「大人の髪悩み」とは?若い頃の髪質改善とは似て非なる「髪のエイジングケア」の最適解を解説

「大人の髪悩み」とは?若い頃の髪質改善とは似て非なる「髪のエイジングケア」の最適解を解説

肌が老化するように、髪にも加齢による変化が起こります。とくに40代以降では「トップのボリュームがなくなった」「髪がパサついてヘアスタイルが決まらない」といった髪悩みを持っている方が少なくありません。そこでこちらの記事では、加齢による髪質変化への対策としてエイジングケアの最適解を解説!いつまでも若々しい印象を保てるよう、自分に合った方法を取り入れてみてください。

1.大人の髪悩みとは?加齢に伴う3つの変化とその原因

髪質の変化を感じる年齢には個人差がありますが、一般的には40代以降の多くが若い頃とは違う髪悩みを抱えています。ここではまず、加齢によって髪質にどのような変化が起きるのか見ていきましょう。

ボリュームの減少

年齢を重ねると、髪が細くなりボリュームがなくなります。40代以降の女性に薄毛や抜け毛が起こるのは、乾燥や女性ホルモンの減少が要因です。
頭皮の乾燥は皮膚を硬くさせ、血行不良を引き起こします。血流が悪くなるということは、毛根に十分な栄養や酸素が行き届かなくなるということ。結果、髪が成長できなくなり、薄毛や抜け毛につながるというわけです。
また、女性ホルモンも髪の健康に深く関与しています。これは、エストロゲンという女性ホルモンの一種が発毛や育毛を促すため。しかしエストロゲンは、閉経が近づくにつれて分泌量が低下することが分かっています。そのため、更年期を迎える45歳前後は、女性が薄毛や抜け毛を感じやすい時期。分け目やつむじの辺りから、徐々に地肌が目立ち始める方もいるでしょう。

ツヤやハリの低下

コラーゲンやエラスチンは、髪の健康状態を維持してくれる成分。髪にツヤやハリ、弾力を与える働きを持ちます。コラーゲンやエラスチンは線維芽細胞の働きによって生み出されていますが、年齢を重ねるごとに生産量が減少。髪の健康が徐々に損なわれていき、ツヤやハリを低下させるほか、パサつきやくすみなどを引き起こすこともあります。

白髪の増加

髪の色は、髪が成長の過程でメラニン色素を内部に取り込むことにより、黒色に着色されています。しかし、加齢とともにメラニン色素を作る細胞の働きが鈍化。すべての髪の毛を黒く着色できるほどの十分なメラニン色素が作れなくなり、白髪が生える原因になります。白髪を引き起こす原因は加齢だけではありませんが、白髪が多いほど実年齢より老けて見えるのは間違いないでしょう。若々しい印象を保つには、白髪染めなどでの対策が不可欠です。

2.大人の髪質変化にはどう対応するべき?根本原因へのアプローチ法

若い頃は、パーマやカラーなどによるヘアダメージを、シャンプーやトリートメントで外部から補修するケアが中心だったかもしれません。しかし、大人の髪悩みを引き起こす原因の多くは、女性ホルモンや代謝の変化によるもの。40代以降の髪悩みは、外部からのアプローチだけでは十分な改善効果が見込めなくなってきています。では、大人の髪質変化に対応するには、どのようにアプローチすると良いのでしょうか?

生活習慣の改善

実は、髪のエイジングケアは生活習慣の改善が基本。ライフスタイルを見直すことで髪の健康状態は大きく変わります。

食事

髪は主にタンパク質でできています。そのため、大豆や乳製品、赤身の肉など良質なタンパク質の摂取が髪の健康維持には欠かせません。また、美しい髪を維持するアミノ酸やリジン、アルギニン、髪の発育をサポートする海藻類、血行を良くするビタミン、コラーゲンが含まれる長芋や納豆なども積極的に摂り入れたい食品です。一方で、脂質やコレステロールを多く含む食品はNG。皮脂によって頭皮の毛穴が詰まりやすくなります。

睡眠とストレス管理

睡眠不足や過剰なストレスはホルモンバランスの乱れへとつながり、頭皮の血行不良を引き起こします。結果として抜け毛や薄毛、白髪の原因となるため、髪のエイジングケアには十分な睡眠時間を確保してストレスの少ない生活を送ることが大切です。また、睡眠中に分泌する成長ホルモンには、健康で美しい髪を保つ働きがあります。成長ホルモンは入眠直後の眠りが深いタイミングで分泌が活発に。寝入りばなからぐっすりと眠れるよう、睡眠環境を見直してみましょう。

適度な運動

適度な運動は、髪のハリやコシを強くします。これは、運動で全身の血流を良くすることが頭皮の血流促進にもつながるためです。中でもジョギングやスイミングのような有酸素運動が、抜け毛予防に効果的。徒歩や自転車で移動する、エレベーターやエスカレーターの代わりに階段を使う、早歩きを心がけるなど、日常生活で無理なくできる運動を心がけましょう。

