糸だけではもう限界…?「切開フェイスリフト」っていつから検討する?切開方法の違いによる特徴・各クリニックの施術方法の違いを解説

糸だけではもう限界…?「切開フェイスリフト」っていつから検討する?切開方法の違いによる特徴・各クリニックの施術方法の違いを解説

切開フェイスリフトは、加齢によるシワ・たるみの原因となる皮膚や表情筋とつながる筋膜のSMAS(スマス)を切開して引っ張り上げ、5~10年前のフェイスラインを取り戻して若々しい印象へと導く美容外科手術です。

糸によるフェイスリフト(糸リフト)とくらべ、切開フェイスリフトは効果をより実感しやすく持続期間も長いことが特徴です。

今回は、「糸リフトでは効果が限られる」と感じている方に向けて、切開フェイスリフトの検討時期や施術方法の違いによる特徴、切開フェイスリフトを行っている主要クリニックについても詳しく解説。切開フェイスリフトを始めるタイミングやどの施術方法が自分に適しているか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね。

1.切開フェイスリフトを検討するタイミングとは?

切開フェイスリフトを考える時期は、“糸だけのフェイスリフトに限界を感じたとき”といわれています。切開フェイスリフトを検討するタイミングでの症状・年齢など、具体的な指標について紹介します。

■糸リフトだけではリフトアップ効果が薄いと感じたとき

糸リフトはたるんだ皮膚を吊り上げるという仕組みで、糸がゆるんだり切れたりすると効果を感じられなくなります。また、糸リフトで使用される糸は一定期間が過ぎると体内に吸収されるものが多く、リフトアップ効果の持続期間は短い傾向にあります。

そのため、以下のような方には切開フェイスリフトを提案するクリニックもあるようです。

  • 糸リフト以上にしっかりとリフトアップ効果を実感したい方
  • より持続期間の長いリフトアップを望む方

■顔の強いたるみが目立つようになったとき

一般的に、糸リフトは強いたるみには効果が薄いと言われています。こちらも、以下のような方には切開フェイスリフトを提案するクリニックがあるようです。

  • 輪郭やフェイスラインを大きく改善したい方
  • 中程度~重度のたるみが生じ、皮膚の弾力性が下がってきた方
  • 顔や首のシワ・たるみが目立ち、リフトアップが必要な方

■40~50代に差しかかったとき(※ただし例外あり)

切開フェイスリフトは持続期間が長いため、加齢に伴うシワ・たるみが気になる40~50代の方を中心に行われることが多い施術です。

20~30代の方には手軽に受けられる糸リフトがよく選ばれますが、シワ・たるみの状態によっては切開フェイスリフトが適応になることも。どちらのフェイスリフトが適しているかは医師へご相談ください。

2.切開フェイスリフトの方法とその特徴

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切開フェイスリフトにはたくさんの方法があります。切開フェイスリフトの歴史を紐解きながら、各方法の特徴について詳しく解説します。

■切開フェイスリフトの歴史

切開フェイスリフトはすでに確立された手術で、欧米では100年以上前の20世紀初頭から行われています。西洋人と同じ術式ではなく、東洋人の骨格や皮膚の特徴に適した術式の改良が重ねられながら切開フェイスリフトは進化してきました。

20世紀初め~|始まりは皮膚切開のみ

耳の前やもみあげ部分などを切開して、皮膚のみを引っ張り上げる術式です。こちらの術式は効果の持続期間が短く、耳の変形・引きつれた不自然なフェイスライン・目立つ傷痕などの欠点もあったことから、現在ではほとんど行われなくなりました。

1970年代~|SMAS法(SMASフェイスリフト)

SMAS法は皮膚深層のSMASに糸をかけて引き上げる術式で、現在も主流の術式の1つです。耳付近を切開してSMAS上で剥離し引き上げるもので、SMASが引き上げられた結果余った皮膚を切除して縫合します。

