あきこクリニック 院長 田中 亜希子先生へインタビュー!厚く慕われる“美容のかかりつけ医”が具現化する、美容医療の真価と次世代へのバトン

あきこクリニック 院長 田中 亜希子先生へインタビュー!厚く慕われる“美容のかかりつけ医”が具現化する、美容医療の真価と次世代へのバトン

あきこクリニック 院長 田中 亜希子先生へインタビュー。

美容外科医の田中先生は、一度きりではない長期的な関係を築く診療スタイルで、“美容のかかりつけ医”として多くの患者から支持されています。

また、他院への技術指導やクリニックの垣根を越えた勉強会の開催など、正しい美容医療を広めるため精力的な活動にも力を注いでいます。

今回は、太陽のように明るく愛情深い田中先生の原点・技術・理念を深掘り!患者や若手医師へのメッセージもいただきましたので、最後までぜひご覧ください。

ドクターズプロフィール

あきこクリニック 院長
田中 亜希子(たなか あきこ)先生

美容外科医として30年のキャリアを有し、2025年現在も第一線で活躍中。糸リフト(スレッドリフト)の施術では圧倒的症例数を誇り、多数の企業から認定されたKOL*でもある。

第110回日本美容外科学会(JSAS)会長を務めた経験も持つ。診療の合間を縫い、他院への技術指導や業界横断的勉強会「あきラボ(AKILAB)」の主催など、美容医療の未来を見据えた教育的活動にも尽力。

(資格)
日本美容外科学会(JSAS)認定美容外科専門医
金山美容クリニック顧問医師
麗ビューティー皮フ科クリニック技術指導医
医療法人社団 天祐会 皮膚科形成外科グループ顧問医師
Medytox社 認定注入指導医
ARTEMIS LIFT EXECUTIVE KOL
GALDERMA JAPAN Trainer
TESSLIFT社 MASTER KOL
CLEVIEL KOL
PREMIUM Vov Lift KOL
RFBIO YOUTHFILL PN Master KOL
NEAUVIA JAPAN KOL
(所属学会)
第110回日本美容外科学会(JSAS)会長
日本美容外科学会(JSAS)初の女性理事
日本アンチエイジング外科学会(JAAS)理事
日本美容外科学会(JSAS)正会員
日本美容外科学会(JSAPS)正会員
日本美容皮膚科学会正会員
日本形成外科学会正会員
日本抗加齢医学会正会員

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▷あきこクリニック公式インスタグラム(@akiko_clinic.2009)はこちら
▷田中 亜希子先生公式インスタグラム(@akitan0527)はこちら

KOL*……Key Opinion Leader(キーオピニオンリーダー)の略称。その分野を最先端で牽引する人物のこと。

医師としての背景 ~ドクターストップを受け、興味があった美容外科医へ転身~

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―――医師を志したきっかけと美容医療の道へ進んだ理由は何ですか?

私は先天性股関節脱臼(だっきゅう)で生まれ、子ども時代に輸血を伴う全身麻酔手術を3回ほど受けた経験から医師を志しました。

医学部では顕微鏡下手術のマイクロサージェリーに強い興味を持ち形成外科を希望しました。

しかし、当時の入局条件として「一生子どもを産まないこと」が求められたため、最終的に女性医師を歓迎していた産婦人科に入局することにしました。

産婦人科での勤務は激務で、平均睡眠時間はわずか3時間。その中で私は重度の変形性股関節症を発症しました。

主治医から「休みのある診療科に転科すべき」と言われたのですが、時期的に転科は難しく…。

考え抜いた末に、以前から興味のあった形成外科領域にも関わることができる美容外科の世界に転身する決断をしました。

―――入職した大手美容外科での気づきや若手時代のエピソードを教えてください。

当時、美容外科に対してあまり良いイメージを持っていなかったのですが、入職した大手美容外科はドクターの教育システムが整備されていて、患者さまへの向き合い方も真摯的で驚きました。

