膣がゆるいと空気が出るって本当?締まりが悪いと感じたときの原因・対策を詳しく解説

膣がゆるいと空気が出るって本当?締まりが悪いと感じたときの原因・対策を詳しく解説

出産後、多くの女性が自覚すると言われる「膣のゆるみ」。実は、出産以外に加齢や運動不足など、さまざまな原因があると言われています。膣の締まり具合を自覚していなくても「膣からおならのような空気が出る」「お風呂のお湯が膣に入る」といった症状があれば、膣がゆるくなっている可能性も。こちらでは、膣のゆるみが生じる原因から特徴的な症状、対策方法までを詳しく解説します。「あそこがゆるいかも……」と感じている方は、ぜひ目を通してみてください。

1.膣のゆるみが生じる原因とは?

出典:photoAC

一般的に「膣がゆるい」「締まりが悪い」というのは、膣内の圧力が低下していることを意味します。膣がゆるくなる原因として出産をイメージする方が多いかもしれませんが、膣圧が低下する原因はさまざま。実際、産後でも「締まりがいい」という方はいます。こちらでは、膣のゆるみを生じさせる要因について詳しく説明しましょう。

■出産

妊娠・出産で膣がゆるむと言われるのは、子宮を支える骨盤底筋群が引っ張られたり膣壁が引き延ばされたりするためです。とくに経腟分娩では、胎児が産道を通る際に、広いスペースを確保する必要があります。そのときに膣や骨盤周辺に大きな負担がかかることで、筋肉組織の弾力性が損なわれるのです。また、出産直後は、女性ホルモンの分泌量が減少。膣粘膜が薄くなることも、膣のゆるみを助長させる可能性があると考えられています。

■加齢

年齢を重ねると、全身の筋力が低下します。膣や尿道、肛門といった部位を支えている骨盤底筋群も例外ではなく、徐々に衰えていくのが一般的です。また、骨盤底筋群の強度と弾力性に影響を与える女性ホルモンも、加齢とともに減少。膣の萎縮などが始まることで、ゆるみを引き起こします。

■運動不足

筋肉は使わなければ衰える一方です。そのため、運動不足の方は膣のゆるみが生じやすい傾向にあります。とくに骨盤底筋群は、不随意筋も存在するためトレーニングが難しい部位です。意識してトレーニングしなければ、徐々に筋力が低下していくでしょう。

■姿勢の悪さ

姿勢が悪いと、骨盤底筋群の緊張と弛緩のバランスが崩れます。とくに、座り仕事に就いている方や高いヒールを日常的に履いている方は、要注意。筋肉が役割を十分果たせなくなり、膣のゆるみを生じさせる可能性があります。

■便秘・頻尿

便秘や頻尿などでいきむ回数が多いほど、膣はゆるみやすくなります。腹圧がかかることで骨盤底筋群にダメージが加わるためです。同じように、くしゃみや咳、重いものを持つなども、腹圧がかかる動作。骨盤底筋群にダメージが蓄積され、膣のゆるみにつながってしまうでしょう。

■肥満

肥満は、骨盤底筋群に負担をかける要因の1つです。脂肪の重さで骨盤底筋群が伸びやすくなり、結果として膣のゆるみを引き起こすことがあります。

■月経

月経期間中は、出血を促すために膣内や子宮がやわらかくなるため、通常時よりも膣のゆるみを自覚しやすくなる期間です。ただし、ほかの原因とは異なり、月経の終わりとともに解消されるので基本的には問題ありません。

2.膣の締まりが悪いと現れる症状の特徴とは?

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膣がゆるむことで、日常生活にはどのような問題点が生じるのでしょうか。ここでは、特徴的な5つの症状について見ていきましょう。

■膣のおなら(ちなら)

膣がゆるくなると、膣からおならのような空気が出ることがあります。これは「ちなら」や「膣なら(ちつなら)」とも呼ばれ、意図せず膣内に空気が入り込むことが原因で引き起こされる現象です。ちなら自体は健康に悪影響を及ぼすものではありませんが、頻繁に起きると精神的なストレスにつながる可能性があります。

■尿漏れ

膣のゆるみは、尿漏れを引き起こすことがあります。骨盤底筋群の筋力低下に伴い、尿道や膀胱を支える機能が損なわれるためです。外出先での尿漏れを不安視し、社交活動に参加できない・仕事に集中できないといったケースも少なくありません。精神的健康を脅かす可能性があるため、尿漏れの症状が強い方は、何らかの対策を取ることが望ましいでしょう。

■入浴中にお湯が入る

膣がゆるくなると、入浴中にお湯が入りやすくなります。「お湯漏れ」とも呼ばれるこの症状は、筋力が低下していることを示す、重要なサインです。ちなら同様、症状自体が健康に悪影響を及ぼすわけではありませんが、お風呂やプール、海に入ったあとにお湯漏れによって洋服を濡らしてしまう可能性も。不快な症状であることに間違いはありません。

