
目の下の脱脂手術を受けた後、10年後にはどのような経過を辿るのでしょうか。年齢を重ねると、目の下のたるみやクマなどが気になる方は少なくありません。しかし、若いときに目の下のたるみ取りやクマ取りを受けた40代や50代の方が、「失敗した」と後悔するケースもあります。今回は、目の下の脱脂手術の10年後の経過や施術を受ける際に注意したいポイントなどを紹介。目の下の脱脂手術を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
1.目の下の脱脂手術とは?

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目の下の脱脂手術は、正式には経結膜脱脂術といいます。目の周りにある眼窩脂肪と呼ばれる脂肪を切除することで、目の下のクマやたるみの改善といった効果が得られます。生まれつき眼窩脂肪が目立ちやすい方もいますが、年齢とともに筋肉や皮膚が弱くなることで、目の下が膨らんだり、影ができたりしてしまう方も。すると、実際の年齢よりも老けて見えたり、疲れているように見えたりしてしまいます。そこで経結膜脱脂術を受けると、下まぶたのふくらみが抑えられ、クマやたるみの改善が期待できます。
2.目の下の脱脂手術、効果は10年後も持続する?
目の下の脱脂手術を受けた場合、その効果は10年後も持続するか気になる方もいると思います。目の下の脱脂手術を受けた場合の、長期的な効果を見てみましょう。
目の下の脱脂手術は、長期間にわたって持続する傾向があり、10年後も施術時と同じような効果があると考えられています。目の下の脱脂手術が適切に行われた場合、眼窩脂肪周辺にある組織がかたくなることから、脂肪が前に出にくくなります。また、一度取り除いた脂肪は急激な体重増加などがない限り増えないため、再発の可能性は低いといわれています。
一方で、施術を受けないまま長期間放置すると、クマやたるみが悪化してしまうこともあります。年齢を重ねて皮膚がたるむと、いくら眼窩脂肪を取り除いても皮膚が余ってしまうため、たるみなどの症状が目立ってしまうのです。そのため、クマやたるみの症状が気になる方は、早めに施術を検討すると良いかもしれません。
3.目の下の脱脂手術後にリスクや後遺症はある?

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目の下の脱脂手術は、施術から10年後にも副作用やトラブルなどが起きにくい施術といわれています。しかし、施術内容や施術者の技術によっては後悔するようなケースもあります。具体的にどんなリスクや後遺症がみられるか把握しておきましょう。
■目の下が窪んだ
目の下の脱脂手術を受けた後に目の下が窪んだ、という場合は、取り除いた眼窩脂肪の量が多すぎる可能性があります。このようなときは、脂肪注入やヒアルロン酸注入などの方法を用いて、窪んだ部分を平らな状態に修正します。
また、加齢に伴って皮膚がたるんだり、脂肪が減少したりすることで、目の下が窪んで見えることがあります。目の下の脱脂手術から長期間経過後に目の下が窪んで見える場合は、施術による影響よりも加齢に伴う自然な変化である場合が多いといわれています。
■目の下に小ジワが生じた
目の下の脱脂手術後に小ジワが気になる場合は、眼窩脂肪を取り除いたことで目の下の皮膚のハリが軽減したことが原因と考えられます。もともと目元のシワが気になる方や脱脂手術後のシワを防ぎたい方は、目の下の脱脂手術以外の方法を検討するほか、施術後に改めて余分な皮膚を除去するという選択肢もあります。
■目の下のたるみが改善しない
脱脂手術で取り除いた眼窩脂肪の量が少なすぎると、目の下の脱脂手術を受けたにもかかわらず、目の下のたるみが改善しないことがあります。取り除くべき脂肪の量が少なすぎた場合は、再度施術を受けて脂肪を除去することがあります。
また、たるみが施術前よりも悪化している場合は、脂肪の取りすぎにより皮膚が余ってしまったことが原因である可能性も考えられます。
■目の下にクマが残った
目の下にクマが残る原因は、「眼窩脂肪を取りすぎた」「クマの原因が色素沈着によるものだった」などさまざまです。そもそも目の下の脱脂手術で改善が見込めるクマは、目の下のふくらみやたるみの陰によって発生する黒クマです。そのため、色素沈着が原因の茶クマは脱脂手術では改善が期待できません。
また、眼窩脂肪を取りすぎると、下まぶたが窪んでクマのように見えたり、血管が透けることによる青クマが目立つようになったりします。眼窩脂肪の取りすぎや、青クマ、茶クマが目立つ場合は、他の施術でクマを目立ちにくくする必要があるでしょう。
■左右差が生じる場合がある
目の下の脱脂手術では、取り除く眼窩脂肪の量がわずかに異なるだけでも左右差が生じてしまいます。そもそも人の骨格は左右対称とは限らず、骨格を考慮しないで脂肪を切除してしまうと、左右差が顕著に表れてしまうケースもあります。左右差があまりにも大きい場合は、再手術を検討することがあります。
4.目の下の脱脂手術で10年後も後悔しないためには?

