人中短縮にハイフ(HIFU)を用いるケースがあることをご存知ですか?人中とは、鼻下部分のことをいいます。一般的に、人中短縮の施術には外科治療を選択される方もいらっしゃいますが、外科治療に不安を感じて迷っていませんか?実は、外科治療以外にも方法はあります。そこで今回は人中短縮治療を検討している方に向けて、外科治療を伴わないハイフを使った施術の仕組みや、メリット・デメリット、注意点などを紹介します。
1.人中が長いとどんな印象になるの?
美容医療を考える方の中には、「自身の人中が長いのでは」と感じる方がいらっしゃいます。人中が長いと、間のびした印象を与えることも。まずは、人中が長いとどんな印象になるのか、また人中が長くなる原因などを詳しく見ていきましょう。
■そもそも人中とは?長くなる原因
そもそも人中とは鼻下〜上唇までの部分を指します。顔の中心部分で、顔の印象に大きく影響を及ぼす部分です。人中の長さは、一般的には1.5cm程度。2cmを超えると長いといわれています。
人中が長くなる原因は、生まれつきの場合もありますが、加齢によって皮膚や皮下組織が下垂してしまうことです。また年齢に限らず、マスクをつけたりリモートワークで他の方との会話が減少したりすることなどでも表情筋が衰え、人中が長くなるケースがあります。
■人中が長いとこんな印象に!
人中が長いと面長な大人っぽい印象になります。その一方で、以下のように見えることもあるでしょう。
- 口元が間のびして見える
- のっぺりして見える
- 老けて見える
人中は短ければ良いのかというとそうではありません。理想の人中の長さは「人中の長さ:下唇〜顎先の長さ=1:2」といわれています。
人中が長すぎると顔全体のバランスが崩れてしまうため、人中短縮の施術を受ける場合には、顔全体を見たときにベストな長さにしなければなりません。ただし、人によってベストな人中の長さは異なるため、医師としっかり話し合ったうえで治療に臨みましょう。
■一般的な治療方法とは?
一般的な治療方法は、切開を伴う外科手術です。鼻下の皮膚を鼻翼まで切開して上唇を引き上げます。1回の施術で半永久的な効果が期待できるものの、手術後は顔の腫れや傷口の赤み、内出血などが起きる可能性があるでしょう。その他には、傷痕が残るリスクもあります。
その半面、1度の施術で大きな変化を感じやすく、持続期間も長い傾向にあります。
2.人中短縮はハイフでもできる?!
人中短縮に興味はあるものの、ダウンタイムが気になって外科手術は控えたいという方もいらっしゃるはずです。
実は、外科手術をせずに人中短縮する方法があります。それは、ハイフを使った施術です。ここでは、ハイフを用いた切らない人中短縮の仕組みやメリット・デメリットを見ていきましょう。
■人中短縮にハイフを使うとどうなる?
ハイフとは高密度焦点式超音波のことで、照射によって皮膚深層の筋膜層にアプローチする施術です。照射による熱が筋膜層のたんぱく質を凝縮することで、リフトアップや引き締めを促します。一般的には、フェイスラインのたるみやもたつきにお悩みの方に用います。また、照射した部分はコラーゲンの生成が促されるため、ハリや弾力がアップするなどの肌質改善効果も期待できるでしょう。
人中短縮にハイフを使用する場合は、鼻下に照射して人中を引き締めます。施術時間は10分程度で、人中に厚みがある方のほうがハイフの効果を実感しやすい傾向にあるようです。
ハイフには、ハイフシャワーと呼ばれるメニューもあります。ハイフシャワーとは、皮膚の比較的浅い部分である真皮層に働きかける施術です。ハイフシャワーは人中短縮にも用いられることがあり、ハイフと同じようにリフトアップや肌の弾力を高める効果が期待できるでしょう。
では、ハイフとハイフシャワーでは、人中短縮の効果に違いはあるのでしょうか。
ハイフは照射して1〜3ヶ月をピークとして効果を実感できます。その後はゆるやかに元の状態へ戻ります。一方でハイフシャワーは、照射後すぐに効果を実感しやすい点が特徴です。しかしゆるやかに元の状態に戻るため、効果を維持したい場合は施術1ヶ月程度で再度照射する必要があります。
人中短縮にはハイフシャワーも有効ですが、より効果を持続させるために、ハイフの施術後にハイフシャワーをメンテナンスとして用いるといった施術計画も良いでしょう。
■人中短縮にハイフを使うメリット・デメリット
ここでは、人中ハイフを行うメリットやデメリットを見ていきましょう。人中ハイフとは人中短縮にハイフを用いる施術のことです。美容クリニックによって呼び方が異なる場合があるため、ぜひ覚えておきましょう。
メリット
人中短縮にハイフを用いるメリットは以下のとおりです。
- 切開によって肌を傷つけない
- ダウンタイムが比較的短い
- 傷痕ができない
- 肌質改善効果が期待できる
- 術中の痛みがほとんどない
