胸のシリコン豊胸は、自然でやわらかいバストを目指す女性向けとされる施術法です。
形の安定性とボリュームを両立できることから世界的にも広く行われており、現在は第5世代と呼ばれる高コヒーシブジェルタイプが主流に。
仕上がりの自然さと安全性が向上しています。
今回は胸のシリコン豊胸にスポットを当て、他の選択肢である脂肪注入豊胸やハイブリッド豊胸と比較しつつ、施術について詳しく解説します。
INDEX
胸のシリコン豊胸とは?
胸のシリコン豊胸の施術では、胸にシリコンでつくられたインプラント(バッグ)を挿入してボリュームアップを図ることから、「シリコンインプラント豊胸」や「シリコンバッグ豊胸」とも呼ばれます。
まずは施術に用いるインプラントの基本構造と種類、第5世代のインプラントについて解説しましょう。
■シリコンインプラントの基本構造と種類
シリコンインプラントは、内側に充填されたシリコンジェルを、外側のシェルが覆っている構造です。
シェルは複数の膜で構成されているため、破れにくく伸縮性に優れています。
中身のシリコンジェルは流動性が低く、万が一シェルが破れても、ジェルが漏れないよう工夫されています。

バスト全体が均一にボリュームアップするラウンド型に対し、アナトミカル型は上部が細く、下部にふくらみがあります。
もともと痩せ型の人がラウンド型を選ぶとデコルテ部分が浮き出て不自然に見えることも。
形状を選ぶ際は、仕上がりの好みはもちろん、体型も考慮することが大切です。
テクスチャードタイプは被膜拘縮が起こりにくく、術後のマッサージも不要です。
ただし、スムースタイプと比べてやや硬めの仕上がりになることも。
スムースタイプは術後のマッサージでやわらかな仕上がりになりやすい傾向にありますが、体質によっては被膜拘縮のリスクが高くなるとされています。

出典:PRSS.JAPAN
先進の豊胸インプラントとして注目を集める「Motiva®(モティバ)」には、被膜拘縮のリスクをさらに軽減するよう設計されたナノテクスチャー加工タイプもあります。
安全性や自然な仕上がりを重視する人は、先端技術を用いたインプラントにも目を向けてみましょう。
■第5世代インプラントについて

出典:photoAC
現在主流となっているのは「第5世代コヒーシブシリコンジェル」と呼ばれるタイプです。
従来よりもジェルの粘性が高く、破損時の流出リスクを軽減した構造です。
動きややわらかさがより自然になり、長期的な安定性も確保されています。
このような高品質のインプラントを用いた先進の豊胸手術が、乳房組織を温存しながら自然な仕上がりを叶える「Preservé™(プリザベ)」です。
施術にはモティバのインプラントと、専用のバルーン・スリーブを使います。
従来と比べて切開・剥離範囲が狭く、体の回復も早い傾向にあることから、豊胸手術の新たな選択肢として注目を集めています。
シリコン豊胸の挿入位置による仕上がりの違い│見た目や触り心地は?
胸のシリコン豊胸では、インプラントの挿入位置で仕上がりの自然さや手触りが大きく変わります。
バランスの取れた美しい胸をつくるには、体の組織の厚みや皮膚の状態に合わせて位置を選ぶことが大切です。
こちらの比較図のように、それぞれインプラントの挿入位置が異なります。
施術方法を比較する際に注目すべきは、仕上がりやダウンタイム、被膜拘縮のリスクなどです。
| 乳腺下法 |
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| 大胸筋下法 |
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| 筋膜下法 |
|
「見た目を重視したい」「なるべくリスクの少ない方法を選びたい」など、自分にとって優先する項目を明確にすることが大切です。
ただし、体型やバストの状態による向き・不向きもあります。
痩せ型の人や皮膚が薄い人は、施術方法によってはインプラントの輪郭が目立つ可能性も。
自分に向く施術方法かどうかを見極めるようにしましょう。
▽豊胸のプレフェッショナル「ロシッククリニック銀座」小野先生の解説記事はこちら
シリコン豊胸以外の選択肢│脂肪注入豊胸とハイブリッド豊胸

