
二の腕の脂肪吸引に、どれくらいのダウンタイムがあるかは、施術を検討している方にとって気になるポイントの1つではないでしょうか。
施術による効果だけでなく、どのような症状がいつからあらわれるかを知っておくことで不安や心配を減らせます。
この記事では、二の腕脂肪吸引後のダウンタイムに起こる代表的な症状や経過など、治療が完成するまでの流れについて詳しくご紹介します。
「どれくらいで普通の生活に戻れるのだろう?」といった疑問をお持ちの方は、ぜひ目を通してみてください。
二の腕の脂肪吸引後はどんな症状がいつまで続く?

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二の腕の脂肪吸引とは、カニューレと呼ばれる細い管で、皮下脂肪を物理的に吸引除去する施術のことです。
直接脂肪細胞の数を減少できるため、1回の施術で望める効果が高く、リバウンドしにくいのが魅力です。
しかしその一方で、二の腕脂肪吸引は侵襲的な治療であることから、ダウンタイムの負担が大きくなりやすいという特徴もあります。
術後の経過が気になり、中には個人の美容ブログやSNSに記載されているさまざまな体験談を調べた方もいるのではないでしょうか。
もちろん個人差があるため、すべてが自分にも当てはまるわけではありませんが、不安を軽減するには起こりうる症状や経過について、きちんと知っておくことが大切です。
ここでは、二の腕の脂肪吸引後にどのような症状がどれくらい続くのか、その目安を説明します。
■1~3日目|痛み・腫れ・内出血
二の腕の脂肪吸引後にまずあらわれるのが、痛みや腫れ、内出血などです。
とくに麻酔が切れてからの3日間は、筋肉痛のようなズキズキとした鈍い痛みが強く出る傾向があります。
脂肪吸引が痛いのは、施術の際に挿入したカニューレによって周辺の筋肉組織が傷付き、一時的な炎症を起こすことがあるため。
腕を上げたり動かしたりしたときに痛みが出やすいので、術後はなるべく安静に過ごすことが大切です。
また、術後から数日間は、腫れや青紫色の内出血も目立ちます。二の腕は衣服の袖で隠しやすい部位ですが、痛々しい見た目にびっくりされる方も少なくありません。
■4日目~1週間|むくみ・黄色い内出血
術後1週間程度までは、痛みや腫れ、内出血が継続します。
ただしピークは過ぎており、徐々に症状は落ち着いてくる時期です。腕も少しずつ動かせるようになるでしょう。
また、内出血の色味も青紫から黄色へと徐々に変化し、快方へと向かっていくのが分かります。回復が早い場合は、脂肪吸引後1週間程度で目立たなくなることもあるようです。
一方で、むくみが出現するのもこの時期。むくみは、施術の影響で血液やリンパ液が体内に蓄積されることで生じる症状です。
早く治す方法を知りたい方もいるかもしれませんが、必要以上に心配しなくても1~2週間で次第に軽快します。
クリニックによっても異なりますが、術後1週間程度は、症状を和らげるために圧迫固定を指示されることもあります。
■2~3週間|拘縮・痛み
手術から2~3週間が経つ頃には、むくみや内出血がほとんど気にならなくなり、腕の可動域も広がります。日常的な動作もしやすくなり、回復してきたことが感じられるでしょう。
この時期にあらわれやすいのが拘縮です。拘縮とは、脂肪を取り除いたときにできる空洞を、体が自然に修復しようとする過程で起こる現象です。
皮膚が突っ張ったような硬さを感じます。拘縮の影響で患部に痛みを感じることもあります。
■1~3ヶ月|拘縮以外の症状が和らぐ
見た目の変化を実感しやすくなる時期です。術後1ヶ月前後ではむくみが多少残る方もいますが、痛みや内出血、腫れといった拘縮以外の症状は軽くなる傾向にあります。
傷痕も徐々に目立たなくなり、手術前と同じような生活が送れるようになるでしょう。
■3~6ヶ月|完成へ
術後3~6ヶ月が経過する頃には、二の腕脂肪吸引の仕上がりはほぼ完成形に近付きます。
個人差はありますが、むくみや拘縮もほとんど気にならなくなり、スッキリとした細さを実感できる状態です。
仕事復帰できるのはいつ?日常生活への影響と注意点

