「ケミカルピーリングは5回受けると効果がある」ケミカルピーリングに興味がある方は、このような話を聞いたことがあるのではないでしょうか。なぜ5回の施術で効果があると言われているのでしょうか。この記事では、ケミカルピーリングの種類や施術効果が見込める回数をご紹介していきます。また、敏感肌の方でも受けやすいケミカルピーリングや美容医療も取り上げました。ケミカルピーリングに興味がある方、肌トラブルのケア方法をお探しの方は参考にしてください。
1.ケミカルピーリングって何?
まずは、ケミカルピーリングの基本情報や施術回数、そして使われる薬剤をチェックしていきましょう。
■ケミカルピーリングとは?5回受けると効果がある?
ケミカルピーリングとは、顔全体に薬剤を塗布することで肌荒れや肌トラブルの改善が期待できる施術です。薬剤の働きによって肌の表面の古い角質や皮脂汚れを除去。そして肌のターンオーバーを促してさまざまな肌悩みを改善に導きます。ケミカルピーリングによってアプローチできる肌悩みは、シミ・そばかす・ニキビ・ニキビ痕・ハリ・毛穴の開きなどで、幅広い効果が期待できます。
使用するケミカルピーリングの薬剤や肌の状態によっても異なりますが、初めは2週間に一度の頻度で3~5回、以降は月に一度のペースで受けると効果を得やすいとする見解が多いようです。
なお、ケミカルピーリングは自費診療で、美容皮膚科・美容クリニックといった医療機関でのみ受けられるピーリングです。
■ケミカルピーリングに使われる薬剤
ケミカルピーリングには複数の薬剤が用いられます。肌の状態によって選び、薬剤の濃度を変えたり複数を組み合わせたりすることもあります。ここではおもな4つの薬剤をご紹介しましょう。
グリコール酸
グリコール酸はフルーツ酸の一種。日本人の肌にマイルドな使用感で比較的安全と言われており、採用しているクリニックも多く見られます。分子が小さく浸透性が高いため、角質層から基底層までアプローチできるのが特徴です。グリコール酸ピーリングだけでなく、「ミルクピール」やハイドラフェイシャルなどでも使われます。
グリコール酸を使ったケミカルピーリングの効果の範囲は、白ニキビやニキビ痕、毛穴の開きや黒ずみなど。コラーゲンの生成を促して肌にハリを与え、乾燥や加齢によるシワなども目立ちにくくします。施術は2週間~1ヶ月の間隔で5回程度は受けるようおすすめしているクリニックが多い傾向です。ニキビなど、肌トラブルの程度によってはさらに回数を要することがあります。クリニックによっても頻度や回数は異なるため、医師と相談しながら施術を受けるようにしましょう。
サリチル酸
サリチル酸を使ったピーリングとしては「サリチル酸マクロゴール」がよく見られます。これはサリチル酸をマクロゴールという基剤に溶かして用いるもので、角質層のみに作用して硬い角質をやわらげます。肌の表面のみに作用するため施術後のトラブルが起きにくいのが特徴。「サリチル酸マクロゴールピーリング」「ミルクピール」「ミラノリピール」、ハイドラフェイシャルなどで使われています。
サリチル酸を使ったケミカルピーリングは、古い角質を除くだけでなく、ニキビ痕を目立ちにくくする効果も見込めます。サリチル酸ピーリングは皮脂に近い性質を持つため、皮脂分泌過多による肌や毛穴のトラブルにもアプローチが可能。施術は1ヶ月の間隔で平均5回受けると効果を感じやすいようです。グリコール酸と比べて施術間隔が長い傾向にありますが、クリニックによっては2週間に一度としている場合もあるため施術スケジュールは医師とよく相談しましょう。
トリクロロ酢酸
トリクロロ酢酸(TCA)は刺激の強い成分で、真皮層にまで作用します。「TCAピーリング」「マッサージピール」「ストロボフェイシャル」などで使われています。
トリクロロ酢酸を使ったケミカルピーリングはニキビ痕や毛穴の開きに効果が期待できる治療です。トリクロロ酢酸によってあえて肌を傷つけ、創傷治癒力(自然に傷が治る力)を引き出します。コラーゲンやエラスチンの生成が促されるため、肌にハリや弾力ももたらします。施術は1ヶ月の間隔で平均5回受けると効果が表れてくるようです。トリクロロ酢酸を使う場合も、グリコール酸と比べて施術間隔が長い傾向にあります。ただし施術後の赤みが長く残っている場合は赤みがおさまってから、など肌の状態によって間隔は変わるため、医師に相談して次の施術を決めていきましょう。
乳酸
ケミカルピーリングに使われる乳酸は、ヨーグルトやサワーミルク由来の乳酸です。分子が大きいため肌の表面のみに作用し、比較的マイルドなのが特徴。副作用のリスクが低いため、敏感肌の方も選びやすい薬剤です。「ミルクピール」やハイドラフェイシャルにも使われています。
