「唇のアートメイクは失敗のリスクがある」と聞くと、施術に興味があってもトライするのに二の足を踏んでしまうでしょう。この記事では、唇のアートメイクではどのような失敗例があるか、またそれらを回避する方法を解説します。万が一失敗してしまった場合のリカバリー例も合わせてご紹介。これから唇のアートメイクをしたい方は、失敗しないように、クリニックへ行く前にぜひお読みください。
1.唇のアートメイクとは?
唇のアートメイク(リップアートメイク)は、唇に色素を入れてリップラインを際立たせたり明るくナチュラルな印象にしたりする施術で、ノーメイクでも健康的に見える点が特徴です。唇のアートメイクを受ける理由はさまざまで、唇の血色や形、大きさを変えたいといったときに選ぶ方が多いようです。メイク時間の短縮になるメリットもあるため、とくに唇にコンプレックスがない場合でもアートメイクを受ける方はいます。
施術には針を用いるため、痛みを伴う点はデメリットと感じる方がいるかもしれません。ただし、施術時に行う麻酔によって、痛みを軽減することは可能です。また、アートメイクは医療機関でのみ行える施術です。ダウンタイムは施術直後から1週間程度あることも留意しておきましょう。
アートメイクはタトゥーと同じように捉えられることがありますが、色素を注入する範囲や持続期間などが異なります。タトゥーは真皮まで色素を入れるため半永久的で、アートメイクは表皮に色素を入れるため肌のターンオーバーによって数年で消えていきます。
2.唇のアートメイクで失敗するとどうなる?
唇のアートメイクで失敗するとどうなるのでしょうか。ここでは、失敗例からリカバリー方法まで順に見ていきましょう。
■「唇のアートメイクに失敗した!」と感じる状態
「唇のアートメイクに失敗した!」と感じる状態には、おもに次の5つの例が挙げられます。
希望どおりのデザインにならなかった
唇のアートメイクの失敗例としてよくあるのが、理想のイメージどおりに施術してもらえなかった場合です。希望したリップの形と比べるとオーバーリップになっている、上下バランスが取れていないといった例があります。
また「イメージどおりに施術してもらったけれど自分には似合わなかった」という場合もあります。SNSなどで理想のデザインを見つけてそのとおりに施術してもらったとしても、一人ひとり異なる顔や肌の色をしているため、合う・合わないデザインがあるということは知っておきましょう。
左右非対称の唇になった
施術者の技術が未熟だと、左右非対称の仕上がりになってしまう場合があります。顔の形はもともと左右対称ではありません。しかし、唇のアートメイクが左右非対称だと不自然な印象になってしまう可能性も。
唇の形は、表情によっても変わります。普段の唇や笑ったときの唇、表情も加味し、デザインを決めることが大切です。
色の濃さがイメージと違う・ムラがある
唇への色素の定着には個人差があり、濃くなってしまう、または薄くしか色がつかない場合があります。色ムラによってまだらに見える場合も……。唇のアートメイクは基本的に2回以上の施術を行い、徐々に色を定着させます。初回は色が抜けやすいことを理解しておきましょう。
変色またはすぐに消えてしまった
唇のアートメイクには変色しにくい色素が使われるケースが大半ですが、質の悪い色素を使うと変色する可能性があります。
また、通常1~3年は持つとされるアートメイクが1年経たず消えてしまう場合も。アートメイクは紫外線や乾燥など外部刺激の影響を受けると、変色してしまうことがあります。色素の定着を高めるためにも、ダウンタイム中の過ごし方やアフターケアはクリニックの指示に従いましょう。
オーバーリップで皮膚の境に違和感がある
もともとの唇の輪郭より広く色を入れ、分厚く見せたりM字に見せたりするオーバーリップ。唇と周辺の皮膚では色素の入り方や色の出方などが違うため、不自然な仕上がりになってしまう場合があります。
理想のオーバーリップを完成させたい場合は、アートメイクの上にメイクを施して違和感を緩和してみましょう。
■唇のアートメイクの失敗はいつ判断できる?
唇のアートメイク施術直後は、色素の定着が不十分で「アートメイク失敗かも」と不安になることがあるかもしれません。唇のアートメイクに失敗したか判断するのは、一定の時間を置いてからがおすすめです。
かさぶたが自然にはがれたとき
施術後、数日間は色が濃いと感じられる場合があります。1週間程度経つとかさぶたがはがれ、皮がむけると色味が落ち着いてきます。腫れなども治まってきている頃なので、失敗の判断するのにはちょうど良いタイミングです。
施術から1ヶ月過ぎたとき
唇のアートメイクでは、施術から3週間ほどかけて色が濃くなったり薄くなったりという経過の後、自然な発色に。そのため、施術後1ヶ月経過した頃も失敗だと判断できるタイミングです。
初回は約30%(個人差あり)の色素定着率なので、薄いと感じるかもしれません。次回以降の施術の際に色を追加できるので、判断を早まらないようにしましょう。
■唇のアートメイクで失敗したときにリカバリーする方法は?