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二の腕の脂肪吸引にはダウンタイムを伴いますが、仕事はいつから再開できるのでしょうか?ここでは、仕事復帰の目安と日常生活で注意が必要な場面について説明します。
■仕事復帰の目安
仕事内容によって異なりますが、デスクワークの場合は二の腕の脂肪吸引を受けた翌日から仕事復帰が可能です。
ただし、力仕事に従事している方や腕をよく動かすような仕事の場合は要注意です。無理をすることで患部に負担がかかり、回復の遅れにつながる可能性があります。
こういったリスクを避けるためにも、腕の力が必要なお仕事をされている方は、1週間程度の休みを確保しておくのがベターでしょう。
最終的な復帰のタイミングは個々の回復状況や医師の判断によりますが、念のためスケジュールには余裕を持たせておくことをおすすめします。
■日常生活で注意が必要な場面
二の腕の脂肪吸引後は、腕の可動域が狭くなる傾向にあります。そのため、日常生活で困るのは腕を上げるシーンです。とくに、以下のような場面で注意が必要です。
入浴
二の腕脂肪吸引後の入浴は、一般的に抜糸の翌日から可能です。抜糸が行われるのは、大体術後1週間が経つ頃です。
痛みや腫れといった症状は和らぎつつある時期ですが、腕を大きく動かす動作には違和感を覚えることも多く、髪や背中を洗う動作が負担になる可能性があります。
洗い方を工夫したり、家族に協力を依頼したりする必要があるかもしれません。
運動
抜糸が完了するまでは、激しい運動も控えなければなりません。無理に体を動かすと、手術の影響により体調不良を引き起こすリスクが高まるためです。
抜糸の際に医師からOKが出れば運動は再開できます。まずはウォーキングやストレッチなどの軽い運動からスタートし、様子を見ながら少しずつ強度を上げていきましょう。
着替え
腕を上げる動作がつらい間は、着替えが難しいと感じることがあります。とくに背面にボタンやファスナーが付いている衣服は、誰かの助けが必要になることも。
腕に負担がかかりにくく、着脱しやすいゆったりとした衣服を用意しておくと安心です。
また、女性の場合はブラジャーのホックも止めにくくなるため、あらかじめ前ホックのものやカップ付きのキャミソールなどで代用することも選択肢に入れておきましょう。
運転
クリニックによって判断は変わりますが、安全面を考慮すると、二の腕の脂肪吸引後、少なくとも2週間は運転を控えるのが無難でしょう。
足元の操作に影響はありませんが、術後は痛みや拘縮によるつっぱりが二の腕に出ることがあるため、ハンドル操作が困難になる可能性があります。
移動の際は、家族に送り迎えを頼む・公共交通機関を利用するといった対策を事前に検討しておきましょう。
二の腕脂肪吸引後のダウンタイム中に気を付けたい症状

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二の腕脂肪吸引後のダウンタイムにはさまざまな症状があらわれますが、以下のように注意すべき症状もあります。
■患部の赤みや熱感、発熱がある
患部に赤みや熱感がある・発熱しているなどの場合は、蜂窩織炎(ほうかしきえん)になっている可能性があります。
蜂窩織炎は脂肪吸引の合併症の1つで、皮下組織や皮下細胞に入り込んだ細菌が感染症を引き起こす疾患です。治療が必要になることもあるため、速やかにクリニックを受診しましょう。
■息苦しさがある
息苦しさを感じる場合は要注意です。脂肪が血管内に流れ込み、肺が詰まって呼吸不全を起こしている可能性が考えられます。すぐに医師に相談してください。
■しびれがある、または感覚が鈍い
脂肪吸引の際に神経や周辺組織にダメージが加わると、しびれたり感覚が鈍くなったりすることがあります。これは感覚異常と呼ばれるもので、脂肪吸引による副作用の1つです。
時間の経過とともに良くなることもありますが、違和感を覚えた際は放置することなく、医師に相談することをおすすめします。
まとめ
二の腕の脂肪吸引には、ダウンタイムがつきものです。内出血などで見た目に大きな変化があると不安になるかもしれませんが、基本的には完成が近付くにつれて徐々に軽快します。
ただし個人差があるため、回復状況は千差万別。無理をせず、医師の指示を守りながら過ごすことが重要です。
脂肪吸引後はさまざまな症状があらわれ、中には放置してはいけないものもあるため、リスクをきちんと理解しておきましょう。しっかりと準備しておくことが、後悔のない施術へとつながります。
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【治療の内容】脂肪吸引
【治療期間および回数の目安】部位・範囲・脂肪量によって、安全上2~3回に分けて施術を行う場合あり。詳細は各クリニックへご確認ください。
【費用相場】1回約¥200,000~¥500,000程度 ※各クリニックによって異なります。
【リスク・副作用等】痛み、浮腫み、内出血、色素沈着など
【未承認機器・医薬品に関する注意事項について】
・本治療には、国内未承認医薬品または薬事承認された使用目的とは異なる治療が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、各クリニック医師の判断のもと、個人輸入手続きが行われています。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・薬事承認を取得した製品を除き、同一成分や性能を有する他の国内承認医薬品および医療機器はありません。
・諸外国における安全性等に係る情報
-重大なリスクや副作用が明らかになっていない可能性があります。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。