シミ取りレーザーできない人とその理由を詳しく解説します。シミ改善の選択肢の1つであるシミ取りレーザー。しかし、シミ取りレーザーは誰もが受けられるわけではありません。そこで今回は、シミ取りレーザーできない人でも取り入れられる、セルフケアや薬剤による治療をご紹介します。シミの悩みを改善したい人は、ぜひお読みください。
1.シミ取りレーザーできない人とその理由
シミ取りレーザーは、受けられる人と受けられない人がいます。シミ取りレーザーできない人を見ていきましょう。
■【シミ取りレーザーできない人1】日焼けをしている人
日焼けをしている場合は、シミ取りレーザーを受けられません。その理由は、レーザーが黒い肌に反応するため。また、日焼けにシミ取りレーザーのダメージが重なると、肌に大きな負担がかかって色素沈着が起こりやすくなります。日焼けをしている人は、肌の状態が落ち着いてから治療を受けましょう。
なお、日焼けが落ち着いたあとにシミを取る場合も、色素沈着を防ぐためのUV対策が重要です。シミ取りレーザー後の色素沈着が起こると、改善まで半年程度かかることも。シミ取りレーザーで「シミが取れなかった」「むしろ黒くなった」という結果にならないよう、レジャーに行くなど日焼けしそうな予定があれば治療を控えましょう。
■【シミ取りレーザーできない人2】光線過敏症の人
紫外線により発疹などが出る光線過敏症(日光アレルギー)の人も、シミ取りレーザーが受けられません。通勤程度の日光で症状が出る場合は、シミ取りレーザーで肌トラブルが起こる可能性があります。診断を受けていなくても、日光を浴びたときにかゆみが出る・発疹ができるなど日光アレルギーの症状があれば、シミ取りレーザー前に医師に相談しましょう。
■【シミ取りレーザーできない人3】妊娠中・授乳中の人
妊娠中・授乳中でも、基本的に胎児への影響はないとされています。しかし、この時期はホルモンバランスが変化することから、色素沈着を起こす恐れがあります。そのため、妊娠中・授乳中はシミ取りレーザーの施術を行わないクリニックが多いようです。
■【シミ取りレーザーできない人4】抗凝固薬・抗血小板薬を内服している人
脳・心臓の疾患により抗凝固薬・抗血小板薬を服用している場合も、シミ取り治療を受けられないことが少なくありません。これらは血流を改善するための薬剤ですが、レーザーを照射した際に内出血が起こったり血腫が形成されたりするリスクがあります。クリニックやレーザーの種類によっては治療可能な場合もありますが、基本的には避けたほうがいいでしょう。
■【シミ取りレーザーできない人5】出血性疾患を抱えている人
血小板や血液凝固の機能などに異常がある場合は、シミ取りレーザーができません。レーザー照射により、内出血のリスクがあるためです。出血性疾患がある人はもともと内出血や点状出血が生じやすい状態なので、治療を控えるように説明されるケースがほとんどです。
■【シミ取りレーザーできない人6】金製剤を内服したことがある人
リウマチで金製剤を内服したことがある人も注意が必要です。肌の中に残った金にレーザーを照射すると、変色して黒ずんでしまう可能性があります。「現在は薬を使っていない」という人も、過去に内服していると治療を受けられません。
■【シミ取りレーザーできない人7】肝斑の治療をしたい人
肝斑に対するシミ取りレーザー治療は、失敗につながるケースも少なくありません。理由は、レーザーの刺激により肝斑が濃くなってしまうためです。フォトフェイシャルなども、やめたほうがいいとされています。ただし、肝斑でもできる刺激の少ないレーザー治療もあります。肝斑を改善したい場合は、症状に合った治療を選びましょう。
他には、皮膚疾患のある人、金の糸が入っている人、悪性腫瘍の治療をしている人なども施術を受けられないことが多いです。これらに該当する人は、治療の可否をカウンセリングなどで相談してみることをおすすめします。
2.シミ取りレーザーできない人におすすめのセルフケア方法
シミをレーザーで消すことができない場合におすすめのセルフケアを、以下にまとめました。
■メイクで隠す
すぐにシミを隠したい場合は、コンシーラーやファンデーション、フェイスパウダーを使ってメイクで工夫しましょう。ただし、メイクによる工夫は、根本的な解決にはなりません。そのため、これからご紹介する保湿やUV対策などのケアが重要です。
■スキンケアを重視する
