
ザーフとポテンツァは、どちらもたるみ治療に用いられますが、いったいどのような違いがあるのかを詳しくご紹介します。これらの施術は、多くの美容クリニックなどで導入されている注目の治療法。しかし、具体的な違いや特徴が分からず、どちらが自身に適しているのか迷っている方もおられるはずです。それぞれの特徴を把握し、自身にマッチした施術が選択できるよう参考にしてみてください。
1.ザーフとポテンツァの違いとは?

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XERF(ザーフ)とPOTENZA(ポテンツァ)は、どちらも高周波を用いた治療ができるマシンです。ザーフはまるで蜘蛛の巣のような形をした平らな電極がついた、スパイダーパターンと呼ばれるチップで施術を行います。一方、ポテンツァは極細のマイクロニードルから高周波を発します。ハンドピースの形状や高周波の発し方などがそれぞれの異なる点です。
ザーフは、たるみへのアプローチや小顔治療、肌質改善といった目的で活用されます。特殊な2種類の高周波を細かく調整することで、より効率的かつ均一な治療を叶えられる点が特徴です。ポテンツァには、14種類のチップと3種類のハンドピースが搭載されており、たるみをはじめ、ニキビ痕や毛穴の開き、小ジワなど、幅広い肌悩みへのアプローチが可能。マイクロニードルから発する高周波が肌悩みにアプローチするとともに、止血も行います。
高周波を使用している点やたるみ治療に用いられる点など、共通点も多い2つの施術ですが、次の見出しでより詳しくそれぞれの特徴を解説していきましょう。
2.ザーフの特徴をより詳しく解説

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まずは、ザーフの特徴から詳しく解説していきます。高周波を使ってどのように施術が行われるのかを把握し、自身の肌悩みや希望に沿うかどうかチェックしてみてください。取り扱いのあるクリニックの口コミなどを参考にするのもおすすめです。
■ザーフの概要
ザーフは、世界初のデュアル周波数(6.78MHz+2MHz)を採用した高周波治療です。この2種類の特殊な周波数は、真皮層や脂肪層といった部分にまでRFエネルギーを届け、皮下の深い部分を温めてタイトニングを行います。ザーフには3種類のモードに加え、10段階の出力調整機能と3段階の深さ調節機能があり、適切に設定することでたるみ・肌質改善・タイトニングの3つの治療が可能。肌悩みや肌状態、部位に合わせてモードや出力などを考慮して治療を行います。
■ザーフが向いている方
RFエネルギーを肌の深い部分にまで伝えてタイトニングするザーフは、輪郭や頬のたるみ、ほうれい線といった皮膚の深層部分にある脂肪が原因で起こる肌悩みに対して効果的な治療法です。また、照射の深度などを調整することができるため、肌のハリやツヤの向上を目指すことも可能。引き締め効果を活用して顔全体のボリュームを抑えたい方にもぴったりです。細かな調整ができるため、やせ型やふっくらした方など、体型を問わず施術できる点も魅力で、個々にマッチした施術が提供できます。
■基本的な施術頻度
ザーフは、施術直後から効果を実感しやすい方が多い傾向です。施術から2週間~1ヶ月程度経過すると、エラスチンやコラーゲンなどの生成が促され、ハリやツヤのアップ、引き締まりといった、肌表面の変化が生じやすくなるとされています。
施術頻度としては、クリニックによる違いや個人差はありますが半年に1~2回ペースを推奨されることが傾向として多いです。自身の肌状態にマッチした施術頻度を医師に提案してもらいましょう。
■ザーフの痛みやダウンタイム
ザーフは、クーリング機能や温度管理機能が整っていることから、痛みを軽減した施術が叶います。個人差はありますが多くの場合、施術中には温かさを感じる程度で、麻酔を使用しないケースがほとんど。痛みが気になってなかなかたるみ治療に踏み出せなかった方にとってもトライしやすいでしょう。もしも痛みが我慢できない場合には、出力や冷却ガスを調整して治療します。
施術後には、肌の乾燥や赤みが現れることがありますが、数日間で治まることがほとんどで、ダウンタイムは短い傾向にあります。メイクや入浴も当日から可能である場合が多く、日常生活にも影響を与えにくい施術です。そのため、周囲の目を気にすることなく施術したい方にも向いています。施術後は、紫外線対策と保湿ケアを強化し、摩擦を避けて過ごしましょう。
3.ポテンツァの特徴をより詳しく解説

