目の下の脱脂で脂肪の取りすぎによって生じるくぼみや影の濃さは、疲れた印象や老け見えにつながります。
脂肪量の見極めは骨格や皮膚の状態など複数の要素が関わるため、取りすぎとなってしまうリスクを理解することが大切です。
取りすぎが起こる理由や、万が一失敗と感じたときの修正方法、事前に確認したいポイントを押さえ、脱脂の修正検討やこれからの施術にお役立てください。
INDEX
目の下の脱脂で「取りすぎ」が起こる理由

出典:photoAC
目の下の脱脂は、脂肪を単に「減らす」ことが目的ではなく、個々の骨格や皮膚の状態によって適切な量を考えてデザインすることが大切です。
しかしわずかな差でも仕上がりに影響するため、取りすぎは起こりやすいとされています。
■脂肪の構造と加齢による変化から見る過剰切除が起こりやすい背景
目の下には眼窩脂肪と呼ばれる脂肪があり、加齢とともに前方へ突き出やすくなります。
同時に皮膚や表情筋が弱ってくることで、脂肪のふくらみがより目立つようになり、クマやたるみといった悩みにつながるのです。
脱脂手術では、この目立ってきた脂肪を減らしますが、脂肪を取りすぎると皮下のボリュームが不足し、影が出やすくなります。
とくに皮膚のボリュームや弾力が減ってきている40代や50代では、同じ量の脂肪を取っても若年層とは見え方が異なるため、「取りすぎた」と感じる要因となるのです。
■アプローチの違い「経結膜脱脂法」と「表ハムラ法・裏ハムラ法」
余分な脂肪にアプローチする方法として、下まぶたの結膜から脂肪を取り除く経結膜脱脂法と、下まつ毛の皮膚表面もしくは裏側から切開して脂肪を移動させる表ハムラ法・裏ハムラ法があります。
経結膜脱脂法は皮膚の表面を傷つけずに脂肪を取り除ける一方、操作できる脂肪の位置が限定され、視野も狭いため脱脂量の過不足を判断しにくい場合があります。
比較して、表ハムラ法や裏ハムラ法は、経結膜脱脂法よりも切る範囲が広く、脂肪の位置を確認しやすいでしょう。
ただし処置が増えるため腫れが生じやすく、術中の見え方と実際の仕上がりに差が出ることもあります。
これって「取りすぎ」?見た目で分かるサイン
目の下の脂肪を取りすぎると、へこみや影が強調され、かえって印象ダウンにつながることがあります。
脂肪は単に「余分」なのではなく、ボリュームとしての役割を持つため、適度に残すことが重要。
ここでは、取りすぎによって起こる代表的な見た目の変化を整理します。
■目立つくぼみ・影
脂肪を過剰に取り除くと、皮下のボリュームが不足して目の下に影が生まれます。
広い範囲でへこみや深いくぼみが出るとメイクでもカバーしきれず、「目の下のたるみ取りの後悔」や「クマ取り失敗」を感じる原因になります。
疲れや老けた印象が出てしまうなど、外見的に大きく影響してしまうでしょう。
■小ジワ・たるみの発生
脂肪を取りすぎると、皮膚のハリや弾力が失われて細かなシワが生じやすくなります。
また、脂肪を支えていた部分がたるむことで、クマや小ジワの目立ちにつながる場合も。
40代・50代では加齢による皮膚の衰えが相まって、たるみが強く見える可能性もあります。
ウェブ検索でヒットする「目の下のたるみ取り失敗画像」でも同世代の症例は多数見られるため、同じように後悔しないよう注意が必要です。
■表情への影響
笑ったときに目の下の筋肉が動きますが、皮下ボリュームが不足していると境目が強調され、笑顔が不自然に感じられることがあります。
場合によってはまぶたがひきつった感覚が生じて「目が小さくなったかも」と感じる場合も。
一時的なケースもありますが、経過を注視しましょう。
取りすぎてしまった場合の修正方法