ハイフでは照射するだけで施術が終わるため、肌表面に傷がつかず、ダウンタイムも比較的短いでしょう。施術後はすぐに洗顔やメイクをすることも可能です。
またハイフを用いることで、コラーゲン生成を促す効果が期待でき、タイトニングだけではなく肌質改善へのメリットもあります。人中ハイフでは術中の痛みが生じにくく、鼻下部分の照射のため施術時間も短い点も魅力です。
デメリット
次に人中短縮にハイフを用いるデメリットを見ていきましょう。
- 人によっては効果を感じにくいケースがある
- 効果を実感するまでに何度か施術が必要な場合がある
- 持続期間が数ヶ月と短い傾向にある
切開して直接皮膚を引き上げるわけではないため、人によっては人中短縮の効果を実感しにくいことがあります。また、1回の施術で効果を実感できない場合もあるため、複数回ハイフをしてようやく人中が短くなったと感じるケースもあるでしょう。
さらに、ハイフの効果は半永久ではありません。前述しましたが、ハイフシャワーを用いた場合の持続期間は1ヶ月程度、ハイフの場合は数ヶ月程度です。効果を持続させようと思えば、定期的に美容クリニックに通う必要があるでしょう。
その他には、施術部位にチタンプレートなどの金属プレートが入っている場合、施術はできません。
■人中短縮はハイフとその他の施術を併用するのもあり
切らない人中短縮を希望される方の手段として、ハイフやハイフシャワーを紹介しましたが、他の施術と併用する方法もあります。
例えば「ハイフとA型ボツリヌス毒素製剤(ボトックス)」、「ハイフとヒアルロン酸」などの注入施術との併用です。A型ボツリヌス毒素製剤は、上唇の外側に注入して唇の筋肉を抑制することで、唇を下げないようにします。
ヒアルロン酸は、上唇に注入することで唇をボリュームアップし、鼻下を短く見せる方法です。ハイフだけではあまり人中短縮を実感できなかった方も、A型ボツリヌス毒素製剤やヒアルロン酸などを併用すると、相乗効果で変化を感じられるかもしれません。
3.人中短縮にハイフを用いるときの注意点
人中短縮にハイフを利用すれば、切らずに希望の仕上がりになれる可能性があります。ただし、切らない施術だからといって、どこで施術を受けても同じわけではありません。
また、人中短縮が気になっている方の場合、「鼻下が長い=人中短縮」と感じている方もいらっしゃいます。しかし実際のところ、鼻下が長いからといって人中短縮が必要とは限りません。最後に、人中短縮にハイフを用いる場合の注意点をいくつか見ていきましょう。
■美容クリニック選びは慎重に
人中を短くすれば、顔のバランスが整うわけではありません。丁寧なカウンセリングはもちろんのこと、医師の経験や技術力が仕上がりを左右します。
例えば、人中ハイフの情報収集のためにウェブ検索すると「ハイフをしたことで将来たるむ」、「たるみ悪化が気になる」という口コミを見かけるケースがあるでしょう。これは医師のカウンセリング不足や技術不足が影響している場合があります。脂肪が少ない部分に照射したり、同じ部分に頻繁に施術を行ったりすると、老けた印象になることがあるためです。このように、マニュアルどおりの施術を行う医師では、希望する仕上がりにならない可能性があります。
人中に関しても、一人ひとりベストな長さが違うため、その点を見極められる実力と実績のある美容クリニックや医師を選ぶようにしましょう。
■鼻下が長い=人中短縮というわけではない
「人中が長い」と感じている方すべてに、ハイフを用いた人中短縮の施術がベストなわけではありません。例えば、笑ったときに上の歯茎が見えるガミースマイルの方の場合、人中ハイフをすることでかえってガミースマイルが悪化することがあります。
他には、口角が下がっている方の場合、人中短縮によって上唇を引き上げると、より口角が下がって見えることも。人中が短いと感じる原因は人によって異なるため、自分に合った治療方法を見極める必要があるでしょう。
■人中短縮にはいろいろな方法がある
前述したように、人中短縮には外科手術やハイフを利用する方法がありますが、レーザーによる施術やマッサージ、トレーニング、メイクなどで短く見せることも可能です。ただし、大きな変化が見られない、継続しなければならないなど、それぞれにメリット・デメリットがあります。
人中が長いとお悩みの方は、いろいろな方法の中から自身にとってベストな方法を、医師と相談して選ぶと良いでしょう。
まとめ
人中が長いとお悩みの方は、ハイフを利用することで短く見せることが可能です。ただし、効果の出方が緩やかだったり、複数回施術が必要だったりする場合があります。また、人中を短くすれば顔のバランスが整うとは限りません。自身の顔のバランスに合わせてベストな人中短縮、施術方法を選択する必要があります。信頼できる医師や実績のある美容クリニックを選択し、理想の人中を手に入れましょう。
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