SMASは皮下脂肪の下にあって表情筋とつながっているため、皮膚とSMASを同時に引き上げることでリフトアップ効果と持続力が高くなります。

1980年代~|リガメント法

リガメント法も現在主流の術式の1つで、SMAS法を基本にしたより複雑な術式です。

皮膚・皮下脂肪・SMAS・表情筋の要であるリガメント(じん帯)を一度切断し、SMASをより動く状態にしてしっかりと引き上げることが特徴です。リガメント法はフェイスラインに加えてほうれい線も引き上げられます。

リガメント法は皮膚深層を手術するため顔面神経を損傷するリスクもあり、リガメント法を受けたい場合は熟練した医師選びがポイントになります。

■切開フェイスリフトの具体的な施術方法

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さまざまな種類がある切開フェイスリフトについて、それぞれの具体的な施術方法を解説します。

フルフェイスリフト(トータルフェイスリフト)

フルフェイスリフトは、こめかみ~耳前の溝に沿って皮膚を切開し、たるんだ皮膚とその下のSMASを一緒に引っ張り上げて固定する方法です。

たるみが強い場合によく用いられる方法で、ほうれい線にできたシワを効果的にリフトアップして輪郭をスッキリとさせ、顔全体を若々しい印象へと導きます。

ミニリフト(マイクロリフト)

ミニリフト(マイクロリフト)は、ネーミングのとおりフルフェイスリフトよりも小さい範囲を切開して目尻・頬・ほうれい線・フェイスラインなどの局所的なたるみを引き上げる方法です。

こめかみ~耳前の溝の上のほうを数cm切開する程度ですが、フルフェイスリフトと同じく皮膚とSMASを同時に引き上げてたるみをしっかりと減らす効果が期待できます。

前額リフト

前額リフトは、額の横ジワや眉間の縦ジワ、眉毛の下垂を伴う上まぶたのたるみ、目尻の下垂を改善することが期待できる方法です。

まぶたより上の顔部分が引き上がり、若々しく明るい表情を演出します。額の髪の生え際や頭髪の部分を切開して行うため傷痕が目立ちにくく、術後に圧迫バンドや包帯などで大がかりに固定する必要もありません。

こめかみリフト

こめかみリフトは、こめかみ近くの髪の生え際や頭髪の部分を切開して目尻の皮膚のたるみや目尻・眉毛の下垂を改善することが期待できる方法です。

こめかみリフトは目元全体にたるみが生じた場合に有効とされ、治療が難しいとされる頬~目の下のくぼみであるゴルゴ線(ゴルゴライン)にも効果を期待できる場合があります。

ミッドフェイスリフト

ミッドフェイスリフトは、下垂した中顔面(目の下~小鼻までの間)をリフトアップして骨膜に固定し、下まぶたと中顔面をなめらかにして若々しい印象へと導く方法です。

骨膜上を剥離して頬の脂肪を引き上げる骨膜上ミッドフェイスリフトと、骨膜下から頬骨全面を剥離する骨膜下ミッドフェイスリフトの術式があります。

ネックリフト

ネックリフトは、耳のうしろ~襟首の髪の生え際を切開して首・あご下を引き上げる方法です。

首は表情筋のある顔よりじん帯が少ないためたるみやすく、あごは重力に負けて下垂した皮膚によってたるみが出やすい部位。そのためネックリフトを行うと、年齢が出やすい首の老け見えの改善が期待できます。

フェイスネックリフト

フェイスネックリフトは、耳の前~耳のうしろ、さらに首まで切開して顔全体・あご下・首元などのたるみを引き上げることが期待できる方法です。

■切開フェイスリフトの方法ごとの特徴

切開フェイスリフトごとに、手術時間・術後の処置・ダウンタイム・効果の持続時間についてまとめました。ただし、以下の表におけるいずれの項目においても個人差があります。

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【コラム】切開フェイスリフトのデメリットやダウンタイムに注意

ここまで記事を読んで、切開フェイスリフトは糸リフトにくらべてメリットが多い印象を持ち、興味を持った読者の方も多いでしょう。ただ、切開フェイスリフトはしっかりとたるみをリフトアップできる分、糸リフトとは違うデメリットやダウンタイムがあることも事実