■パートナーとの性交時の満足度が低下する

膣がゆるむと、性交時の刺激がお互いに弱くなります。以前は満足できていた性交渉がうまくいかなくなると、相手への不満にもつながりかねません。最悪の場合、パートナーとの関係に悪影響を及ぼすこともあるでしょう。

■骨盤臓器脱(性器脱)を発症する

骨盤底筋群の筋力が低下すると、子宮や尿道、膀胱、肛門といった臓器が膣から突出してしまう「骨盤臓器脱(性器脱)」を発症するリスクが高まります。排尿や排便がしにくくなるほか、肛門付近の不快感、性交時の違和感などにもつながる病気です。日常生活でさまざまな不便が生じるため、治療が必要になるケースもあります。

3.膣の締まりを確認する方法

膣のゆるみを自覚する方もいますが、中にはパートナーから指摘されて初めて気づくパターンもあります。ここでは、膣の締まりを確認する2つの方法についてご紹介しましょう。

■セルフチェック

セルフチェックは、自分自身の指を使って簡単に膣の締まりを確認する方法です。まず、膣の中に、中指と人差し指を第二関節まで入れ、45度程度に開いた状態で膣に力を入れます。開いた指に抵抗を加えても閉じてしまうのであれば、膣圧は高めです。一方で、膣の収縮を感じられない・指が閉じないときは膣圧が低くなっている可能性があります。あくまで目安ではありますが、自宅で簡易的にできる方法です。

■クリニックでの膣圧測定

客観的に膣圧を調べたいときは、クリニックでの測定を。美容外科などのクリニックには、膣圧を検査する膣圧測定器があります。日本人の平均的な膣圧は、15~20mmHg程度。クリニックでは、基本的にこの数値を基準として、膣圧が高いか低いかを判断しています。

4.膣がゆるいと感じるときに試したいトレーニングや治療法

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膣の締まりが悪いことを自覚したとしても、残念なことに締まりを良くする特効薬はありません。しかし、骨盤底筋群を鍛えるトレーニングを行ったり美容医療の治療を受けたりすることで、膣のゆるみが改善される可能性はあります。ここでは、4つの方法について詳しくご紹介しましょう。

■膣トレ

膣トレとは、骨盤底筋群の筋力を回復させる膣のトレーニングのこと。膣ボールなどの膣トレグッズも市販されていますが、道具を使わずに行うなら「ケーゲル体操」が適しています。ケーゲル体操は、立ったまま・座ったまま・横になったままなど、お好きな体勢で取り組めるトレーニングです。やり方も非常に簡単で、排尿を我慢するように膣周辺の筋肉に力を入れたら、その状態を10秒程度キープし、ゆっくりと力を抜きます。このサイクルを1日に数回行うだけで、膣が締まる可能性を期待できます。

■膣ハイフ

膣ハイフとは、顔のリフトアップなどに用いられるハイフ(HIFU)を使った治療法。膣内に特殊なハンドピースを挿入し、熱エネルギーを照射することで、膣壁を引き締める効果が期待できます。熱エネルギーが照射された部分にのみアプローチでき、ほかの組織にダメージを与えにくいのが特徴です。痛みも少なく、出血やダウンタイムもほとんどありません。1度の治療で効果を実感しやすいのも大きなメリットでしょう。

■ヒアルロン酸注入

膣の粘膜にヒアルロン酸を注入し、膣壁をふっくらと肉厚にさせ、膣圧を高める治療法です。ダイレクトに膣の内部を狭くする効果が期待できるため、即効性が高いというメリットがあります。また、切開するわけではないため、縫合や抜糸もありません。ただし、個人差はあるものの、効果の持続期間は1~2年ほどです。安定して効果を得るには、定期的にメンテナンスする必要があるでしょう。

■膣引き締めレーザー

膣引き締めレーザーは、膣のゆるみや尿漏れだけでなく、デリケートゾーンの臭い、黒ずみといったさまざまな悩みにアプローチできる治療法です。患者さまの悩みに応じて特殊なハンドピースを使い分け、骨盤内膜や骨盤組織の収縮・コラーゲン再生を担う粘膜組織にレーザーを照射します。これにより、膣壁全体のしまりを高め、膀胱や尿道といった骨盤内臓器が膣のほうへ下がるのを防ぐ効果が期待できるのです。

■まとめ

女性にとって膣がゆるいというのは、精神的なダメージも受けやすい大きな悩みの1つです。直接命を脅かすような症状を引き起こすわけではありませんが、尿漏れやちならが頻繁に起きれば日常生活は送りにくくなるでしょう。膣トレは、自宅などで簡単に実施できる対策方法ではあるものの、症状が強く出ている方には効果を感じにくいことがあります。そういった方は、ご紹介した美容医療による治療を検討してみてください。

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