日本が美容外科医数で世界第3位に急増する背景とは?
日本の美容外科医数は世界第3位に達し、国際美容外科学会(ISAPS)の最新調査によると、日本、中国、韓国がランキングの上位を占めるという結果が示された。特に日本においては、過酷な労働環境から逃れるために他科から美容医療に転科する医師が増加しているとされる。
「なりたい診療科になれる」という日本の診療制度の自由さも影響しており、美容医療を選択する医師が急増する一方で、医療全体の信頼性を揺るがす問題が指摘されている。
美容外科医が増えた背景には、患者ニーズの急増も影響している。厚生労働省の調査によると、2019年の約123万回から2022年には約373万回へと施術数が約3倍に増加。特に人気が高いのは「眼瞼形成(まぶたを二重にする手術)」や「フェイスリフト」などの外科的手術、また「脱毛」や「ボトックス注射」といった非外科的治療である。

業界全体に蔓延する「医療信頼へのタダ乗り」問題
日本が美容外科医数で世界第3位というポジションに至る裏には、医療界全体が築き上げた信頼に「タダ乗り」する構造が見え隠れする。
NERO編集部が注目するのは、美容医療業界の中で見られる不誠実な営業手法や、アフターケアの不足に関するトラブルが急増している現状だ。
特に問題視されるのは、施術後のトラブルに対する対応の不備だ。例えば、患者に高額な契約を結ばせる「アップセル営業」や、施術後にトラブルが発生した際のアフターケアが適切に提供されないケースが後を絶たない。
実際に、全国の消費生活センターへの相談件数は2018年の1,741件から2023年には5,507件に急増。この中でも特に多いのが、料金トラブルや契約の解約、そして施術後の連絡不能といった対応不備に関するものだ。
業界全体として、患者に対する信頼を裏切る事例が多発していることが、さらなる問題を引き起こしている。

NERO編集長ポイント
~美容医療の「信頼タダ乗り」問題をどう解決すべきか?~
医療信頼を回復するために必要な「ガバナンス改革」
美容医療業界の急成長には、間違いなく大きな潜在的市場が存在する。しかし、その発展は既存の医療信頼を利用し、不誠実なビジネス手法を取る一部の業者によって台無しにされつつある。
NERO編集部が指摘するのは、「医療への信頼にタダ乗りするビジネスモデル」が蔓延する中で、いかに業界全体で信頼を再構築するかという点だ。
患者が安全かつ納得のいく治療を受けるためには、次の3つが重要となる
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ガバナンスの強化:業界全体でのルール策定とその徹底。特にアフターフォローの義務化などを含む規制の強化が求められる。
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透明性の向上:広告内容の透明性を高め、誇大広告を排除する体制づくり。
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医師の倫理意識向上:施術者が自らの医療行為に対する責任を再確認し、患者に誠実な対応をする文化の醸成。
美容医療の未来を明るいものにするためには、単なる技術向上やマーケティング強化ではなく、患者に対する信頼を取り戻す努力が不可欠だ。
まとめ
日本が美容外科医数で世界第3位という状況は、医師の転科や患者ニーズの増加が背景にある。しかし、その急増が引き起こすトラブルや不誠実な営業手法は、医療全体の信頼を損ねる危険を孕んでいる。
NERO編集部としては、業界全体で信頼を再構築するための取り組みを見逃すことはできない。特にガバナンス強化や透明性の確保といった取り組みが、今後の業界の健全な発展にとって不可欠であると考える。