健康な髪を育む頭皮マッサージ

健康な頭皮には、ハリやコシのある丈夫な髪が育ちます。頭皮の健康を保つには、頭皮マッサージが有用。頭皮をほぐすことで血流が促され、毛根に栄養や酸素が届きやすくなるためです。頭皮マッサージは、朝のヘアセットやシャンプーのついでなど、習慣化しやすいタイミングに行うだけでOK。頭皮が乾燥気味の方は、ローションや頭皮専用美容液を使ってうるおいを与えながらマッサージするのも良いでしょう。基本的な頭皮マッサージの手順は以下のとおりです。

➀こめかみから頭頂部までを、手のひらでぐるぐると回しながら頭皮をほぐします。

②髪の生え際から後頭部に向かって、指の腹で押すように頭皮をもみほぐします。

頭の皮膚や筋肉は顔とつながっているため、頭皮マッサージで血行を促すことは顔のたるみやむくみの解消にも効果が期待できます。しかし、力まかせに強く押したり痛みを感じるほどやりすぎたりするのは、かえってダメージを与える原因に。気持ち良いと感じる程度の力でもみほぐすのがポイントです。

3.美容院でできるエイジングケア

美容師は、髪悩みに応える髪のプロ。そのため当然美容院でも、髪の健康維持に欠かせないエイジングケアメニューが用意されています。
例えば美容院で行うスカルプケアは、専用のシャンプーを使って頭皮のコンディションを整える施術です。汚れや皮脂詰まりが解消されるため、頭皮へ送られる血流量がアップ。栄養が毛根に行き渡ることで、髪にハリやコシが生まれます。
スカルプケアのメニューにはヘッドスパが併用されることも多く、一緒に受ければ相乗効果によりさらに頭皮のめぐりが改善。スカルプケアやヘッドスパはエイジングケアに適したメニューとして、髪質変化で悩む大人の女性から注目されています
美容院では薄毛そのものを根本解決することはできませんが、エイジングケアメニューと並行してパーマなどの施術で髪のボリュームを出せれば、若々しい印象を与えることもできるでしょう。

4.美容クリニックでできるエイジングケア

美容クリニックでは、内服や外用薬の処方のほかに再生医療を用いた薄毛治療が行われています。

内服薬(パントガール)

パントガールは、ドイツの製薬会社が開発した薄毛治療薬。パントテン酸カルシウムやケラチン、シスチンなどが含まれており、頭皮環境を整えることで毛髪の成長を刺激する効果が期待できます。また、ケラチンは抜け毛だけでなく、白髪にも良い効果を与える栄養素。薄毛を治療しながら、ハリやコシのある黒々とした髪へと導きます。パントガールは医師の処方のもとで内服できる薬ですが、サプリメントに近い設計で長期的な服用が認められています。6~12ヶ月ほど服用を続ければ、発毛・育毛効果を実感できるでしょう。

外用薬(ミノキシジル)

ミノキシジルは、ヘアサイクルを整える外用薬。具体的には毛母細胞を刺激することで細胞分裂を活発化させ、発毛や育毛をサポートします。血管拡張作用があることからもともとは血圧降下剤として用いられていましたが、副作用に多毛の症状が見られたことで薄毛治療薬として転用されるようになりました。
ミノキシジルを使用すると、初期脱毛として一時的に抜け毛が増えることがありますが、これはヘアサイクルが整う過程で起こる現象です。医師の処方のもとで用法・用量を守って使用していれば、そこまで心配する必要はありません。
なお、ミノキシジルには外用薬のほかに内服薬もありますが、厚生労働省に治療効果が認められているのは外用薬のみです

エクソソーム療法(メソセラピーなどによる注入方法)

エクソソームとは、幹細胞から放出されるカプセル状の物質。細胞間の情報を伝達するほか、炎症を抑えたり組織を修復したりする役割を担っています。
エクソソーム療法は、幹細胞由来のエクソソームを頭皮に注入することで発毛に関与する細胞の再生や修復を促し、毛髪が育ちやすい環境を整える治療法です。そのほか、エクソソームには毛母細胞の細胞分裂を促す効果も。毛髪は細胞分裂を繰り返すことで作られるため、エクソソームを頭皮に注入すれば、ハリやコシのある丈夫な毛髪が生まれやすくなります。
このようにエクソソーム療法は、健康や美容の面でさまざまなエイジングケア効果をもたらすことが分かっており、再生医療の分野で高い関心が寄せられています。

浄化濃縮幹細胞培養上清液療法(メソセラピーなどによる注入方法)

