~垣根を超えた学びと成長のためのスタディグループ~
「あきラボ」は、あきこクリニック院長・田中亜希子先生が
2022年11月に立ち上げた、美容医療に携わる医師限定のスタディグループです。
講義を一方的に聴くのではなく、
症例をもとにディスカッションを行い、現場の疑問や葛藤を率直に共有する──そんな“フラットな学び”を重視した場として回を重ね、今回で第29回を迎えました。
若手医師にとっては正しい思考プロセスを学ぶ場であり、
ベテラン医師にとっては自身の診療を相対化できる貴重な時間。
企業スポンサーも参画することで、製剤・デバイス・治療トレンドを
臨床視点で検証できる点も、あきラボならではの特徴です。
あきラボ誕生の背景──「孤独な診療」からの脱却
田中先生があきラボを立ち上げた背景には、
開業医としての実体験があります。
「診療の判断を誰にも相談できない」
「自分のやり方が本当に正しいのか分からない」
──そうした孤独感を、美容医療の現場で長年感じてきたと言います。
だからこそ、年齢やキャリアに関係なく、
「学びたい」「成長したい」医師が安心して意見を交わせる場を作りたい。
その想いが、あきラボの原点なのです。

「あきラボ」がもたらす価値とは?
美容医療は日進月歩で進化する一方、
誤った情報や短絡的な治療提案が
患者トラブルにつながるケースも少なくありません。
あきラボが掲げるのは、
「正しい知識を共有し、現場の課題を言語化する」こと。
この双方向性の設計こそが、
他の勉強会とは一線を画す最大のポイントです。
※商標登録済みの「あきラボ」
「あきラボ」は現在、「AKILAB アキラボ」として商標登録されています(第41類:教育、娯楽、スポーツ、文化/第44類:医療、美容、農林)。田中先生のリーダーシップのもと、この勉強会は医療現場で直面する課題に真摯に向き合いながら、美容医療業界の進化と発展に貢献する重要な存在として、今後ますますその価値を高めていくものと筆者は感じています。

※このイベントはセミクローズドにて写真撮影禁止のものも多かったのですが、講義内容を聴取しながら記載しております。
『あきラボ』 発起人 田中 亜希子 先生
あきラボの発起人は、美容医療分野で活躍する田中亜希子先生。
ドクタープロフィール

出典:あきこクリニックHP
医療法人社団 英僚会 理事長/あきこクリニック院長
田中 亜希子 先生
現在は、「美容のかかりつけ医」というコンセプトのもと
中・長期視点でのアンチエイジング診療を実践されています。
【あきラボ 潜入レポ Vol2】眼形成修正の最前線──鹿嶋友敬先生が語る"治す美容外科"の真髄の記事はこちら
再診率90%の理由とは?—“あきこ式”中長期コンビネーション治療の実践
第29回あきラボでは、田中先生が実際に行っている診療プロセスを、症例提示を交えて体系的に解説。
講義は、写真非公開の症例を用いた参加型ディスカッション形式で進行した。
会場に提示された主訴は――
「老けたくない」「若々しくいたい」
その問いに対し、参加医師が自由に意見を出し合い、田中先生が行った治療内容(ヒアルロン酸注入、脂肪注入、眼瞼下垂、ハムラ法など)が共有された。
「この治療だから正解」ではなく、
「なぜこの順番・この組み合わせなのか」を考えさせる構造こそ、“あきこ式”の核心である。