美容外科は、結果が目に見えて分かりやすく、患者さまの喜びの声を直接感じられる点に魅力を感じ、私の性分にも合っていると思いました。

とはいえ、当時はまだ大手美容外科でも女性医師の肩身は狭かったのですが、「市場価値のある医師になるために、男性医師の2倍は仕事をしよう!」と決意

扉越しに先輩医師のカウンセリングをこっそり聞いて学んだり、休日返上で手術の勉強に足を運んだりと、とにかく仕事に打ち込みました。

その結果、徐々に同僚や院長からも評価をいただけるようになりました。

―――その後、「あきこクリニック」を開業するまでの経緯をお聞かせください。

大手美容外科では4年間で美容外科医として一人前に育てていただいたため、「あと4年間は働いてご恩返ししよう」と考えていました。

しかし、妊娠・出産・育児に配慮のある職場だったため、気づけば勤続14年に。

あるとき、勤務先の倒産を察知し、「ほかの大手美容クリニックに転職する」「雇われ院長になる」「開業する」の3択で迷いました。

最終的には「人生は1度きりだから、自分でやってみよう!」と決意し、開業しました。「最初から最後まで患者さまに寄り添いたい」という想いも、開業の大きな理由です。

カウンセリングから手術、抜糸、術後検診を自ら担当し、“美容のかかりつけ医”として患者さまを支えられる存在になることを目指しました。

田中先生の強み ~リピート率90%!類まれな傾聴力&的確なアドバイスが武器~

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―――臨床経験豊富な田中先生が、美容外科医として大切にされてきたことは何ですか?

患者さまのお話を一生懸命お聞きし、できること・できないことを明確にお伝えすること。私ができることは全力で取り組み、私より適任の医師がいれば、迷わず紹介状を書きます。

これは、美容外科医としてキャリア30年を超えた現在も、大切にしているスタンスです。

美容医療的に正しいことをしても患者さまが納得されなければ、その施術は失敗です。ご要望をしっかり伺うために、初診では30分、場合によっては1時間ほどカウンセリングを行うこともあります。

私の診療モットーは“日本一傾聴力のある美容外科医”。そのためか、当院のリピート率は90%にのぼります。

中には「先生に会いたくて、毎月施術の予約を入れているようなもの」とおっしゃる患者さまも。こうしたお言葉をいただけるたび、信頼関係を築けていると実感でき、とてもうれしく思います。

―――患者の希望に寄り添う一方で、田中先生は過剰な美容医療に対して警鐘を鳴らされています。先生が“施術の要不要”を判断する基準を教えてください。

一通りお話を伺ったうえで、『美しくなると思えない施術』はきっぱりとお断りします。私は、美容医療の本質は自然な美しさと調和にあると考えているからです。

過剰な施術によるリスクを考え、医師がどこで線を引くかは非常に重要だと思います。

カウンセリングでは「ご自身ではお気づきでないかもしれませんが、私にとって気になる点を申し上げてもよろしいですか?」とお声がけします。

気になるパーツのことだけを考えて来院されることが多いですが、この一言でハッとされ、「お願いします。プロの視点で必要なことを教えてください」と受け入れてくださることがあります。

施術の要不要だけでなく、美容医療の本質についてもお伝えすることで、これまで多くの美容クリニックを受診してきた患者さまほど、当院のファンになってくださるようです。

―――なるほど。プロ目線で施術の要不要をアドバイスしてもらうことは非常に重要ですね。では、SNS時代の美容医療ドクター選びで患者に伝えたいポイントは何でしょうか?

SNSの症例画像を見て心惹かれる医師がいたら、SNSだけで判断せずクリニックのホームページの症例画像も再度しっかりと確認してください。

また、ホームページに卒業大学・専門性・開業までのキャリアなどが明記されていない場合は要注意です。そして、切開を伴う手術をする際は、自分の身を委ねられる医師を選ぶことが大切です。

どんなに手技の上手な先生でも、万人にとって名医とは限りません。「自分の要望と合わない」「どこか信用できない」と少しでも違和感がある場合は、他のクリニックも見て比較するべきです。

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美容医療業界の課題と未来 ~業界横断的勉強会「あきラボ」で深い学びの場を提供~

あきこクリニック 院長 田中 亜希子先生へインタビュー!厚く慕われる“美容のかかりつけ医”が具現化する、美容医療の真価と次世代へのバトン

―――田中先生のもとへ他院修正で来院される患者が増えていると伺いました。その背景について、どのようにお考えですか?

最近の美容医療業界は、医師が開業するタイミングが早過ぎると感じています。

2年間の臨床研修を終え保険診療を経験することなく美容医療に進むことを選んだ医師、いわゆる直美の先生が、美容医療の症例経験を十分に積まないうちに開業してしまう。

解剖を熟知せず施術に臨むと、最悪の場合には深刻なトラブルを招く恐れがあり、非常に危険です。

当院で特に多い修正の依頼は、クマ取り手術です。クマ取りは経結膜脱脂*だけでなく、皮膚切除やハムラ法*が必要になるケースも少なくありません。

このことからも、個人的には、必要な手技をすべて習得してから開業することが重要だと考えています。まずは症例経験を着実に積むことを重視してほしいですね。

*経結膜脱脂……下まぶたの裏側から余分な眼窩脂肪を除去する手術
*ハムラ法……突出した眼窩脂肪を目の下のじん帯の位置に差し込む手術

―――業界の課題解決に使命感を持つ田中先生が、若手医師の教育でとくに重視していることは何ですか?

