脂肪注入の施術を顔にしたいと考えている場合、後悔したくないと考える方がほとんどなはず。
脂肪注入は、顔のボリュームロスを補う施術として注目されていますが、定着の個人差や仕上がりの不一致から「思った印象と違う」と感じる人もいます。
後悔を防ぐには、リスクや修正方法を正しく理解し、事前のカウンセリングで確認すべきポイントを把握しておくことが大切です。
本記事では、後悔しないために施術の失敗例や注意点を中立的な視点で整理します。
顔への脂肪注入とは?基本の仕組みと特徴
まずは、顔の脂肪注入とは、どのような施術なのかをチェックしていきましょう。
■顔の脂肪注入の目的と仕組み
脂肪注入とは、加齢や痩せたことなどによって失われたボリュームを自然に補うために行われる施術です。
自身の体から採取した脂肪を顔の気になる部分に注入し、ふっくらとした印象を取り戻すことを目的としています。
脂肪注入を行う部位としては、頬・ほうれい線・こめかみ・目の下など、年齢とともにボリュームが減りやすい部分が代表的です。
同じボリューム補正でも、ヒアルロン酸注入とは異なり、自分の脂肪を用いるため、体の拒否反応が起きにくいのが利点です。
ただし、注入した脂肪は一部が体に吸収されるため、定着率には個人差があります。
一般的に半分程度が最終的に残ると言われますが、年齢・代謝・生活習慣などで異なることを理解しておきましょう。
自然な変化を重視するなら、初回は控えめに注入し、必要に応じて再注入するケースもあります。
■施術の流れと回復までの経過
施術は、お尻や太ももなどから脂肪を取り、遠心分離などの方法で不要な成分を取り除いて、純度の高い脂肪を抽出します。
その後、目的の部位へ微量ずつ丁寧に注入するのが基本的な流れです。
施術後は数日〜1週間ほど腫れや内出血が見られることがありますが、時間の経過とともに落ち着くことがほとんど。
約3〜6ヶ月をかけて脂肪が定着し、安定していきます。
脂肪注入で後悔しやすい原因

出典:photoAC
脂肪注入を顔に行った場合、自然な仕上がりが期待できる一方で、「思った印象と違う」「左右差が気になる」といった後悔の声があがることもあります。
ここでは、脂肪注入を顔に行った際に後悔しやすい具体的な要因を整理しましょう。
■ボリュームの入れすぎ・左右差による違和感
脂肪注入でよくある後悔の1つが、「入れすぎによる不自然な印象」です。
顔全体のバランスを考慮せずに多く注入すると、腫れが引いた後もパンパンに膨らみすぎた印象になり、左右差や輪郭のゆがみを感じることがあります。
とくに頬やこめかみなど、光の当たり方で立体感が変わる部分では、ほんの数ミリの差でも印象が大きく変化する可能性があることを理解しておきましょう。
また、顔の脂肪注入の施術直後は腫れの影響で仕上がりを正確に判断できないため、「少し足りない」と感じて過剰に追加すると、後にボリューム過多という失敗が起こるケースもあります。
そのため、顔に注入した脂肪が定着する過程を考慮してデザインすることが重要ポイント。
つまり、確かな技術と知識を持った信頼できるクリニックを選ぶことが大切なのです。
■脂肪の定着率と時間経過による変化
脂肪注入の結果は、定着率の個人差によって大きく変わります。
注入した脂肪の一部は体に吸収されるため、全量が残ることはありません。
定着率は一般的に50%前後とされますが、脂肪の採取部位・脂肪の加工方法・注入層・生活習慣・年齢など、多くの要素が影響します。
顔の脂肪注入の施術直後は激しい運動やサウナといった血行促進するような行動や、マッサージなどによる刺激を与えないことが大切です。
また、10年後の変化を気にする方もいますが、脂肪は生着すれば自分の組織として定着します。
そのため、極端に減ることはあまりないと考えられますが、加齢や体重変動により見た目が変化する可能性も。
自主的に経過観察を行い、定期的にクリニックで診察を受けるようにしましょう。
■しこり・凹凸・感染などのトラブル例
脂肪注入は、メスを使わないことから比較的トラブルが少ないとされる施術ですが、まれに、脂肪が均一に広がらず硬くなる「脂肪壊死」や「しこり」、また注入部位の「凹凸」などが起こるケースがあります。
これらは、注入層の深さや脂肪の精製状態、体質などの影響によって起こると考えられるトラブルです。
さらに、施術直後に強い腫れや発赤が続く場合は、感染症の可能性も考えられます。
どのような施術にも一定のリスクがあるため、事前に医師から起こり得るトラブルを説明してもらうことが大切です。
万が一トラブルが起きた場合でも、早期に受診すれば対応できるケースもあります。
安全のためにも、施術後の経過観察を怠らないことが、後悔を防ぐ第一歩です。
後悔しないためのカウンセリングチェックポイント