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最後に、目の下の脱脂手術から10年後に後悔しないために、気をつけたいポイントを解説します。これから施術を考えている方、すでに施術を受けた方はチェックしておきましょう。
■【これから施術を受ける方向け】気をつけてほしいポイント
これから目の下の脱脂手術を受ける方は、以下の点に注意しましょう。
カウンセリングをじっくり行ってくれるクリニックを選ぶ
医師と仕上がりイメージを共有できていないと、施術後に満足できない可能性があります。そのため、カウンセリングを丁寧に行ってくれるクリニックを選ぶことが大切。カウンセリングの時間は十分に確保されているか、悩みや症状をしっかりと見て必要な施術を提案してくれるか、誰がカウンセリングするか、などを確認してからクリニックを厳選しましょう。
脱脂手術の実績が豊富なクリニックを選択する
前述したように、目の下の脂肪を取りすぎたことによる窪みやたるみの悪化は、施術の技術で左右される部分があります。トラブルを防ぐためには、皮膚や骨格の状態をしっかりと観察し、適切な切除量を見極める必要があります。そのため、確かな技術をもつ医師選びは特に重要なポイントです。クリニックを選択する際は、実績が豊富なクリニックを選びましょう。口コミや症例写真なども確認し、自分が納得できるクリニックを探してみてください。
施術の副作用やリスクを把握する
脱脂手術は、ダウンタイムが比較的短く、痛みも少ない施術です。しかし、出血や痛み、感染症などのリスクがまったくないわけではありません。クマ取りの施術後に麻酔の影響で目がぼやける、血圧が下がって気分が悪くなったりするといったケースもあります。施術を検討する際には、起こりうる副作用やリスクを把握し、トラブル発生時は早めに医師に相談しましょう。
複数の施術を組み合わせる
脂肪の取りすぎによる目の下の窪みを防ぐため、ヒアルロン酸や脂肪注入などの施術を併用することもあります。医師が皮膚の状態を見極めて、ほかの施術との併用を提案してくれる場合もありますが、経結膜脱脂術のみの施術で良いのか、気になる方は医師と相談してみると安心でしょう。
■【すでに脱脂手術を受けた方向け】気をつけてほしいポイント
すでに目の下の脱脂手術を受けた方は、10年後も安心して過ごせるよう、次のようなポイントに注意しましょう。
ダウンタイムは安静に過ごす
施術後のダウンタイムは、通常2~3日後にピークを迎え、1~2週間程度続きます。ダウンタイム中は、日常生活を大きく制限する必要はありません。しかし、激しい運動をするなど目に負担がかかるような行為をすると、ダウンタイムが長引いてしまう場合もあります。そのため、できるだけ施術部位を濡らしたり、触りすぎたりしないよう注意し、可能な限り安静に過ごすよう心がけましょう。
目の下のたるみケアを取り入れる
目の下の脱脂手術は、眼窩脂肪によるたるみやクマなどには対応できますが、加齢に伴うたるみを食い止めることはできません。皮膚のたるみを予防するためには、目の下の保湿や紫外線対策が大切です。また、たるみケアに適した美容施術を取り入れるのも良いでしょう。
まとめ
目の下の脱脂手術は、適切な施術を受ければ10年後もほとんど再発が生じない施術です。しかし、施術には、出血や痛みのほか、左右差が生じたり目の下が窪んだりするリスクも考えられます。目の下の脱脂手術で10年後も安心して過ごすためにも、丁寧なカウンセリングを行ってくれる美容皮膚科や美容外科などのクリニックを選んでみてください。
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【治療の内容】経結膜脱脂法
【治療期間および回数の目安】通常1回
【費用相場】1回約¥200,000~¥400,000程度 ※各クリニックによって異なります。
【リスク・副作用等】腫れ、痛み、内出血、結膜出血など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと導入しています。
・重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】ヒアルロン酸製剤の注入
【治療期間および回数の目安】約9~12ヶ月に1回程度 ※製剤や部位によって個人差があります
【費用相場】1本 約¥55,000~¥150,000 ※使用する本数には個人差があります。
【リスク・副作用等】赤み、内出血、腫れ、痛み、アレルギー反応、修正位置のずれなど
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
【治療の内容】脂肪注入
【治療期間および回数の目安】通常1回
【費用相場】約¥60,000~¥2,000,000 ※各クリニックによって異なります。
【リスク・副作用等】術後の内出血、浮腫み、硬縮(皮膚のツッパリ感)、疼痛など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。