BIANCA CLINIC 美容婦人科指導医 宮本亜希子先生へインタビュー。日本専門医機構認定 産婦人科専門医のキャリアを活かし、2024年4月から「BIANCA CLINIC(ビアンカクリニック)」で美容婦人科指導医を務める宮本先生。保険診療と自由診療の両面で女性の幸せな一生を支え、性にまつわる悩みを相談しやすい医師としても知られています。そんな宮本先生に、自由診療も行うようになった背景やご自身の強み、婦人科美容とご自身の将来的なビジョンなどについて伺いました。
INDEX
ドクターズプロフィール
BIANCA CLINIC(ビアンカクリニック)日本専門医機構認定 産婦人科専門医
宮本 亜希子(みやもと あきこ)先生
周産期や婦人科美容、エイジングケアなど、女性の健康や美しさに関わるさまざまな分野に専門知識を持つ日本専門医機構認定 産婦人科専門医。性教育やHPVワクチンの普及、女性の生活の質向上にも力を注ぐ。さらに、3人の子を持つ母という経験も活かして診療やメディアでの活動を行っている。「BIANCA CLINIC」では膣ヒアルロン酸や婦人科形成手術などを担当。
(経歴) 2006年 兵庫医科大学医学部医学科 卒業、兵庫医科大学病院 初期臨床研修 2008年 兵庫医科大学病院 産科婦人科 入局 2010年 聖霊病院 産婦人科 入職 2013年 あいこ女性クリニック 入職 2018年 藤田病院 産科・婦人科 入職 2021年 名古屋バースクリニック 産婦人科 入職、東京美容外科 婦人科 入職 2022年 東京美容外科グループ Pillクリニック 入職 2023年 スワンクリニック銀座 入職、女性医療クリニックLUNA 入職 2024年 BIANCA CLINIC入職 (資格) 日本専門医機構認定 産婦人科専門医 日本女性心身医学会認定 更年期指導士 AVプロダクションMine’S(マインズ) 専属顧問医師 Medytox社Neuramis®認定 腟ヒアルロン注入指導医(KOL) (所属学会) 日本産婦人科学会 日本美容外科学会(JSAS) 日本性科学学会 日本女性心身医学会 日本女性骨盤底医学会 日本生殖医学会 |
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医師としての背景 ~自身の大腸がんがきっかけで自由診療も行う産婦人科医へ~
―――産婦人科医になった経緯と産婦人科医であり続ける理由をお聞かせください。
研修医を終えて以来、ずっと私は産婦人科医をしています。もともとは「自分には内科よりも外科が合っている」と感じ、整形外科や消化器外科などを検討していました。しかし研修医だった当時、仲が良かった女性の先輩医師から「外科で女性医師の方が喜ばれるのは婦人科だよ」と言われたことをきっかけに、産婦人科を選びました。
実際に自分自身が出産した際、寝ても覚めても赤ちゃんの育児に奮闘する同じ産院のお母さんたちに心を打たれました。そのとき、「同じ女性だからこそ分かち合える苦しみや困りごとがある。女性の力になりたいから今後も産婦人科医を続けよう」と思ったのです。
―――産婦人科医として美容医療にも取り組むようになった経緯を教えてください。
産婦人科医として働く中で、大腸がんを患い『自分の人生は有限なのだ。命には限りがあるからこそ、やりたいことをやらなければ』と悟ったことがきっかけです。病気が発覚するまでは不妊治療の分野に取り組んでいたのですが、自分が本当にやりたいことを見つめ直した結果、以前から興味のあった美容医療の道に進むことを決意。『保険診療と自由診療の両方ができる産婦人科医ならば、いろいろな悩みにアプローチできて女性の一生を支えられる』という想いで、フェムゾーン*のケアができる自由診療にも取り組むようになりました。
*フェムゾーン…膣や外陰部などの女性器まわりで、「デリケートゾーン」を言い換えたもの。
フェムケアの課題と解決策 ~婦人科美容は女性を熟知する産婦人科医が導く分野~
―――日本のフェムケア*やフェムテック*について問題視していることはありますか?
