「原因がわからず、とにかく体調が悪い……」美容内科でできる治療とは

「原因がわからず、とにかく体調が悪い……」美容内科でできる治療とは

「原因がわからずとにかく体調が悪い」「しっかり寝たのに疲れがとれない」、そんな状態が続いているなら、もしかすると「不定愁訴(ふていしゅうそ)」かもしれません。不定愁訴は、誰もがなる可能性がある珍しくはない症状です。この記事では不調が続くときの考えられる原因を解説するとともに、美容医療でできる治療方法をご紹介。症状に悩み、セルフケアや病院にかかっても改善がみられなかったという方は、ぜひチェックしてみてください。

1.原因がわからずとにかく体調が悪いのは「不定愁訴」かも

出典:photoAC

いつも体調が悪いのに原因不明、なぜか体調が優れない……これらの症状を医学用語では「不定愁訴」と呼びます。不定愁訴は、成人の20~30%(※1)がなるともいわれており、多くの研究では女性にみられやすい傾向があるとされています。まずはご自身に心当たりがないか、不定愁訴の特徴をチェックしてみましょう。

■不定愁訴とは

そもそも「愁訴」という言葉は、「苦しい感覚や異変を口で訴えること」を意味します。そして不定愁訴は、「原因がわからずとにかく体調が悪い」と病院に行くものの、明確な病名がつくわけでもなく、症状が改善しない状態のことです。女性に多いといわれていますが、男性にも同様の症状がみられるケースがあります。不定愁訴は原因不明なために周囲に理解されにくく、誰にも相談できなかったり、無理をして仕事を続けていたりと、秘かに悩んでいる方は少なくありません。

■不定愁訴の症状をチェック

不定愁訴の症状は人それぞれです。「なんとなく体調が悪い」といった漠然とした体のだるさや、 吐き気や頭痛、メンタル面での不調など、さまざまな症状が入れ替わり立ち替わりで現れることも。症状を感じるタイミングや症状の継続期間にも個人差があります。「こんな症状が出たら不定愁訴」と一概にはいえませんが、よくみられる症状を以下にまとめました。当てはまるものがあるか、目安としてチェックしてみましょう。

<不定愁訴によくある症状>
体のだるさ、冷え、頭痛、肩こり、腰痛、便秘、腹痛、むくみ、めまい、耳鳴り、動悸、のぼせ、イライラ、落ち込む、眠れない など

2.原因がわからずとにかく体調が悪い「不定愁訴」の原因は?

出典:photoAC

ずっと体調が悪いのに原因不明とされる不定愁訴ですが、さまざまな要因が関係しているのでは、と考えられています。不定愁訴が現れる要因をみていきましょう。

■自律神経の乱れ

不定愁訴の多くは、自律神経の乱れが関与しているようです。自律神経は、内臓や血管、呼吸や体温をコントロールし、生命を維持するために働いています。自律神経には心身を活発にする交感神経、休ませる副交感神経があり、2つのバランスが崩れるとさまざまな不調を引き起こします。
自律神経が乱れる原因は、不規則な生活やストレスによるとされていますが、40代以降の女性の場合は更年期障害からくる症状の可能性も。自律神経の乱れを検査できる医療機関もありますが、なぜ自律神経が乱れたのか、根本的な原因までは特定できないとされています。

■病気が隠れている

不定愁訴は病気が隠れている可能性も大いにあります。例えば、妊娠の維持などに重要な役割をする甲状腺ホルモンが減る橋本病(甲状腺機能低下症)。とくに30~40代の女性に多く、更年期障害と似た症状が現れます。落ち込みや不眠などの症状が強い場合は、うつ病など精神疾患の可能性も。そのほか、婦人科系の病気や血圧の異常などが不定愁訴へとつながっているかもしれません。

■栄養不足による機能低下

不定愁訴の原因として、栄養不足も考えられます。とくに、女性は月経があるため鉄分が不足しやすく、鉄欠乏性貧血になることも。鉄分が不足すると、細胞や脳に十分な酸素や栄養素が運ばれず、疲れやすさやめまいなどを引き起こします。また、ダイエットや暴飲暴食などで食生活が偏ると、鉄だけでなくたんぱく質やビタミン類などの主要な栄養素も足りなくなるため、おのずと体に不調が表れやすくなります。さらに栄養不足は肌荒れや抜け毛など、美容面にも悪影響です。

