脂肪注入を顔に行う場合、腫れや内出血などのダウンタイムが気になり、なかなか施術に踏み出せない方もいます。
また、ダウンタイム中にどのような症状が出るのか、施術後どのくらいでメイクや仕事を再開できるのか、といった不安を抱えている方も少なくありません。
本記事では、顔の脂肪注入の経過を時系列で整理し、自然になじむまでの過程と注意点を解説します。
また、腫れをできるだけ抑えるためのケア方法もまとめました。
INDEX
顔の脂肪注入とは?
まずは、顔の脂肪注入がどのような施術なのかをチェックしておきましょう。
■脂肪注入の基本と顔に適用する際の目的
顔の脂肪注入は、まず太ももやお腹などの体の一部から脂肪を採取し、精製した後に顔の気になる部分へ注入する施術です。
自身の脂肪を使用するためアレルギー反応が起こりにくく、自然な質感が得られる特徴があります。
顔への脂肪注入の主な目的は、こけた部分のボリューム回復、凹み補正、輪郭の調整などです。
ただし、注意点として注入した脂肪はすべて定着するわけではありません。
そのため、多方向から少量ずつ入れ込むのが一般的です。
■顔のどの部位に注入できるのか
顔の脂肪注入は、頬・こめかみ・ほうれい線・目の下・おでこなど、多様な部位に適用可能です。
例えば、頬は顔全体の立体感を出す目的で、目の下はクマや凹みの緩和、こめかみは老化などによって起こりやすい陥没の補正に使用されます。
脂肪注入を顔に行った後のダウンタイム期間と経過

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ここでは、脂肪注入を顔にした場合の経過を、時系列で詳しく解説します。
ただし、こうしたダウンタイム中の症状は個人差があることを覚えておきましょう。
■施術直後〜1週間の経過
施術直後は注入部位の腫れやむくみが最も強く、内出血がある場合もあります。
とくに、目の下や頬などのやわらかい部位は腫れが出やすく、見た目に影響しやすい時期です。
輪郭に施術をした場合には、一時的に顔が大きくなったように感じることも。
施術翌日からメイクをしても良いと判断されることが多いですが、内出血がある場合や腫れがひどい場合には出勤や外出が難しく、億劫になると感じる方もいます。
■2週間〜1ヶ月で生じる変化
施術から2週間程度経過すると、腫れは大幅に引き、顔の輪郭やボリュームの変化が見え始めます。
この時期には、むくみや内出血といった症状も目立ちにくくなり、完成形に少しずつ近づくでしょう。
医師の許可が下りれば、軽い運動から再開できるケースがあります。
■1ヶ月以降の自然になじむ過程
術後1ヶ月を過ぎると、注入した脂肪が血流や組織になじみ始めます。
個人差はありますが、最終的な仕上がりは術後約3ヶ月程度で安定することが多く、左右差や質感も自然に整っていくのが一般的です。
定着率は人により異なるため、完全にボリュームが固定されるまで経過観察が必要であることを理解しておきましょう。
徐々に美しい仕上がりになる過程を把握しておくことで、焦らず回復を見守ることができます。
【脂肪注入】顔・体別のダウンタイム目安

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顔の脂肪注入では、注入する部位によって腫れ方や回復の速度に差があります。
また、脂肪を採取する太ももやお腹などの部位にもダウンタイムが発生することを理解しておきましょう。
ここでは、注入部位と採取部位ごとに異なる、ダウンタイムの代表的な症状や経過を整理します。
■頬・こめかみ・ほうれい線・目の下・おでこにおける違い
皮下脂肪が多い頬や皮膚が薄いこめかみに注入すると、むくみや内出血が出やすくなります。
個々によって異なりますが、しっかりと落ち着くまで1〜2週間程度かかります。
目の下やほうれい線はとくに血管が多く、内出血が長引くケースもあるため注意しましょう。
おでこは、腫れは少なめですが、硬さやしこりを感じることがあります。
脂肪注入した際の各部位の回復速度は個人差がありますが、一般的には目の下がとくに腫れやすいとされています。
ただし、注入量や注入深度によってもダウンタイムによる腫れの程度は変わるため、前もって医師に確認しておいてください。
■脂肪採取部位(太もも・お腹など)のダウンタイム
脂肪注入では、脂肪の採取部位にも腫れや内出血が生じます。
術後数日間は軽い痛みや違和感、内出血が見られることを覚えておきましょう。
歩行や日常動作には支障が少ないことが多いですが、圧迫着やストレッチでサポートすると回復がスムーズです。
採取部位の腫れは1〜2週間で徐々に落ち着き、内出血も自然に消失します。
採取部位のケアを怠ると腫れが長引いたり、内出血が目立ったりする場合があるため、医師の指示に沿った圧迫期間や入浴制限を守ることが重要です。
【脂肪注入|顔】ダウンタイムを軽減するためのケア方法
脂肪注入後の腫れやむくみを最小限に抑えるには、術後の過ごし方や日常生活での工夫が重要です。
ここでは、具体的なセルフケア方法と生活習慣について解説します。
■腫れ・むくみを抑える過ごし方
脂肪注入後に現れやすい腫れやむくみを軽減するには、適切なケアが重要です。
医師の指示がある場合は、タオルで包んだ保冷剤などを短時間当てると、血管の収縮が促され腫れの緩和に役立ちます。
また、就寝時には枕を高くし、頭部を少し上げて対策してみてください。
術後数日間はアルコールや入浴・サウナを控えることも大切です。
血流が促進されると、腫れや内出血が悪化する場合があります。
加えて、マッサージや過度な圧迫は脂肪の定着を妨げたり、しこりや内出血の原因になったりするため避けてください。
日常生活では、軽めの家事や短時間の外出は問題ありませんが、無理をせず安静を優先することが回復への近道です。
■回復をサポートする生活習慣
脂肪注入後の回復を助けるには、十分な睡眠、バランスの取れた食事、水分補給を心がけることが大切です。
とくに睡眠は細胞の修復や炎症の沈静化に直結します。
また、塩分の摂りすぎはむくみの原因に、カフェインや刺激物の過剰摂取は血管拡張を促すため、控えめにしましょう。
術後しばらくしてからの軽いウォーキングなど、負荷の少ない運動は回復に役立ちますが、激しい運動や顔を圧迫するスポーツは施術後1〜2週間ほど控えるのが基本です。
運動の再開目安は、医師と相談のうえ決めてください。
これらの習慣を意識することで、脂肪注入後のダウンタイムを比較的スムーズに過ごせるはずです。
脂肪注入後によくある経過と注意点

