前額リフトは、おでこの横ジワや眉間のシワ、眉の下垂によるまぶたの重さをまとめて整える手術です。
ボトックス注射や注入治療では改善しにくい「土台のたるみ」にアプローチできる点が特徴で、ブログや口コミなどでも話題を集めています。
本記事では、切開式と内視鏡的リフトそれぞれの方法と、ほかの手術との組み合わせについて解説。
自分の悩みの原因を理解し、納得のいく治療選択をするための基礎知識をまとめました。
前額リフトとは?

前額リフトは、顔全体の印象を若々しく見せるための手術です。
まずは、前額リフトの基本的な仕組みと、どのような悩みに適しているのかを詳しく見ていきましょう。
■前額リフトの基本的な仕組みと目的
前額リフトでは、髪の生え際付近を切開し、余分な皮膚を切除したり、たるみの原因となる筋肉を引き上げたりすることで、おでこのリフトアップを図ります。
フェイスリフトのおでこ版と考えると、分かりやすいのではないでしょうか。
この手術の目的は、単におでこのシワを伸ばすだけではありません。
おでこ全体がリフトアップすることで、下がり眉と上まぶたの重みが改善されるため、目元が開きやすくなります。
また、それに伴って、顔全体の印象が明るく見える効果も期待できるでしょう。
眉が下がると目が小さく見え、疲れた印象を与えやすくなります。
前額リフトによって目元の開きが改善されれば、見た目の若々しさを取り戻すことにもつながります。
■額や眉間、まぶたの悩みが連動して起こる理由
おでこや眉間のシワ、上まぶたの重みは、一見別々の悩みのように見えますが、実は密接に関係しています。
加齢によっておでこの皮膚がたるむと、眉の位置も併せて低下。
眉が下がると、視界を確保しようとして無意識に額の筋肉を使って眉を持ち上げようとします。
この動作が繰り返されることで、おでこに横ジワが深く刻まれていくという流れです。
また、眉間のシワは表情筋の収縮によって生まれます。
そのため、眉をひそめる癖がある方や視力が悪く目を細める習慣のある方は、眉間にシワが寄りやすくなるのです。
このように、額・眉間・まぶたの悩みは互いに影響しあっているため、前額リフトのように広い範囲をまとめて引き上げる手術が効果的と考えられています。
■前額リフトで改善が期待される悩みは?
前額リフトでは、おでこの余った皮膚を切除するほか、前頭筋や眉間に位置する皺眉筋(しゅうびきん)と眉間筋(びかんきん)に対して、同時にアプローチします。
そのため、おでこだけでなく眉間や鼻根のシワが目立ちにくくなることが期待されます。
また、眉下がりが改善されることで、上まぶたの被さり感が軽減し、すっきりした印象の目元も手に入るでしょう。
一方で、すべてのシワやたるみの悩みが解消できるわけではありません。
皮膚の余りがおでこのシワやたるみの原因となっている場合や、局所的なたるみが強い場合は、眉下切開や上眼瞼たるみ取りのほうが適していることもあります。
前額リフトは「筋肉や皮膚全体の位置」を調整する手術です。
悩みの原因に合致しているかが施術を受けるうえでの重要な判断基準となります。
■前額リフトのリスク
前額リフトには、外科手術としての一般的なリスクがあります。
代表的なものは、術後の腫れや内出血などです。
これらは通常1~2週間程度で落ち着きますが、期間や過程には個人差があります。
また、ダウンタイム中はおでこや目元が腫れぼったく見えることがあり、日常生活に支障が出る可能性も考慮しておいたほうがよいでしょう。
そのほか、引きつれ感が生じるリスクも否定できません。
前額リフトで「失敗した」と感じる背景には、仕上がりのイメージと現実のギャップが大きかったという可能性も考えられます。
痛みについては、麻酔が効いているため術中に「痛い」と感じることは基本的にありません。
術後数日は、鈍痛や突っ張り感が続くことがあります。
処方される鎮痛剤で対処できる範囲ではあるものの、痛みに敏感な方は事前に医師に相談しておきましょう。
切開式前額リフトと内視鏡前額リフトの違い