乳酸を使ったケミカルピーリングでは、古い角質を除くことでニキビやニキビ痕にアプローチ。肌のターンオーバーを整え、紫外線ダメージや加齢によって弱くなった表皮を強くする効果も見込めます。角質層のセラミドを増やすことによる保湿作用もあるため、乾燥が気になる方にも向いているでしょう。施術は2週間~1ヶ月の間隔で5回程度は受けるようおすすめしているクリニックが多く見られます。刺激がマイルドなため、2週間に1回としているケースも。ニキビ痕の治療目的であれば2週間間隔としている場合もあるため、医師に肌の状態を診てもらったうえで施術間隔を決めましょう。
2.敏感肌でもできるかも!ケミカルピーリング3選
ここからは、敏感肌でも選びやすいケミカルピーリングを3つご紹介します。
■プロフェッショナルピール
グリコール酸、乳酸、サリチル酸を適切な配合割合で調合したケミカルピーリングです。それぞれ特徴が異なる酸の良い部分が発揮され、高い効果を得られるのが特徴。効果を保ちながらリスクを最小限に抑え、ダウンタイムが少ないのもメリットです。刺激に配慮された施術のため、敏感肌の方も施術可能。
肌にハリやツヤをもたらす、保湿作用による乾燥小ジワの軽減、肌のトーンアップなど多くの効果が期待できるケミカルピーリングです。1ヶ月間隔で5回の施術を受けると効果を感じやすいとされています。
■マヌカピール
グリコール酸、サリチル酸、乳酸に、厳選されたマヌカハニーを加えたピーリング剤で施術するケミカルピーリングです。それぞれの酸によって肌にツヤを与えたりキメを整えたりする効果が期待できます。そこにマヌカハニーの抗菌作用・保湿作用が加わり、肌をすこやかにキープ。自然由来の成分のため、敏感肌の方でも施術が受けられます。
「マヌカピール」はマイルドなケミカルピーリングですが、目安として2~4週間の間隔で5回の施術を受けると効果を感じられるようになります。
■サリチル酸マクロゴールピーリング
「サリチル酸マクロゴールピーリング」は、サリチル酸の項でご紹介した通りマクロゴールという安全性の高い基剤を用いるケミカルピーリングです。薬剤の浸透が角質層までにとどまり、肌の負担が少ないため敏感肌の方やピーリングが初めての方でも受けやすい施術。古い角質を取り除いて肌のターンオーバーを整え、なめらかな肌に導きます。毛穴の開き、ニキビ、ニキビ痕、シミなどにもアプローチできます。
施術頻度は他のケミカルピーリングと同じくらいで、1ヶ月に1回のペースで5回ほど受けると効果を実感してくるようです。ただしニキビやニキビ痕の治療の場合は施術間隔を短くして2~3週間おきにするようおすすめしているクリニックもあります。
3.敏感肌でも選びやすい!美容医療
ケミカルピーリングに近いものの、少し施術の内容が異なるピーリング、「ララピール」。美容医療クリニックなどで受けられ、敏感肌でも選びやすい施術です。
韓国発のピーリングで、弱酸性で刺激に配慮されており、肌を守りながら古い角質を除去します。“Peeling(ピーリング)=剥く”というイメージですが、「ララピール」の場合はコラーゲンなどの再生を促進して皮膚を厚くする効果が見込めるため、肌を“Filling(フィリング)=満たす”ことにフォーカスしていると言えます。ダウンタイムや副作用が少ない点も特徴です。
ケミカルピーリングのように2~4週間の間隔で5回ほど受けると効果が表れてくるようです。ただし、マイルドな施術のため最短1週間で次の施術も可能。自分の肌にベストな間隔はどのくらいか、医師に相談して決めるのが良いでしょう。
まとめ
「ケミカルピーリングは5回受けると効果がある」というのは、ケミカルピーリングは5回程度施術を受けると効果が表れやすいことから言われていると考えられます。今回ご紹介した通り、ケミカルピーリングに使われる薬剤の種類は複数あり、ケミカルピーリングの種類も多くあります。自分の肌の状態に合った薬剤や施術内容、施術の頻度・回数などは専門医の診察を受けて決めていくと良いでしょう。同じケミカルピーリングでも、ニキビ痕の治療の場合は何回がおすすめ、と提示しているクリニックもあります。また、敏感肌の方でも選びやすいケミカルピーリングや美容医療もご紹介しましたが、必ずしも安全とは言い切れません。注意点などを医師によく聞いたうえで選択し、すこやかな肌を手に入れましょう。
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