ピコレーザーを受けたけれど、「効果なし」と感じていませんか?せっかく勇気を出して施術を受けたのに、効果を実感できないとがっかりしてしまいますよね。
ピコレーザーは、シミやくすみ、ニキビ痕など、さまざまなお肌の悩みに効果が期待できる施術です。もしかすると、効果を実感できない原因が他にあるのかもしれません。
そこで今回は、ピコレーザーの効果を最大限引き出すために、効果を感じられない理由とその対策を解説します。ぜひ参考にして、理想の美肌を手に入れましょう。
従来のレーザーとの違いは照射時間!肌へのダメージに配慮されている
ピコレーザーの特徴は、レーザーを照射する時間・パルス幅の短さです。Qスイッチレーザーがナノ秒単位(10億分の1秒)の照射時間であるのに対し、ピコレーザーはさらに短いピコ秒単位(1兆分の1秒)での照射ができます。
この違いにより、熱の影響を抑えつつ、衝撃波によりメラニン色素を細かく砕くことが可能です。そのため、周囲の正常な皮膚組織へのダメージや炎症後色素沈着のリスクが低く、痛みやダウンタイムも軽減されやすいのが大きなメリットです。
■【目的別】ピコレーザーの3つの照射モード
ピコレーザーには、悩みに合わせて、ピコトーニング・ピコフラクショナル・ピコスポットの照射モードがあります。
ピコトーニングは、肝斑やそばかす、くすみなどに有用で、顔全体に低出力のレーザーを照射し、自然にトーンアップを目指せます。ピコフラクショナルは、肌に微細な刺激を与えてコラーゲン生成をサポートし、毛穴の開きやニキビ痕、肌のハリ感アップに適しています。
ピコスポットは、シミ・そばかすをピンポイントで狙う高出力照射で、少ない回数でも効果を実感しやすいのが特徴です。
「ピコレーザーは効果なし」といわれる主な5つの原因
ピコレーザーはシミや肌ケアに有用とされますが、すべての方がすぐに効果を実感できるわけではありません。「効果なし」と感じる理由として、施術回数や照射モードの選択、アフターケアなど複数の要因が影響しています。ここでは代表的な5つの原因を解説します。
■原因①:施術回数がまだ足りていない
ピコレーザーは肌への負担に配慮しながらメラニンを細かく砕く仕組みですが、その効果は1回で完結するものではありません。砕かれた色素はターンオーバーによって排出されるため、変化を実感するには一定の期間と複数回の施術が必要です。
肌質や悩みの種類によって差はありますが、一般的には5〜10回程度の継続施術が推奨されます。薄いシミやくすみであれば1回目から効果を感じることもありますが、より確実で持続的な効果を得るには回数を重ねることが重要です。
1〜2回で「効果なし」と判断するのは早計であり、医師と相談しながら計画的に施術を継続することが大切です。
■原因②:自分の肌悩みに適した照射モードではない
さきほど紹介したように、ピコレーザーには、ピコトーニング・ピコフラクショナル・ピコスポットのモードがあり、悩みに応じて使い分けが必要です。
例えば、濃いシミにトーニングを用いても効果は限定的で、スポット照射が適しています。逆に肝斑には刺激が強いスポットは不向きで、低出力トーニングが推奨されます。ニキビ痕の凹凸には、真皮層を刺激してコラーゲン生成を促すフラクショナルが有用です。
目的に合わないモードを選ぶと効果が出にくいだけでなく、色素沈着の悪化などリスクにつながることもあります。施術前には肌の状態や悩みを正確に伝え、正確な診断を受けた上で自分に合った方法を選ぶことが大切です。
■原因③:施術後の紫外線対策や保湿ケアが不十分
ピコレーザー照射後の肌は、一時的にバリア機能が低下しとてもデリケートな状態です。この時期の紫外線対策が不十分だと、メラニンが過剰に生成され、シミが濃くなる“戻りシミ”の原因になります。
日焼け止めの使用はもちろん、帽子や日傘での防御も徹底する必要があります。さらに、乾燥を放置するとターンオーバーが乱れ、メラニンの排出が滞って効果を感じにくくなります。セラミドなど低刺激の保湿剤でしっかりうるおいを補うことが大切です。
施術後は医師の指示に従い、紫外線対策と保湿ケアを徹底することで、施術効果を最大限に引き出すことができます。
■原因④:肝斑など、ピコレーザーが適さないシミだった
ピコレーザーは多くのシミに有用ですが、すべてに万能ではありません。特に注意が必要なのが肝斑です。肝斑は刺激に敏感で、強いレーザーを照射するとメラノサイトが活性化し、かえって濃くなることがあります。そのため、ピコスポットのような高出力照射は基本的に不向きです。
一般的には低出力のトーニングでのケアを目指しますが、出力設定を誤れば悪化のリスクも残ります。シミには老人性色素斑や炎症後色素沈着など多様な種類があり、見極めが難しいケースもあります。
誤った施術を避けるためにも、必ず医師の診断を受け、自分に合ったやり方を選びましょう。
■原因⑤:推奨される施術間隔が守れていない
ピコレーザーの効果を高めるには、施術の間隔を守ることがポイントです。レーザーで砕かれたメラニンは、ターンオーバーに合わせて排出されますが、このサイクルを無視すると十分な効果が得られず「効果なし」と感じることも…。
