肌悩みの改善をサポートする美容内服。美容クリニックなどで処方してもらい、活用している方もいるでしょう。しかし、美容内服の効果が実感できない、本当に効いているのか分からないといったこともよくあります。また、美容内服の効果が不透明で、興味はあるけれどなかなか自身に取り入れることができずにいる方もいるでしょう。そこで今回は、美容内服に効果がないといわれる理由や、効果的に摂取するポイントなどを解説します。
1.そもそも美容内服とは?
美容内服とは、シミやそばかす、毛穴詰まりやニキビといった肌悩みに対して、体の内側からアプローチする薬です。医学的に肌改善の効果が認められている内服薬のことを指し、医薬品のためクリニックなどで医師の診断を受けて処方されるのが基本。普段の食事からでは摂取できない栄養を補うといった目的でも活用されます。
代表的な美容内服には、シミ・色素沈着にアプローチするトラネキサム酸や肌状態を整えるアスコルビン酸・パントテン酸カルシウム、肌の新陳代謝をサポートするL-システインなどが代表的です。他にも、ニキビや皮膚の炎症を軽減する効果が期待できるリボフラビン・ピリドキシン塩酸塩や、血流改善などに役立つトコフェロール酢酸エステルなどもあります。
美容内服は、数種類の薬剤を併用したり、美容クリニックでレーザーなどの施術と合わせたりして使用されることもよくあるケース。肌状態や自身が抱えている悩み、予算といった点を考慮しつつ、医師の指導のもと取り入れるのが一般的です。
2.美容内服に効果がないとされるのはなぜ?
美容内服は効果ないといわれることがあります。それはなぜなのか、考えられる理由をご紹介しましょう。
■効果を実感するまでに時間が必要
美容内服は、服用を開始してすぐに効果が実感できるケースはほとんどありません。一般的に医薬品の服用によって効果を感じるには、薬に含まれている成分の血中濃度を上げる必要があるとされています。つまり美容内服では、血中濃度をある程度上げるには時間がかかるため、即効性はないのです。
それではいつから効果を発揮することが多いのでしょうか。それは、個人差がありますが、およそ1~3ヶ月程度かかると考えられています。美容内服の効果が現れる前に服用をやめてしまうことで、あまり効果が感じられないと思うこともよくあるケース。一定期間は飲み続けましょう。
■生活習慣が乱れている
生活習慣が乱れていると、肌のターンオーバーの周期が崩れ、美容内服の効果を実感しづらいことがあります。睡眠不足や偏った食生活などを続けていると、ターンオーバーを乱して薬の効果を妨げてしまう可能性があるのです。また、不規則な生活は腸の働きを弱くし、美容内服の吸収を阻害してしまうことも。
このように、生活習慣の乱れは、美容内服の効果を低下させてしまう引き金となりうるため、注意が必要です。他にも、過剰に喫煙や飲酒をすることで、美容内服の働きが弱くなり、効果がないと感じてしまうケースもあります。なかなか美容内服による変化が実感できないと感じている方は、今一度これまでの生活を振り返って、習慣を改めましょう。
■個人差がある
個々によって体調や体質、肌質などに違いがあるように、美容内服の効果にも個人差があります。そのため、薬が体質や肌質にマッチしていない場合は、より変化を実感しにくいことも。
また、満足度の基準は人それぞれです。少しの変化で満足する方もいれば、劇的な変化を望んでいる方もいるでしょう。そのため、もしも劇的な変化を望んだ方が少しの変化しか感じられなかった場合、効果がないと判断してしまいがちです。ただし、実際に服用を開始しないことには、どの程度の変化が現れるかは断定できません。そのため、自身の肌悩みと一緒に肌質や体質についても医師に伝え、適切な薬を処方してもらいましょう。
3.美容内服を効果的に摂取するためのポイント
せっかくお金と時間を費やして美容内服を取り入れるなら「効果がない……」と思ってしまうことは避けたいもの。そこでここからは、美容内服を効果的に摂取するためのポイントについて解説しましょう。
■継続することが大切