3.「不定愁訴」の治し方は生活習慣の改善がポイント

なんとなく体調が悪い状態が続く不定愁訴の対処法として、まずはセルフケアから始めてみましょう。早寝早起きや適度な運動、バランスのとれた食事を3食きちんと食べることを意識してみてください。とくに運動を取り入れることは、自律神経を整える効果も期待できるといわれています。
ただし、いつも体調が悪い人や次から次へと体調不良がやってくるという人は、病気の可能性も疑っておきましょう。まだ受診や検査をしていないなら、まずは医療機関を受診してみるのも1つの選択肢です。

4.原因がわからずとにかく体調が悪い|美容内科でできる治療3選

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不定愁訴は内科や婦人科のほか、美容内科でも症状にアプローチできる治療方法があります。美容クリニックは「きれいになる場所」と思っている方は、一度受診を検討してみてはいかがでしょうか。美容内科でできる治療を3つご紹介します。

■美容点滴

不足しがちな栄養素を、点滴で直接体内に取り込む治療。サプリメントなどの経口摂取よりも吸収率が高く、30分ほどで終えられるため、手軽かつ効率的に栄養素を補給できます。疲労回復・抗酸化作用が期待できる高濃度のビタミンC点滴や、クリニック独自に栄養成分をブレンドした点滴など、点滴の種類も豊富です。

高濃度ビタミンC点滴

高濃度のビタミンCを静脈内へ投与することで活性酸素が発生し、そこから抗酸化作用を得られます。免疫力を向上させたり、がんを抑制したりする効果もあるとされており、体の内側から機能を高めたい方にもおすすめです。

■美容注射

点滴より短い時間で、必要な栄養素や成分を補えるのが美容注射。新陳代謝を高めて疲労回復効果が期待できるビタミンB1(にんにく)注射や、成長因子の力でホルモンバランスや自律神経を整えるプランセンタ注射などが代表的です。美肌効果も期待できる成分の注射を選べば、体調不良の改善と同時に、エイジングケアとしてもアプローチできます。

ビタミンB1(にんにく)注射

ビタミンB1は、疲れの原因の1つである乳酸を分解する作用を持ち、乳酸が分解される過程で血行促進や新陳代謝を高め、疲労回復を助けます。にんにく注射と呼ばれる由来は、ビタミンB1がにんにくの香りがするため。施術中はにんにくの香りがすることもありますが、すぐに消えるため前後に予定がある方でも安心です。

プランセンタ注射

プラセンタはヒト胎盤から抽出される成分で、数種類のアミノ酸や酵素、成長因子を含みます。血行促進や新陳代謝を高めるほか、自然治癒力の低下による頭痛や冷え性、貧血などを緩和させる作用も。また、のぼせやイライラ感といった、更年期障害による症状緩和にも用いられます。

■栄養療法

自力では生活習慣の改善が難しいという方に、栄養指導を行うクリニックもあります。最初に血液検査や尿検査を行い、一人ひとりに足りない栄養素を把握。検査結果をもとに予防医学や栄養学を用いて、自分だけの食事指導や生活指導を提案してもらえるため実践しやすい点がメリットです。医師が必要と判断すれば、サプリメントが処方されることもあります。

■まとめ

原因がわからずとにかく体調が悪い状態は、不定愁訴の可能性があることを解説しました。不定愁訴ははっきりとした原因がないだけに、まずは普段の食事や生活習慣を見直すことが大切です。一方で、病気が原因となっていることもあるため、ただの不調だと見過ごさず、自分の体と丁寧に向き合っていきましょう。美容クリニックで治療を行う際は、不定愁訴のような症状にも対応しているかあらかじめチェックしておくと安心です。何をやってもダメだったという方は、ぜひ美容内科での治療も検討してみてくださいね。

【参考】

(※1)Rosendal M, Olsen F, Fink P:Management of medically unexplained symptoms. BMJ 330:4-5, 2005

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