【Breaking News】厚労省が“現場検査”の基準を初明文化 ― 自由診療にも法の監督、透明化時代へ

厚生労働省は、美容医療分野での法令遵守を徹底するため、
違反の疑いがある場合に保健所が行う現場調査(立入検査)の実施基準を初めて通知として明文化した。

通知では、
無資格施術・医師不在施術・誇大広告・診療録未作成などが確認された場合、
保健所が医療法第25条に基づいて調査に入ることが可能とされた。

さらに、報告拒否や虚偽説明などの不誠実な対応は刑事罰の対象になり得るとし、
美容クリニックに求められるコンプライアンス水準が一段と引き上げられた形だ。

📌 記事をざっくりまとめると…

  • 立入検査の基準が明文化(美容医療も法的監督の対象に)

  • 対象行為:無資格施術、医師の指示なしの施術、管理体制の不備、誇大広告など

  • 行政監督が目的(刑事捜査ではなく是正指導を前提)

  • 報告拒否・虚偽回答は刑事罰(医療法第89条)対象に

  • 廃止届提出で逃れる行為も「検査忌避」とみなされる可能性

  • 自由診療の“透明化”が次の課題に

1. 通知の概要 ― 行政監督の仕組みを制度化

厚労省は2025年8月、
「美容医療に関する取扱いについて」と題した通知を発出。

ここで初めて、保健所による現場検査(立入検査)の実施条件を具体的に示した。

調査の根拠は医療法第25条で、
無資格者による施術、医師不在下の処置、
管理者不在や誇大広告といったケースが対象となる。

この仕組みは刑事捜査ではなく、
「違反の確認と是正を促す行政監督」 として位置づけられている。

【Breaking News】厚労省が“現場検査”の基準を初明文化 ― 自由診療にも法の監督、透明化時代へ

2. 立入検査の非協力行為は刑事罰の対象に

通知では、報告命令や資料提出を求められた際に、
虚偽報告・資料未提出・検査拒否・妨害・忌避を行った場合、
医療法第89条第2号に基づき刑事罰の対象になると明記された。

また、立入検査の直前に「廃止届」を提出して逃れる行為も、
「検査忌避」とみなされる可能性がある。

厚労省は、こうした“形式上の逃避”を防ぐため、
自治体に経緯確認と再開届の精査を求めている。

【Breaking News】厚労省が“現場検査”の基準を初明文化 ― 自由診療にも法の監督、透明化時代へ

3. 背景 ― グレーゾーン排除から信頼回復フェーズへ

この通知は、9月に報じられた
脱毛・アートメイク・HIFU・チャット診断の違法性明示通知の延長線上にある。

自由診療の拡大で発展してきた美容医療だが、
その一方で“無資格施術”や“医師不在運営”が増え、
法の監視が追いつかない状態が課題となっていた。

今回の通知は、
「法的監督の実効化」=業界信頼の再構築
を目的とした行政側の新たなフェーズだといえる。

編集長コメント
~監視ではなく、信頼を可視化するステージへ~

今回の通知で、美容医療は「法の外にある自由」ではなく、
「法の内にある自由」としての方向性を明確にされた。

つまり行政が排除を狙っているのではなく、
“透明な自由診療”を実現するためのガイドライン化である。

今後、立入検査や報告命令は「摘発」ではなく、
“安全性と説明責任の担保プロセス”として機能していくだろう。

健全に運営するクリニックほど、
この動きを “信頼の見える化” として前向きに活かせる。
美容医療が成熟産業に進化するためには、
この「監督と自由のバランス設計」が欠かせない。

  • 行政監督の強化:自由診療にも法的枠組みが及ぶ

  • 刑事罰リスクの明示:拒否・虚偽・逃避が新たな責任範囲に

  • 廃止届逃れの封じ込み:形式的閉院も監視対象

  • 信頼回復構造:摘発より是正を目的とする監督

  • 成熟段階への移行:美容医療が「制度化」フェーズへ

まとめ

  1. 厚労省が美容医療分野の立入検査ルールを初めて明文化

  2. 無資格施術・医師不在施術・広告誇張などが検査対象

  3. 保健所による現場確認の根拠は医療法第25条

  4. 非協力的対応=刑事罰対象(医療法第89条)

  5. 廃止届による検査逃避も「忌避」とみなされる

  6. 行政監督は“摘発”ではなく“信頼の可視化”を目的

NEROでは、美容医療分野における制度改革・行政監督・安全基準の動向を継続的に追跡しています。
次回は、「報告命令・行政処分の流れ」および
クリニック経営に求められるコンプライアンス設計の新基準を解説します。

▲以上で終了▲

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