女性ならではの悩みをサポートするフェムケア。2020年ごろからフェムケア関連の施術や商品が登場し始め、注目が高まっています。しかし、具体的なケア方法やどのような商品があるのかなど、詳しく知らない方もいるはずです。そこで今回は、30代・40代にぴったりなフェムケアをご紹介します。また、フェムケアの概要や、実際に取り入れることで期待できることなどもまとめました。
INDEX
1.フェムケアとは?注目されているその理由もチェック
では早速、フェムケアの概要から解説していきましょう。フェムケアが注目を集めている背景もまとめました。
■フェムケアとは?詳しい概要を解説
フェムケアとは、「女性の」という意味をもつ「Feminine(フェミニン)」と、「世話」「お手入れ」といった意味の「Care(ケア)」をかけ合わせて作った用語です。つまり、女性特有の体の悩みにアプローチするためのケアを指します。とくに、デリケートゾーンにあたる「フェムゾーン」のケアを行うのがメインです。
骨盤底筋群を鍛えるトレーニングやフェムゾーンの保湿・マッサージなどがフェムケアに該当します。家庭で気軽に取り組めるものも多く、20代や30代といった若い世代はもちろん、60代以降の更年期に差しかかっている方を含む、幅広い女性に注目されている言葉です。
■フェムケアはなぜ注目されている?
フェムケアは、なぜここまで注目されているのでしょうか?その主な理由を解説しましょう。
女性の社会進出
日本では、働き方改革の一環として、2016年に「女性活躍推進法」が施行されました。これは、女性の社会進出や活躍を推進するための法です。女性たちがより活動しやすい環境を整えるために、月経や妊娠、出産や更年期といった、女性ならではの体の悩みをサポートする動きが強まりました。その結果、フェムケアが注目を集めるようになったと考えられています。
SNSなどで意見を言いやすくなった
SNSが普及したことにより、誰でも気軽に情報発信・情報収集ができるようになった現代社会。これにより、女性特有の体の悩みを多くの方々と共有しやすく、有益な情報を得やすい環境が整いました。すると、女性ならではの悩みが顕在化し、社会的にも関心度が高まったことでフェムケアが注目されるようになったと考えられます。
ジェンダーに対する意識の向上
SDGsに掲げられた目標の1つに「ジェンダー平等の実現」があります。この目標によって、日本でもジェンダー平等の意識が高まっている傾向です。しかし、実際には、家事や育児の負担、雇用などに、男女格差があるケースもゼロではありません。そこで、こういった男女格差をなくすために、女性が働きやすい環境を整えようという動きが社会的に強まっています。その一環として、フェムケアが注目されるようになったようです。
2.フェムテックとの違いを知っておこう
フェムケアとよく似た言葉で、意味が混同されがちなのが「フェムテック」です。女性の意味を持つ「Female(フィーメイル)」と、技術の意味を持つ「Technology(テクノロジー)」をかけ合わせて作られた言葉で、フェムケアとは意味が少し異なります。
フェムテックは、女性特有の体の悩みを、テクノロジーを使って解決へと導く商品やサービスのこと。具体的には生理管理アプリやオンラインピル処方などが代表的です。他にも、卵子凍結やマシンを使った美容医療などもこれに該当します。
3.30代・40代でフェムケアを取り入れると期待できることは?
