LIANクリニック 看護師長 藤尾 有紀さんへインタビュー!美容看護師の未来のために邁進中

LIANクリニック 看護師長 藤尾 有紀さんへインタビュー!美容看護師の未来のために邁進中

LIANクリニック 看護師長 藤尾 有紀さんへインタビュー。東京・表参道エリアにある「LIAN(リアン)クリニック」で看護師長を務める藤尾 有紀(ふじお ゆき)さんにインタビュー。同クリニックは美容皮膚科と患者様との絆に重きを置き、円滑なコミュニケーションをベースに個々に合わせた施術・サービスを提供しています。今回は、藤尾さんが美容看護師として施術に携わる際に大切にされているポイントや美容看護や業界全体のさらなる成長へ向けた取り組みなど、熱い想いをお聞きしました。

プロフィール

LIANクリニック 看護師長
藤尾 有紀(ふじお ゆき)さん

美容看護師として大手美容クリニックの外科チームで経験を積み、都内美容皮膚科にて副主任、「Wi Clinic(ウィクリニック)」にて主任を歴任。2022年7月にパートナーでもある藤尾謙太院長とともに「LIANクリニック 」を開院しました。同院では看護師長とアートメイク部門の代表を務め、患者様一人ひとりのお悩みに寄り添い、丁寧で根拠のある施術で美をサポート。講習会の代表、講師としての顔も持ち、美容医療業界で働く看護師の知識と技術力の向上にも貢献しています。

(経歴)
最大手美容クリニック 外科チーム
都内美容皮膚科 副主任
Wi Clinic 主任
2022年 LIANクリニック オープン

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看護師としての背景 ~美容医療との出会い~

LIANクリニック 看護師長 藤尾 有紀(ふじお ゆき)さん

―――藤尾さんはどのような経緯で美容看護師を目指されたのでしょうか?

私は幼い頃からCAになることを夢見ていました。しかし、いざ職業を選択する年齢となったときに、ふと「CAとしてフライト中心の仕事をするとなると結婚はどうなるのだろう」と、ライフスタイルに関わる漠然とした不安が頭をよぎったんです。そこから、女性としてキャリアを長く形成しやすい看護師という職業に興味を持ちました。

私が看護師を目指していた当時は、美容看護師はキャッチーな響き・イメージも相まって、学術的な職業としてとらえられていなかったように思います。しかし、私自身は美容とQOLの繋がりを強く感じていたので、初めから美容看護師になるつもりでした。例えばニキビと鬱病の関係については論文でも述べられており、肌が心の状態を左右し、社会的な影響を及ぼすことが分かっています。私自身ニキビ肌で美容皮膚科に通っていた時期があり、これらを実体験から理解していたので、美容看護師は医療的な側面から考えても将来的に成長の余地が大きいと予想していました。

―――美容看護師としてどのようにキャリアを形成されたか教えてください。

私は美容医療の現場で即戦力となるために、眼科のオペ室を経験してから美容医療業界の門を叩きました。美容看護師になるにあたり、まずは業界を知ることを目的に大手のクリニックへ入職。そこで、マニュアルがかっちりしすぎて個別性に欠けているところを課題に感じ、これから日本の美容医療が成長していくためにはこれらを変えていく必要があると思い至りました。しかし、今あるシステムを変えていくには人から認められるような経歴や、役職・立場を手にすることが必要です。そこで美容看護師として邁進し、副主任や主任としてキャリアを積むことに心血を注ぎました。力をつけてフリーランスになり、院長の夫とともに「LIANクリニック」を立ち上げて現在に至ります。

美容医療への情熱 ~美容看護師として業界に貢献~

LIANクリニック 看護師長 藤尾 有紀(ふじお ゆき)さん

―――藤尾さんは美容看護師を対象とした講習会の運営や講師としてもご活躍されていますね。どのようなキッカケで育成の道を歩むようになったのでしょうか。

講習会を始めるようになった背景には、2つの想いがあります。1つは、後輩たちが学術的な知識を得られる場を作りたい。もう1つは美容看護師として活躍するプレーヤー達のセカンドキャリアを形成したいという想いです。「現場でいつまで働けるだろう」と不安を抱える看護師は多く、そうした人が知識を生かせるようなキャリアサポートがあったらいいなとずっと感じていました。美容看護師が、その先のビジョンをクリアに描けるようにしたいんです。

―――実際に講習会を開催するなかで、課題に感じることや苦労はありますか?