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続いては、ポテンツァの特徴を詳しく解説していきましょう。ザーフとの違いがより明確に理解できるはずです。
■ポテンツァの概要
ポテンツァは、幅広い肌悩みにアプローチできる、高周波治療のマルチプラットフォームともいえる存在です。マイクロニードルという極細の針によって、肌に目に見えないほどの小さな穴をあけ、自然治癒力を活用して治療します。マイクロニードルから発せられた高周波により止血を行うため、熱による肌表面の損傷が軽減できる点も特徴の1つ。また、肌の真皮層に熱エネルギーを届けることもでき、肌内部のコラーゲンといった成分の生成をサポートする効果も期待できます。
■ポテンツァが向いている方
ポテンツァは、全14種類のチップと、3種類のハンドピースが搭載されているため、肌悩みに合わせた施術を選択することが可能。具体的には、赤ら顔や炎症ニキビ、毛穴の開きやニキビ痕、シワやたるみなどの治療に用いるのが代表的です。
また、高周波の熱によって肌の生まれ変わりを促すため、肝斑治療に活用されることもあります。レーザー治療のように直接メラノサイトに影響を与えないことから、悪化のリスクを軽減したい方にも向いている治療法です。
■基本的な施術頻度
ポテンツァの施術は、即効性があると評される施術です。個人差はありますが、施術当日から肌の変化を感じる方も。ただし、効果のピークは施術後1ヶ月を過ぎた頃とされているため、焦らず経過を観察してみてください。中には、回数を重ねるごとに効果を実感していく方もいます。
施術頻度は、月1回程度が目安です。ただし、肌状態や肌悩みによっても差があります。医師に症状を見極めてもらい、個々にマッチした施術頻度を提案してもらいましょう。
■ポテンツァの痛みやダウンタイム
ポテンツァでは肌に針を挿入して施術を行うため、部位によって差はありますが痛みを感じやすいでしょう。とくに、あごや額といった骨に近い部分は痛みが強くなる傾向があります。また、高周波の熱に反応して痛む場合や、回数を重ねることで痛みが増す場合も。
痛みをできるだけ軽減するために、針を刺すスピードを調整したり、高周波の熱量を考慮したりして施術を行っているクリニックがほとんどです。また、麻酔クリームで緩和するケースもあります。症状によっても痛みの強さが異なるため、医師と相談の上、できるだけ快適な施術が受けられるようプランを整えてもらいましょう。
施術直後には赤みやひりつき、腫れなどが現れる場合もありますが、1~2週間程度で治まるのが一般的。まれに、内出血や炎症後の色素沈着が起こりますが、適切に処置することで治まっていきます。施術後に気になる症状がある場合には、放置せずに早めに施術したクリニックを受診してみてください。
メイクや入浴は、施術当日から許可しているクリニックが多く、日常生活に影響を与えにくい施術です。
まとめ
ザーフもポテンツァも、たるみ治療に用いられる施術です。ザーフは2種類の特殊な高周波を発し、肌の深い部分にアプローチすることで、主にタイトニングや肌質改善を目指します。一方、ポテンツァは、マイクロニードルを使用して肌の自然治癒力を促す施術で、たるみをはじめ、シワやニキビ痕などの幅広い肌悩みへ働きかけることが可能。それぞれの良さや特徴を把握し、肌状態や希望などにマッチする施術を選ぶことが大切です。
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・当サイトは、美容医療の一般的な知識をできるだけ中立的な立場から掲載しています。自己判断を促す情報ではないことを、あらかじめご了承ください。また、治療に関する詳細は必ずクリニック公式ホームページを確認し、各医療機関にご相談ください。 ・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。 ・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。 |
【治療の内容】ポテンツァ(マイクロニードルRF)
【治療期間および回数の目安】1~3カ月に1回、計3~5回程度 ※治療期間や回数等は個人差があります。
【費用相場】1回約¥30,000~¥80,000
【リスク・副作用等】出血、赤み、色素沈着、炎症、腫れ、一時的なニキビなど
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。