【世界水準】DNAのメチル化解析で「若さ」の概念はどう変わる!?

【世界水準】DNAのメチル化解析で「若さ」の概念はどう変わる!?

体の内側からの若々しさを目指すうえで、「DNAのメチル化解析」が役立つといわれ、注目を集めています。すでに「DNAのメチル化解析」について美容系のSNSなどで見聞きし、「難しそうだけど何のためにするの?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。今回は、DNAのメチル化とはどういうことなのか、測定することで得られるメリットについてご紹介します。ぜひチェックしてください。

1.DNAのメチル化について解説

DNAのメチル化とはどういった事象なのか、そもそもDNAとは?というところから解説します。

■そもそもDNAとは

出典:photoAC

人の体は、約37兆個の「細胞」からできており、それぞれの細胞が脳・皮膚・骨・心臓・筋肉などのさまざまな器官や臓器として機能することで、体を形作っています。
この細胞には「核」という器官があり、核の中には46本の「染色体」が含まれています。この染色体の中に折りたたまれて収納されているのが、写真のようにはしごをひねったような二重らせん構造を持つ「DNA」です。DNAには、親から受け継がれた膨大な遺伝情報が書き込まれており、「体を作る設計図」とも表現されています。

出典:illustAC

DNAは、A(アデニン)T(チミン)C(シトシン)G(グアニン)という塩基と呼ばれる4種の部品でできており、上の図のようにAとT、GとCがそれぞれペアとなって結合。このA・T・G・Cの文字列のことを塩基配列といいます。

DNAのメチル化は、4種の塩基の中のC(シトシン)の構造に変化が起こることだといわれています。

■DNAのメチル化とは

下図のように、C(シトシン)についている水素(H)がメチル基(CH3)に置き変わることを、「DNAのメチル化」といいます。

このDNAのメチル化が、遺伝子の現れ方に影響を及ぼすとされています。
例えば、同じ遺伝子情報を持つ一卵性双生児でも、喫煙などの生活習慣やストレスによって中年期以降の病気のかかりやすさに違いが出たり、寿命に大きく差が出たりすることもDNAのメチル化の影響であるといわれているのです。

■DNAのメチル化解析で生物学的年齢が分かる

近年の研究により、DNAのメチル化の進行レベルと老化の仕組みが強く関係することが解明されています。DNAのメチル化のレベルを解析すると、その人の「生物学的年齢」を知ることができ、老化の進行具合のほか、加齢に関連する疾患リスクが分かるとされ注目されているのです。DNAのメチル化解析で生物学的年齢を導き出すことは「エピジェネティック・クロック」と呼ばれ、信頼性の高い老化の指標と位置づけられています。

■生物学的年齢とは

生まれてからの経過年数である「暦年齢」とは異なり、体内の環境を測定して組織・細胞の老化の程度から判断する年齢を「生物学的年齢」といいます。例えば年齢よりも若く見られる人は、生物学的年齢が若い可能性が高いといえるでしょう。
近年、美容医療の中でもとくに美容内科の分野で生物学的年齢を重要視。体内環境を整えて、生物学的年齢を若々しくしていくための取り組みが進む中、生物学的年齢を測定できるDNAのメチル化解析にも注目が集まっています。

2.DNAのメチル化解析の目的とは

出典:photoAC

DNAのメチル化解析を行う目的や意義について解説しましょう。

■DNAのメチル化解析で自身に必要な美容医療が分かる

効果的なエイジングケアを行うには、まず自分の現状を知ってから目標設定を行うことが大切。
DNAのメチル化を解析すると、実際の年齢よりも自身がどのくらい老化しているか、若さを保てているのかという生物学的年齢を知ることができます。そして解析時の生物学的年齢を基準に、若返りを目指すためにはどのようなアプローチをすれば良いかが明確になり、より効果的な美容医療メニューを選択できるでしょう。
また、美容医療を受ける前後にDNAのメチル化解析を行うことで、美容医療の若返りの効果が数字で可視化されることが期待できます。例えば、治療後に「生物学的年齢が変わらなかった」という場合は、その治療が自分には合っていなかったことが理解できます。逆に、治療後「生物学的年齢が3歳若返った」ということが示されれば客観的な視点で効果を実感でき、治療の目的がより理解できるようになるでしょう。