以下の表は切開フェイスリフトと糸リフトのデメリットとダウンタイムを比較したもの。こちらの内容もしっかりとチェックしたうえで切開フェイスリフトを検討してくださいね。

糸リフト 切開フェイスリフト
デメリット
  • 効果の持続期間が短い
  • 強いたるみへの効果は薄い
  • 腫れや内出血が生じやすい
  • ダウンタイムが長い
  • 傷痕が目立ちやすい
    (術後半年~1年程度で落ち着くが個人差あり)
ダウンタイム
  • 通常1週間ほど、長くて1ヶ月ほどで腫れ・内出血が落ち着く
  • 通常1~2週間ほど、長くて1ヶ月ほど痛み・頭痛・倦怠感・発熱などが生じる
  • 方法によっては、術後に手術部位の圧迫が必要

3.主要クリニックの施術方法と選び方

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最後に、切開フェイスリフトを行っている主要クリニックごとの施術方法と、クリニックの選び方のポイントをお伝えします。

■主要クリニックの施術方法

切開フェイスリフトを行っている主要クリニックについて、施術方法や特徴などを解説します(※クリニックは五十音順です)。

VERITE CLINIC(ヴェリテクリニック)

「VERITE CLINIC」は、切開フェイスリフトにリガメント法を採用していることが特徴です。形成外科の経験が豊富な医師のみが在籍し、リフトアップ効果や持続力の向上、傷痕・手術後の変形防止にも形成外科の高度な技術が生かされています。

また、修正手術も得意としていて、他院では難しい修正術や症例数の少ない手術もできる限り対応しています。

切開フェイスリフトの方法 ・頬部リフト
・頸部リフト
・頬部+頸部リフト
・前額部リフト
・前額部+眉間縦皺リフト
・前額部ミニリフト
・前額部エンドリフト
・ミッドフェイスリフト
・こめかみリフト
・ミニリフト
・ブローリフト術
提供されるサポート ・入念な検診
・他院修正

「VERITE CLINIC」の切開フェイスリフトについてはこちら

SBC湘南美容クリニック

「SBC湘南美容クリニック」は、SBCグループ内で切開フェイスリフトの症例数が全国No.1(2021年上下半期・2022年上下半期・2023年上下半期・2024上半期)のエリア統括医長 兼 若返りエキスパートドクターの片岡二郎医師を筆頭に、切開フェイスリフトの経験が豊富で技術力も高いドクターが多数在籍しています。

特別価格での治療となりますが、片岡医師をはじめSBCグループ内で「厳選医師」に選ばれた精鋭ドクターから担当医を選ぶことも可能です。

切開フェイスリフトの方法 ・ナチュラルクイックリフト
・スマスフェイスリフト
・ネックリフト
・フェイスネックリフト
・コメカミリフト
・切開式前額リフト
・エグゼクティブ・スマスフェイスリフト(※片岡医師限定施術)
提供されるサポート ・無料カウンセリング
・厳選医師による特別価格での施術
・多種多様で高品質な麻酔技術
など

「SBC湘南美容クリニック」の切開フェイスリフトについてはこちら

恵比寿美容外科

「恵比寿美容外科」は、切開フェイスリフトの専門クリニックです。こちらのクリニックでは院長の柳田徹医師が考案した「恵比寿式・切開リフト」という体へのダメージや効果のバランスが取りやすいオリジナルの施術を行っていることが特徴。

具体的には、切開フェイスリフトの中でも剥離をほとんどしない方法とリガメント(じん帯)まで剥離する方法の良いとこ取りをしたもので、剥離の広さが適度に抑えられています。

「恵比寿式・切開リフト」は抜糸・包帯が不要で腫れ・神経損傷などのリスクが少なく、後戻りしにくいというメリットがあります。

切開フェイスリフトの方法 ・マイクロリフト
・トータルフェイスリフト
・フェイスリフト(あご)
・ネックリフト・フェイスリフト(こめかみ)
提供されるサポート ・恵比寿式・切開リフト
・院長によるカウンセリング・手術・アフターケア
など

