業界としてきちんと理解できないままやっていることが多いと感じたんです。
美容医療のバイトでタイムライトを使っていたのですが、それだけではできる治療に限界を感じ、もっといろいろな機械を使ってみたいと思ったのも理由の1つ。中野先生の美容医療に取り組む姿勢に感銘を受けながら、いろいろな機械を使いこなし一通り治療ができるようになり、知見を広げながら患者様の悩みを解消し元気で幸せな方を増やすために独立することを決めました。
竹井先生の強み ~皮膚についてきちんと理解した根拠のある治療を提供~
―――竹井先生が院長を務める「天神竹井皮膚科美容皮膚科」について教えてください。
「天神竹井皮膚科美容皮膚科」は、保険診療と自由診療の両方に対応しているクリニックです。人が集まる都会で開業したいと、福岡県天神の利便性が高い場所にクリニックをオープンしました。休日の救急には皮膚科の医師がいない場合が多いため、土日祝も診療しているのが特徴です。
―――竹井先生が治療をするうえで大事にしていることは何ですか?
美容医療も皮膚科も、肌をきれいにするという目的は変わりません。皮膚疾患に長く取り組んでいたため、皮膚科の基本である病理や病態生理の把握をベースとしたうえで治療にあたっています。大事にしているのは、理論やエビデンスに基づいた根拠のある治療を提供すること。皮膚のことや使用する機械のことをしっかりと理解し、きれいになるアプローチを模索しています。
私は目の前にあるものが汚れていたらきれいにしたい性質なんです。肌をきれいにしたいという性質が根底にあるからこそ、熱心に治療に向き合えているんだと思います。
私が得意としているのは、カスタマイズ治療です。カスタマイズ治療は画像診断をもとに皮膚全層をきれいにするアプローチ。肌の状態を見極めたうえで複数の機械を用い、いくつかの肌悩みの解消を目指します。インスタグラムでカスタマイズ治療についてひたすら発信しているので、理解したうえでやりたいと来院してくれる患者様も多いですね。
―――竹井先生はカスタマイズ治療に力を入れていらっしゃいますが、その経緯を教えてください。
中野先生のもとで勤務して一通りの治療はできるようになったのですが、くすみや肝斑などいまいち良くならない症状もあり、どうアプローチすれば良いか分からなかったんです。そんなときに日本美容皮膚科学会のカスタマイズ治療の第一人者である黄 聖琥(こう せいこ)先生の講演を聞き、これだ!と思いました。私がわからなかった問いの答えを黄先生が提示してくれた感じですね。これはもう黄先生に学ぶしかないと思い、カスタマイズ治療を追求していきました。
美容医療業界の今後の動向と期待 ~正しい情報を、正しく扱う~
―――竹井先生が目指す美容業界の今後について教えてください。
美容皮膚科医であっても、皮膚のことをきちんと理解したうえで取り組まれている方は限られているのが現状ですが、やはりそれは良くない。肌の構造やリスクをきちんと理解して治療にあたるべきだと思っています。
しかし、知識を持ったうえできちんとやっていることを証明する術もなかなかありません。できることと言えば、世の中に正しい情報を発信し続けることかなと思っています。一つひとつの情報発信の力は小さいかもしれませんが、続けていくことで医療関係者や患者様に正しい情報を共有していくことにつながる。結果的に、不十分な知識のみで従事している方たちを排除することにもなれば良いですね。
いろいろな勉強会に参加しているのも、情報発信の一環です。良い情報を独り占めするのではなく共有して、みんなで同じ方向を見た方が美容医療業界にとっても良いと思います。実際、私がカスタマイズ治療に出会ったのも講演会がきっかけでした。私も黄先生のカスタマイズ治療を世に広めることに意義があると思い、いろんな場所で発信しています。美容医療の質が高まるよう、正しい情報を広げていけると良いですね。
読者や患者様に向けて伝えたいメッセージ ~美容医療業界を底上げして、より身近なものに~
もともと美容医療に携わると思ってはいなかったため結果論にはなるのですが、保険診療に真面目に取り組んでいた経験が今の役に立っているし、これまでの経歴が今の評価やチャンスにもつながっています。美容医療に参入を考えている若手の医師は、まずはたくさん勉強して、知識を身につけることから始めてみてください。美容にまつわる情報や知見をみんなで共有していけば、美容医療業界の底上げもスピードアップできると思うので、ぜひ一緒に学んでいきましょう。
エステや化粧品など美容に関わる業界はたくさんありますが、まだ美容医療は身近ではありません。敷居が高いと感じなかなか一歩を踏み出せない患者様もいると思いますが、きれいになるためにせっかくお金をかけるなら、美容医療も選択肢に入れていただければうれしいです。カウンセリングを通して適切な指標を示すことができると思うので、まずは相談だけでも気軽にお問い合わせください。