生物学的年齢を測る方法は複数ありますが、現在DNAのメチル化解析で生物学的年齢を導き出す「エピジェネティック・クロック」が、最も科学的に信頼できる指標と考えられています。

■研究が進むと健康寿命の延伸化が期待できる

がん細胞を採取し観察すると、DNAのメチル化に異常が起きているケースがあることが分かっています。今後研究が進展すると、細胞内のDNAのメチル化異常を見つけ、正常化することが可能になり、がんを早期発見・治療するための新たなアプローチ法となりうることが期待できます。
DNAのメチル化解析は、肌老化を食い止めるという美容の観点だけでなく、健康に長寿を目指す医療の観点からも重要な手法です。研究の進歩によって、今後は広い意味でのエイジングケアを行うことが可能になるかもしれません。

3.美容クリニックで提供するDNAメチル化解析の方法を紹介

DNAメチル化解析のキットを導入する美容クリニックに依頼すると、自身のDNAメチル化のレベルを知ることができます。
どのような流れで解析が行われるのかご紹介しましょう。

1. クリニックで採血を行う
2. ろ紙に血液を滴下して乾かす
3. 6~8週間で検査結果が届く

6~8週間と解析に時間はかかりますが、最も信頼性が高いといわれるDNAメチル化解析によって、自身の生物学的年齢や若返りに必要な美容医療が分かるでしょう。

4.美容クリニックのエイジングケアメニューを解説

出典:photoAC

美容クリニックで提供するエイジングケア(年齢に則したケア)のメニューを2つご紹介します。

■再生医療(線維芽細胞移植)

皮膚の真皮層には、線維芽細胞という細胞が存在します。
線維芽細胞は、コラーゲンやエラスチンといった肌にハリ・弾力をもたらす成分や、肌のうるおいを保つヒアルロン酸などを生成。美肌につながる成分を作り出す線維芽細胞は、加齢によって減少し、シワやたるみといった肌の老化が進んでいきます。
そこで、患者さん自身の線維芽細胞を培養して肌に注入し、若々しい肌を保とうという治療が線維芽細胞移植。肌老化の原因にアプローチできる再生医療の一つです。
培養した線維芽細胞は4000万~8,000万個に増殖され、数十年もの間使用可能。数年に一度、肌の気になる部分に注入することで、シワやたるみなどを自己修復することが可能と考えられています。
レーザー治療などの外から手を加える方法ではなく、内側から肌を生まれ変わらせ、効果の長期的な持続が期待できる方法です。

■NMN点滴

NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)は、若々しく健康的な体機能の維持に役立つとされ、注目されている物質。摂取することで、加齢による肌悩みへの効果的なアプローチも期待できます。
NMNは体内で自然に作られる物質ですが加齢に伴って生産量が減少するため、保持するためには補給する必要があります。NMNを含む食品には枝豆・ブロッコリー・きゅうりなどがありますが、ブロッコリーで1日100mgのNMNを摂取するには約40kgもの量が必要で、食品から摂るのは現実的ではありません。
そこで、NMNを効率良く摂取するために開発されたのがNMN点滴。老化に深い関わりがあるとされる「サーチュイン遺伝子」を活性化し、若々しく健康的に過ごせることが期待できます。NMNは点滴のほか、サプリメントで摂取する方法もあり、取り扱いのあるクリニックで購入可能です。

■まとめ

組織や細胞の老化の程度である「生物学的年齢」。生物学的年齢の若返りにアプローチするのが美容医療の分野です。レーザー治療などの外側からのケアだけでなく、体の中から組織や細胞の若返りを目指すケアも取り入れることで、若々しく健康的な美しさを得られるかもしれません。老化レベルを測定する指標である「DNAのメチル化解析」によって、自分の暦年齢と生物学的年齢の差を知り、若返りのために必要な治療を明確にしてみてはいかがでしょうか。

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