出典:photoAC
胸のシリコンバッグ豊胸以外の選択肢として、脂肪注入豊胸とハイブリッド豊胸の特徴を解説します。
違いを比較してみましょう。
■脂肪注入豊胸とは?シリコン豊胸との違いも紹介
脂肪注入豊胸は、自分の体から脂肪を採取して胸に注入する方法です。
脂肪の採取箇所は、太ももやお腹、腰まわりなどです。
採取した脂肪は、特殊な処理を行ったあとに胸へ移植します。
自分の組織を施術に用いるため、異物反応のリスクが低いというメリットがあります。
脂肪採取による部分痩せの効果や安全性の高さはメリットですが、注入した脂肪の定着率に個人差があること、1回の施術で大幅にサイズアップすることが難しい点はデメリットでしょう。
| 脂肪注入豊胸が向いている人 |
|
| シリコン豊胸との違い |
|
■ハイブリッド豊胸とは?シリコン豊胸との違いも
ハイブリッド豊胸は、シリコンバッグ豊胸と脂肪注入豊胸を組み合わせた方法です。
確実にボリュームアップできるというシリコンバッグ豊胸の特徴を生かしつつ、脂肪注入も行うことでより自然な立体感と触感を実現できます。
シリコンバッグ豊胸には不自然な仕上がりや硬さ、脂肪注入豊胸には脂肪の定着率やサイズアップの限界などのデメリットがあります。
自分に合う施術の見極めにあたり、それぞれのデメリットが気になる人にとっての新たな選択肢となるでしょう。
| ハイブリッド豊胸が向いている人 |
|
| シリコン豊胸との違い |
|
胸のシリコン豊胸のリスクは?術後ケアもチェック
<シリコン豊胸のリスク>
- 被膜拘縮
- 石灰化
- インプラントの破損
- しこり(血腫)が生じる
- マンモグラフィー検査が受けられない
中でも代表的とされるのが被膜拘縮のリスクです。
挿入したインプラントを包むようにつくられる被膜が厚くなり、締め付けるような状態になることから、見た目や手触りに違和感が生じます。
被膜にカルシウムの結晶が沈着して起こる石灰化も、インプラント破損のリスクを高める要素です。
しこりは手術時の出血が原因となっていることが多いです。
また、マンモグラフィー検査を断られる可能性もあります。
<術後ケアのポイント>
- 急性期は痛みをコントロールしながら安静に過ごす
- 回復期以降、痛みに応じて活動量を調整する
- 術後は医師の指示に従ってバストバンドを装着する
- 必要に応じてマッサージを行う
シリコン豊胸のダウンタイムは、術後約2~3日の急性期、約7日~1ヶ月の回復期、約3~6ヶ月の安定期に分かれます。
急性期はとくに安静に過ごすことを心がけ、バンドを外すタイミングは医師の指示に従いましょう。
術後のマッサージは被膜拘縮のリスク軽減につながります。
ただし、テクスチャードタイプやモティバなど、インプラントの種類によってはマッサージ不要なものもあります。
シリコン豊胸の費用相場は?シリコンの入れ替えは必要?

出典:photoAC
胸のシリコン豊胸の費用相場は、50~100万円程度と幅が広めです。
使用するインプラントの種類や術式、依頼するクリニックによって差が生じます。
費用については別途麻酔や検査にかかる費用が必要なこともあるため、事前に確認しておきましょう。
シリコン豊胸は、約10年後を目安にインプラントの入れ替えを検討する必要があります。
入れ替えは必須ではありませんが、インプラントの劣化が進むとバストの硬さや左右差が目立ってくることも。
耐久性が向上している近年のインプラントも含め、定期検診やMRI検査で状態の確認を欠かさないことが大切です。
シリコン豊胸の定期検診は、術後1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月に行い、その後は年に1回のペースが一般的。
また、MRI検査はインプラントが破損しているかどうかを診断する精度が高いため、推奨するクリニックも多くあります。
まとめ
胸のシリコン豊胸をはじめ、脂肪注入豊胸やハイブリッド豊胸など、バストアップを叶える選択肢は複数あります。
シリコン豊胸を検討する際は、インプラントの選定も重要です。
自然な仕上がりと安全性に優れた第5世代インプラントも含め、自分に合うものを選択しましょう。
クリニック選びでは、実績や症例数、扱うインプラントの種類などから、複数を比較検討してください。
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【施術の内容】豊胸術
【施術期間および回数の目安】通常1回 ※状態によって異なります。
【費用相場】
・シリコンバッグ豊胸:約 ¥600,000~ ¥1,000,000
・ヒアルロン酸豊胸:約1ccあたり ¥3,000~ ¥4,000(使用量は個人差があります)
・脂肪注入豊胸:約 ¥800,000~ ¥1,200,000
・ハイブリッド豊胸:約¥1,300,000~¥3,000,000
※各クリニックによって異なります。本施術は自由診療(保険適用外)です。
【リスク・副作用等】内出血、血腫、感染、痛み、傷口の赤み・硬さ・突っ張り・色素沈着、アニメーション変形など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本施術には、日本国内において薬事承認を受けていない未承認の医薬品や医療機器、または承認された使用目的とは異なる用途での使用を行う場合があります。
・施術に用いる医薬品および医療機器は、医師の判断のもと導入しています。
・同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器は存在しない場合があります。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。