シミにアプローチしたいなら、スキンケアを徹底しましょう。洗顔・保湿におけるケアのポイントは、以下のとおりです。
【洗顔】肌への刺激を避ける
シミの原因となるメラニンは、刺激を受けたときに多く生成されます。そのため、洗顔時に肌を強くこすると、シミが濃くなってしまう可能性も。洗顔料をしっかりと泡立てて、肌に直接触れずに泡で洗うように心がけましょう。洗顔後の拭き取りも、肌に負担をかけないように注意が必要です。
【保湿】肌を乾燥させない
肌が乾燥すると、ターンオーバーが乱れて古い角質が残ってしまいます。そして古い角質とともにメラニンも蓄積され、シミが濃くなってしまうのです。肌を乾燥させないためには、洗顔後に化粧水を早くつける、乳液でしっかりと水分を閉じ込めるなどのケアが求められます。
美白効果を得たい場合は、医薬部外品を取り入れるのも1つの手です。有効成分の一例を以下にまとめました。
美白の有効成分 | 表示名の例 |
アスコルビン酸誘導体 | ・リン酸アスコルビルMg ・アスコルビルリン酸Na ・アスコルビルグルコシドなど |
トラネキサム酸 | ・トラネキサム酸 ・m-トラネキサム酸 ・t-AMCHAなど |
アルブチン | ・アルブチン(β-アルブチン) ・α-アルブチンなど |
あとで詳しくご説明しますが、アスコルビン酸誘導体はビタミンCとリン酸を結合させたものです。また、トラネキサム酸やアルブチンは、間接的にメラニンの生成を抑える効果があります。
■UVケアをしっかり行う
紫外線を浴びると、メラニンが生成されてシミが発生します。紫外線によるシミをつくらないためには、日焼け止めなどによるUVケアが大切です。
■食生活を改善する
食生活の改善も、シミのケアにつながります。抗酸化作用のあるビタミンA・ビタミンC・ビタミンE・ポリフェノールを多く含む食品の摂取を心がけて、体の内側からもケアしましょう。
3.シミ取りレーザーできない人必見!薬剤で改善する方法
「Qスイッチルビーレーザーなどのシミ取り治療はできないけれど、そばかす・シミ対策で失敗や後悔をしたくない」という人も多いでしょう。ここからは、皮膚科や美容クリニックなどで処方されるシミ治療の薬剤をご紹介します。
■内服薬を使う
シミ改善が望める内服薬は、以下の3つです。
トラネキサム酸
トラネキサム酸には、プラスミンの生成を抑える作用があります。プラスミンの働きは、メラニンをつくる細胞を活性化させること。そのためトラネキサム酸は、肝斑を含むシミの治療に用いられています。
アスコルビン酸・パントテン酸カルシウム配合剤
アスコルビン酸の特徴は、メラニンの生成を抑えてくれることです。また、すでにできてしまったメラニンを薄くする効果もあります。
なお、パントテン酸カルシウムは、パントテン酸(ビタミンB5)にカルシウム塩を付加したものです。アスコルビン酸の効果をより高めてくれます。
L-システイン
L-システインは、メラニンの生成を抑えます。さらに、肌のターンオーバーを正常化して、メラニンが体外に排出されるのを促す効果もあります。
■外用薬を使う
市販のシミ消しクリームと比べて、皮膚科や美容クリニックで処方される外用薬は、本格的なシミ治療が可能です。3つの外用薬をご紹介するので、シミを薄くしたい方は参考にしてください。
トレチノイン
トレチノインとは、ビタミンA誘導体のことをいいます。肌のターンオーバーを促進するため、メラニンを含む古い角質を通常よりも早く排出できます。
ハイドロキノン
ハイドロキノンは、メラニンの生成に必要な酵素の働きを抑えてくれます。また、メラニンをつくる細胞に働きかけて、生成を阻害する作用もあります。
アスコルビン酸誘導体
前述のように、アスコルビン酸誘導体は、酸化しやすいビタミンCをリン酸と結合させたものです。安定しているため肌表面で酸化せず、内部に吸収されてから抗酸化力の高いビタミンCに変わるのが特徴です。主にメラニンの生成を抑える、薄くするといった効果があります。
■まとめ
シミ取りレーザーを受けられないと知って、落胆した人もいるかもしれません。しかし、内服薬・外用薬によるシミ治療なら、シミ取りレーザーできない人でも受けられます。また、シミの予防・改善をしたいのなら、日常生活における対策の積み重ねも大切です。毎日の保湿やUVケアだけでなく食生活なども見直して、シミのできにくい肌を目指しましょう。
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