「一定期間待ってみたけれど、やっぱりこれはアートメイク失敗では?」そんなときは、次のようなリカバリー方法があります。
メイクでカバーする
施術から1ヶ月経っていない場合は、まずはメイクでカバーして様子を見てみましょう。施術から間もないうちは色素が定着していない可能性があります。早まってほかのリカバリー方法を試すと後悔してしまうかもしれません。
修正の施術を受ける
「1ヶ月経ったけれど、やっぱり失敗かもしれない……」というときは落ち込んでしまいそうですが、唇のアートメイクは修正できる場合があります。施術を受けたクリニックに相談してみましょう。
色を濃くする、ムラのある場所を整える、細いラインを太くするといった修正は可能です。濃い色を薄く、太いラインを細くするなどの修正は難しいでしょう。
除去施術を受ける
唇のアートメイクの修正が難しい場合、除去するための施術を受けることを検討すると良いでしょう。除去液、除去クリーム、レーザー治療や切除術などがあり、いずれもアートメイク施術前の状態に戻せる除去施術です。カモフラージュ修正という方法もあり、これは肌の色の色素を加え、アートメイクのデザイン・色を消す方法です。
どの方法も痛みや赤みが出るリスクを伴います。また、アートメイクを除去する際に傷や痕が残る可能性もあることも理解しておきましょう。
3.唇のアートメイクで失敗しないために!5つのポイント
「リップラインをきれいに整えたかったのに……」というように、唇のアートメイクで失敗・後悔してしまう前に、次の5つのポイントを押さえて施術を受けましょう。
■自分に合ったデザインの選択とイメージの擦り合わせ
肌の色や唇の色は一人ひとり異なるため、自分になじむデザイン・色を選ぶようにしましょう。ほかの施術例を見て気に入ったデザインや色でも、自分には合わない可能性があります。悩んだ場合はカウンセリングの際に、施術を担当してくれるスタッフに相談すると良いでしょう。
仕上がりイメージも、可能であれば写真などを見せてしっかりと擦り合わせておくと、失敗のリスクを下げられます。
■必ず医療機関で施術を受ける
アートメイクは医療行為なので、医療機関でしか受けられません。資格のないまま施術を行う違法サロンも存在するため、必ず医療機関で、資格を持つ施術者を選ぶようにしましょう。整った専門の環境で施術では、感染症やケガのリスクに配慮されているほか、仕上がりの質を高めることにもつながります。
■実績のある施術者を選ぶ
症例数が多いなど実績がある施術者を選ぶことも大切です。失敗のリスクが低いことはもちろん、経験が豊富な分、理想のイメージを汲み取ってもらいやすく、似合うデザインの提案もしてもらいやすいでしょう。クリニックのホームページやSNSに掲載されている施術例や口コミも、事前に確認してみましょう。
■丁寧なアフターケアとフォロー体制の確認
乾燥などの皮膚トラブル、炎症や感染症を避けるために、クリニックで指示を受けたアフターケアはしっかりと行いましょう。色素の定着度を左右し、仕上がりの質にもつながります。
もしトラブルが発生した際にアフターフォローが充実したクリニックを選ぶことも重要です。トラブルの相談窓口はあるか、痛み止めなどの処方の有無など、事前にしっかりチェックしておきましょう。
■施術が受けられないケースがあることを理解する
妊娠中・授乳中・重度のアトピー性皮膚炎・高血圧といった体質や持病、体の状態によっては、唇のアートメイクの施術が受けられない方がいます。これらに該当しなくても、金属アレルギーなど、医師の判断によって施術NGとなる場合も。自分の持病や体質はあらかじめ伝えておきましょう。
まとめ
唇のアートメイクで失敗するリスクはゼロではありません。今回ご紹介したポイントを押さえてクリニック選びを行い、施術前に十分なカウンセリング時間を設けてから施術をすると失敗のリスクは軽減できます。施術が終わってひと安心と気を抜くことなく、アフターケアも丁寧に行うことも大切です。アートメイクを唇に施すことは、失敗さえなければコンプレックスの解消やメイク時間の短縮などで生活を豊かにしてくれるはず。唇のアートメイクに興味がある方は、まずは信頼できるクリニック選びから始めてみましょう。
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