医師免許を持たない方がフェムケアを行い、効果があまりないにも関わらず高額な施術料を請求されたり、膣ハイフ*で健康被害を被ったりという事例があります。私たち産婦人科医は被害に遭った患者様の最終的な受け皿となり治療を行いますが、非常に遺憾です。
また、医師免許のない方がエビデンスも確認せずに患者様へ無責任な断定発言をすることにも憤りを感じます。これまでにもフェムケアやフェムテックのサロンで、エコー画像を見てないにも関わらず「筋腫がある」と言われたり、体内の深部にあり生きている人間であれば冷えるはずがない臓器であるのに「子宮が冷えている」などと言われたりした患者様をたくさん診察しました。
私個人としては、医師免許の有無で住み分ければ良いと考えています。サロンでは癒やし目的のオイルマッサージを提供し、楽しくお話をするというイメージです。私たち産婦人科医が専門知識を情報発信して、サロンの方がきちんと学べる機会を提供する必要もあるでしょう。
*フェムケア…「Feminine(女性の)」と「Care(ケア)」を組み合わせた造語。女性の健康に対する課題の解決を目的としたさまざまな製品やサービス全般を指す。
*フェムテック…「Female(女性)」と「Technology(技術)」を組み合わせた造語。女性特有の健康に対する課題をテクノロジーで解決する製品やサービス、活動などを指す。
*膣ハイフ…ハイフ(高密度焦点式超音波治療法)により膣を縮小させる治療法のこと。膣内に器具を挿入して超音波による熱エネルギーを照射することで、膣を引き締めて弾力性を与える。
―――日本の美容医療業界における現状の課題は何でしょうか?
母体、胎児、新生児の命を預かる産婦人科では、エビデンスのないことを行う文化はありません。一方、美容医療業界はエビデンスがまだ整っていない新しい治療法を、良くも悪くもクリニックやドクター間で先を争うかのように取り入れる文化があります。
そのため、残念なことに健康被害や金銭被害が起きてしまった事例も報告されています。例えば、膣ヒアルロン酸注入で人工肛門になってしまった患者様や、膣レーザーで効果の出ない打ち方をされたのに高額な施術費用を支払わされた患者様もいるのです。
そのような業界の課題に気づき、私を「BIANCA CLINIC」に誘ってくださったのが理事長の堀田先生です。『女性器の外側は美容外科医も上手に縫えるけれど、膣や子宮などは産婦人科医がプロだよね』という堀田先生のお考えには心から賛同します。日本専門医機構認定 産婦人科専門医であり女性の体を熟知する者として、真の婦人科美容を患者様に提供することが私の使命だと考えています。
*膣ヒアルロン酸注入…膣壁にヒアルロン酸を注入し、加齢により緩んでしまった膣を引き締めて膣壁にハリを与える治療法
*膣レーザー…膣粘膜にレーザーを照射することで、コラーゲンの生成を促進し膣を引き締める治療法
BIANCA CLINICで働く魅力 ~患者様に刺さるSNS発信と、理想を形にできる力~
―――先生が「BIANCA CLINIC」に入職した経緯を教えてください。
理事長の堀田先生が、私が某勉強会で行った膣ヒアルロン酸注入の発表を聴いてくださっていたんです。その後、食事会やお仕事を共にしながらお話を重ねる中で、堀田先生は『思考スピードが速く、良いことを即行動に移せる方』だと感じました。そのため、堀田先生から「BIANCA CLINIC」の一員としてお誘いいただいたときは、純粋に面白そうだと思って入職を決めました。
―――「BIANCA CLINIC」の「ここがすごい!」と感じるところはどこですか?
年齢に伴うホルモン量の影響を受けやすい膣や子宮などの女性器については、やはり産婦人科や女性泌尿器科のドクターが詳しいでしょう。ただ、保険診療出身のドクターは情報発信に慣れていないため、正しい情報を発信したくても患者様にうまく伝わりにくいのです。
その点、「BIANCA CLINIC」はSNSをはじめとする情報発信が非常に上手。先日も複数の患者様に『産婦人科の先生に施術してもらいたくて「BIANCA CLINIC」に決めました』と言っていただき、発信する情報が患者様の心に刺さっていることを実感しました。患者様が正しい情報をキャッチして適切な医療につながることこそ、まさに私が目指していたことです。
また、理事長の堀田先生が、「BIANCA CLINIC」の企業理念にもある『患者様の人生を豊かに、ビアンカに行けば笑顔になれる』を率先して体現していることも素晴らしいと感じています。で膣の健康に関わるホルモン治療を行うにあたり、超音波エコー検査や子宮がん検診が必要なことを堀田先生にお伝えしたところ、翌週には超音波の機器が納品されていて。「BIANCA CLINIC」に在籍する医師が目指す医療のために、惜しみない設備投資をしてくれる懐の深さには驚かされました。
宮本先生の強み ~相談しやすい医師と正しいフェミニストであり続けたい~
―――先生は話しやすい医師として有名ですが、その理由はなぜだと思いますか?
私が診察時のカウンセリングで唯一意識しているのは、患者様の話を否定しないこと。他人に打ち明けにくい性の悩みを話そうとせっかく来院したのに、医師に否定されたら患者様も話す気が失せますよね。診察で性にまつわる相談を受ける側は、犯罪が関わる場合を除いて背中を押す役割があるとも考えています。
また、患者様の発言で気になるポイントがあっても、身構えたり閉口したりしないよう最初から話を掘り下げることはしません。そのため、私の診察では『医師にじっくり悩みを聞いてもらえた』という満足感を患者様に提供できているのかなと思います。
―――診療以外でも先生ご自身が心掛けていることはありますか?