前額リフトには、大きく分けて「切開式」と「内視鏡」の2つの方法があります。
どちらもおでこや眉の位置を調整する点は共通していますが、切開の範囲やダウンタイム、向いている症状には違いがあります。
■切開式前額リフトとは?
切開式前額リフトは、生え際から頭皮内を長めに切開し、おでこ全体をしっかりと引き上げる方法です。
余分な皮膚を直接的に取り除くほか、筋肉の処理も行うため、たるみやシワの改善効果が高く、後戻りしにくいという特徴があります。
おでこのたるみが強い方や眉の下垂が顕著な方に適しています。
切開の長さは10~20cm程度です。
皮膚を切るという特性上、縫合後は生え際に沿って傷痕が残りますが、髪の毛で隠れるため目立ちにくいとされています。
ただし、生え際が後退している方や髪型によっては、傷痕が見える可能性があるため注意が必要です。
ダウンタイムは長引きやすく、腫れや内出血が軽快するまでに通常1~2週間かかります。
術後しばらくはおでこの感覚が鈍くなることもありますが、一般的には数ヶ月程度で回復します。
■内視鏡前額リフトとは?
内視鏡前額リフトは、生え際や頭頂部を数ヶ所小さく切開し、内視鏡を用いて皮膚を剥離しながら引き上げる方法です。
切開が小さいため傷痕が目立ちにくく、ダウンタイムも切開式に比べて短いという利点があります。
ただし、切開式ほど大きく皮膚を切除しないため、内視鏡前額リフトでは引き上げられる範囲や皮膚を切除できる量に限界がある点はデメリットでしょう。
主にたるみが軽度~中等度の場合や、大きく切らない方法での手術を希望される方が適応となります。
ダウンタイムは数日~1週間程度で、腫れや内出血も切開式より軽く済むことが多いとされています。
ただし、内視鏡前額リフトは、技術によって仕上がりに差が出やすいため、症例数の多い医師を選ぶことが重要です。
■切開の長さ・傷の目立ちやすさ・ダウンタイムの違いを比較
切開式前額リフトと内視鏡前額リフトの主な違いは以下のとおりです。
| 切開式前額リフト | 内視鏡前額リフト | |
| 切開の長さ | 生え際に沿って10~20cm程度 | 小さな傷が数ヶ所 |
| 傷の目立ちやすさ | 生え際に沿って線状の傷が残る。髪で隠れやすいが、髪型や生え際の状態によっては目立つ可能性あり | 小さな傷は残るが、髪に隠れて目立ちにくい |
| ダウンタイム | 1~2週間程度、腫れや内出血がやや強く出る傾向にある | 数日~1週間程度で、腫れや内出血は比較的軽い |
| リフト効果 | たるみの改善効果が高く、後戻りしにくい | やや控えめ |
切開式は効果の持続性や改善力に優れていますが、ダウンタイムが長引きやすく傷痕も大きめです。
一方、内視鏡は傷が小さく回復も早いものの、リフト効果はやや控えめとなっています。
どちらを選ぶかは、たるみの程度や、傷が残るリスクを総合的に考慮して決めるとよいでしょう。
ほかの施術との組み合わせは?

前額リフトは単独でもおでこのリフトアップ効果が見込めますが、悩みの内容によっては眉下切開や上眼瞼たるみ取りと組み合わせることで、より理想的な仕上がりを目指せる場合があります。
■眉下切開
眉下切開は、眉の下のラインを切開し、余った皮膚を取り除くことで上まぶたのたるみを改善する手術です。
皮膚の余りがたるみの主な原因となっているケースに適しており、眉の位置そのものは大きく変えずに、目元をすっきりと見せる効果が期待できます。
おでこと上まぶたの下垂が著しい場合は、前額リフトとの同時施術をすすめられることがあります。
■上眼瞼たるみ取り
上眼瞼たるみ取りは、二重のラインに沿ってメスで切開し、余分な皮膚や脂肪を取り除く手術です。
まぶたそのものの厚みや皮膚の余りが原因で、重たさを感じるケースに適しています。
なお、上眼瞼たるみ取りは、局所的な改善を目的とする手術です。
おでこや眉間のシワ改善を目的とする前額リフトとは役割が異なります。
まぶたのたるみを解消しつつ、目の大きさや二重のラインを整えたい方には上眼瞼たるみ取りが、筋肉も含めておでこ全体のたるみやシワにアプローチしたい場合には前額リフトが向いているでしょう。
■カウンセリング前に整理したいポイントは?
自分の症状が前額リフトの適応かどうかを判断するために、手で額を軽く持ち上げたときの目元の変化を確認する方法があります。
この方法で上まぶたの被さりが解消される場合は、シワやまぶたの重さの原因が皮膚や筋肉にあると判断でき、前額リフトの適応である可能性が高いと考えられます。
一方で、この方法を試しても上まぶたの被さりが解消されない場合は、ほかの手術が適している可能性も。
自分の悩みが筋肉由来なのか、皮膚由来なのかを確認したうえでカウンセリングに臨むとよいでしょう。
また、カウンセリングにて、症例写真や経過の写真を見せてもらうことも大切です。
とくに前額リフトは医師の技術による差が出やすいため、実際の写真を確認し、自分の理想に近い仕上がりが実現できそうか判断しましょう。
値段だけで選ぶのではなく、信頼できる医師を見つけることが、失敗を避けるうえで重要なポイントとなります。
まとめ
前額リフトは、額の横ジワや眉間のシワ、まぶたの重さなど、複数の悩みをまとめて改善できる手術です。
切開式は効果が高く後戻りしにくい一方、傷痕が大きくダウンタイムも長め。
内視鏡は傷が小さく回復も早いものの、リフト効果はやや控えめです。
症状や悩みによってはほかの施術が適している可能性もあります。
信頼できる医師のもと、自分に合った方法を選びましょう。
納得のいく選択をするためには、正確な情報をもとに慎重に判断することが大切です。
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【治療の内容】眉毛下皮膚切除術
【治療期間および回数の目安】通常1回 ※治療期間や回復期間には個人差があります。
【費用相場】約¥250,000~¥450,000
【リスク・副作用等】術後の腫れ、浮腫み、痛み、内出血、手術部位の左右差、傷痕、まぶたの違和感、眉毛の脱毛など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと導入しています。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。