正しい知識や技術を教えることはもちろんですが、医師として患者さまと向き合う姿勢を今一度見直してもらうことを重視しています。

また、顔面解剖の経験が乏しい若手医師が多いため、神経・血管の走行や筋肉の位置などについて三次元的に理解する重要性も強調しています。

日本国内ではこうした解剖の機会は限られていますが、海外には美容外科医が解剖を体験できる施設があるので、希望する若手医師には海外での解剖機会も積極的に紹介しています。

あきこクリニック 院長 田中 亜希子先生へインタビュー!厚く慕われる“美容のかかりつけ医”が具現化する、美容医療の真価と次世代へのバトン

―――田中先生が主催する業界横断的勉強会の「あきラボ」には、発足のきっかけと印象的なエピソードがあると聞きました。

はい。実は、外部合同勉強会「クリラボ*」がきっかけなんです。

“クリニックの垣根を越えてディスカッションする”という意義に感銘して参加を申し込んだら、「田中先生のような大御所の前では、若手医師が自由に発言しにくくなるので……」と断られてしまって(笑)

そこで、「参加できないなら、自分たちでつくろう」と発足させたのが「あきラボ」です。目的は、美容医療の正しい知識を広め、学びの場をつくること。

若手医師にとっては雲の上の存在である講師陣が揃い、フラットな空間で気軽に質問できるのが大きな魅力だと思います。

かつては、学会や勉強会の参加を制限されたり、自院の知識や技術が漏れないように他院との交流を禁止されたりしていた時代もありました。

美容医療に携わる医師がさまざまな人から学び、情報共有できる仲間づくりの場を設けたいという想いも込めています。

*クリラボ……美容医療の発展を目指した次世代の外部合同勉強会「クリエーションラボ(Creation Lab)」の略称。

▽「クリラボ」の特集記事はこちら

―――「あきラボ」の活動を通じて、業界にどのような変化をもたらしたいですか?

知識と技術を共有し業界全体を底上げしながら、“美容外科医としてあるべき姿”の指針を示したいと考えています。

美容外科医には、学びながら進化し続けようとする姿勢が求められます。「自分にはまだ足りないものがある」という気持ちを常に持つことが大切です。

「あきラボ」の参加者は意欲的な医師ばかりで、ほかの学会や勉強会にも熱心に参加しており、大きな期待を抱いています。

反対に、本当に心配なのは、自分の技術にすぐ満足してしまい、学ぶ意欲を失ってしまうタイプの医師です。

私は現在でも、時間の許す限りさまざまな学会や勉強会に参加しています。これまで参加して身にならなかったものは1つもありません。

講師の方がふとつぶやいた一言や表現方法さえも、自分が講師をするときや他院の指導をする際などに生かされています。

読者メッセージ ~情報収集の限りを尽くし、医師は自己研鑽、患者は確かな選択を~

あきこクリニック 院長 田中 亜希子先生へインタビュー!厚く慕われる“美容のかかりつけ医”が具現化する、美容医療の真価と次世代へのバトン

―――美容医療に携わる若手医師へ、今伝えたいことは?

とにかく貪欲に学ぶことが大切です。海外・国内問わず、さまざまな学会や勉強会に積極的に参加してください。

以前は小規模でしたが、2025年現在は2,000人規模となった「日本美容外科学会(JSAS)」でも、アカデミックな深い学びが得られます。

知識や技術を常にアップデートすることは、医師として当然の務めです。私自身、「進化する努力をやめたときは、メスを置くとき」という想いで美容医療に取り組んでいます。

飽くなき探求心で、時代ごとに移り変わる美の基準もしっかり把握しておきたいですね。

それから、自分自身の診療行為や患者さまと向き合う姿勢以外に、余計なプライドは持たないこと。プライドは学びの邪魔になることが多く、本当にもったないことです。

―――患者が美容医療を賢く選ぶための大切なアドバイスをお願いします。

複数のSNS情報を精査し、クリニック選びの参考にしていただきたいですね。ある程度目星がついたらクリニックや医師のホームページ・SNSなども見て、じっくりと焦らずに選ぶことが大切です。

コロナ禍以降、渡韓整形する日本人が増えましたが、韓国の美容医療業界でトップクラスの医師は日本向けのプロモーションをあまり行っていません。

そのため、プロモーションが過度なクリニックには要注意です。微妙なニュアンスが伝わりにくかったり、希望しない施術を強くすすめられたりするリスクもあります。

国内でも、相場より高額な請求事例があります。クリニックの対応に少しでも違和感を覚えた場合は、契約せずに立ち去ること。

患者さまが賢い選択をすることこそが、日本の美容医療を健全に発展させる鍵になるでしょう。

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