そうですね…。ほかの専門の看護師と少し違う点として、“美容看護師が学ぶ”ことに対しての周囲の理解やサポートが「まだまだこれからだな」と感じることがあります。一般的に看護師が講習を受ける場合、ほとんどの医療機関において費用を払うのは医師や経営者といった雇用側です。しかし、美容看護師においては“自らがお金を払って学びに来る”ケースが多くあります。これは、“看護師に教育が必要”という考えが浸透していないことの表れです。美容看護分野が成長するにあたり周囲の理解は不可欠ですが、もう少し時間が必要なのかな、と思いますね。

看護師が力をつけすぎると雇用者側にとって管理が難しくなる、といった側面もあるかもしれませんが、“ナースの価値を高めることがクリニックの価値向上につながる”という考えがより浸透してほしいです。

―――「LIANクリニック」の看護師長というお立場では、美容看護師の価値を高める観点でどのような取り組みをしていますか?

LIANクリニック 看護師長 藤尾 有紀(ふじお ゆき)さん

まず、評価制度をしっかりと確立させるような仕組みを強化しています。さらに、美容看護師は女性が多く、出産や育児など人生において働きにくさを感じるターンもあるため、ライフステージに応じたキャリアサポートを大切にしています。大きな目標を掲げて一緒に立ち向かい達成する、共同体としてゴールを共有することも重視しているポイントです。看護師によく伝えているのは「アジアで一番技術力の高いクリニックにしよう」という言葉ですね。

私たち看護チームが掲げているのは、安全であること・効果を出すこと・痛みに配慮することという、これら3つの看護観です。当クリニックでは看護師一人ひとりが医療的な観点で勉強し、施術効果をしっかり発揮できるよう技術を磨き、自分の強みを活かしながらクリニックが掲げる看護目標達成に向け尽力してくれています。それがひいてはクリニックの価値を高めることにつながっていると考えます。

藤尾さんの美容看護師としての強み ~患者様へ不利益のない施術を~

LIANクリニック 看護師長 藤尾 有紀(ふじお ゆき)さん

―――藤尾さんが美容看護師として患者様と接するうえで大事にされていることを教えてください。

私は患者様が長期的に見て不利益にならない治療を選択できるよう意識しています。不利益がないとは、痛みを感じさせないのはもちろんのこと、不快に思わせない、心の傷にふみ込まない、長期的な視点でとらえたときにネガティブな面がある施術をしない、などです。

また、評価と再考も重要ですね。美容医療はキャッチーなファッションのように、その場限りのイメージを持たれがちですが、美容看護師は自分の行った施術が患者様の人生にどう影響を及ぼすか、将来まで考えておかねばなりません。患者様が抱える背景を想像ではなくしっかりと情報収集した上で理解し、寄り添えるような技術も必要です。

―――藤尾さんはSNSにおいてもトップランナーとして業界を牽引されておられますが、発信の価値を高めるために心掛けていることはありますか?

私はキャッチーな発信をしすぎない、情報において“ギブ”を多くする、この2点を意識しています。美容看護師によるSNSは、かつてはブルーオーシャンでしたが今はかなり数が増えた印象です。そのなかで支持を得るには、人から必要とされる情報を提供できることが重要と考えています。

スキンケアルーティンと華やかな日常のポストよりも、事実や有益性にこだわり、価値ある情報のギブで独自性を出せるよう心掛けています。

―――藤尾さんが思う、美容看護師だからこそ美容業界に貢献できる事柄はなんでしょうか?