出典:あきラボ Instagram
患者の悩みは“構造的変化”──「加齢地図」を読み解く
田中先生のカウンセリングは、
「どこが気になりますか?」と聞く前に、すべての変化を提示することから始まる。
カウンセリングの第一歩は、「変化の全体提示」
田中先生の診療では、まず“主観的な悩み”ではなく、“構造的な変化”をすべて言語化する。
(例)
- こめかみ凹み → ヒアルロン酸/脂肪注入
- まぶたのくぼみ → 眼瞼下垂/注入治療
- 鼻の横広がり → 小鼻縮小/ヒアルロン酸
- 鼻下の伸び → 人中短縮術+注入/ボツリヌス
このように、“老化の地図”を一つひとつ示すことで、患者との信頼と納得の関係が構築されていくのだ。
症例検討形式の講義──会場の医師も一緒に“考える”
講義は、あきラボ恒例の参加型ディスカッション形式で進行。
実際のいくつかの症例写真(Before)と主訴
「老けたくない」「若々しくいたい」が提示され、
「みなさんなら、どう治療を組み立てますか?」
と、会場の医師たちに問いかけが行われた。
ディスカッションでは――
(例)
など、多角的な意見が飛び交う。
その後、田中先生が実際に行った
それぞれの主訴に合わせたアプローチやコンビネーション治療として、ヒアルロン酸注入・脂肪注入・眼瞼下垂・ハムラ法などの治療内容とAfterが提示され、
会場には
「こんなに変わるのか」
という静かな驚きと納得が広がった。
重要なのは、
「正解の施術」を当てることではない。
「なぜこの順番で、この組み合わせなのか」
その思考プロセスを共有することこそが、“あきこ式”の核心である。
リピート率90%を支える、5つの臨床戦略とは
田中先生が実践する
「リピート率90%」の背景は、次の5点に集約される。
-
傾聴力
患者自身も気づいていない“語られない悩み”まで汲み取る
-
提案力
施術を点で売らず、論理的なストーリーとして提示
-
術後の経過観察
回復と変化のプロセスを必ず共有する
-
手札の多様性
注入・手術・デバイスを柔軟に組み合わせる引き出し
-
信頼関係の設計
将来を見据えた対話ができる医師としての姿勢
特に印象的だったのは、
「初診からすべてをやろうとしない」という姿勢。
「今は注入だけで良い。ただ将来的には、脂肪注入やハムラが必要になるかもしれない」
施術そのものを急ぐのではなく、未来に備える“診断と関係構築”が先にあるのだ。
患者の心の準備と長期的な信頼関係が同時に設計されていく。

NERO視点──美容医療業界への“構造的示唆”
「リピート」という概念の再解釈
一般的な美容クリニックでは、リピートは“価格施策”や“キャンペーン”の結果と捉えられがちである。
だが田中先生の診療では、
- 治療の必要性を、順序立てて伝える
- 「今」と「未来」の双方を説明する
- 患者が安心してタイミングを決められるようにする
といった視点が基本設計となっている。
BtoCからBtoP(Patient)への視点転換であり、
医療者としての倫理が土台にある、そもそも原点回帰としての示唆を与える診療スタイルと言える。
“CRM的医療設計”という次のステージへ
田中先生の診療は、
ある種の医療CRM(関係性設計)でもある。
-
患者を「今すぐ施術する人」ではなく
「これから共に歩み伴奏する関係性」として捉える
-
初診の提案が、
3年後・5年後の治療に繋がる設計になっている
-
傾聴≒「また相談したい」/「より良い施術結果」
信頼の残存率(Trust Retention)を重視する
この考え方は、
成熟期に入る美容医療市場において、極めて重要な視座になるだろう。

編集長コラム──“リピート”の再定義が、美容医療を変える
美容医療とは、単なる施術の提供ではなく、人間関係の構築である
今回のあきラボVol.29を通して強く感じたのは、
「リピート率」や「LTV」といったビジネス用語が、
医療者の倫理と診療設計によって再定義される時代に入ったということだ。
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「この先生になら、長く任せたい」
-
「この治療は、今じゃなくても、いずれ必要になる」
-
「今の変化だけでなく、未来まで見据えてくれる」
そう思える診療こそが、
“次に繋がる医療”であり、NEROが伝え続けたい価値である。
美容医療の未来を考えるすべての人にとって、
今回の講義は確かな示唆を与えてくれるはずであり、NEROは、これからもその本質を問い続けたい。
「良き美容医療の団結の輪」の精神で築かれる連携と学びの場が、美容医療の未来にとって重要な基盤となるでしょう。患者が安心して治療を受けられる社会を目指し、私たちは引き続きこの取り組みをNEROは応援していきます。