間隔が短すぎると肌が回復する前に再び刺激を受け、炎症後色素沈着や肝斑の悪化を招く恐れがあります。一方で、間隔が長すぎると前回の効果が薄れ、治療が停滞することもあります。
一般的にピコトーニングやピコフラクショナルは、3〜4週間に1回のペースが目安とされます。ただし、ピコスポットは短期間で繰り返し行うことが難しいため、3ヶ月以上は間隔を開ける必要があります。
また、年齢や肌状態によって最適な周期は異なりますので、医師の指示に従って適切なタイミングで施術を続けることが、効果を最大限に引き出すポイントです。
【ケース別】ピコレーザーの効果なしと感じた時の対処法
ピコレーザーを受けて「効果なし」と感じる場合の理由はさまざま。シミの種類や照射モード、アフターケア不足などが原因になることもあります。諦める前に、原因を見極めて適切に対処することが大切です。ここでは代表的なケースごとの対処法を紹介します。
■シミが消えない・逆に濃くなった気がする
施術後にシミが濃く見える場合、炎症後色素沈着(PIH:ピーアイエイチ)の可能性があります。
レーザーによる炎症で一時的に色素が濃くなる現象で、2〜4週間ほどでピークを迎え、その後は数ヶ月かけて自然に薄れていくのが一般的です。ただし、そもそも肝斑などレーザー刺激に不向きな種類のシミだった可能性も考えられます。
ピコスポットなどの高出力照射は肝斑悪化のリスクがあるため注意が必要です。異変を感じたら自己判断せずに必ず医師へ相談しましょう。場合によってはレーザーの出力調整や内服・外用薬の併用が提案されることもあります。
紫外線対策と十分な保湿、摩擦を避けるケアを徹底することも重要です。
■毛穴の開きやニキビ痕に変化が見られない
毛穴の開きやニキビ痕へ効果なしの場合、照射モードの見直しが必要かもしれません。ピコフラクショナルは肌の真皮層に微細な空洞を作り、修復過程でコラーゲンやエラスチン生成を促すため、毛穴や凹凸ケアに有用です。
一方で、ピコトーニングは色素沈着やくすみに向いているため、凹凸への効果は限定的です。深いクレーター状のニキビ痕は、ピコレーザー単独では効果が得にくい場合もあり、ダーマペンやポテンツァなどの併用が検討されます。
■肌全体のくすみが軽減されない
顔全体のくすみには、低出力で広範囲に照射するピコトーニングが効果的です。
少しずつメラニンを分解・排出し、肌のトーンアップや肝斑ケア、ハリやツヤ感の向上も期待できます。施術を受けているのに効果が乏しい場合は、出力設定や照射モードが適切でない可能性もあるため、必ず医師に相談し調整してもらうことが重要です。
また、くすみの原因にはターンオーバーの乱れも関係するため、日常のスキンケア見直しも欠かせません。ビタミンCやトラネキサム酸を配合した化粧品の使用や、摩擦を避けた洗顔を心がけることで、レーザー治療と相乗的な効果が期待されます。
まとめ
「ピコレーザーは効果なし」と感じる場合でも、多くは施術回数や照射モードの選択、アフターケア不足などが原因です。施術そのものが無効というわけではないケースがほとんどです。
もし不安を感じたら自己判断せず、医師に相談しましょう。正しい診断と適切な施術計画、そして紫外線対策や保湿などの日常ケアを組み合わせることで、ピコレーザーは幅広い肌悩みに効果を発揮してくれるはずです。
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【施術の内容】ピコレーザー
【施術期間および回数の目安】
・ピコスポット:1回毎
・ピコトーニング:2~4週間に1回、3~10回程度
・ピコフラクショナル:3~4週間に1回、3~10回程度 ※状態によって異なります。
【費用相場】
・ピコスポット: 1回 約¥5,000~¥40,000
・ピコトーニング: 1回 約 ¥10,000~ ¥50,000
・ピコフラクショナル:1回 約 ¥20,000~ ¥50,000
※各クリニックによって異なります。本施術は自由診療(保険適用外)です。
【リスク・副作用等】赤み、やけど、色素沈着、色素脱失、水泡形成など
【未承認機器に関する注意事項について】
・本施術には、日本国内において薬事承認を受けていない未承認の医療機器を使用する場合があります。
・施術に用いる医療機器は、医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。詳細は厚生労働省の「個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報」をご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一性能を有する他の国内承認医療機器は存在しない場合があります。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の救済制度(医薬品副作用被害救済制度)の対象外となる場合があります。


