東京都消費生活総合センターは、「医療ダイエット6か月無料」などの条件付き広告をきっかけにした高額契約トラブルが増加しているとして注意を呼びかけた。
来院後に「対象外」とされ、別の高額コースや長期ローン契約へ誘導される事例が多発。中には、複数時間の拘束や契約条件と異なる請求が行われるケースも報告されている。
特に29歳以下の若年層からの相談が目立ち、即決を迫る営業や分割手数料負担の問題が背景にある。東京都は、契約条件の事前確認、即決回避、クーリング・オフ制度の活用を呼びかけている。
📌 記事をざっくりまとめると…
○ 東京都が「医療ダイエット6か月無料」広告に注意喚起、実際は条件付きで高額契約に誘導される事例が多発
○ 来院後に対象外とされ別コース契約や即決を迫られるケースが相次ぎ、29歳以下の若年層が被害の中心
○ 2025年度から広告・契約ルールが強化され、透明性と信頼性のある営業体制への転換が急務
条件付き“無料”広告の実態とは？
東京都消費生活総合センターは7月31日、ネット動画などで見られる「医療ダイエット6か月無料」広告について注意を呼びかけた。
実際には「総額100万円超の長期コースを契約した場合のみ無料」といった条件があり、来院後に対象外とされ別の高額コースを勧められる事例が報告されている。
事例では、20代女性が脂肪溶解注射・脂肪冷却・処方薬を組み合わせた3か月90万円のコースを“今決めれば半額”と急かされ、医療ローンで契約してしまったという。
ココに注意！…東京都消費生活総合センターからのアドバイスによれば、都内の消費生活センターでは美容医療（脱毛、脂肪の減少など）に関する相談が増えており、特に29歳以下の相談割合が高いという。
無料商法と構造的な問題
こうした条件付き無料商法は「無料」「割引」といった広告文言で消費者を誘引し、契約段階で全く異なる条件を提示する構造を持つ。
東京都消費生活総合センターも、「無料」広告は必ず適用条件を確認するよう注意しており、広告に「〇か月無料」と表示されていても、小さな文字で条件が書かれているケースが多いという。医療ダイエットの場合、対象となる体型が限定される、薬代や追加施術が別料金といった事例が目立つ。
安さを強調した広告をうのみにせず、広告の適用条件や規約を事前に精査することが重要だ。さらに、無資格カウンセラーによる施術方針決定や販売ノルマによる強引な勧誘、複数時間の拘束、解約困難など、業界特有の構造的リスクも指摘されている。
特に前述したとおり、29歳以下の若年層が被害の中心であり、支払い総額が数百万円に及ぶケースもある。
今後の展望とは？透明性と信頼への転換？
この問題は、美容医療だけでなくエステ業界でも共通している。東京都の統計や各種報告では、「無料カウンセリング」を入口にした強引な勧誘や即日契約が多数報告され、5時間以上の拘束や契約条件と異なる高額請求など悪質事例も確認されている。
背景には、料金体系の不透明さ、無資格者による診断・施術提案、売上優先の営業文化がある。東京都は契約条件の事前確認、即決回避、支払い総額の把握を促すとともに、特定商取引法のクーリング・オフや中途解約制度の活用を推奨。厚生労働省では2025年度から、広告規制と契約ルールを統合した業界ガイドラインの策定が進む予定だ。
業界全体が“集客優先型”から“顧客第一型”に転換できるかが、信頼回復の分岐点となる。
編集長ポイント
～無料広告の裏に潜む高額契約、若年層を守れるか2025年の新ルール～
即決から熟考へ、美容医療契約の常識が変わる転換点
今回の事例は、広告が「集客装置」として設計され、契約段階で全く異なる条件を提示する二重構造の典型だ。
無料や割引といった訴求は心理的ハードルを下げるが、対象外と告げられた消費者は、その場の「今だけ」圧力に屈しやすい。特に若年層は経験不足から、分割払いの総負担や金利コストを正確に把握しないまま契約に至る傾向が強い。これらは単発の悪質事例ではなく、無資格カウンセラー、販売ノルマ、料金不透明という構造的背景が生み出すものだ。
2025年度からの広告規制と契約ルールが同時に機能すれば、即決前提の販売手法は淘汰され、透明性を基盤とした「顧客第一型」経営への移行が加速するはずだ。
「無料」は誤認を誘う常套句から、条件が明快で誤解を生まない真の付加価値表現へと進化させる必要がある。
まとめ
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東京都が「医療ダイエット6か月無料」広告の条件付き実態に注意喚起
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来院後に対象外とされ、別の高額コース契約へ誘導される事例が多発
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小さな文字で条件記載、薬代・追加施術が別料金のケース多数
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無資格カウンセラーや販売ノルマによる強引な勧誘、解約困難も問題
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特に29歳以下の若年層に相談が集中、被害総額が数百万円に達する例も
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2025年度から広告・契約ルール強化で透明性向上と信頼回復を目指す
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