「恵比寿美容外科」の切開フェイスリフトについてはこちら

サフォクリニック

「サフォクリニック」は、切開フェイスリフトに特化したクリニックです。院長 兼 理事長の白壁征夫医師は皮膚が重く厚い日本人に適した「白壁式フェイスリフト」を開発し、米国美容外科学会での発表で受賞歴もあるドクターです。現在、白壁医師が開発した切開フェイスリフトのSMAS法は世界中で行われています。

こちらのクリニックでは、世界の先端技術を提供するために現在も新しい技術を取り入れながらさまざまなフェイスリフトの改善・開発が熱心に行われています。

切開フェイスリフトの方法 ・フェイス&ネック
・フェイスリフト
・ミニリフト
・アングルフェイスリフト
提供されるサポート ・医師によるカウンセリング
・内科的エイジングケアプログラムも導入
など

「サフォクリニック」の切開フェイスリフトについてはこちら

BIANCA CLINIC(ビアンカクリニック)

「BIANCA CLINIC」は、日本形成外科学会認定専門医の資格を持つ医師や日本頭蓋顎顔面外科学会に所属する医師が在籍し、ハイクオリティな切開フェイスリフトを提供しているクリニックです。

切開フェイスリフトを行う美容外科に加え、美容皮膚科・美容内科・美容婦人科など各方面のスペシャリストがそろっていて、患者様の理想に近づくためにいろいろな方面からのアプローチが可能です。

こちらのクリニックでは、局所的な美しさにこだわり過ぎずに全体的なバランスを考慮した治療の提案をしています。

切開フェイスリフトの方法 ・トータルフェイスリフト
・ミッドフェイスリフト
・フェイスリフト
・ネックリフト
・こめかみリフト
・前額リフト
提供されるサポート ・美容外科・美容皮膚科・美容内科・美容婦人科などの多角的なエイジングケア

「BIANCA CLINIC」の切開フェイスリフトについてはこちら

■実際の患者様の声をもとにしたクリニックの選び方

SNSで実際に切開フェイスリフトを受けた人の口コミを参考にしたところ、クリニック選びのポイントが浮かび上がってきました。

医師の経歴・資格で選ぶ

切開フェイスリフトの方法によっては、皮膚やSMASだけでなく顔面神経周辺を手術することもあるため、ある程度の形成外科での勤務経験や日本形成外科学会認定専門医資格などを持つ医師かどうかも選ぶときのポイントになるでしょう。

切開フェイスリフトは耳の周辺を切開することが多いため、術後に耳の形が変形しないような技術があるかについてもクリニックの公式ホームページや医師の公式SNSなどで症例写真をチェックしておくと良いでしょう。

切開フェイスリフトの症例数で選ぶ

切開フェイスリフトは医師の経験や技術に仕上がりや効果などが左右されやすい施術のため、症例数の多い医師を選ぶこともポイントの1つです。クリニックの公式ホームページや医師の公式SNSなどを見て症例数がどのくらいかをチェックしましょう。

また、切開フェイスリフトに関する論文執筆・学会発表などを行っているかどうかも、そのクリニックや医師の力量を測るための指標となるでしょう。

無料カウンセリングで複数のクリニックを比較検討して選ぶ

切開フェイスリフトでクリニックや医師の見当がある程度ついたら、実際に無料カウンセリングを受けてみると良いかもしれません。

切開フェイスリフトの施術料は決して安価なものではないため、高額な買い物をするときと同じように相見積もりをするイメージで複数のクリニックや医師と直接やり取りしてみるのも1つの手です。

まとめ

今回は、切開フェイスリフトの検討時期や、さまざまある施術方法とその特徴、切開フェイスリフトを行っている主要クリニックの特徴や選び方について詳しく解説してきました。

切開フェイスリフトは糸リフトにはないメリットがある一方でデメリットやダウンタイムもあります。また、施術方法や切開フェイスリフトを行うクリニックが数多く存在することも分かり、切開フェイスリフトに臨む前に考慮すべきポイントが明確になってきたのではないでしょうか。

切開フェイスリフトに興味がある方は、ぜひこちらの記事を参考にして総合的に判断し、自分にぴったりの施術方法やクリニックを選んでくださいね。

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