痛みのケアに関しては、一般の病棟看護師も勉強する分野ですし、学問として確立されている部分も多いため力を入れるべきかと思います。看護師だからこそ学べる分野ですし、患者様のためになると考えます。

経営者として考える美容医療業界の今後 ~美容看護師に確固たる「看護観」を~

―――美容看護分野において、業界全体や世界に目を向けたときにどのような課題があると思われますか?

海外では美容医療が学問として確立していますが日本はそういった側面が弱い、といった印象を受けることがあります。美容看護師の分野に関しては特にそうです。なかにはあまり学術的ではないリソースから情報収集する看護師もいて、根拠や安全性に課題を感じることがありますね。

当院では正しい情報を元にすることを意識し、勉強会の内容も工夫しています。例えば、“症例検討会”です。患者様の事例を取り上げ、「こういう治療したからこう着地して、長期的にはこうなるだろう」と、起こり得ることを根拠のある情報と臨床的な結果をもって学んでいく勉強スタイルを取っています。

―――美容看護の今後を引っ張っていくお立場で、今後注力していきたいポイントを教えてください。

やはり教育ですね。美容看護師の教育に関しては、もう少し根拠を持ってやっていくべきだと思います。看護師にはナイチンゲールという大きな存在が根付いており、学生はナイチンゲールの「看護観」を学び、病棟でもそれを胸にとどめながら看護にあたります。美容看護においても、ナイチンゲールのようなアイコン的な存在が必要ではないでしょうか。しっかりした看護観を定着させ、人間性として浸透させ、学問として確立させることが求められる時代がきていると考えます。

―――美容看護分野において、どのような世界観を理想とされていますか?

私は、美容看護師になった当時から「美容看護師を、看護師歴がつけられるような立ち位置にする」を目標にしてきました。今はそのために必要なことを1つ1つこなしている段階です。

美容看護師に看護師歴がつかない理由の1つに、美容が医療だと認められていない点が挙げられるかと思います。しかし例えば加齢による老化は、相互関係を持つ人々からの認識に影響し、社会的に不利益を及ぼす可能性があると論文でも発表されています。そういった面を考慮すると、美容看護はまさに医療の一部ではないでしょうか。こうした側面をより大きく打ち出すことで、いずれは美容看護が医療の1つになれば…と思います。

―――経営者として、今後の医療美容業界全体に寄せる想いをお聞かせください。

学会的な部分についてひと言述べるならば、職種を超えた広い間口の実践的な情報共有の場が増えたら良いですね。学会や勉強会には“医師だけ・医師のみ”といったものも多く、マーケティング色が強いものも存在します。

私としては、 Cutting Edge(カッティングエッジ)やライブサージェリー*のような、誰もが情報を得られるような公開方式のセミナーが増えることに期待しています。

*ライブサージェリー…生中継で行う手術のデモンストレーションのこと。主に若手医療従事者の育成などを目的として、教育現場やセミナーで用いられることが多い。手術中継をしながら手術の解説をしたり、観覧者からの質問に答えたりするもの。

読者や患者様へ向けて伝えたいメッセージ ~内面から健康で美しい人へ~

LIANクリニック 看護師長 藤尾 有紀(ふじお ゆき)さん

―――この記事をご覧になっている看護師の方々に向けてぜひメッセージをお願いします。

あなたがしたい看護は何でしょうか?この記事をご覧になっている看護師のあなたが理想とする看護が、もし美容クリニックで実現できることであれば、この業界を通してぜひ一緒に働いていきましょう。

ただし、厳しいことを申し上げますが、“話題性のある業界だから”“美容が好きだから”といった理由だけで足を踏み入れるには難しい業界であることも知っておいていただきたいですね。

―――記事の結びに、読者の方々に向けてメッセージをお願いします

私は、美しさは “外見的に整っていること”だけではないと考えます。内面も含め、“心が健康であること”が美しさではないでしょうか。もしも、ご自分のボディイメージに関してネガティブな想いがある場合、心から健康ではいられません。私はそういった部分のお手伝いをさせていただきたいです。

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