フェムケアを日常に取り入れるとどのようなことが期待できるのかをまとめました。
■かゆみやにおいといった不快感の軽減
フェムゾーンに関する悩みで多いのが、かゆみやにおいです。下着を長時間つけるため、フェムゾーンはムレやすい環境。さらに、汗や尿はもちろん、生理などが合わさることで、菌が繁殖しやすくなり菌が増えることで、かゆみやにおいが発生すると考えられます。ときには、下着やナプキンと肌の摩擦によって、フェムゾーンに黒ずみが発生するケースもあるのです。
そこで、専用のソープを使って洗う、肌に優しいショーツ使うといったフェムケアを行い、フェムゾーンを清潔にすることで、菌の繁殖を抑制。かゆみやにおいの軽減につながります。肌に負担の少ない下着をつけることで、色素沈着の予防にもなるでしょう。
■ホルモンバランスを整える
フェムケアの1つとして、バランスの良い食事の摂取や十分な睡眠なども含まれます。フェムケアで生活習慣に配慮することで、ホルモンバランスが整い、生理不順や更年期の症状が和らぐケースもあるのです。
■生理に関する悩みにアプローチ
定期的に訪れる生理には、ショーツのムレやナプキンによるかぶれなど、さまざまな悩みを抱えている女性もいるでしょう。そこでフェムケアの一環として肌に優しい素材のナプキンを使用する、吸水ショーツを使うといったことを取り入れると、生理中の悩みへアプローチが可能。自分自身の悩みにマッチしたアイテムやケア方法を取り入れて、生理に関する不快感を軽減できます。
■更年期の体をサポート
更年期になると、女性ホルモンの減少や膣のゆるみ、皮膚のたるみや乾燥など、フェムゾーンにもさまざまな症状が現れます。そこで、生活習慣を整えることや保湿、筋トレなどのフェムケアを取り入れることで、更年期ならではの不調を和らげることが可能です。
■尿漏れ予防
出産を経験したことがある、中高年に該当するといった女性は、筋肉の緩みなどから尿コントロールの機能が低下している場合もあります。もともと尿道が短いという女性ならではの体の作りも影響しているようですが、骨盤底筋を鍛えるといったフェムケアで、尿漏れ予防が期待できます。
4.美容クリニックではどのようなフェムケアができる?30代・40代向けの代表的な治療法
フェムゾーンの保湿やマッサージ、専用のソープの使用といったフェムケアに加えて、月経カップや生理・更年期をサポートするアプリといったフェムテックなど、気軽に取り入れやすいやり方も多数あります。セルフでできることを取り入れつつ、さらにしっかりケアしたい場合には、美容医療の活用も可能です。さまざまな機器を活用して治療を行う美容クリニックのフェムゾーンケアはフェムテックに該当します。ここでは、30代・40代向けに美容医療ではどのようなことができるのかをご紹介しましょう。
■脱毛ケア
フェムゾーンを脱毛することで、ムレにくくなるだけではなく、においの発生や生理中の不快感を軽減できます。美容クリニックでは、医療脱毛の施術が可能。医療脱毛は医療機関ならではの機械を使用して、専門的な知識や技術を持った方が施術を行います。少ない回数で施術が完了し、半永久的な効果を得ることも可能です。
■色素沈着ケア
フェムゾーンはデリケートな部位で、セルフで色素沈着のケアを行うのはなかなか難しいとされています。しかし、医師がいる美容クリニックであれば、より専門的な処置が可能。例えば、ピーリングやレーザー照射などがフェムゾーンの黒ずみケアの代表的な治療法です。カウンセリングなどを活用して、自分自身にぴったりな色素沈着ケアにトライしてみてください。
■膣の引き締めケア
美容クリニックでは、レーザーや高周波を用いて膣を引き締める治療法もあります。また、膣を引き締めるだけでなく、膣圧の向上や尿漏れの軽減、膣のうるおいサポートなど、魅力が豊富です。
美容クリニックによって取り扱い機器が異なるため、期待できる効果や施術内容も異なります。例えば、高周波を用いた治療では、ハンドピースを膣内に挿入して治療を実施。膣内に均一に高周波を照射し、悩みにアプローチします。こういった高周波のフェムテックでは、膣のゆるみはもちろん、女性器のしぼみや黒ずみなどにもアプローチ可能です。各美容クリニックで取り扱っている機器で、どのようなケアができるのか、事前にチェックして医師と相談すると良いでしょう。
■まとめ
フェムケアは、女性の社会進出やSNSの普及などによって、社会的にも注目されています。フェムゾーンの保湿やマッサージといったフェムケアに加え、月経カップや生理管理アプリなど、テクノロジーを取り入れたフェムテックからも目が離せません。美容クリニックでもフェムゾーンのケアができるため、悩みに沿った治療を受けてみてください。フェムケアをうまく取り入れれば、活躍の場が広がり、快適な生活をサポートしてくれるでしょう。
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