浄化濃縮幹細胞培養上清液は、幹細胞を培養する過程で抽出される上澄み液のこと。幹細胞の培養過程では、成長因子をはじめ、免疫調整因子や神経再生因子といった細胞の再生を促す成分が多く放出されています。これらの液状因子を活用し衰えた細胞の活性化を促す治療が、浄化濃縮幹細胞培養上清液療法です。浄化濃縮幹細胞培養上清液を頭皮に注入すると、再生因子が毛母幹細胞に働きかけ、発毛や育毛を促進。髪にツヤやハリ、ボリュームを生む効果が期待できます。

▽エクソソームや幹細胞培養について深掘りした記事はこちら

まとめ

髪は見た目の印象を大きく左右する重要な要素だからこそ、若々しい印象を保つうえではきちんとお手入れしておきたいもの。食事や睡眠、運動などのライフスタイルを見直すことが基本的なエイジングケアではありますが、より美しい状態をキープするには、外側と内側の両方からアプローチすることがポイントです。スカルプケアやヘッドスパといった美容院で日常的にできるケアを取り入れつつ、髪の健康を根本から取り戻すための対策として美容クリニックでの治療を検討してみてください。髪悩みが解消すれば、これまで以上に美しく健康的に年を重ねることができるはずです。

▽この記事を読んだあなたにおすすめの関連記事

・当サイトは、美容医療の一般的な知識をできるだけ中立的な立場から掲載しています。自己判断を促す情報ではないことを、あらかじめご了承ください。また、治療に関する詳細は必ずクリニック公式ホームページを確認し、各医療機関にご相談ください。
・本記事は、執筆・掲載日時点の情報を参考にしています。最新の情報は、公式ホームページよりご確認ください。
・化粧品やマッサージなどが記載されている場合、医師監修範囲には含まれません。

RECOMMEND おすすめの記事

エンライトンの効果や特徴とは?肝斑にも施術OK?

2024.12.13

ヒアルロン酸入れすぎのリスクとは?後悔しないためにできること

2024.06.30

妊娠線は胸にもできるの?予防法とできてしまった場合の対処法を徹底解説

2025.01.03

ハイドラフェイシャルはメンズの肌にも効果あり?特徴を徹底解説

2024.12.17

シミ取りレーザーできない人はいる?気になるシミとの向き合い方とは

2024.10.20

「2024年最新美容医療バトル!サーマジェン vs. サーマクール vs. ボルニューマ vs. デンシティ」高周波治療の基本のキ!読者の体験談を調査実際に治療を体験した方の声までをまとめました

2024.12.05

ボトックス注射の失敗はリカバリーできる?後悔しないための6つのポイント

2024.06.08

肝斑は自然に消えるわけではない?原因と効果的な対処法とは

2024.01.30

エンライトンの効果や特徴とは?肝斑にも施術OK?

2024.12.13

ヒアルロン酸入れすぎのリスクとは?後悔しないためにできること

2024.06.30

妊娠線は胸にもできるの?予防法とできてしまった場合の対処法を徹底解説

2025.01.03

ハイドラフェイシャルはメンズの肌にも効果あり?特徴を徹底解説

2024.12.17

シミ取りレーザーできない人はいる?気になるシミとの向き合い方とは

2024.10.20

「2024年最新美容医療バトル!サーマジェン vs. サーマクール vs. ボルニューマ vs. デンシティ」高周波治療の基本のキ!読者の体験談を調査実際に治療を体験した方の声までをまとめました

2024.12.05

ボトックス注射の失敗はリカバリーできる?後悔しないための6つのポイント

2024.06.08

肝斑は自然に消えるわけではない?原因と効果的な対処法とは

2024.01.30

エンライトンの効果や特徴とは?肝斑にも施術OK?

2024.12.13

ヒアルロン酸入れすぎのリスクとは?後悔しないためにできること

2024.06.30

妊娠線は胸にもできるの?予防法とできてしまった場合の対処法を徹底解説

2025.01.03

ハイドラフェイシャルはメンズの肌にも効果あり?特徴を徹底解説

2024.12.17

シミ取りレーザーできない人はいる?気になるシミとの向き合い方とは

2024.10.20

「2024年最新美容医療バトル!サーマジェン vs. サーマクール vs. ボルニューマ vs. デンシティ」高周波治療の基本のキ!読者の体験談を調査実際に治療を体験した方の声までをまとめました

2024.12.05

ボトックス注射の失敗はリカバリーできる?後悔しないための6つのポイント

2024.06.08

肝斑は自然に消えるわけではない?原因と効果的な対処法とは

2024.01.30

CATEGORY カテゴリーから探す

特集記事 美容皮膚科 美容婦人科 美容内科 美容外科 再生医療 男性美容 アートメイク インタビュー クリニック ドクターズコスメ

KEYWORD キーワード

# ヒアル # PR # 鼻 # 形成外科 # 審美歯科 # 再生医療 # 美容外科 # 美容内科 # 美容婦人科 # 美容皮膚科 # 学会関連 # 美肌・美白

VIEW ALL