美容内服の服用による効果が実感できるまでには、ある程度時間が必要であるため継続することが大切です。ただ、トラネキサム酸やアスコルビン酸・パントテン酸カルシウムなど、さまざまな薬があり「飲み続けて大丈夫?」と思うこともあるでしょう。また、効果を感じられない不安から、途中で服用をやめてしまうことも。そんな不安を払拭して理想の肌を目指すには、医師の指示に従い、用法容量を守って服用することが大切です。医師の指示を無視し、正しく服用しなかった場合、健康に悪影響を及ぼす可能性も考えられます。
美容内服の効果は、永久的に続くわけではありません。そのため、服用をやめたら肌が元の状態に戻る可能性があります。肌状態が整ったタイミングで服用を終了する場合もありますが、飲み続けるかどうかは医師と相談して決めるようにしてください。
■肌悩みにマッチした処方を受ける
美容内服は、なんでもいいから飲んでいれば良いという考えはタブー。個々の肌悩みにマッチした薬を医師に処方してもらい、適切な治療を行うことが大切です。そのため、カウンセリングや診察時には、明確に自分の悩みを医師に伝えることも覚えておきたいポイント。
服用の途中で肌悩みが変わった、肌の調子が悪くなったなどがあれば、速やかにクリニックを受診しましょう。複数の肌悩みがある場合も、その状況に合わせた薬が処方してもらえるはずです。また、なかなか効果を感じられない場合も、一度医師に相談してみると良いでしょう。原因が分かるかもしれません。
■生活習慣の乱れを改善する
生活習慣の乱れは、さまざまな影響を及ぼします。例えば、栄養が偏った食生活を続けていると、美容内服を服用していたとしても効果が感じられにくいため、内服薬がなかなか効かないと思い込んでしまいがち。栄養バランスが整うことで、腸の働きや肌のターンオーバーが滞りにくくなるはずです。また、十分な睡眠を意識することも肌にとって大切です。
健やかな肌を維持するためには、十分な睡眠時間の確保やビタミンをメインにした食生活を意識しましょう。また、美容内服に含まれている成分の働きを低下させる可能性がある過度な飲酒や喫煙も、避けるのが基本です。
4.美容内服の注意点
美容内服を正しく服用してより効率的に効果が実感できるよう、注意したい点についてご紹介しましょう。
■副作用に注意
美容内服として処方される薬は医薬品であるため、人によっては副作用が現れる場合もあります。薬の種類によっても異なりますが、トコフェロール酢酸エステルの場合は下痢や便秘、アスコルビン酸・パントテン酸カルシウムの場合は胃の不快感などが代表的な副作用の症状です。処方された薬を飲んだ際に、薬効とは関係のない症状が現れた場合は、迷わずに医師に相談してみてください。体調が悪いまま服用を続けるのは避けましょう。また、どのようなリスクがあるか、飲み始める前に医師に確認しておくと、万が一に備えることができます。
■他の薬との飲み合わせに注意
他の薬を飲んでいる場合には、美容内服との飲み合わせに注意が必要です。現在飲んでいる薬がある方は、美容内服を処方してもらう際に必ず医師に詳細を伝えましょう。美白に導くトラネキサム酸は脳血栓や心筋梗塞などの病気がある場合、飲むのを控えた方が良いとされる薬です。このように、体調によって飲めない薬もあるため注意しましょう。
■保険適用外
美容内服は、自由診療に該当するため保険適用外です。保険を適用するには、疾患の治療であることが前提。そのため、シミやくすみなどの改善を目指しているといった美容目的の場合は適用されないのです。ただし、美容内服は1錠数百円のものも多く、比較的安価で処方してもらうことができます。予算を決めるなどして、無理のない範囲で始められるよう、医師と相談することも大切です。
まとめ
美容内服は効果がないといわれることもありますが、継続して飲む、食生活に気を付けるといったことでより効果的に作用し、理想の肌を目指すことができます。肌悩みや肌質、体質などを明確に医師に伝え、自身にマッチした薬を取り入れることも大切です。副作用や他の薬との飲み合わせに注意しつつ、正しく美容内服を生活に取り入れて、健やかな肌を目指しましょう。
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