私はAVプロダクションの専属顧問医師として女優さんのサポートもしているのですが、あるAV監督さんに『あっこ先生(※宮本先生の愛称)は正しいフェミニストだ』と言われたことがあります。正しいフェミニストというのは、何につけても男女平等と声高に叫んだり、自分の劣等感や過去のトラウマなどによる不満を社会にぶつけたりしない人のことだと考えます。
正しいフェミニストよりも、声の大きい曲がったフェミニストの方が相対的に目立つもの。世間の見方がフェミニスト≒面倒くさい人物となってしまうことは非常に残念です。そこで、曲がったフェミニズムに誘導されない取り組みを行い続けたいと考えています。
セックスは1人ではできないからこそ、性別関係なくみんなでフェムケアやフェムテックのことを考えて取り組むことが大切です。私はこれからもさまざまな考え方をオープンに受け止めてごく普通にコメントを返しながら、正しいフェミニストであり続けたいと思っています。
美容医療業界と宮本先生自身の今後の展望 ~女性の一生涯に渡る幸せに貢献したい~
―――婦人科美容や健康医療が目指すべき方向について考えをお聞かせください。
真のフェムテック医療とは、必要な女性に、適切な婦人科医療を届けることだと思っています。その内容は人それぞれですが、名古屋の「街角保健室」やスウェーデンの「ユースクリニック」のような、若い世代を望まない妊娠や性病から守り、必要であれば適切な医療につなげる取り組みを本気で行いたいと考えています。
また、日本のジェンダー・ギャップ指数*が世界に比べて低いことも気がかりです。日本では男女の格差が大きく、男尊女卑の傾向もまだまだ残っています。「女性に性欲があってはならない」といった偏見を打破するような医療的アプローチも必要ではないでしょうか。
*ジェンダー・ギャップ指数…『世界経済フォーラム』が公表している世界各国における男女格差を測る指数のこと。2024年の指数では日本は146ヶ国中118位で、先進国の中でも非常に低いレベル。
―――先生ご自身が思い描く、産婦人科専門医としてのビジョンは何でしょうか?
街角保健室で実際に相談を受けている知り合いの女医さんから、『性成熟期を迎える前に無理なセックスを繰り返して膣が緩んでしまった子たちがいる。その子たちを叱らずに話を聞いてあげて、性の喜びを教えてあげてほしい』と言われました。
女性の心身の専門家である産婦人科医が性の喜びに関する真実を伝えることは本当に必要ですよね。若い世代だけでなく更年期以降の方も含め、女性が一生涯に渡り女性であることを心から楽しめるように保険診療や自由診療を駆使したフェムテックでサポートしたいです。
読者や患者様へ向けて伝えたいメッセージ ~女性であることを一生楽しもう~
日本では女性が性の話をしにくく、男性が女性を性的に消費する雰囲気が今もなお残っています。しかし、性は特別なことではなく、女性にも性欲があり性に対して積極的になりたいときがあるのはごく自然なこと。人間も動物も性によって種が保存されてきたのですから。
女性が幸せになるためには、自分たちの体をもっと知ろうと意識すべきだと思います。「感度を上げてナイトライフを充実させたい」、「出産で広がった膣の締まりを良くしたい」、「尿漏れが気になる」などといったお悩みがあれば、クリニックで気軽に相談していただきたいです。
せっかく女性に生まれてきたので、女性であることを一生楽しみましょう。フェムケアやフェムテックは女性だけのものではありません。そしてゆくゆくはフェムテックやフェムケアのみならず、男性も女性もLGBTQ+の方々も皆が自分の性と向き合い、楽しく幸せな毎日が送れる世界になるよう、これからも日本専門医機構認定 産婦人科専門医としてのキャリアを生かして貢献し続けていきたいと思います。
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【治療の内容】
膣ヒアルロン酸注入
【治療回数の目安】
1回
【費用】
膣ヒアルロン酸注入 〜10cc 165,000円
膣ヒアルロン酸注入 〜20cc 320,000円
Gショット(感度UP) 165,000円
※注入量の上限は20ccまで
【リスク・副作用等】
・血管閉塞、尿道閉塞、感染、腟ヒアルロン酸脱・瘤、腫れ、痛み、内出血など
【注意事項】
・ヒアルロン酸注入後、1週間ほど性行為はお控えください。
【未承認医薬品等】
・膣ヒアルロン酸注入は、国内未承認医薬品または医療機器を用いた施術が含まれます。
・治療に用いる医薬品および医療機器は、医師の判断のもと、個人輸入しております。個人輸入における注意すべき医薬品等に関する情報は、下記をご参考ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/purchase/index.html
・同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。