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顔の脂肪注入後は、ダウンタイムの腫れやむくみが落ち着いた後も、しこりや硬さ、左右差などの症状が現れることがあります。
ここでは、術後に見られる一般的な経過と、注意すべきポイントを整理します。
■しこり・硬さ・左右差が出たとき
しこりや硬さ、軽度の左右差は、注入した脂肪がまだ定着していない初期段階でよく見られる一時的な症状です。
注入直後は腫れやむくみと重なり、触ると硬く感じることがありますが、多くは1〜3ヶ月ほどかけて自然にやわらかくなり、左右差も徐々に軽減されます。
脂肪の定着は個人差があるため、焦らず時間をかけて自然に安定するのを待つのが基本ですが、痛みや赤み・激しい左右差・熱感を伴う場合は、感染や脂肪壊死の可能性があるため医師に相談しましょう。
なお、症状が軽くても、経過観察として定期的な診察を受けることが推奨されます。
■再注入が検討されるケース
脂肪の定着率には幅があり、注入した脂肪の一部が吸収される場合があります。
術後3~6ヶ月ほどでボリュームの偏りや吸収の程度を確認し、必要に応じて再注入が検討されるケースも。
再注入は、既存の脂肪が安定してから行うほうが仕上がりのバランスが取りやすく、リスクも低減するとされています。
医師のカウンセリングで、定着率や左右差、希望のボリューム感をもとに、追加注入の必要性を判断。
再注入のタイミングや回数は個々の症状や体質によって異なるため、自己判断で決めず、必ず医師と相談することが大切です。
ヒアルロン酸注入とのダウンタイム比較
顔のボリュームアップを目的とした施術は、脂肪注入やヒアルロン酸注入が代表的。
ヒアルロン酸注入は、施術直後から比較的腫れや内出血が少なく、ダウンタイムは数日〜1週間程度で落ち着くことがほとんど。
ただし、効果の持続期間が数ヶ月〜1年程度と限定的であることを覚えておきましょう。
対して、脂肪注入は、自身の脂肪を採取・精製して注入するため、より自然な仕上がりと長期の持続性が期待できる施術です。
ただし、腫れやむくみといった症状が現れやすく、回復には1〜2週間程度の期間を見込む必要があります。
施術を検討する際は、まずカウンセリングで希望の部位・量・仕上がりイメージを共有し、腫れや内出血の目安、生活への影響、再施術の可能性について確認したうえで、希望にマッチする施術を選ぶことが大切です。
まとめ
脂肪注入を顔にした場合のダウンタイムは、個々によって差がありますが、一般的に1〜2週間程度で腫れや内出血が落ち着くと考えられます。
完全に脂肪がなじみ、仕上がりが安定するには3~6ヶ月を目安に経過観察が必要です。
部位や個人差により腫れやむくみの程度は変わりますが、医師の指示に従ったケアや安静、睡眠・栄養・水分補給などの生活習慣を整えることで回復をサポートできます。
また、しこりや左右差が出ることもありますが、多くは自然に落ち着くケースがほとんど。
焦らず、医師の指導のもとで経過を見守りましょう。
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【施術の内容】脂肪注入
【施術期間および回数の目安】通常1回 ※状態によって異なります。
【費用相場】¥60,000~¥2,000,000程度 ※各クリニックによって異なります。本施術は自由診療(保険適用外)です。
【リスク・副作用等】術後の内出血、浮腫み、硬縮(皮膚のツッパリ感)、疼痛など
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・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の救済制度(医薬品副作用被害救済制度)の対象外となる場合があります。
【施術の内容】ヒアルロン酸注射
【施術期間および回数の目安】約9~12ヶ月ごとに1回程度 ※状態によって異なります。
【費用】1本 ¥55,000~¥150,000程度 ※各クリニックによって異なります。本施術は自由診療(保険適用外)です。使用する本数には個人差があります。
【リスク・副作用等】赤み、内出血、腫れ、痛み、アレルギー反応、修正位置のずれなど
【未承認医薬品に関する注意事項について】
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