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目の下の脱脂で脂肪を取りすぎた場合、状態に合わせて修正できる可能性があります。
主に選ばれる修正方法の特徴や考え方を解説します。
■脂肪注入でボリュームを補う
自身の脂肪を採取し、目の下へ注入してボリュームを補う脂肪注入は、脱脂によるへこみが大きいケースでよく検討される方法です。
脂肪が定着すれば自然な印象で半永久的な効果が得られる施術ですが、定着率には個人差があることを覚えておきましょう。
また、腫れや内出血などのダウンタイムがあることや、比較的費用は高い傾向にあることも考慮したうえでの選択が必要です。
■ヒアルロン酸注入による一時的な補整
へこみが浅い場合や、まずは変化を確認したい場合にはヒアルロン酸注入が候補に挙がります。
注入量の調整がしやすく、費用も比較的リーズナブルな点などから選ばれやすい方法です。
「目の下のクマ取りに失敗した」「目の下の脱脂に失敗した」と感じたとき、すぐに助けてほしい方にとって試しやすい方法といえるでしょう。
目元にハリを与え、へこみやたるみ、シワの解消に役立ちますが、体内に吸収される性質上、効果を持続させるためには定期的なメンテナンスが必要です。
■再手術・裏ハムラ法による修正を検討
脂肪の取り残しや、脂肪の配置そのものが原因の場合は、裏ハムラ法のように、眼窩脂肪を再配置する手術を再度行うことで段差を整える方法も。
脂肪を取り除くだけの経結膜脱脂法では再発のリスクが高いため、比較的リスクが低いとされる裏ハムラ法をすすめるクリニックが多い傾向にあります。
ただし、適応となるかは状態によって異なるため、焦って選択することなく、医師と十分な相談を行って判断しましょう。
ダウンタイム中の変化と「取りすぎ」の見分け方
術後1~2週間は、目の下のむくみや内出血によって一時的に影が強く見えることがあります。
経結膜脱脂法は腫れが少ないといわれる一方、個人差や過ごし方によって症状が変化する可能性があるため、術後初期の段階で安易に「取りすぎ」と判断するのは早い可能性があります。
ダウンタイム中、時間の経過とともに腫れが引くと影が改善していくケースもあるものの、へこみの輪郭がくっきりと残る場合は、脂肪量の不足が原因と考えられるでしょう。
一般的には数週間〜数ヶ月の経過を観察することで、改善傾向があるかどうかを判断しやすくなります。
焦って結論を出すのではなく、変化の推移を確認しながら必要な対処を検討することが大切です。
取りすぎを防ぐための事前カウンセリングのポイント

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目の下の脱脂で取りすぎてしまわないためには、手術前のカウンセリングでどれだけ綿密に医師に相談できるかが鍵になります。
ここでは、カウンセリングで確認したいポイントをまとめます。
■適切な脂肪量の判断に必要な診察内容|骨格・脂肪量・皮膚の状態
目の下の脂肪量は均一ではなく、骨格や眼窩の形状によって最適な残し方が変わります。
診察では、脂肪の位置や量、皮膚の状態などを総合的に評価することが重要です。
また、光の当たり方で影がどう見えるか、正面・斜め・笑顔など複数の表情で確認すると、医師と自然な仕上がりのイメージが共有しやすくなります。
こうした多角的な診察が、取りすぎによる目の下の脱脂による後悔を防ぐことにつながるでしょう。
■医師に確認したい質問項目|リスク説明・術後イメージ共有
取りすぎを避けるためには、「どの脂肪をどれだけ操作するのか」を明確に説明してもらうことが欠かせません。
術式の選択理由、想定されるリスク、複数の治療選択肢が提示されているかを確認すると、施術後のズレを防ぎやすくなります。
また、仕上がりのイメージを言語化し、気になる点を事前に共有しておくことも大切です。
疑問を遠慮せずに整理し、コミュニケーションを丁寧に行うことが、目の下のたるみ取りなどを目的とした脱脂で失敗を避ける一歩になります。
まとめ
目の下の脱脂は、脂肪を取りすぎることでへこみや影が強調され、思い描いた印象と異なる仕上がりにつながることがあります。
骨格や皮膚の状態には個人差があるため、「ただ脂肪を取れば良い」わけではありません。
目の下の脱脂は凹凸のバランスを整えて目の下の状態を再構築する施術ととらえ、医師との事前のカウンセリングによって慎重に選択・判断しましょう。
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【施術の内容】経結膜脱脂法
【施術期間および回数の目安】通常1回 ※状態によって異なります。
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【施術の内容】裏ハムラ法
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【費用相場】1回約¥300,000~¥500,000程度 ※各クリニックによって異なります。本施術は自由診療(保険外適用)です。
【リスク・副作用等】感染症、目の下の凹み、神経障害、術後の腫れや内出血など
【施術の内容】脂肪注入
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【リスク・副作用等】赤み、内出血、腫れ、痛み、アレルギー反応、修正位置のずれなど
【未承認医薬品に関する注意事項について】
・本施術には、日本国内において薬事承認を受けていない未承認の医薬品を使用する場合があります。
・施術に用いる医薬品は、医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。詳細は厚生労働省の「個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報」をご確認ください。
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・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分を有する他の国内承認医薬品は存在しない場合があります。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。