出典:photoAC
顔の脂肪注入の仕上がりを左右する要素として、施術そのもの以外に「事前のカウンセリング」が重要なカギを握っています。
理想のデザインを医師とすり合わせ、注入法やリスクを理解しておくことで、後悔する可能性を減らせるからです。
ここでは、カウンセリングの時間を利用して確認しておきたい3つの重要ポイントをご紹介します。
■症例写真・デザイン確認の重要性
後悔を防ぐためには、医師とのイメージ共有が欠かせません。
自分の「なりたい顔」の方向性を具体的に伝えることで、デザインのずれを防げます。
その際、クリニックで提示される症例写真を参考にするのが有効です。
ただし、他人の症例はあくまで一例であり、骨格や皮膚の厚み、脂肪量によって結果が異なることを理解しておく必要があります。
また、写真を見るときは「表情に違和感がないか」「左右のバランスが整っているか」などを確認しましょう。
ボリュームを出すことよりも、顔全体の調和が取れている症例を参考にすると、満足度の高い仕上がりをイメージしやすくなります。
■体重変動・生活習慣による影響を理解する
脂肪注入の結果は、術後の生活習慣からも影響を受けます。
脂肪は自分の細胞であるため、体重の増減によって量が変化する可能性があるのです。
例えば、術後に大きく体重が減ると、注入した脂肪も減少してボリュームダウンしてしまうことが考えられます。
また、喫煙や不規則な生活は血流を悪化させ、脂肪の定着率を下げる要因になりうるため注意しましょう。
注入した脂肪の定着を促すためには、バランスの取れた食事・十分な睡眠・安定した体重の維持を意識することが大切です。
こうした生活面の注意点も、カウンセリング時に確認しておきましょう。
施術だけでなく、その後のケアや自己管理も仕上がりを支える要素の1つとなります。
もし仕上がりに満足できなかった場合の対処法

出典:photoAC
どれほど丁寧に計画を立てても、脂肪の定着や仕上がりには個人差があります。
もし「思っていた仕上がりと違う」と感じた場合も、慌てて修正を求めるのではなく、経過を見ながら医師に相談することが重要です。
ここでは、修正のタイミングと選択肢について整理します。
■時間経過による自然な変化と再注入のタイミング
脂肪注入は、施術直後の状態が最終形ではありません。
腫れやむくみが落ち着き、脂肪が生着していく過程で、数週間から数ヶ月かけて自然になじんでいきます。
そのため、仕上がりに違和感がある場合でも、まずは一定期間経過を観察しましょう。
定着率は人によって異なり、希望のボリュームに達しない場合は再注入を行うこともあります。
再施術の目安は、一般的に施術後3〜6ヶ月以降です。
早すぎる再注入は、まだ安定していない組織を刺激し、かえってムラなどのトラブルを生じさせるリスクがあります。
自然な変化を待つ時間も、満足度の高い結果を得るためのプロセスです。
■修正方法の選択肢
もしも脂肪が部分的に残りすぎたり、しこり・左右差などが気になる場合は、修正を検討するのも1つの選択肢です。
修正方法としては、余分な脂肪を吸引して整える方法や、足りない部分への再注入などが挙げられます。
また、わずかな凹みや段差であれば、ヒアルロン酸注入による微調整を行うことも可能です。
ただし、再施術や修正には新たなリスクが伴うため、自己判断せず必ず施術を受けた医師、または他院でのセカンドオピニオンを受けましょう。
焦らず、時間をかけて最適な方法を医師と一緒に検討する姿勢が大切です。
まとめ
脂肪注入は、顔のボリューム補整や自然な若々しさを手に入れる施術として人気がありますが、仕上がりには個人差とリスクが伴います。
脂肪の入れすぎやデザインの不一致、定着率の違いなど、後悔の原因となる要素を理解したうえで臨むことが大切です。
理想の結果を得るためには、信頼できる医師との丁寧なカウンセリングが不可欠。
症例や注入層、生活習慣による影響など、事前に確認し、自分の体に合った選択をすることが後悔を防ぐ第一歩です。
この記事を読んだあなたにおすすめの関連記事
| ・当サイトは、美容医療の一般的な知識をできるだけ中立的な立場から掲載しています。自己判断を促す情報ではないことを、あらかじめご了承ください。また、治療に関する詳細は必ずクリニック公式ホームページを確認し、各医療機関にご相談ください。 ・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。 ・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。 |


